JPH06107842A - 無機フィラー高充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents
無機フィラー高充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法Info
- Publication number
- JPH06107842A JPH06107842A JP4279519A JP27951992A JPH06107842A JP H06107842 A JPH06107842 A JP H06107842A JP 4279519 A JP4279519 A JP 4279519A JP 27951992 A JP27951992 A JP 27951992A JP H06107842 A JPH06107842 A JP H06107842A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- inorganic filler
- sheet
- foamed
- foaming
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Molding Of Porous Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 発泡シートの燃焼カロリーを低下させるため
に無機フィラーを添加した従来の発泡ポリスチレン系樹
脂シート製造時に生じる、気泡が微細化してコルゲート
が発生したり、気泡膜の破壊による独立気泡率の低下す
る等の問題解決した無機フィラー高充填ポリスチレン系
樹脂発泡シートの製造方法を提供する。 【構成】 特定量の無機フィラーとポリエチレングリコ
ール−ポリプロピレングリコール共重合体とを含有する
発泡性の溶融ポリスチレン系樹脂組成物を押出機内から
低圧域に押出発泡せしめて発泡シートを得る。
に無機フィラーを添加した従来の発泡ポリスチレン系樹
脂シート製造時に生じる、気泡が微細化してコルゲート
が発生したり、気泡膜の破壊による独立気泡率の低下す
る等の問題解決した無機フィラー高充填ポリスチレン系
樹脂発泡シートの製造方法を提供する。 【構成】 特定量の無機フィラーとポリエチレングリコ
ール−ポリプロピレングリコール共重合体とを含有する
発泡性の溶融ポリスチレン系樹脂組成物を押出機内から
低圧域に押出発泡せしめて発泡シートを得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼カロリーが低く、
食品包装用容器の成形用としても好適な無機フィラー高
充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法に関す
る。
食品包装用容器の成形用としても好適な無機フィラー高
充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】プラス
チック廃棄物の処理の問題がクローズアップされている
昨今、特に使い捨て包装容器がプラスチック廃棄物の多
くを占めることから、その処分方法が検討されている。
従来より使い捨ての包装容器の処理するためには主とし
て焼却処理が採用されていが、これらの容器はプラスチ
ック製であるために紙や木材に比べて燃焼カロリーが高
く、大量の使い捨て包装容器を焼却処分すると燃焼時に
発生する高熱エネルギーによって焼却炉が傷められて寿
命が短くなるという問題があった。
チック廃棄物の処理の問題がクローズアップされている
昨今、特に使い捨て包装容器がプラスチック廃棄物の多
くを占めることから、その処分方法が検討されている。
従来より使い捨ての包装容器の処理するためには主とし
て焼却処理が採用されていが、これらの容器はプラスチ
ック製であるために紙や木材に比べて燃焼カロリーが高
く、大量の使い捨て包装容器を焼却処分すると燃焼時に
発生する高熱エネルギーによって焼却炉が傷められて寿
命が短くなるという問題があった。
【0003】プラスチックの燃焼カロリーを低下させる
方法として、プラスチック中に炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、タルク、クレー等の無機フィラーを充填す
ることは公知である(例えば特公昭56−3376号公
報、特公昭63−38060号公報等)。
方法として、プラスチック中に炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、タルク、クレー等の無機フィラーを充填す
ることは公知である(例えば特公昭56−3376号公
報、特公昭63−38060号公報等)。
【0004】しかしながら、無機フィラーを大量に含有
する発泡シートは脆くなるため、特公昭56−3376
号公報に記載の方法では、無機フィラーの表面をアクリ
ル酸、メタクリル酸等の重合性有機酸によって反応被覆
することにより上記問題を解決しており、特公昭63−
38060号公報に記載の方法では、樹脂中にゴム分を
添加することにより解決している。
する発泡シートは脆くなるため、特公昭56−3376
号公報に記載の方法では、無機フィラーの表面をアクリ
ル酸、メタクリル酸等の重合性有機酸によって反応被覆
することにより上記問題を解決しており、特公昭63−
38060号公報に記載の方法では、樹脂中にゴム分を
添加することにより解決している。
【0005】しかしながら、無機フィラーの表面を重合
性有機酸で反応被覆する方法は、発泡シートを食品容器
等の成形に用いる場合、食品衛生上、安全性の面での問
題が解決されてないものもある。
性有機酸で反応被覆する方法は、発泡シートを食品容器
等の成形に用いる場合、食品衛生上、安全性の面での問
題が解決されてないものもある。
【0006】また発泡シートを製造する場合、発泡性の
樹脂組成物を押出機の先端に設けたサーキュラーダイか
らチューブ状に押出発泡せしめ、このチューブを切り開
いて発泡シートとする方法が広く採用されているが、無
機フィラーは核剤としても作用するため発泡時の気泡が
微細化し易く、このため後者の方法ではサーキュラーダ
イから押出発泡した発泡チューブにコルゲートが発生し
て発泡シートの外観が悪いものとなり、特にコルゲート
がひどい場合にはコルゲートのヒダが相互に融着した
り、押出発泡が困難となる等の問題があった。更に、無
機フィラーは気泡膜の形成時に気泡膜に穴をあけること
もあり、この結果、発泡効率が悪くなり、発泡剤を多量
に必要としたり、得られる発泡シートの独立気泡率が低
下する等の問題もあった。
樹脂組成物を押出機の先端に設けたサーキュラーダイか
らチューブ状に押出発泡せしめ、このチューブを切り開
いて発泡シートとする方法が広く採用されているが、無
機フィラーは核剤としても作用するため発泡時の気泡が
微細化し易く、このため後者の方法ではサーキュラーダ
イから押出発泡した発泡チューブにコルゲートが発生し
て発泡シートの外観が悪いものとなり、特にコルゲート
がひどい場合にはコルゲートのヒダが相互に融着した
り、押出発泡が困難となる等の問題があった。更に、無
機フィラーは気泡膜の形成時に気泡膜に穴をあけること
もあり、この結果、発泡効率が悪くなり、発泡剤を多量
に必要としたり、得られる発泡シートの独立気泡率が低
下する等の問題もあった。
【0007】本発明者等は上記の点に鑑み鋭意研究した
結果、無機フィラーと、ポリエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコール共重合体とを特定割合で含有する
発泡性のポリスチレン系樹脂組成物を、押出機内から低
圧域に押出発泡せしめて特定の密度、厚み、気泡径を有
する発泡シートとすることにより、上記従来の問題点を
解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
結果、無機フィラーと、ポリエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコール共重合体とを特定割合で含有する
発泡性のポリスチレン系樹脂組成物を、押出機内から低
圧域に押出発泡せしめて特定の密度、厚み、気泡径を有
する発泡シートとすることにより、上記従来の問題点を
解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の無機フィラ
ー高充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法は、
10〜40重量%の無機フィラーと、0.1〜1.5重量%
の揮発性発泡剤及び0.1〜1.0重量%のポリエチレング
リコール−ポリプロピレングリコール共重合体とを含有
する発泡性の溶融ポリスチレン系樹脂を、押出機内から
低圧域に押出発泡せしめ、密度0.1〜0.5g/cm3 、厚み
0.7〜2.0mm、平均気泡径30〜300μmの発泡シー
トを得ることを特徴とする。
ー高充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法は、
10〜40重量%の無機フィラーと、0.1〜1.5重量%
の揮発性発泡剤及び0.1〜1.0重量%のポリエチレング
リコール−ポリプロピレングリコール共重合体とを含有
する発泡性の溶融ポリスチレン系樹脂を、押出機内から
低圧域に押出発泡せしめ、密度0.1〜0.5g/cm3 、厚み
0.7〜2.0mm、平均気泡径30〜300μmの発泡シー
トを得ることを特徴とする。
【0009】本発明において使用されるポリスチレン系
樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリパラメチルス
チレン等のアルケニル芳香族化合物の重合体や、アルケ
ニル芳香族化合物とアクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、アクリロニトリル等の他のビニルモノマーと
の共重合体等が挙げられる。本発明において、上記ポリ
スチレン系樹脂にはスチレン−ブタジエンゴムブロック
共重合体、スチレン−ブタジエンゴムランダム共重合
体、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチ
レンゴム、イソプレンゴム等のゴム分を添加することも
できる。ゴム成分はポリスチレン系樹脂に対し、0.3〜
10重量%程度添加するのが好ましい。
樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリパラメチルス
チレン等のアルケニル芳香族化合物の重合体や、アルケ
ニル芳香族化合物とアクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、アクリロニトリル等の他のビニルモノマーと
の共重合体等が挙げられる。本発明において、上記ポリ
スチレン系樹脂にはスチレン−ブタジエンゴムブロック
共重合体、スチレン−ブタジエンゴムランダム共重合
体、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチ
レンゴム、イソプレンゴム等のゴム分を添加することも
できる。ゴム成分はポリスチレン系樹脂に対し、0.3〜
10重量%程度添加するのが好ましい。
【0010】本発明に使用される無機フィラーとして
は、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カー
ボンブラック、クレー等、従来よりこの種の用途に利用
されている一般的な無機フィラーを用いることができ
る。使用される無機フィラーの粒径は無機フィラーの種
類によって異なる。一般に、平均粒径0.5〜100μm
程度であるが、例えばタルクの場合、平均粒径1.5〜1
5μm、炭酸カルシウムの場合、平均粒径1.5〜6.0μ
mのものが好ましい。
は、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カー
ボンブラック、クレー等、従来よりこの種の用途に利用
されている一般的な無機フィラーを用いることができ
る。使用される無機フィラーの粒径は無機フィラーの種
類によって異なる。一般に、平均粒径0.5〜100μm
程度であるが、例えばタルクの場合、平均粒径1.5〜1
5μm、炭酸カルシウムの場合、平均粒径1.5〜6.0μ
mのものが好ましい。
【0011】上記無機フィラーとともにポリスチレン系
樹脂中に添加されるポリエチレングリコール−ポリプロ
ピレングリコール共重合体(以下、PEG−PPG共重
合体と略称する。)はエチレンオキサイドとプロピレン
オキサイドのブロック共重合体で、高分子界面活性剤と
して知られている。PEG−PPG共重合体を無機フィ
ラーと併用することにより無機フィラーとポリスチレン
系樹脂との界面での馴染みを良くして発泡効率が向上さ
れ、また発泡剤の樹脂への溶解性を向上することにより
気泡径を大きくし、コルゲートの発生を防止するものと
考えられる。PEG−PPG共重合体は、PPG成分の
重量平均分子量が1000以上のものがコルゲート防止
に特に効果があり好ましい。PEG−PPG共重合体に
おけるPEG成分とPPG成分との割合は重量比で8
0:20〜10:90である。またPEG−PPG共重
合体としては、PPG成分の両側にPEG成分が結合さ
れた両末端PEG型のものが好ましい。
樹脂中に添加されるポリエチレングリコール−ポリプロ
ピレングリコール共重合体(以下、PEG−PPG共重
合体と略称する。)はエチレンオキサイドとプロピレン
オキサイドのブロック共重合体で、高分子界面活性剤と
して知られている。PEG−PPG共重合体を無機フィ
ラーと併用することにより無機フィラーとポリスチレン
系樹脂との界面での馴染みを良くして発泡効率が向上さ
れ、また発泡剤の樹脂への溶解性を向上することにより
気泡径を大きくし、コルゲートの発生を防止するものと
考えられる。PEG−PPG共重合体は、PPG成分の
重量平均分子量が1000以上のものがコルゲート防止
に特に効果があり好ましい。PEG−PPG共重合体に
おけるPEG成分とPPG成分との割合は重量比で8
0:20〜10:90である。またPEG−PPG共重
合体としては、PPG成分の両側にPEG成分が結合さ
れた両末端PEG型のものが好ましい。
【0012】上記無機フィラーとPEG−PPG共重合
体は、それぞれ発泡性ポリスチレン系樹脂中の含有量
が、10〜40重量%、0.1〜1.0重量%となるように
添加する。
体は、それぞれ発泡性ポリスチレン系樹脂中の含有量
が、10〜40重量%、0.1〜1.0重量%となるように
添加する。
【0013】無機フィラーは添加量が多い程、ポリスチ
レン系樹脂発泡シートの燃焼カロリーを低下させ得る
が、無機フィラーは核剤としての作用も有し、多量に含
有させると気泡が微細化してコルゲートが発生したり、
独立気泡率や発泡効率の低下をきたし、更にはシートの
成形性や諸物性が低下するため、一般的には無機フィラ
ーの添加量は5重量%未満である。ポリスチレン発泡シ
ートに無機フィラーを添加した場合の、無機フィラーの
添加量と発泡シートの燃焼カロリーとの関係を図1に示
す。
レン系樹脂発泡シートの燃焼カロリーを低下させ得る
が、無機フィラーは核剤としての作用も有し、多量に含
有させると気泡が微細化してコルゲートが発生したり、
独立気泡率や発泡効率の低下をきたし、更にはシートの
成形性や諸物性が低下するため、一般的には無機フィラ
ーの添加量は5重量%未満である。ポリスチレン発泡シ
ートに無機フィラーを添加した場合の、無機フィラーの
添加量と発泡シートの燃焼カロリーとの関係を図1に示
す。
【0014】一方、発泡シートは気泡が粗すぎてもシー
トの外観が不良となり好ましくないが、本発明方法で
は、PEG−PPG共重合体と併用したことにより、無
機フィラーの含有量が1〜40重量%の範囲においてコ
ルゲートの発生や独立気泡率、発泡効率、成形性及び諸
物性の低下をきたすことなく、外観も良好な発泡シート
が得られる。しかしながら本発明方法でも、無機フィラ
ーの含有量が40重量%を超える場合、組成物の混練が
困難となるとともに、シートの伸びが悪くなり、押出発
泡性やシートの成形性が低下し、逆に10重量%未満で
は燃焼カロリーの低下の効果が望めないため好ましくな
い。発泡性樹脂組成物中における無機フィラーの好まし
い含有量は、10〜35重量%である。
トの外観が不良となり好ましくないが、本発明方法で
は、PEG−PPG共重合体と併用したことにより、無
機フィラーの含有量が1〜40重量%の範囲においてコ
ルゲートの発生や独立気泡率、発泡効率、成形性及び諸
物性の低下をきたすことなく、外観も良好な発泡シート
が得られる。しかしながら本発明方法でも、無機フィラ
ーの含有量が40重量%を超える場合、組成物の混練が
困難となるとともに、シートの伸びが悪くなり、押出発
泡性やシートの成形性が低下し、逆に10重量%未満で
は燃焼カロリーの低下の効果が望めないため好ましくな
い。発泡性樹脂組成物中における無機フィラーの好まし
い含有量は、10〜35重量%である。
【0015】発泡性樹脂組成物中に無機フィラーが充填
されると発泡時の伸びが悪くなり、特に無機フィラーの
量が多い場合には発泡シートの引取時にシートの切断等
が生じたり、成形性が不良となり易いが、PEG−PP
G共重合体の添加によって発泡シートの伸びが改善され
る。しかしながら、PEG−PPG共重合体の添加量が
0.1重量%未満では無機フィラーを添加したことによっ
て生じる脆性の問題や気泡の微細化に伴うコルゲート発
生や発泡効率の低下を防止できず、逆に1.0重量%を超
えると押出機内で樹脂の滑り現象が生じて充分な吐出量
が得られず押出発泡不能の状態となるため好ましくな
い。
されると発泡時の伸びが悪くなり、特に無機フィラーの
量が多い場合には発泡シートの引取時にシートの切断等
が生じたり、成形性が不良となり易いが、PEG−PP
G共重合体の添加によって発泡シートの伸びが改善され
る。しかしながら、PEG−PPG共重合体の添加量が
0.1重量%未満では無機フィラーを添加したことによっ
て生じる脆性の問題や気泡の微細化に伴うコルゲート発
生や発泡効率の低下を防止できず、逆に1.0重量%を超
えると押出機内で樹脂の滑り現象が生じて充分な吐出量
が得られず押出発泡不能の状態となるため好ましくな
い。
【0016】無機フィラーをポリスチレン系樹脂に添加
して混練する方法としては、ドライブレンド法、マスタ
ーバッチ法(以下、MB法と略称する。)等が挙げら
れ、MB法が無機フィラーの添加量を高める上で好まし
い。また無機フィラーとして滑性の大きいタルク等を用
いることによっても無機フィラーの添加量を高めること
ができる。
して混練する方法としては、ドライブレンド法、マスタ
ーバッチ法(以下、MB法と略称する。)等が挙げら
れ、MB法が無機フィラーの添加量を高める上で好まし
い。また無機フィラーとして滑性の大きいタルク等を用
いることによっても無機フィラーの添加量を高めること
ができる。
【0017】上記MB法を採用する場合、基材樹脂とし
てMIが4〜15g/10分のものを用い、無機フィラ
ーを含有するマスターバッチ(MB)のMIを2〜12
g/10分とすることにより、発泡シートの引張り強度
等の脆さを改善することができる。
てMIが4〜15g/10分のものを用い、無機フィラ
ーを含有するマスターバッチ(MB)のMIを2〜12
g/10分とすることにより、発泡シートの引張り強度
等の脆さを改善することができる。
【0018】本発明方法において用いる揮発性発泡剤と
しては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン等の脂肪族炭化水素、トリクロロモノフルオロメタ
ン、ジクロロジフルオロメタン、1,1−ジフルオロ−
1−クロロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,2
−テトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフル
オロ−2−クロロエタン、ジフルオロクロロメタン、塩
化メチル、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素等が挙
げられる。トリクロロモノフルオロメタンやジクロロジ
フルオロメタンを発泡剤として使用した場合は、無機フ
ィラーを多量に含有せしめてもコルゲート等が発生する
虞は少ないが、ハロゲン化炭化水素のうち、トリクロロ
モノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等はオ
ゾン層破壊という環境問題を生じるため、揮発性発泡剤
としては脂肪族炭化水素やオゾン層を破壊しないジフル
オロクロロメタン、1,1,1,2−テトラフルオロ−
2−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエ
タン、1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジフルオロ
−1−クロロエタン等のハロゲン化炭化水素を用いるこ
とが好ましい。
しては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン等の脂肪族炭化水素、トリクロロモノフルオロメタ
ン、ジクロロジフルオロメタン、1,1−ジフルオロ−
1−クロロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,2
−テトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフル
オロ−2−クロロエタン、ジフルオロクロロメタン、塩
化メチル、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素等が挙
げられる。トリクロロモノフルオロメタンやジクロロジ
フルオロメタンを発泡剤として使用した場合は、無機フ
ィラーを多量に含有せしめてもコルゲート等が発生する
虞は少ないが、ハロゲン化炭化水素のうち、トリクロロ
モノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等はオ
ゾン層破壊という環境問題を生じるため、揮発性発泡剤
としては脂肪族炭化水素やオゾン層を破壊しないジフル
オロクロロメタン、1,1,1,2−テトラフルオロ−
2−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエ
タン、1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジフルオロ
−1−クロロエタン等のハロゲン化炭化水素を用いるこ
とが好ましい。
【0019】尚、本発明において揮発性発泡剤ととも
に、二酸化炭素、窒素、水等の発泡剤を併用することも
できる。揮発性発泡剤は樹脂組成物中の含有量が0.1〜
1.5重量%、好ましくは0.3〜0.5重量%となるように
添加する。
に、二酸化炭素、窒素、水等の発泡剤を併用することも
できる。揮発性発泡剤は樹脂組成物中の含有量が0.1〜
1.5重量%、好ましくは0.3〜0.5重量%となるように
添加する。
【0020】本発明方法では、上記無機フィラー、PE
G−PPG共重合体及び発泡剤を含有する発泡性の溶融
ポリスチレン系樹脂を、押出機内から低圧域に押出して
発泡せしめ発泡シートを得るが、この発泡シートは密度
0.1〜0.5g/cm3 、厚み0.7〜2.0mm、平均気泡径3
0〜300μmであり、好ましくは平均気泡径40〜2
00μmである。
G−PPG共重合体及び発泡剤を含有する発泡性の溶融
ポリスチレン系樹脂を、押出機内から低圧域に押出して
発泡せしめ発泡シートを得るが、この発泡シートは密度
0.1〜0.5g/cm3 、厚み0.7〜2.0mm、平均気泡径3
0〜300μmであり、好ましくは平均気泡径40〜2
00μmである。
【0021】発泡シートの密度、厚み、平均気泡径を上
記の範囲とすることにより、特定量の無機フィラーとP
EG−PPG共重合体とを併用したことと相俟ってコル
ゲートの発生防止が図られるとともに、無機フィラーを
多量に含有していても発泡シートの脆さ等が改善され成
形性が良好となり、しかも平滑性等の外観も良好とな
る。更に無機フィラーによる気泡膜の破壊が防止される
とともに、発泡剤と樹脂との相溶性が良好となる結果、
安定した押出発泡が可能となり発泡倍率の変動が少なく
なる。
記の範囲とすることにより、特定量の無機フィラーとP
EG−PPG共重合体とを併用したことと相俟ってコル
ゲートの発生防止が図られるとともに、無機フィラーを
多量に含有していても発泡シートの脆さ等が改善され成
形性が良好となり、しかも平滑性等の外観も良好とな
る。更に無機フィラーによる気泡膜の破壊が防止される
とともに、発泡剤と樹脂との相溶性が良好となる結果、
安定した押出発泡が可能となり発泡倍率の変動が少なく
なる。
【0022】上記発泡シートの密度は無機フィラーの添
加量、発泡剤の種類及び添加量及び基材樹脂の種類(M
I等の違い)等の組み合わせによって調整することがで
きる。一般に、無機フィラーを添加すると発泡時の密度
の調整が難しくなるが、PEG−PPG共重合体を併用
したことにより、得られる発泡シートの密度調節を容易
に行うことができる。また発泡シートの厚みは、押出機
の吐出量と押出発泡体の引取速度の相互関係の調整によ
って決定される。更に発泡シートの平均気泡径は、無機
フィラーの添加量、種類、発泡剤の種類等の組み合わせ
によって調整される。
加量、発泡剤の種類及び添加量及び基材樹脂の種類(M
I等の違い)等の組み合わせによって調整することがで
きる。一般に、無機フィラーを添加すると発泡時の密度
の調整が難しくなるが、PEG−PPG共重合体を併用
したことにより、得られる発泡シートの密度調節を容易
に行うことができる。また発泡シートの厚みは、押出機
の吐出量と押出発泡体の引取速度の相互関係の調整によ
って決定される。更に発泡シートの平均気泡径は、無機
フィラーの添加量、種類、発泡剤の種類等の組み合わせ
によって調整される。
【0023】発泡シートを得る方法としては、通常、押
出機先端のサーキュラーダイより押出発泡せしめてチュ
ーブ状の発泡体を得、次いでこのチューブ状の発泡体を
押出方向に沿って切り開いてシートを得る方法が採用さ
れる。
出機先端のサーキュラーダイより押出発泡せしめてチュ
ーブ状の発泡体を得、次いでこのチューブ状の発泡体を
押出方向に沿って切り開いてシートを得る方法が採用さ
れる。
【0024】尚、本発明方法において得られる発泡シー
トは、無機フィラーを含有するため、この発泡シートの
密度から発泡倍率は下記、数1で示される式より求め
る。
トは、無機フィラーを含有するため、この発泡シートの
密度から発泡倍率は下記、数1で示される式より求め
る。
【0025】
【数1】
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
明する。
【0027】実施例1〜12、比較例1〜6 表1に示すMIのポリスチレンに同表に示す無機フィラ
ー、PEG−PPG共重合体(比較例1〜3は含まず)
及び発泡剤を含有する発泡性の溶融ポリスチレン組成物
を押出機先端に設けたサーキュラーダイから押出発泡せ
しめ、次いでマンドレルエアーによる冷却後得られたチ
ューブ状の発泡体を押出方向に切り開いて発泡シートを
得た。
ー、PEG−PPG共重合体(比較例1〜3は含まず)
及び発泡剤を含有する発泡性の溶融ポリスチレン組成物
を押出機先端に設けたサーキュラーダイから押出発泡せ
しめ、次いでマンドレルエアーによる冷却後得られたチ
ューブ状の発泡体を押出方向に切り開いて発泡シートを
得た。
【0028】無機フィラーとポリスチレン樹脂との混合
にはマスターバッチ法を採用した。マスターバッチのM
Iを表1にあわせて示す。得られた発泡シートの性状を
表2に示す。尚、実施例、比較例において用いたPEG
−PPG共重合体は、PEG−PPG−PEGで示され
る分子構造を有し、平均分子量2000、PEG成分含
有量80重量%のものを用いた。又、実施例1、2、
4、6、9、10、比較例1、3、4、6では炭酸カル
シウムの平均粒径5μmのものを使用し、実施例3、
5、7、8、比較例2、5ではタルクの平均粒径1.8
〜2.0μmのものを、実施例11、12ではタルクの
平均粒径5〜6μmのものを使用した。又、比較例5、
6の無機フィラーMBはスチレン/無機フィラー重量比
1/1のものを使用し、それ以外の無機フィラーMBは
スチレン/無機フィラー重量比2/1のものを使用し
た。
にはマスターバッチ法を採用した。マスターバッチのM
Iを表1にあわせて示す。得られた発泡シートの性状を
表2に示す。尚、実施例、比較例において用いたPEG
−PPG共重合体は、PEG−PPG−PEGで示され
る分子構造を有し、平均分子量2000、PEG成分含
有量80重量%のものを用いた。又、実施例1、2、
4、6、9、10、比較例1、3、4、6では炭酸カル
シウムの平均粒径5μmのものを使用し、実施例3、
5、7、8、比較例2、5ではタルクの平均粒径1.8
〜2.0μmのものを、実施例11、12ではタルクの
平均粒径5〜6μmのものを使用した。又、比較例5、
6の無機フィラーMBはスチレン/無機フィラー重量比
1/1のものを使用し、それ以外の無機フィラーMBは
スチレン/無機フィラー重量比2/1のものを使用し
た。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】実施例1、4、6で得られた発泡シートの
幅方向(TD方向)及び押出し方向(MD方向)の引張
強さを測定した結果を表3に示す。
幅方向(TD方向)及び押出し方向(MD方向)の引張
強さを測定した結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】発泡シートの引張強さは、JIS K71
13 1号試験片に準じる幅100mmのサンプル片を、
引張速度10mm/分の条件(n:4)で引張試験を行っ
て測定した結果の平均値を示した。
13 1号試験片に準じる幅100mmのサンプル片を、
引張速度10mm/分の条件(n:4)で引張試験を行っ
て測定した結果の平均値を示した。
【0034】また実施例11の発泡シート及び無機フィ
ラーを含有しない従来品のポリスチレン発泡シートの燃
焼性を試験した結果を表4に示す。発泡シートの燃焼性
の試験は、JIS D1201に準じて行った。
ラーを含有しない従来品のポリスチレン発泡シートの燃
焼性を試験した結果を表4に示す。発泡シートの燃焼性
の試験は、JIS D1201に準じて行った。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法は、無機
フィラーとPEG−PPG共重合体とを特定割合で含む
発泡性の溶融ポリスチレン系樹脂を、押出機から低圧域
に押出発泡させる方法を採用したことにより、押出発泡
時に気泡が微細化してコルゲートが生じたり、気泡が無
機フィラーによって破壊されたり、発泡シートが脆くな
る等の虞がなく、発泡シートの性状を低下することなく
燃焼カロリーを低化させることができる。またPEG−
PPG共重合体は、安全性が高く食品衛生上の問題もな
いことから、本発明により得られる発泡シートは食品包
装容器成形用として好適に利用できる等の効果を有す
る。
フィラーとPEG−PPG共重合体とを特定割合で含む
発泡性の溶融ポリスチレン系樹脂を、押出機から低圧域
に押出発泡させる方法を採用したことにより、押出発泡
時に気泡が微細化してコルゲートが生じたり、気泡が無
機フィラーによって破壊されたり、発泡シートが脆くな
る等の虞がなく、発泡シートの性状を低下することなく
燃焼カロリーを低化させることができる。またPEG−
PPG共重合体は、安全性が高く食品衛生上の問題もな
いことから、本発明により得られる発泡シートは食品包
装容器成形用として好適に利用できる等の効果を有す
る。
【図1】無機フィラーの含有量と燃焼カロリーとの関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/02 LQE 9167−4J // B29K 25:00 105:04 105:16 B29L 7:00 4F C08L 25:00
Claims (1)
- 【請求項1】 10〜40重量%の無機フィラーと、0.
1〜1.5重量%の揮発性発泡剤及び0.1〜1.0重量%の
ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共
重合体とを含有する発泡性の溶融ポリスチレン系樹脂
を、押出機内から低圧域に押出発泡せしめ、密度0.1〜
0.5g/cm3 、厚み0.7〜2.0mm、平均気泡径30〜30
0μmの発泡シートを得ることを特徴とする無機フィラ
ー高充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4279519A JPH06107842A (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | 無機フィラー高充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4279519A JPH06107842A (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | 無機フィラー高充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06107842A true JPH06107842A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17612162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4279519A Pending JPH06107842A (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | 無機フィラー高充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06107842A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005082984A1 (de) * | 2004-02-18 | 2005-09-09 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur herstellung füllstoffhaltiger schaumstoffplatten |
US7060736B2 (en) * | 2003-05-07 | 2006-06-13 | Fine Technology, Inc. | Blowing agent solubility in polymers |
KR20180077230A (ko) * | 2015-10-30 | 2018-07-06 | 가부시키가이샤 가네카 | 스티렌계 수지 압출 발포체 및 그 제조 방법 |
JP2018184562A (ja) * | 2017-04-27 | 2018-11-22 | 株式会社カネカ | スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-09-24 JP JP4279519A patent/JPH06107842A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7060736B2 (en) * | 2003-05-07 | 2006-06-13 | Fine Technology, Inc. | Blowing agent solubility in polymers |
WO2005082984A1 (de) * | 2004-02-18 | 2005-09-09 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur herstellung füllstoffhaltiger schaumstoffplatten |
KR20180077230A (ko) * | 2015-10-30 | 2018-07-06 | 가부시키가이샤 가네카 | 스티렌계 수지 압출 발포체 및 그 제조 방법 |
JP2018184562A (ja) * | 2017-04-27 | 2018-11-22 | 株式会社カネカ | スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3314358B2 (ja) | ポリスチレン発泡体及びその製法 | |
AU708997B2 (en) | Stability control agent composition for polyolefin foam | |
JP3023695B2 (ja) | ポリスチレン発泡体の製造法 | |
US5462974A (en) | Expandable composition and process for extruded thermoplastic foams | |
EP2240539B1 (en) | Article and method of producing a low density foam blend of styrenic polymer and polyolefin | |
JPH0649793B2 (ja) | イソブタン発泡剤を使用する膨張性ポリオレフイン組成物とその製造方法 | |
AU757439B2 (en) | Process for producing extruded foam with CO2 as a blowing agent | |
US6268046B1 (en) | Process for producing extruded foam products having polystyrene blends with high levels of CO2 as a blowing agent | |
JP4238032B2 (ja) | 改良された弾性率ならびに溶融強度を備えたエチレンポリマーのブレンドおよびこれらのブレンドから製造した物品 | |
US6274640B1 (en) | Extruded foam product with 134a and alcohol blowing agent | |
US6123881A (en) | Process for producing extruded foam products having polystyrene blends with high levels of CO2 as a blowing agent | |
US5162381A (en) | Process for preparing thermalplastic foam | |
JPH05179110A (ja) | 微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物 | |
MXPA02008297A (es) | Producto de espuma extruida con reducidos defectos de superficie. | |
JPH06107842A (ja) | 無機フィラー高充填ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法 | |
WO1996016111A1 (fr) | Mousse en resine de polystyrene et procede pour produire la mousse | |
AU5559899A (en) | Process for producing styrenic foam | |
JP3742033B2 (ja) | スチレン系樹脂発泡板の製造方法 | |
JP2001139717A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートおよびそれよりなる成形体 | |
JP2003082150A (ja) | ポリ乳酸系発泡性樹脂粒子 | |
JP3792806B2 (ja) | ポリカーボネート系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP2004352840A (ja) | 低着火性オレフィン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
Park | Methods of expanding polystyrene to ultra low-density foam | |
JP3279709B2 (ja) | 乳酸系樹脂の発泡押出製造方法 | |
JPH0641344A (ja) | 微生物崩壊性熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法 |