JPH06109913A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

カラーフィルターの製造方法

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JPH06109913A
JPH06109913A JP26163692A JP26163692A JPH06109913A JP H06109913 A JPH06109913 A JP H06109913A JP 26163692 A JP26163692 A JP 26163692A JP 26163692 A JP26163692 A JP 26163692A JP H06109913 A JPH06109913 A JP H06109913A
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color
color filter
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JP26163692A
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English (en)
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Kenzo Fukuyoshi
健蔵 福吉
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分光特性を精度良く管理できる生産性良好な
カラーフィルターの製造方法を提供すること。 【構成】 ガラス基板1上の画素部位に着色顔料の含有
率が高い印刷インキから順次印刷して赤色パターンの印
刷膜(R)、緑色パターンの印刷膜(G)、及び、青色
パターンの印刷膜(B)を形成する。この場合、各印刷
膜の互いに隣接する端部同志が10μmの幅で重なるよ
うに印刷する。そして、加熱硬膜化処理を施して各印刷
膜で構成された色フィルター層を有するカラーフィルタ
ーが得られる。このとき、着色顔料の含有率が高い印刷
インキから順次印刷しており、三色印刷後の加熱硬膜化
処理による各印刷膜の膜厚変化量と、各印刷膜の印刷中
における抜き取り検査の際の膜厚変化量とを略同一に調
整できるため、上記抜き取り検査の測定結果に基づき製
造するカラーフィルターの各色フィルター層についてそ
の膜厚及び分光特性を正確に予測することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着色顔料と樹脂とを主
成分とする各色別の印刷インキを用いてカラーフィルタ
ーを製造する方法に係り、特に、その分光特性を精度良
く管理できる生産性良好なカラーフィルターの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーディスプレィ、カラービデオカメ
ラ、カラー入出力装置等の液晶ディスプレィや固体撮像
素子等に適用されるカラーフィルターは、ガラス等透明
基板上の各画素部位に設けられ透過光を複数の色彩(通
常、赤色R、緑色G及び青色Bの三色)に着色する色フ
ィルター層を備え、この色フィルター層の作用により着
色された各色別の透過光にてカラー画像を構成させるも
のである。
【0003】ところで、このカラーフィルターを製造す
る従来法としては、例えば、染色法、印刷法、電着法、
光架橋性着色ワニスを使用する顔料分散法、及び、光重
合性着色ワニスを使用する顔料分散法等様々な方法が知
られている。
【0004】これらの製造方法のうち、上記印刷法は他
の製造方法と較べて工程が簡単で生産性が高いこと、安
価に製造できること等の利点を有しており、例えば、赤
色、緑色、青色の色フィルター層が設けられたカラーフ
ィルターの場合には以下のような工程を経て製造されて
いる。
【0005】まず、ガラス基板等透明基板上の青色の画
素部位に青色顔料と樹脂とを主成分とする青色印刷イン
キを用い印刷して青色印刷膜を形成し、次いで、緑色の
印刷インキを用い緑色の画素部位に印刷して緑色印刷膜
を形成する。この場合、緑色印刷膜はその端部とこれに
隣接する青色印刷膜の端部とが重なるように印刷する。
次に、赤色の印刷インキを用いて赤色の画素部位にその
端部とこれに隣接する青色印刷膜と緑色印刷膜の端部と
が重なるように印刷して赤色印刷膜を形成した後、これ
等印刷膜を加熱し流動化させて表面を平坦にすると共に
硬膜化させて各画素部位に各色別の色フィルター層が形
成された上記カラーフィルターを製造していた。
【0006】ところで、上記色フィルター層の分光特性
は、印刷条件によって異なると共に加熱処理に伴う印刷
膜の収縮や変形によって変動するため、通常、一色目を
印刷する毎にその印刷中(通常刷り始め)の透明基板の
一枚又は数枚を抜きとってサンプルとし、このサンプル
を上記カラーフィルターの加熱硬膜化処理より穏やかで
はあるがその収縮や変形を反映できる程度の温度条件で
加熱硬膜化処理してその分光特性を測定し、この測定結
果に基づいて上記印刷条件を適宜調整する方法が採られ
ている。
【0007】すなわち、一色目の青色印刷インキをその
画素部位に印刷しながら刷り始めの透明基板を抜き取
り、その印刷膜の加熱硬膜化処理を施してその分光特性
を測定し、測定された分光特性が所期のものであればそ
の印刷条件のまま印刷を続行し、所期のものと異なるも
のであれば印刷条件を適宜調整した後再度抜き取り検査
を行っている。また、二色目の緑色印刷インキの印刷に
ついては、上記一色目の青色印刷膜が形成された透明基
板(この場合、青色印刷膜の加熱硬膜化処理はまだなさ
れていない)のその画素部位に緑色印刷インキを印刷し
ながら刷り始めの透明基板を抜き取り、青色印刷膜と緑
色印刷膜の加熱硬膜化処理を施して分光特性を測定し、
測定結果に基づいて印刷条件を適宜調整していた。更
に、三色目の赤色印刷インキについては同様に青色印刷
膜と緑色印刷膜が形成された透明基板の画素部位に赤色
印刷インキを印刷して赤色印刷膜を形成しながら同様に
抜き取り検査を行っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、印刷後の各
印刷膜の断面形状は山形になっているが、加熱処理時に
おける流動化条件の差異によりその断面形状は変化し易
い。
【0009】すなわち、一色目の上記青色印刷膜の抜き
取り検査の際においては、この印刷膜と隣接する印刷膜
が未だ存在しないため、上記加熱処理時における印刷膜
の流動化にも拘らず処理後における印刷膜の断面形状は
山形をほぼ維持しており、かつ、その膜厚の変化もほと
んど生じていない。
【0010】他方、製造されるカラーフィルターにおい
ては、互いに隣接する端部同志が重なるように形成され
た三色の印刷膜に対して上記加熱硬膜化処理を施すた
め、一色目の青色印刷膜はこれと隣接する緑色印刷膜と
赤色印刷膜の流動化の作用を受け上記抜き取り検査の際
に較べて平坦化され易くなり、加熱硬膜化処理後におけ
る上記青色印刷膜の膜厚は上記抜き取り検査時より低下
する。
【0011】このように一色目の青色印刷膜の膜厚変化
が、抜き取り検査時のサンプルと製造時のカラーフィル
ターとの間で相違してしまうため、従来の製造方法では
カラーフィルターの分光特性を精度良く管理できない問
題点があった。
【0012】同様に、二色目の緑色印刷膜についても、
抜き取り検査の際にはこの緑色印刷膜の一方の端部で一
色目の青色印刷膜と隣接しているに過ぎず、三色印刷後
の加熱硬膜化処理時とはその膜厚変化が異なるため、そ
の分光特性を精度良く管理できない問題点があった。
【0013】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、全色印刷後の加
熱硬膜化処理時における印刷膜の膜厚変化と上記サンプ
ルの加熱硬膜化処理後における膜厚変化を略一致させ、
上記サンプルの検査に基づく印刷条件の調節により精度
良く分光特性の管理が可能なカラーフィルターの製造方
法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような技術的背景の
下、上記目的を達成すべく本発明者が鋭意研究を重ねた
ところ以下のようなことが判明した。
【0015】すなわち、各色の印刷インキ中に配合され
る顔料の含有量はカラーフィルター全体のホワイトバラ
ンスや表示効果を考慮してその色彩に応じ相違するが、
本発明者の検討によれば、全色印刷後の加熱硬膜化処理
時における印刷膜の膜厚変化はそれぞれの印刷膜中に含
まれる顔料の含有量に依存することが判明した。
【0016】以下、三色の色フィルター層が設けられる
カラーフィルターを例に挙げて説明すると、三色印刷後
の加熱硬膜化処理において顔料含有率の高い印刷膜の膜
厚変化は小さいのに対して顔料含有率の低い印刷膜の膜
厚変化は大きい。このため、顔料含有率の最も高い印刷
インキを最初に印刷した場合には、三色印刷後の加熱硬
膜化処理においても一色目の印刷膜の膜厚変化は小さい
ものとなり、膜厚の変化がほとんどない一色目の抜き取
り検査の結果とほぼ一致する。
【0017】また、二番目に顔料含有率の高い印刷イン
キを二色目に印刷した場合には、上記一色目の印刷イン
キの場合に準じる結果となり二色目の抜き取り検査の結
果とほぼ一致する。
【0018】そして、三色目の抜き取り検査においては
三色の各印刷膜が形成された透明基板を対象にして加熱
硬膜化処理するため、三色印刷後の加熱硬膜化処理と略
同一の処理となり、三色目の印刷インキの顔料含有率に
拘らずこの抜き取り検査の測定結果と上記カラーフィル
ターの加熱硬膜化処理の結果とはほぼ一致する。
【0019】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たものである。
【0020】すなわち請求項1に係る発明は、着色顔料
と樹脂とを主成分とする各色別の印刷インキを用い、透
明基板上の各画素部位へ各色別にかつ互いに隣接する端
部同志が重なるように順次印刷して色フィルター層を構
成する各色別の印刷膜を形成した後、加熱処理を施し各
印刷膜表面を平坦化させると共に硬膜化させて色フィル
ター層と透明基板とでその主要部が構成されるカラーフ
ィルターを製造する方法を前提とし、着色顔料の含有率
が高い印刷インキから順次印刷して各色別の上記印刷膜
を形成することを特徴とするものである。
【0021】このような技術的手段において、上記着色
顔料の含有率が高い順とは全色印刷後に加熱硬膜化処理
した場合にこの加熱硬膜化処理に伴う印刷膜の膜厚変化
量が小さい順に一致する。
【0022】そして、一色目の印刷インキの抜き取り検
査における膜厚変化が小さいことから、着色顔料の含有
率が最も高い印刷インキを一色目とした場合、全色印刷
後の加熱硬膜化処理による印刷膜の膜厚変化量と抜き取
り検査における印刷膜の膜厚変化量とは略等しいものと
なる。従って、上記抜き取り検査の結果によってカラー
フィルターの一色目の色フィルター層(印刷膜)の膜
厚、及び、分光特性を予測することができるため、一色
目の色フィルター層の分光特性の管理が容易となる。
尚、カラーフィルターのホワイトバランスを図るため、
着色顔料の含有率が最も高い印刷インキは、通常、赤色
の印刷インキである。
【0023】また、二番目にその着色顔料の含有率が高
い印刷インキを二色目とした場合、三色印刷後の加熱硬
膜化処理による印刷膜の膜厚変化量と抜き取り検査にお
ける印刷膜の膜厚変化量とが近似するものとなる。従っ
て、抜き取り検査の結果によってこの二色目の色フィル
ター層の膜厚、及び、分光特性を予測することができる
ため、二色目の色フィルター層の分光特性の管理も容易
になる。尚、二番目に着色顔料の含有率が高い印刷イン
キは、通常、緑色の印刷インキである。
【0024】そして、着色顔料の含有率が最も低い印刷
インキを最後に印刷した場合、抜き取り検査と全色印刷
後の加熱硬膜化処理とは略同一の処理となるため、この
抜き取り検査の測定結果と上記カラーフィルターの加熱
硬膜化処理の結果とは略一致する。従って、抜き取り検
査の結果によってこの最後の色フィルター層の膜厚、及
び、分光特性を予測できその分光特性の管理も容易にな
る。尚、三色の色フィルター層を形成するカラーフィル
ターにおいてその着色顔料の含有率が最も低い印刷イン
キは、通常、青色の印刷インキである。
【0025】尚、これら複数色の印刷インキの内、二種
類の印刷インキにおける着色顔料の含有率が等しい場合
には、いずれを先に印刷してもよい。
【0026】次に、全色印刷後の加熱硬膜化処理の際の
印刷インキの流動とその広がりに伴い印刷直後の断面山
形状の印刷膜の形状が崩れ、色フィルター層の被膜全体
が平坦化する。このとき、着色顔料の含有率が低い印刷
インキの順に印刷した場合、先に印刷された顔料含有率
の低い印刷膜がまず流動化して各印刷膜間の谷部分を埋
め、後に印刷された印刷膜が先に印刷された印刷膜上に
広がってその画線幅が広がり色フィルター層の色純度の
低下を生じ、かつ、印刷膜(色フィルター層)表面に凹
凸を生じる弊害がある。これに対し着色顔料の含有率が
高い印刷インキの順に印刷した場合には、上記印刷膜の
広がりが起こらず所期の膜厚と画線幅を維持し(顔料含
有率が低い印刷膜は加熱硬膜化処理の際、顔料含有率の
高い印刷膜の圧力を受けてその画線幅が狭くなる傾向に
あるため)、その印刷膜(色フィルター層)全体を平坦
化させることが可能となる。
【0027】このように色フィルター層全体を平坦化す
るに際しそれぞれの印刷インキがフッ素系界面活性剤を
含有する場合、これら印刷インキの被膜が十分に崩れ均
一で十分に表面平坦な色フィルター層を形成することが
できる。
【0028】請求項2に係る発明はこのような技術的理
由に基づいてなされている。
【0029】すなわち、請求項2に係る発明は請求項1
に係るカラーフィルターの製造方法を前提とし、上記印
刷インキがフッ素系界面活性剤を含んでいることを特徴
とするものである。
【0030】そして、これに適用できるフッ素系界面活
性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸の塩、
パーフルオロアルキル4級アンモニウムヨウ化物、パー
フルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ
素化アルキルエステル等が挙げられる。
【0031】次に、この技術的手段においては上記加熱
硬膜化処理の際、印刷膜の山形形状の頂部が崩れ谷部を
埋めることにより色フィルター層表面の平坦化がなされ
ているため、各印刷膜はその端部が互いに隣接する他の
印刷膜の端部と1〜40μmの幅で重なって形成されて
いることが望ましい。
【0032】請求項3に係る発明はこのような技術的理
由に基づいてなされている。
【0033】すなわち、請求項3に係る発明は請求項1
又は2に係るカラーフィルターの製造方法を前提とし、
各印刷膜の互いに隣接する端部同志が1〜40μmの幅
で重なるように順次印刷することを特徴としている。
【0034】この請求項3に係る発明において各印刷膜
の互いに隣接する端部同志が1μm以上の幅で重なって
印刷されている場合には、全色印刷後の加熱硬膜化処理
によって印刷膜の山形形状の頂部が崩れ隣接する印刷膜
間の谷部分が埋まるため全体が均一に平坦化する。これ
に対し各印刷膜の互いに隣接する端部同志が1μmに満
たない幅で重なって印刷されている場合、印刷膜の山形
形状の頂部から崩れる印刷インキの量が少なく、上記谷
部分を埋めるのに不足するためこの谷部分を凹部とした
凹凸が色フィルター層表面に形成される弊害がある。
【0035】一方、上記重なり部位の幅が40μmを越
えると、重なっていない部位すなわち表示画面の面積が
小さくなるため画面全体が暗くなる弊害を生ずる。
【0036】次に、これ等請求項1〜3に係る発明にお
いて適用できる着色顔料としては、赤色、緑色、及び、
青色の有機顔料が好ましく、その具体例としては以下の
C.I.(Color Index )ナンバーの顔料が挙げられ
る。尚、以下の青色顔料中における「15:1」は、C.
I.ナンバー15の青色顔料と、C.I.ナンバー1の
青色顔料の混合物を示している。
【0037】赤色顔料;97、122 、149 、168 、177 、
180 、192 、215 緑色顔料; 7、 36 青色顔料;15、15:1、15:4、15:6、22、60、64 また、これら着色顔料は、印刷インキの流動性を向上さ
せたりカラーフィルターの分光透過率やコントラストを
向上させるため、微粒子化や表面処理を施して適用する
ことが望ましい。
【0038】他方、印刷インキの樹脂成分に適用できる
樹脂としては加熱硬膜化処理後の印刷膜(色フィルター
層)が液晶ディスプレィ等の製造プロセスに適合するも
のであればよく、例えば、使用できるベースポリマーと
して、アクリル、エポキシ、ポリエステル、ポリビニル
アルコール、ポリスチレン、あるいはこれ等の共重合物
等、及び、ポリアミド樹脂、アルキッド樹脂等が挙げら
れる。また、低分子量のエポキシ樹脂、メラミン樹脂、
あるいは低分子量のエポキシ樹脂に若干量のメラミン樹
脂が添加された混合樹脂を使用することもできる。
【0039】また、それぞれの印刷インキ中に、各種分
散剤、カップリング剤等を混合することもできる。
【0040】そして、請求項1〜3に係る発明において
これら印刷インキの印刷方式としてはスクリーン印刷、
凸版印刷、平版印刷、又は、凹版印刷等の方式が適用で
きるが、画線再現性とインキ転移性の双方に優れている
凹版印刷、又は、凹版オフセット印刷が好ましい。更
に、ガラス基板等透明基板が破損する危険のない印圧で
印刷でき、かつ、カラーフィルターに必要な精度を考慮
すると上記凹版オフセット印刷が特に望ましい。
【0041】次に、請求項1〜3に係る発明において使
用できる透明基板としてはガラス基板が例示できる。こ
の透明基板上には液晶ディスプレィ等の画面を構成する
画素以外の部位の光透過を防止して画面のコントラスト
向上を図る遮光膜をその画素間部位に備える構造のもの
でもよい。
【0042】このとき、各印刷膜の互いに隣接する端部
同志の重なり領域を上記遮光膜上に設けた場合、各印刷
膜の重なり部位の影響が表示画像に直接及ぼさなくなる
ため好ましい。請求項4に係る発明はこのような技術的
理由によりなされている。
【0043】すなわち、請求項4に係る発明は請求項
1、2又は3に係るカラーフィルターの製造方法を前提
とし、画素間部位に遮光膜が設けられた透明基板を適用
し、かつ、この遮光膜上に上記印刷膜の互いに隣接する
端部同志の重なり領域を設けることを特徴とするもので
ある。
【0044】尚、上記遮光膜はその用途に合わせて格子
状、ストライプ状、円形、多角形の窓開き(画素)パタ
ーン等種々の形状に設けられる。そして、上記色フィル
ター層と同様に印刷法によって設けることも可能であ
る。但し、画線幅の精度を重視する場合には、遮光性顔
料を混合した感光性樹脂を塗布し、露光・現像してその
パターンを形成するフォトリソグラフィ法が望ましい。
この遮光性顔料としては、例えば、カーボンブラック、
分散性を向上する表面処理が施されたカーボンブラッ
ク、硫化ビスマス等の硫化物、金属の低級酸化物、有機
顔料の混合物、あるいは、これらの混合物やこれらの遮
光性顔料に樹脂による表面処理を施したり、あるいは、
微粒子化したものが適用できる。また、上記感光性樹脂
としては、例えば、アクリル、アクリルエポキシ、エポ
キシ、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリスチ
レン、あるいはこれらの共重合物をベースポリマーとす
るものが適用できる。また、上記遮光膜としてクロム等
の遮光性金属薄膜を利用してもよい。
【0045】尚、請求項1〜4に係る発明のカラーフィ
ルターにおいては、その色フィルター層表面を研磨して
その平坦性を更に向上させてもよいし、上記色フィルタ
ー層上にオーバーコート層や透明電極を設けて使用して
もよい。上記オーバーコート層や透明電極としては、そ
の液晶表示品質を考慮してその屈折率、膜厚、抵抗値あ
るいは誘電率を適宜調整して選択される。
【0046】
【作用】請求項1に係る発明によれば、着色顔料の含有
率が高い印刷インキから順次印刷して各色別の色フィル
ター層を構成する印刷膜を形成しており、全色印刷後に
おける加熱硬膜化処理による各印刷膜の膜厚変化量と、
各印刷膜の印刷中における抜き取り検査の際の膜厚変化
量とを略同一に調整できるため、上記抜き取り検査の測
定結果に基づき製造するカラーフィルターの各色フィル
ター層についてその膜厚及び分光特性を正確に予測する
ことが可能となる。
【0047】また、請求項2に係る発明によれば、上記
印刷インキがフッ素系界面活性剤を含んでおり、全色印
刷後において加熱硬膜化処理した際、印刷膜の山形形状
の頂部が十分に崩れ隣接する印刷膜間の谷部分を均一に
埋めるため表面平坦な色フィルター層を簡便に形成する
ことが可能となる。
【0048】一方、請求項3に係る発明によれば、各印
刷膜の互いに隣接する端部同志が1〜40μmの幅で重
なるように順次印刷されており、全色印刷後において加
熱硬膜化処理した際、印刷膜の山形形状の頂部が崩れ隣
接する印刷膜間の谷部分へ十分な量の印刷インキが供給
されるため表面平坦な色フィルター層を簡便に形成する
ことが可能となる。
【0049】また、請求項4に係る発明によれば、画素
間部位に遮光膜が設けられた透明基板を適用し、かつ、
この遮光膜上に上記印刷膜の互いに隣接する端部同志の
重なり領域を設けており、各印刷膜の重なり部位の影響
が表示画像に及ばなくなるため画質の向上が図れる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0051】まず、図1(A)に示すように厚さ1.1
mmのガラス基板1上に、低分子量エポキシ樹脂と低分子
量メラミン樹脂の混合樹脂をビヒクルとする赤色インキ
(東洋インキ製造(株)製;商品名SMXCFSME赤
41Dインキ)を用い凹版オフセット印刷法により赤色
パターンの印刷膜(R)を形成した。
【0052】尚、この赤色インキの樹脂分と着色顔料の
混合比は2.3:1であった。
【0053】そして、刷り始めのものから1枚抜き取
り、220℃、30分加熱処理した後にその分光特性を
測定した。この測定の結果、分光特性は規格内にあった
ため印刷条件を調整することなく印刷を続行した。
【0054】次に、図1(B)に示すように赤色パター
ンの印刷膜(R)が形成されたガラス基板1上に、緑色
印刷インキ(東洋インキ製造(株)製;SMXCFSM
E緑55EHインキ)を用い凹版オフセット印刷法によ
り上記赤色パターンの印刷膜(R)との端部同志が10
μmの幅で重なるように印刷して緑色パターンの印刷膜
(G)を形成した。
【0055】尚、この緑色インキの樹脂分と着色顔料の
混合比は2.9:1であった。
【0056】そして、同様に刷り始めのものから1枚抜
き取り、加熱処理した後その分光特性を測定した。この
測定の結果、分光特性は規格内にあったため印刷条件を
調整することなく印刷を続行した。
【0057】最後に図1(C)に示すように赤色パター
ンの印刷膜(R)と緑色パターンの印刷膜(G)が形成
されたガラス基板1上に、青色印刷インキ(東洋インキ
製造(株)製;SMXCFSME青31EHインキ)を
用い凹版オフセット印刷法により上記赤色パターンの印
刷膜(R)と緑色パターンの印刷膜(G)との端部同志
が10μmの幅で重なるように印刷して青色パターンの
印刷膜(B)を形成した。
【0058】尚、この青色インキの樹脂分と着色顔料の
混合比は7.5:1であった。
【0059】そして、同様に刷り始めのものから1枚抜
き取り、加熱処理した後その分光特性を測定した。この
測定の結果、分光特性は規格内にあったため印刷条件を
調整することなく印刷を続行した。
【0060】次に、各印刷膜(R)(G)(B)の端部
同志が10μmの幅で重なるようにして形成された上記
ガラス基板1に対し、220℃、2時間の加熱処理を施
してカラーフィルターを求めた。この時、色フィルター
層の一部を構成する緑色パターンの印刷膜(G)と青色
パターンの印刷膜(B)の断面形状は、図1(D)に示
すように破線で示す形状から実線で示す形状に変化し
た。
【0061】このようにして製造したカラーフィルター
の各色別の色フィルター層の膜厚と分光特性を測定し
た。この膜厚と分光特性を上記抜き取り検査の結果と合
わせて下記の表1に示す。尚、それぞれの分光特性は、
赤色の色フィルター層については610nmの波長の光
線の透過率、緑色及び青色の色フィルター層については
それぞれ540nm及び450nmの波長の光線の透過
率によって評価した。
【0062】また、比較例として3枚のガラス基板を用
い、各ガラス基板上に上記赤色インキ、緑色インキ、及
び、青色インキを適用して凹版オフセット印刷法により
赤色パターンの印刷膜、緑色パターンの印刷膜、及び、
青色パターンの印刷膜をそれぞれ単独で形成し、各一色
の印刷膜が形成された各ガラス基板に対し上記同様の加
熱処理を施してその膜厚と分光特性を測定した。
【0063】この結果も合わせて表1に示す。
【0064】
【表1】 『確認』この結果から明らかなように、それぞれ一色の
印刷膜が形成されたガラス基板に対して加熱処理した場
合(比較例)の膜厚と、三色の印刷膜が形成されたガラ
ス基板に対して加熱処理した場合(実施例)の膜厚の差
異は、着色顔料の含有率が低い青色の場合が最も大き
く、着色顔料の含有率が高い赤色の場合が最も小さい。
また、その分光特性の差異も着色顔料の含有率が低い青
色の場合が最も大きく、着色顔料の含有率が高い赤色の
場合が最も小さいことが確認できる。このため、着色顔
料の含有率が低い青色を最初に印刷した場合には、この
青色の印刷膜のみが形成されたガラス基板を加熱処理し
た場合の分光透過率と、三色の印刷膜が形成されたガラ
ス基板に対して加熱処理した場合の分光透過率とが大き
く異なってしまい、印刷途中の抜き取り検査によって三
色印刷後の加熱処理により求められるカラーフィルター
の分光特性の予想が困難であることが推察できる。
【0065】一方、上記実施例の抜き取り検査の結果と
三色印刷後の加熱処理により求められたカラーフィルタ
ーの分光特性の結果から、着色顔料の含有率が高い順に
印刷した場合にはそれぞれの抜き取り検査において測定
した分光特性と大略同一であり、上記抜き取り検査によ
ってカラーフィルターの分光特性を精度良く管理できる
ことも確認できた。
【0066】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、全色印刷
後における加熱硬膜化処理による各印刷膜の膜厚変化量
と、各印刷膜の印刷中における抜き取り検査の際の膜厚
変化量とを略同一に調整できるため、上記抜き取り検査
の測定結果に基づき製造するカラーフィルターの各色フ
ィルター層についてその膜厚及び分光特性を正確に予測
することが可能となる。
【0067】従って、その分光特性が高精度に調整され
たカラーフィルターを生産性良好に製造できる効果を有
している。
【0068】また、請求項2に係る発明によれば、印刷
インキがフッ素系界面活性剤を含んでおり、全色印刷後
において加熱硬膜化処理した際、印刷膜の山形形状の頂
部が十分に崩れ隣接する印刷膜間の谷部分を均一に埋め
るため表面平坦な色フィルター層を簡便に形成すること
が可能となり、他方、請求項3に係る発明によれば、各
印刷膜の互いに隣接する端部同志が1〜40μmの幅で
重なるように順次印刷されており、全色印刷後において
加熱硬膜化処理した際、印刷膜の山形形状の頂部が崩れ
隣接する印刷膜間の谷部分へ十分な量の印刷インキが供
給されるため表面平坦な色フィルター層を簡便に形成す
ることが可能となる。
【0069】従って、その分光特性が高精度に調整され
たカラーフィルターを生産性良好にかつ確実に製造でき
る効果を有している。
【0070】また、請求項4に係る発明によれば、画素
間部位に遮光膜が設けられた透明基板を適用し、かつ、
この遮光膜上に上記印刷膜の互いに隣接する端部同志の
重なり領域を設けており、各印刷膜の重なり部位の影響
が表示画像に及ばなくなるため画質の向上が図れる効果
を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜(D)は実施例に係るカラーフィ
ルターの製造方法を示す工程説明図。
【符号の説明】
1 ガラス基板 R 赤色パターンの印刷膜(色フィルター層) G 緑色パターンの印刷膜(色フィルター層) B 青色パターンの印刷膜(色フィルター層)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色顔料と樹脂とを主成分とする各色別の
    印刷インキを用い、透明基板上の各画素部位へ各色別に
    かつ互いに隣接する端部同志が重なるように順次印刷し
    て色フィルター層を構成する各色別の印刷膜を形成した
    後、加熱処理を施し各印刷膜表面を平坦化させると共に
    硬膜化させて色フィルター層と透明基板とでその主要部
    が構成されるカラーフィルターを製造する方法におい
    て、 着色顔料の含有率が高い印刷インキから順次印刷して各
    色別の上記印刷膜を形成することを特徴とするカラーフ
    ィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】上記印刷インキがフッ素系界面活性剤を含
    んでいることを特徴とする請求項1記載のカラーフィル
    ターの製造方法。
  3. 【請求項3】各印刷膜の互いに隣接する端部同志が1〜
    40μmの幅で重なるように順次印刷することを特徴と
    する請求項1又は2記載のカラーフィルターの製造方
    法。
  4. 【請求項4】画素間部位に遮光膜が設けられた透明基板
    を適用し、かつ、この遮光膜上に上記印刷膜の互いに隣
    接する端部同志の重なり領域を設けることを特徴とする
    請求項1、2又は3記載のカラーフィルターの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005005419A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Toppan Printing Co Ltd 固体撮像素子
CN111415599A (zh) * 2020-04-26 2020-07-14 恩利克(浙江)智能装备有限公司 一种可折叠量子点光色转换膜片及其制造方法和显示屏

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