JPH0610424B2 - 内燃機関の過給圧制御方法 - Google Patents

内燃機関の過給圧制御方法

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JPH0610424B2
JPH0610424B2 JP63335093A JP33509388A JPH0610424B2 JP H0610424 B2 JPH0610424 B2 JP H0610424B2 JP 63335093 A JP63335093 A JP 63335093A JP 33509388 A JP33509388 A JP 33509388A JP H0610424 B2 JPH0610424 B2 JP H0610424B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、実際の過給圧と目標過給圧との偏差に応じて
制御量を決定し、該制御量に基づいて前記過給圧が前記
目標過給圧となるようにフィードバック制御を行なう内
燃機関の過給圧制御方法に関し、特に過渡状態から定常
状態に至る過給圧制御を適切に行ない得るようにした内
燃機関の過給圧制御方法に関する。
(2) 従来の技術 排ガス流をタービン駆動源とする所謂可変容量型ターボ
チャージャその他の過給圧制御可能な過給機付内燃機関
において、適宜のアクチュエータ(たとえば過給圧や吸
気管内負圧を作動圧としたダイヤフラムを含む圧力応動
型作動系、あるいはステップモータ等を利用した作動系
等)により過給圧を制御する場合、フィードバック制御
が従来から用いられている。
これは、上記アクチュエータや過給機本体の構成部品の
製造時のばらつき等の個体間差、あるいは使用に伴う耐
久性劣化等の経年変化により過給圧が左右され、このた
め過給圧を所望の値に制御するときに予め設定した制御
量で運転すると過給圧の大きな変化を招く(同一制御量
を適用しても、本来ならばそれに対応して作動すべき前
記アクチュエータ等の作動制御系の調整作動量が、既述
のような個体間差や経年変化に起因して異なったものに
なる)場合があるのに対し、過給圧のフィードバック制
御を行なうと、そのような問題を解決することができる
からである。すなわちフィードバック制御は、目標過給
圧と実際の過給圧との偏差を検出し、該偏差が零となる
ように偏差に応じて制御量を決定して制御を行なうもの
であるので、たとえ使用アクチュエータに個々のばらつ
きがあったとしても、また経年変化が生じていたとして
も、それらの影響がフィードバック制御において吸収さ
れ、補正されることになる。
したがって過給圧を機関運転状態に対応した所要目標圧
に制御する際、過給圧が当該目標圧となるように上記偏
差に基づいて制御量を決定して過給圧を目標過給圧に制
御するフィードバック制御を行なうことが望ましい。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところが、上記フィードバックは、場合によっては過給
圧の不所望な異常上昇などを引き起こす原因ともなる。
すなわち、急激に過給圧が上昇する場合等のいわゆる過
渡状態にあっては、制御系の応答遅れにより制御量が過
給圧調整に追従できず、過給圧の異常上昇、異常降下お
よびハンチング等の現象が生じる。
特に加速時に、それに応え機関出力を上昇させるべく過
給圧を急減に増大させる必要がある場合において、該運
転状態に応じて高く設定した目標過給圧に向かって過給
圧が上昇するときには、過給圧がその目標過給圧を超え
てオーバーシュートし、そのオーバーシュートが大きく
なればなる程ハンチング期間が長くなって過給圧制御が
不安定となり、また過度のオーバーシュートによりオー
バーブーストが生じればノッキングなどが発生し、これ
もまた加速時の運転性を阻害することになる。
そこで本出願人は、上記過渡状態におけるフィードバッ
ク制御の不具合を解消すべく、過渡状態においては過給
圧制御をオープンループ制御とし、定常状態ではフィー
ドバック制御を行なうようにした過給圧制御方法を先に
提案(特開昭63−129126号公報)しており、こ
れによれば、従前のものに比べて安定な過給圧制御を行
なうことが可能となる。
ところが、上記提案にかかる制御方法のように、過渡状
態と定常状態とでオープンループ制御とフィードバック
制御とを使い分ける場合、次のような点では改良の余地
があり、それをも改善すれば、より一層安定した過給圧
制御を行なうことが可能となる。
すなわちフィードバック制御に移行させるにあたり、フ
ィードバック制御開始の判断を過給圧の状態のみで判断
すると、運転状態によっては早めにフィードバック制御
状態に入り過ぎたり、また場合によっては逆になかなか
フィードバック制御状態に入らない状態も発生する。
このように過渡状態から定常状態へと変化する過程で、
状況によりフィードバック制御への移行のタイミングが
適正なものとならない場合が生じ、過給圧上昇時にフィ
ードバック制御状態に早めに入り過ぎたときには、その
ときの目標過給圧との偏差がより大きい状態でフィード
バック制御領域に突入して該制御が開始されることにな
るので、オーバーブーストやハンチンチグが発生し易
い。またフィードバック制御状態になかなか入らない場
合には、そのフィードバック制御への移行が遅れれば遅
れる程、その間は既述のフィードバック制御による使用
アクチュエータ等の個体間のばらつき、経年変化などの
補正が困難となる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、機
関の運転状況に応じてフィードバック制御への移行のタ
イミングの適正化を図り、もって常に最適な制御状態を
得るようにした内燃機関の過給圧制御方法を提供するこ
とを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明の第1の特徴によれ
ば、機関の所定の運転状態では、実際の過給圧と目標過
給圧との偏差に基づいて過給圧が目標過給圧となるよう
にフィードバック制御を行なう内燃機関の過給圧制御方
法において、フィードバック制御へ移行すべきと判断さ
れた時には、過給圧が第1所定値以下の場合に基本過給
圧制御量を最高過給圧制御量をすると共に、過給圧が前
記第1所定値よりも高い第2所定値を越えるのに応じて
フィードバック制御を開始し、前記第2所定値は過給圧
変化率が大きい程大きな値に変更される。また本発明の
第2の特徴によれば、上記第1の特徹に加えて、過給圧
が前記第1所定値よりも大きく且つ前記第2所定値より
も小さい場合には、前記基本過給圧制御量が過給圧変化
率が正の時に所定量減算され、また同変化率が負の時に
所定量加算される。
(2) 作 用 上記方法によると、フィードバック制御へ移行すべきと
判断された時には、過給圧が第2所定値を越えるのに応
じてフィードバック制御を開始し、しかもその第2所定
値は過給圧変化率が大きい程大きな値に変更されるか
ら、フィードバック制御への移行のタイミングを過給圧
変化に応じて最適なものとすることができる。しかも過
給圧が第2所定値よりも低い第1所定値以下の場合には
基本過給圧制御量を最高過給圧制御量とするので、フィ
ードバック制御への移行が速やかである。
更に第2の特徴によれば、過給圧が前記両所定値の中間
にある場合には、基本過給圧制御量が過給圧変化率が正
の時に所定量減算され、また同変化率が負の時に所定量
加算されるので、その所定量減算により過給圧立上がり
時のオーバーシュートを効果的に防止できるばかりか、
その反動による過給圧の落ち込みが上記所定量加算によ
りカバーされる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、多気筒内燃機関の機関本体Eにおける各気筒の吸気
ポートには吸気マニホールド1が接続され、この吸気マ
ニホールド1はさらに吸気管2、スロットルボデイ3、
インタクーラ4および可変容量ターボチャージャ5を介
してエアクリーナ6に接続される。また改気筒の排気ポ
ートには排気マニホールド7が接続され、この排気マニ
ホールド7は可変容量ターボチャージャ5を中間部に介
設した排気管8を介して、三元触媒を内蔵した触媒コン
バータ9に接続される。また各気筒の吸気ポートに向け
て燃料をそれぞれ噴射するための燃料噴射弁10が吸気
マニホールド1の各吸気ポートに近接した部分に取付け
られる。
可変容量ターボチャージャ5には水ジャケット11が設
けられており、この水ジャケット11の入口とインタク
ーラ4の入口とは、吸入口をラジエータ12に接続した
水ポンプ13の吐出口に並列に接続され、水ポンプ13
およびインタクーラ4の出口はラジエータ12に接続さ
れる。しかもラジエータ12は、機関本体Eにおける冷
却水用のラジエータとは別に設けられるものである。
次に第2図、第3図および第4図を参照しながら可変容
量ターボチャージャ5の構成について説明すると、この
ターボチャージャ5は、コンプレッサケーシング14
と、該コンプレッサケーシング14の背面を閉塞する背
板15と、主軸16を支承する軸受ケーシング17と、
タービンケーシング18とを備える。
コンプレッサケーシング14および背板15間にはスク
ロール通路19が画成され、コンプレッサケーシング1
4の中央部には軸方向に延びる入口通路20が形成され
る。しかもスクロール通路19の中央部であって入口通
路20の内端に位置する部分における主軸16の一端部
にはコンプレッサホイル21が取付けられる。
コンプレッサケーシング14と背板15とは複数のボル
ト22により締着されており、この背板15の中央部に
軸受ケーシング17が接続される。軸受ケーシング17
には、相互に間隔をあけて一対の軸受孔23,24が同
軸に穿設されており、これらの軸受孔23,24に挿通
される主軸16と軸受孔23,24との間にはラジアル
軸受メタル25,26がそれぞれ介装され、これにより
主軸16が回転自在にして軸受ケーシング17に支承さ
れる。また主軸16のコンプレッサホイル21側に臨む
段部16aと、コンプレッサホイル21との間には、段
部16a側から順にカラー27、スラスト軸受メタル2
8およびブッシング29が介装されており、コンプレッ
サホイル21の外端に当接するナット30を主軸16の
一端部に螺合して締付けることにより、主軸16のスラ
スト方向支持およびコンプレッサホイル21の主軸16
への取付けが行なわれる。
軸受ケーシング17の上部には、図示しない潤滑油ポン
プに接続される潤滑油導入孔32が設けられ、軸受ケー
シング17内にはラジアル軸受メタル25,26および
スラスト軸受メタル28に潤滑油導入孔32から供給さ
れる潤滑油を導くための潤滑油通路33が穿設される。
また軸受ケーシング17の下部には各潤滑部から流出す
る潤滑油を下方に排出するための潤滑油排出口34が設
けられており、この潤滑油排出口34から排出される潤
滑油は図示しないオイルサンプに回収される。
ブッシング29は、背板15の中央部に穿設された透孔
35を貫通して配置されており、スラスト軸受メタル2
8から流出する潤滑油がコンプレッサホイル21側に流
れることを防止するためにブッシング29の外面および
透孔35の内面間にはシールリング36が介装される。
また背板15とスラスト軸受メタル28との間にはブッ
シング29を貫通させるガイド板37が挟持される。し
たがってスラスト軸受メタル28から流出した潤滑油は
ブッシング29から半径方向外方に飛散してガイド板3
7で受止められる。しかもガイド板37の下部は受止め
た潤滑油を潤滑油排出口34に円滑に案内すべく彎曲成
形される。
軸受ケーシング17には、主軸16の周囲に水ジャケッ
ト11が設けられるとともに、該水ジャケット11に水
ポンプ13(第1図参照)からの水を導くための水供給
口38ならびに水ジャケット11からの水をラジエータ
12(第1図参照)に導くための水排出口39が穿設さ
れる。しかも水ジャケット11は、タービンケーシング
18寄りの部分では主軸16を囲む円環状に形成される
とともに潤滑油排出口34の上方に対応する部分では主
軸16の上方で下方に開いた略U字状の横断面形状を有
するように形成され、水供給口38は水ジャケット11
の下部に連通すべく軸受ケーシング17に穿設され、水
排出口39は水ジャケット11の上部に連通すべく軸受
ケーシング17に穿設される。
タービンケーシング18内には、スクロール通路41
と、該スクロール通路41に連通して接線方向に延びる
入口通路42と、スクロール通路41に連通して軸線方
向に延びる出口通路43とが設けられる。
軸受ケーシング17とタービンケーシング18とは、そ
れらの間に背板44を挟持するようにして相互に結合さ
れる。すなわちタービンケーシング18には複数のスタ
ッドボルト45が螺着されており、軸受ケーシング17
に係合するリング部材46をスタッドボルト45に螺合
するナット47によって締付けることにより軸受ケーシ
ング17とタービンケーシング18とが相互に結合さ
れ、背板44の外周部に設けられるフランジ部44aが
軸受ケーシング17およびタービンケーシング18間に
挟持される。
背板44には固定ベーン部材48が固着されており、こ
の固定ベーン部材48によりスクロール通路41内が外
周路41aと流入路41bとに区画される。該固定ベー
ン部材48は、出口通路43に同軸に嵌合する円筒部4
8aと、該円筒部48aの中間部外面から半径方向外方
に張出す円板部48bと、該円板部48bの外周端から
背板44側に向けて延びる複数たとえば4つの固定ベー
ン49とから成り、主軸16の他端部に設けられるター
ビンホイル50が該固定ベーン部材48内に収納され
る。前記円筒部48aは、その外面に嵌着されたシール
リング51を介して出口通路43に嵌合され、固定ベー
ン49がボルト52により背板44に結合される。
固定ベーン49は、周方向に等間隔をあけた位置でター
ビン部材48の外周部に設けられるものであり、各固定
ベーン49はそれぞれ円弧状に形成される。また各固定
ベーン49間には、主軸16の軸線と平行にして背板4
4に回動自在に枢着された回動軸53に一端を固着され
た可動ベーン54がそれぞれ配置され、これらの可動ベ
ーン54により各固定ベーン49間の空隙の流通面積が
調整される。
各可動ベーン54は、固定ベーン49と同等の曲率の円
弧状に形成されており、第3図の実線で示す全閉位置
と、鎖線で示す全開位置との間で回動可能である。しか
も各回動軸53は、背板44および軸受ケーシング17
間に配置されるリンク機構55を介してアクチュエータ
60に連結されており、そのアクチュエータ60の作動
により各可動ベーン54が同期して開閉駆動される。
背板44および軸受ケーシング17間には、タービンホ
イル50の背部に延びるシールド板56が挟持されてお
り、このシールド板56により流入路41bを流れる排
ガスの熱が軸受ケーシング17の内部に直接伝達される
ことが極力防止される。また排ガスが軸受ケーシング1
7内に漏洩することを防止するために、タービンケーシ
ング18内に主軸16を突出させるべく軸受ケーシング
17に設けられた透孔57に対応する部分で、主軸16
にはラビリンス溝として機能する複数の環状溝58が設
けられる。
かかる可変容量ターボチャージャ5では、機関本体Eか
ら排出される排ガスが、入口通路42から外周路41a
に流入し、可動ベーン54の回動量に応じた可動ベーン
54および固定ベーン49間の空隙の流通面積に応じた
流速で排ガスが流入路41b内に流入し、タービンホイ
ル50を回転駆動して出口通路43から排出される。こ
の際、各可動ベーン54および固定ベーン49間の空隙
の流通面積が小さくなるとタービンホイル50すなわち
主軸16の回転速度が速くなり、各可動ベーン54およ
び固定ベーン49間の空隙の流通面積が大きくなるとタ
ービンホイル50すなわち主軸16の回転速度が遅くな
る。このタービンホイル50の回転に応じてコンプレッ
サホイル21が回転し、エアクリーナ6から入口通路2
0に導かれた空気が、コンプレッサホイル21により圧
縮されながらスクロール通路19を経てインタクーラ4
に向けて供給されることになる。したがって可動ベーン
54をタービンケーシング18の半径方向最外方に位置
させて固定ベーン49との間の空隙流通面積を最小とし
たときに過給圧が最大となり、可動ベーン54をタービ
ンケーシング18の半径方向最内方に位置させて固定ベ
ーン49との間の空隙流通面積を最大としたときに過給
圧が最小となる。
この可変容量ターボチャージャ5における空気圧縮時の
温度上昇による軸受ケーシング17の温度上昇が水ジャ
ケット11への冷却水の供給により極力防止され、また
吸気温の上昇がインタクーラ4への冷極水の供給により
防止される。
再び第1図において、可変容量ターボチャージャ5の可
動ベーン54を駆動するためのアクチュエータ60は、
ハウジング61と、該ハウジング61内を第1圧力室6
2および第2圧力室63に区画するダイヤフラム64
と、第1圧力室62を収縮する方向にダイヤフラム64
を付勢すべくハウジング61およびダイヤフラム64間
に介装される戻しばね65と、ダイヤフラム64の中央
部に一端を連結されるとともに第2圧力室62側でハウ
ジング61を気密にかつ移動自在に貫通してリンク機構
55に他端が連結される駆動ロッド66とを備える。し
かも駆動ロッド66とリンク機構55とは、ダイヤフラ
ム64が第2圧力室63を収縮する方向に撓んで駆動ロ
ッド66が伸長作動したときに、各可動ベーン54がタ
ービンケーシング18の半径方向内方に回動して各固定
ベーン49との間の空隙流通面積を増大するように連結
される。
第1圧力室62には、可変容量ターボチャージャ5およ
びインタクーラ4間の吸気路が過給圧Pを供給すべく
レギュレータ67、絞り68および電磁制御弁69を介
して接続されるとともに、エアクリーナ6および可変容
量ターボチャージャ5間の吸気路が絞り75を介して接
続される。この電磁制御弁69はデューティ制御される
ものであり、そのソレノイド70のデューティ比が大と
なるのに応じて第1圧力室62の圧力が増大、すなわち
駆動ロッド66およびリンク機構55を介して可変ター
ボチャージャ5の可動ベーン54が内方側に回動駆動さ
れる。また第2圧力室63には、スロットルボデイ3よ
りも下流側の吸気路が吸気圧Pを供給すべく逆止弁7
1および電磁開閉弁72を介して接続される。この電磁
開閉弁72は、そのソレノイド73の励磁に応じて開弁
するものであり、該電磁開閉弁72の開弁に応じて第2
圧力室63に吸気圧Pが供給されると、アクチュエー
タ60は可変容量ターボチャージャ5の可動ベーン54
を内方側に駆動する。
電磁制御弁69のソレノイド70および電磁開閉弁72
のソレノイド73の励磁および消磁は制御手段Cにより
制御されるものであり、該制御手段Cには、機関本体E
内に設けられた水ジャケット(図示せず)の水温T
検出する水温検出器Sと、インタクーラ4よりも下流
側の吸気温度Tを検出する吸気温センサSと、エア
クリーナ6および可変容量ターボチャージャ5間の吸気
圧Pを検出する吸気圧センサSPAと、可変容量ター
ボチャージャ5およびインタクーラ4間の吸気路の過給
圧Pを検出する過給圧センサSP2と、スロットルボ
デイ3よりも下流側の吸気圧Pを検出する吸気圧セン
サSPBと、機関回転数Nを検出する回転数検出器S
と、スロットルボデイ3におけるスロットル弁74の
開度θTHを検出するスロットル開度検出器STHと、
車速Vを検出する車速検出器Sと、自動変速機におけ
るシフト位置を検出するためのシフト位置検出器S
が接続される。而して制御手段Cは、それらの入力信号
すなわち水温T、吸気温度T、吸気圧P、過給圧
、吸気圧P、機関回転数N、スロットル開度θ
TH、車速Vおよび自動変速機のシフト位置信号に基づ
いて前記ソレノイド70,73の励磁および消磁を制御
する。
次に制御手段Cにおける制御手順を説明するが、先ず電
磁制御弁69におけるソレノイド70のデューティ制御
について第5図のメインルーチンを参照しながら説明す
る。ただしこのメインルーチンでソレノイド70の励磁
および消磁を制御するためのデューティDOUTは、そ
の値が大きくなるにつれてソレノイド70のデューティ
比が小さくなるものであり、DOUT=0はデューティ
比100%に対応し、DOUT=100はデューティ比
0%に対応する。
第1ステップS1では始動モードであるか否か、すなわ
ち機関がクランキング中であるか否かが判定され、始動
モードであるときには、第2ステップS2でデューティ
OUTが0、すなわち電磁制御弁69を全開にして可
動ベーン54と固定ベーン49との間の空隙流通面積が
最大となるように設定される。これはクランキング中に
は機関が不安定な状態にあり、かかる不安定状態で燃焼
室に過給圧を導入することは不安定を助長するものであ
るので、可動ベーン54と固定ベーン49との間の空隙
流通面積を最大にして過給圧が燃焼室に導入されること
を回避するためである。またクランキング中は運転者も
給気の過給を要求することはなく、可動ベーン54と固
定ベーン49との間の空隙流通面積を小さくする必要は
ない。次の第3ステップ3ではフィードバック制御開始
を遅延させるためのタイマtFBDLYがリセットさ
れ、その後、第4ステップS4からデューティDOUT
が出力される。
前記タイマtFBDLYは第6図で示す手順に従って演
算されるものであり、過給圧Pの変化率ΔPによっ
て3つのタイマtFBDLY1,tFBDLY2,t
FBDLY3のうち1つが選択される。ここで前記変化
率ΔPは、今回の過給圧P2nと、6回前の過給圧P
2n−6との差(ΔP=P2n−P2n−6)で求め
られる。すなわち第5図に示すメインルーチンはTDC
信号により更新されるが、TDC信号1回だけでは過給
圧Pの変化率が小さ過ぎるので、過給圧挙動すなわち
前記変化率ΔPを正確に読込むために6回前の過給圧
2n−6との差を求めるようにしたものである。また
設定変化率ΔP2PTLおよび設定高変化率ΔP
2PTHは機関回転数Nに応じて予め定められている
ものであり、ΔP≦ΔP2PTLのときにはt
FBDLY1が設定され、ΔP2PTL<ΔP≦ΔP
2PTHのときにはtFBDLY2が設定され、ΔP
2PTH<ΔPのときにはtFBDLY3が設定され
る。しかもtFBDLY1<tFBDLY2<t
FBDLY3であり、過給圧変化率ΔPが小さいとき
すなわち過給圧Pが緩やかに変化しているときには遅
延時間が小さく設定され、過給圧変化率ΔPが大きい
ときすなわち過給圧Pが急激に変化しているときには
遅延時間が大きく設定される。これによりオープンルー
プ制御からフィードバック制御への移行時に過不足のな
い時間tFBDLYが設定され、その移行時にハンチン
グ現象が生じることを充分に回避することが可能とな
る。
第1ステップS1で始動モードではないと判断されたと
きには、第5ステップS5で水温Tが設定低水温T
WL未満であるかどうかが判断され、設定低水温TWL
未満であるときには第2ステップS2に進む。ここでT
<TWLが成立する場合として考えられる機関の運転
状態は、たとえば機関の始動初期あるいは外気温が極低
温状態であるとき等であり、機関の始動初期にはその運
転状態が不安定な状態が続き、また外気温が極低温であ
るときには吸気密度が上がるので充填効率が上昇して異
常燃焼の原因となる。このようなときに、過給圧を燃焼
室に導入することは機関の不安定状態や異常燃焼を助長
することになる。また極低温時には電磁制御弁69自体
の作動不良も考えられ、制御手段Cによる指示通りに電
磁制御弁69が挙動しないおそれがある。そこで、T
<TWLであるときには、第2ステップS2に進んでD
OUT=0とするものである。
第5ステップS5で、T≧TWL以上であると判断さ
れたときには第6ステップS6に進む。この第6ステッ
プS6では水温Tが設定高水温TWHを超えるかどう
かが判断され、設定高水温TWHを超えるときには第2
ステップS2に進む。ここでT>TWHが成立する場
合として考えられるのは、たとえば機関が高負荷運転を
続行している場合、外気温が極高温の場合および機関本
体Eの冷却水系に異常が発生している場合等である。こ
れら全ての状態では吸気密度が低下すなわち充填効率が
下降し、これが未燃焼等の異常燃焼の原因となる。この
ように機関が不安定な状態にあるときに過給圧を燃焼室
に導入することは前記不安定状態を助長することになる
ので、第2ステップS2でデューティDOUT=0とす
るものである。また極高温時にはソレノイド70のイン
ダクタンス特性が変化し易く、通常状態での設定挙動と
異なる挙動をするおそれがあり、そのようなことを回避
する点からも第2ステップS2に進ませるものである。
第6ステップS6でT≧TWHであると判断されたと
きには第7ステップS7に進む。すなわち水温Tが設
定低水温TWL以上であって設定高水温TWH以下の範
囲にあるときに第7ステップS7に進み、それ以外のと
きには第2ステップS2に進む。
第7ステップS7では、過給圧Pが第7図で示すよう
に予め設定されている高過給圧判定ガード値P2HG
超えるかどうかが判定され、P>P2HGであるとき
には第2ステップS2に進み、P≦P2HGであると
きには第8ステップS8に進む。ここで高過給圧判定ガ
ード値P2HGは、機関回転数Nに応じて変化するも
のであり、機関回転数Nに対応したノック限界値以下
で最高出力が得られるように設定されるものである。そ
の限界低回転数域では低速変速段で伝動部材にかかかる
トルクが正、限界高回転域では機関本体Eの耐久性が正
となり、それぞれ中回転数域より低いP2HGが設定さ
れている。この高過給圧判定ガード値P2HGを超える
過給圧Pが検出されたときには、第2および第3ステ
ップS2,S3を経た第4ステップS4でデューティ比
を100%として過給圧Pの低下が図られるととも
に、燃料噴射がカットされる。
第8ステップS8では基本過給圧制御量としての基本デ
ューティDが検索される。この基本デューティD
は、機関回転数Nとスロットル開度θTHとに応じ
て予め設定されており、その設定テーブルから基本デュ
ーティDが検索される。このように基本過給圧制御量
としての基本デューティDを機関回転数Nとスロッ
トル開度θTHとで定まるマップにより検索すること
で、機関の各運転状態を的確に判断することができる。
これは機関回転数N単独あるいはスロットル開度θ
TH単独では減速時や過渡運転状態を的確には判断し得
ないためである。なおスロットル開度θTHを機関の負
荷状態を示すパラメータの代表として採用しているが、
吸気圧Pや燃料噴射量に代替しても同等の効果が得ら
れるものである。
次の第9ステップS9では、自動変速機のシフト位置が
第1速位置にあるかどうかが判定され、第1速位置にあ
るときには第10ステップS10に進み、第1速位置以
外のシフト位置にあるときには第11ステップS11に
進む。
第10ステップS10では、第8図で示すサブルーチン
に従って基本デューティDの減算が行なわれる。すな
わち機関回転数Nおよび吸気圧Pで定まる運転状態
に応じて減量が必要である判別ゾーンが第9図の斜線で
すように予め設定されており、この判別ゾーン内にある
か、判別ゾーン外にあるかに応じて基本デューティD
の減算を行なうかどうかが判定される。ところで第9図
では機関回転数N−吸気圧Pにより機関のトルク変
化を見ており、判別ゾーンの境界線は第1速位置でのギ
ヤ軸の許容トルク量を示すものである。すなわち第1速
位置でギヤ軸にかかる力が過負荷にならないように、第
9図で示すように各運転域での判別を機関回転数N
よび吸気圧Pで的確に判断している。判別ゾーン外に
あるときには基本デューティDをそのままにして第1
2ステップS12に進むが、判別ゾーン内にあるときに
は、フラグFが0であるかどうかすなわちフィードバッ
ク制御状態にあるかどうかが判断された後、オープン制
御状態にあるときにはD=D−Dなる減算が行な
われ、フィードバック制御状態にあるときにはP
2HEF=P2REF−ΔP2REFFなる減算が行な
われる。ここで、Dは予め設定された減算値である。
またP2REFはフィードバック制御状態であるときに
用いる目標過給圧、ΔP2REFは予め設定された減算
値であるが、後述のフィードバック制御の個所で詳述す
る。
第11ステップS11では、第10図で示すサブルーチ
ンに従って基本デューティDの減算が行なわれる。す
なわちスロットル開度θTHが設定スロットル開度θ
THOSを超え、機関回転数Nが設定回転数NEOS
を超え、吸気圧Pが設定吸気圧PBOSを超え、前回
の機関回転数Nの変化率ΔNが正、今回の機関回転
数Nの変化率ΔNが負であるときには、オープン制
御状態にあるときにD=D−D0Sなる減算が行な
われ、フィードバック制御状態にあるときにP2REF
=P2REF−ΔP2REFOSなる減算が行なわれ、
それ以外のときには基本デューティDをそのままにし
て第12ステップS12に進む。ここでD0S,ΔP
2REFOSは予めめ設定された減算値である。
第12ステップS12では、スロットル開度θTHが予
め設定されているスロットル開度θTHFBを超えかど
うかが判定される。この設定スロットル開度θTHFB
はオープンループ制御からフィードバック制御に移行さ
せるかどうかを判断するために設定されたものである。
このように判定パラメータとしてスロットル開度θTH
を採用することで、運転者が加速すなわち過給ゾーンを
要求しているかどうかを的確に判別することができる。
θTH≦θTHFBであるときすなわちオープンループ
制御を継続するときには、第13ステップS13で、第
6図で示した遅延タイマtFBDLYをリセットし、さ
らに第14ステップS14に進む。
第14ステップS14では、デューティ用補正係数K
MODijを検索する。この補正係数KMODijは、
機関回転数Nと吸気温度Tとで定まるマップで検索
されるものであり、後述のように最適過給圧Pが所定
偏差内に収まったときに学習され、その学習により随時
更新される。ここで補正係数KMODijの初期値は1
である。
次の第15ステップS15ではデューティ用大気圧補正
係数KPATC(0.8〜1.0)が吸気圧Pに対応
して決定され、さらに次の第16ステップS16でデュ
ーティ用吸気温補正係数KTATC(0.8〜1.3)
が吸気温度Tに対応して決定される。第17ステップ
S17では過給圧Pの変化率ΔPに応じた設定減算
デューティDが、第11図のサブルーチンに従って決
定される。すなわちスロットル開度θTHが設定スロッ
トル開度θTHFBよりも大きいときには第12図
(a),(b),(c)で示すように過給圧Pの変化率ΔP
および機関回転数Nよって設定された設定減算デュー
ティDが選択され、θTH≦θTHFBであるときに
はD=0とされる。
第12図(a)は機関回転数Nが予め設定されている第
1切換回転数NFB1(たとえば3000rPm)以下
であるときの設定減算デューティDを示し、第12図
(b)は機関回転数Nが第1切換回転数NFB1を超え
て第2切換回転数NFB2(たとえば4500rpm)
以下であるときの設定減算デューティDを示し、第1
2図(c)は機関回転数Nが第2切換回転数NFB2
満であるときの設定減算デューティDを示すものであ
る。ここで設定減算デューティDは、後述の第19図
に示す通り目標過給圧P2REFよりも低い設定値P
2STを実際の過給圧Pが超えたときから処理される
もので、過給圧Pの立上がり時のオーバーシュートを
防止するためのものである。しかもDを、第12図お
よび上述のように、機関回転数Nおよび過給圧変化率
ΔPに応じて持替えているが、これは設定値P2ST
に到達する際の機関回転数Nにより、また過給圧変化
率ΔPによりオーバーシュート量に違いがあるため、
上記持替えによって各運転域におけるデューティ制御を
最適にすることを目的とするものである。ここではΔP
が大きい程、またNが大きい程、Dは大きく設定
される。
さらに第18ステップS18では、設定加算デューティ
TRSが、第13図で示すサブルーチンに従って決定
される。すなわちオープンループ制御であってしかも過
給圧Pの変化率ΔPが負の状態であるときには第1
4図(a),(b),(c)で示すように−ΔPおよび機関回
転数Nによって設定されている設定加算デューティD
TRBが選択され、さらに設定減算デューティDが0
とされる。またフィードバック制御状態であってΔP
が正であるときには設定加算デューティDTRBが0と
される。この設定加算デューティDTRBも上述の設定
減算デューティDと同様に、機関回転数Nおよび一
の過給圧変化率−ΔPに応じて第14図に示す通り持
替えられるものであり、Nが大きい程、−ΔPが大
きい程DTRBが大きくなるように設定され、これによ
り各運転域においてハンチングの少ない安定した過給圧
が得られるようなデューティ制御が可能となる。す
なわち運転開始から所定領域P2STまでDOUT=1
00として可動ベーン54を固定ベーン49との間の空
隙流通面積が最小となるようにして過給圧Pを上昇せ
しめ、過給圧Pが設定圧P2STを超えてからはオー
バーシュート防止用の設定減算デューティDの反動と
して発生するハンチングを防止すべく設定加算デューテ
ィDTRBを加算することにより各運転域で安定した過
給圧制御を可能とするものである。したがって第4ステ
ップS4から出力される出力デューティDOUTは、上
述の内容および外的要因を加味した機関の運転状態を総
合的に勘案した設定となっている。
このように補正係数KMODij,KPATC,K
TATC、、設定減算デューティDおよび設定加算デ
ューティDTRMが決定された後には第19ステップS
19に進む。
第19ステップS19では、デューティDOUTが次式
により補正される。
OUT=KTATC×KPATC×KMODij×
(D+DTRB−D) さらに第20ステップS20では、オープンループ制御
であることを示すべくフラグF=1とし、第21ステッ
プS21ではデューティDOUTがリミット値を超えて
いないかどうかをチエックする。すなわち機関回転数N
に応じてデューティDのリミット値が予め設定され
ており、そのリミット値から外れるかどうかをチェック
し、リミット値から外れていないときに、第4ステップ
S4でデューティDOUTが出力される。
第12ステップS12ではθTH>θTHFBであると
判断されたときには、第22ステップS22に進む。こ
の第22ステップS22では、前回のフラグFが1であ
るかどうか、すなわち前回がオープンループ制御状態で
あったかどうかが判定され、F=1のときには第23ス
テップS23で過給圧Pがオープンループにおけるデ
ューティ制御開始判別過給圧P2STを超えるかどうか
が判定される。このデューティ制御開始判別過給圧P
2STはP2ST=P2REF−ΔP2STにより得ら
れるものであり、ΔP2STは第15図(a)、(b)、(c)
で示すように機関回転数Nに応じて設定されている。
ここでΔP2STは、上述のD,DTRBと同様に、
最適なデューティ制御をすべく機関回転数Nおよび過
給圧変化率ΔPに応じて持替えられるものであり、機
関回転数Nが大きくなる程、また過給圧変化率ΔP
が大きくなる程大きくなるように設定される。
第23ステップS23でP>P2STであるときには
第24ステップS24で過給圧Pがフィードバック制
御開始判別過給圧P2FBを超えるかどうかが判定され
る。このフィードバック制御開始判別過給圧P
2FBは、P2FB=P2REF−ΔP2FBにより得
られるものであり、ΔP2FBは第16図(a)、(b)、
(c)で示すように機関回転数Nに応じて設定されてい
る。すなわちΔP2FBは、前記ΔP2ST,D,D
TRBと同様に、最適なデューティ制御すべく機関回転
数Nおよび過給圧変化率ΔPに応じて持替えられる
ものであり、機関回転数Nが大きくなる程、また過給
圧変化率ΔPが大きくなる程小さくなるように設定さ
れており、フィードバック制御開始判別過給圧P2FB
は機関回転数Nが大きくなる程、また過給圧変化率Δ
が大きくなる程大きくなる。この第24ステップS
24でP>P2FBであるときには第25ステップS
25に進む。
第25ステップS25では遅延タイマtFBDLYが経
過しているかどうかが判定され、経過しているときには
第26ステップS26に進む。また第22ステップS2
2でF=0であったときには第23〜25ステップS2
3〜S25を迂回して第26ステップS26に進み、第
23ステップS23でP≦P2STであるときには第
27ステップS27に、第24ステップS24でP
2FBであるときには第13ステップS13に、第2
5ステップS25で遅延タイマtFBDLYが経過して
いないときには第14ステップS14にそれぞれ進む。
第27ステップS27ではデューティDOUTが100
とされ、次いで第28ステップS28でタイマt
FBDLYをリセットして第4ステップS4に進む。
第26ステップS26では、過給圧変化率ΔPの絶対
値がフィードバック制御判定過給差圧GdP2を超える
かどうかが判断される。このフィードバック制御判定過
給差圧GdP2はたとえば30mmHgに設定されてお
り、ΔPの絶対値がフィードバック制御判定過給差圧
dP2を超えるときには第14ステップS14に戻
り、ΔPの絶対値がフィードバック制御判定過給差圧
dP2以下であるときには第29ステップS29に進
む。ここで|ΔP|>GdP2であるときにフィード
バック制御を開始するとハンチングを生じる原因となる
ので、第14ステップS14に戻ってオープンループ制
御を行なうのであるが、上述の通りオープンループ制御
においてD,DTRBによる補正を行なってハンチン
グおよびオーバーシュートを防止するようにしているの
で、第26ステップS26はフェールセーフ機能を果た
すことが主眼となる。
第29ステップS29からはフィードバック制御が開始
されるものであり、先ず第29ステップS29で機関回
転数Nおよび吸気温度Tにより予め設定されている
目標過給圧P2REFが検索される。ここでフィードバ
ック制御は、先ず第12ステップS12においてθTH
>θTHFBを満足することが前提となっており、この
前提条件で機関の運転状態を的確に判断し得るパラメー
タとして機関回転数Nおよび吸気温度Tにより定ま
る目標過給圧P2REFが検索されるものである。θ
TH>θTHFBつまり機関の中、高負荷状態では機関
回転数Nおよびスロットル開度θTHはほぼ同一の挙
動を示すものであり、Nは機関の運転状態を示す有効
なパラメータとなるものである。また吸気温度T
は、第1図に示した通りインタクーラ4の下流側の吸気
温度であり燃焼室に導入される吸気状態を的確に示すパ
ラメータとなる。したがって機関回転数Nおよび吸気
温度Tで定まるマップにより目標過給圧P2REF
決定することで、機関の運転状態に即応した値を設定し
得ることになる。
次の第30ステップS30では自動変速機のシフト位置
が第1速位置であるか否かが判定される。第1速位置で
あるときには、第31ステップS31において前述の第
8図で示したサブルーチンに従って運転状態が判別ゾー
ン(第9図の斜線部)にあるときにP2REF=P
2REF−ΔP2REFFなる演算が行なわれ、第33
ステップS33に進む。このΔP2REFFは、シフト
位置が第1速位置にあるときに対応して設定される減算
値である。また第30ステップS30でシフト位置が第
1速位置以外の位置にあると判定されたときには、第3
2ステップS32において前述の第10図で示したサブ
ルーチンに従ってP2REF=P2REF−ΔP
2REFOSなる演算が行なわれ、第33ステップS3
3に進む。しかもΔP2REFOSはシフト位置が第1
速位置以外の状態にあるときに対応して設定される減算
値である。
第33ステップS33では吸気圧Pに応じて予め設定
されている過給圧用大気圧補正係数KPAP2ならびに
デューティ用大気圧補正係数KPATCが決定され、さ
らに第34ステップS34で次の演算が行なわれる。
2REF=P2REF×KREFTB 上記式でKREFTBは機関のノック状態に対応した補
正係数である。
第35ステップS35では、目標過給圧P2REFと今
回の過給圧Pとの偏差の絶対値が設定値GP2以上で
あるかどうかが判定される。該設定値GP2はフィード
バック制御時の不感帯定義圧であり、たとえば20mmH
g程度に設定される。目標過給圧P2REFと実際の過
給圧Pとの偏差の絶対値が前記設定値GP2以上であ
るときには、第36ステップS36に進み、設定値G
P2未満であるときには第43ステップS43に進む。
第36ステップS36では、デューティの比例制御項D
が次式により演算される。
=K×(P2REF−P) 上記式においてKは比例制御項に係るフィードバック
係数であり、第17図に示すサブルーチンに従って求め
られる。この第17図において、機関回転数Nが第1
切換回転数NFB1以下であるときにはKP1が得られ
るとともに後述の積分制御項に係るフィードバック係数
11が得られ、機関回転数Nが第1切換回転数N
FB1を超えて第2切換回転数NFB2以下であるとき
には、KP2,K12が得られ、さらに機関回転数N
が第2切換回転数NFB2を超えるとKP3,K13
得られる。
第37ステップS37では前述の第14ステップS14
と同様に、機関回転数Nおよび吸気温度Tに応じた
補正係数KMODijが検索され、第38ステップS3
8では前回のフラグFが1であるかどうかすなわち初め
てのフィードバック制御状態であるかどうかが判定さ
れ、F=1であったときには第39ステップS39で前
回の積分制御項DI(n−1)が次式に従って演算され
る。
I(n−1)=KTATC×KPATC×D×(K
MODij−1) この演算終了後には第40ステップS40に進むが、第
38ステップS38でF=0であったときには第39ス
テップS39を迂回して第40ステップに進む。
第40ステップS40では、今回の積分制御項DIn
次式に従って演算される。
In=DI(n−1)+K+(P2REF−P) その後、第41ステップS41でデューティDOUT
演算される。すなわち、 DOUT=KTATC×KPATC×D+D+D
In なる演算が行なわれ、第42ステップS42でフラグF
=0とした後に第21ステップS21に進む。
さらに第35ステップS35で目標過給圧P2REF
実際の過給圧Pとの偏差の絶対値が設定値GP2未満
であるときには第43ステップS43でD=0、D
In=DI(n−1)とされる。次いで第44ステップ
S44ないし第47ステップS47では、水温Tが或
る一定範囲すなわちTWMODLを超えてTWMODH
未満にあるかどうか、リタード量T2RETが0かどう
かすなわちノック状態から外れているかどうか、シフト
位置が第1速位置以外であるかどうか、KREFTB
1.0以下であるかどうかが判定され、それらの条件を
全て満たしたときには第48ステップS48に進み、そ
れらの条件から1つでも外れたときには第41ステップ
S41に進む。
第48ステップS48では、デューティ用補正係数K
MODijの学習のための係数Kが次式に従って演算
される。
=(KTATC×D+DIn)÷(KTATC×
) 次いで第49ステップS49では、補正係数K
MODijの検索および学習を行なうべく、 なる演算が行なわれ、さらに第50ステップS50で第
49ステップS49で得られたKMODijが記憶され
る。
このような電磁制御弁69におけるソレノイド70のデ
ューティ制御によると、自動変速機のシフト位置が第1
速位置にあるときには、オープンループ制御状態であれ
ば、第10ステップS10において機関の運転状態が第
9図の判別ゾーンにあるときに基本デューティDがD
だけ減算され、フィードバック制御状態では第31ス
テップS31において前記判別ゾーンにあるときに目標
過給圧P2REFがΔP2REFだけ減算される。した
がってシフト位置が第1速位置であるときの急速進、過
負荷等による自動変速機への過負荷を基本デューティD
の減少に伴う過給圧の減少により防止することができ
る。また第1速位置のままオープンループ制御からフィ
ードバック制御に移行しても、目標過給圧P2REF
減算されてるので、移行時にハンチングが生じることを
防止することができる。
また第18図の下方に示すようなシフトチェンジを行っ
た場合を想定する。この場合、シフトチェンジ時には、
機関回転数Nが上昇するのに対して、制御手段Cによ
るアクチュエータ60の作動にはタイムラグがある。そ
のため、過給圧Pが機関回転数Nに対応せず、オー
バーシュートが生じて過給圧Pが第18図の破線で示
すように特に中、高速域からの加速直後のシフトチェン
ジ時に限界値を超えてしまうおそれがある。しかるに、
第11ステップS11および第32ステップS32にお
いて、第10図で示すようなサブルーチンに従ってデュ
ーティDおよび目標過給圧P2REFの減算が行なわ
れる。すなわち、シフトチェンジ時には、スロットル開
度θTHが所定値θTHOSを超え、機関回転数N
所定値NEOSを超え、吸気圧Pが所定値PBOS
超えたとき、すなわち中、高速域での過給圧Pの変化
率ΔPに応じて、オープンループ制御では基本デュー
ティDがDOSだけ減算され、フィードバック制御で
は目標過給圧P2REFがΔP2REFOSだけ減算さ
れる。これにより第18図の実線で示すようにシフトチ
ェンジ時のオーバーシュートを大幅に減少し、ハンチン
グ現象が生じるのを回避することができ、安定的な過給
圧制御が可能となる。
さらにオープンループ制御からフィードバック制御に移
行する際には、第19図で示すように過給圧Pの落ち
込みをカバーして、速やかにフィードバック制御に移行
することができる。すなわち運転開始時にはデューティ
OUTが100すなわちデューティ比が0%となって
おり、スロットル開度θTHが設定スロットル開度θ
THFB未満であるオープンループ制御時には、第18
ステップS18における第13図のサブルーテンに従っ
てD=0とされる。そしてθTH>θTHTBとなっ
たときにオープンループ制御からフィードバック制御側
に移行し始めるが、過給圧PがP2STを超えたとき
にθTH>θTHFBであるときにはD=D−D
としてオーバーシュートを防止する。
ところが上述のようにDだけ減算すると、その反動で
過給圧Pが第19図の破線で示すように落ち込むこと
がある。しかるにΔP≦0であればD=0とし、D
TRBだけ加算するようにしたので、過給圧Pの落ち
込みをカバーしてフィードバック制御に速やかに移行す
ることができ、ハンチング現象のない過給圧制御の拡大
が可能となる。
ところで、オープンループ制御からフィードバック制御
に移行させるかどうかを判定するためのフィードバック
制御開始判別過給圧P2FB(=P2REF−ΔP
2FB)は、機関の運転状態や環境条件に応じて変化せ
しめられるものであり、それにより状況に応じて常に適
切な制御状態を得ることができる。
すなわち前記フィードバック制御開始判別過給圧P
2FBは、過給圧の変化率ΔPが大きくなる程大きく
なるように設定される。それにより過給圧の変化率ΔP
が大きいときには過給圧の変化率ΔPが小さいとき
よりもフィードバック制御開始判別過給圧P2FBを大
きくして適切なタイミングでフィードバック制御に移行
することができ、フィードバック制御による異常上昇お
よびハンチング等を防止することができる。
また変速機のギヤ位置が低速すなわち第1速位置にある
場合には、第10ステップS10および第31ステップ
S31で目標過給圧P2REFが他のシフト位置にある
ときよりも低く設定される。これによりフィードバック
制御開始判別過給圧P2FBは低速ギヤにあるときには
より低く設定されることになり、シフト位置に応じて過
給圧特性を異ならしめるようにしても常に適切なタイミ
ングでフィードバック制御に移行させることが可能とな
る。
さらにフィードバック制御開始判別過給圧P2FBは、
環境条件としての吸気温Tと、大気圧を示す指標とし
てのエアクリーナ6を通過した直後の吸気圧Pとによ
ってE変更される。すなわち目標過給圧P2REFは、
機関回転数Nおよび吸気温Tにより設定されてお
り、しかも該目標過給圧P2REFは大気圧補正係数K
PATCで補正される。而してフィードバック制御開始
判別過給圧P2FBは吸気温Tおよび吸気圧Pによ
り変化することになる。すなわち吸気温Tが低ければ
フィードバック制御開始判別過給圧P2FBも低くさ
れ、また吸気圧Pが低い程高くされことになり、この
ようにフィードバック制御開始を判別するためのフィー
ドバック制御開始判別過給圧P2FBを環境条件によっ
て変更することによってもフィードバック制御移行への
タイミングを適切に行なうことができる。
上述の電磁制御弁69におけるソレノイド70のデュー
ティ制御は、電磁開閉弁72が閉弁している状態で行な
われるものであり、この電磁開閉弁72が開弁すると、
アクチュエータ60における第2圧力室63に吸気圧P
が供給されて、アクチュエータ60は可変容量ターボ
チャージャ5における可動ベーン54が固定ベーン49
との間の空隙流通面積を大とする方向に作動する。
次に第20図を参照しながら電磁開閉弁72のソレノイ
ド73を制御するための制御手段Cにおける手順につい
て説明する。ここで第5図のメインルーチンに基づいて
アクチュエータ60の第1圧力室62への過給圧P
入用電磁制御弁69の作動を制御する他に、アクチュエ
ータ60の第2圧力室63に電磁開閉弁72を介して吸
気圧Pを導入することにより、より精密な制御が可能
となる。これは過給圧Pを可変容量ターボチャージャ
5およびインタクーラ4間で検出しているのでスロット
ル弁74の微少な作動を感知し得ないのに対し、吸気圧
はスロットル弁74よりも下流側から導出されるの
でスロットル弁74の微小な作動を検知可能であるから
である。すなわちターボチャージャ5の動きを確実に検
知する過給圧センサSP2と、スロットル弁74の動き
を確実に検知する吸気圧センサSPBとの両方にてター
ボチャージャ5含む吸気系全体の作動をより正確に反映
することが可能となる。
第1ステップLL1では、機関の始動後に所定時間たと
えば2分間が経過したかどうかが判定され、所定時間が
経過していないときには第2ステップL2に進んでソレ
ノイド73が励磁され、アクチュエータ60により可動
ベーン54が固定ベーン49との間の流通面積を大とす
る方向に作動する。これは冷間時の始動に対処するもの
であり、冷間時の過過給が防止され、また触媒温度を緩
やかに上昇させることができる。この第1ステップL1
で所定時間が経過しているときには第3ステップL3に
進み、車速Vがヒステリシスを有して設定された判定車
速VOP3たとえば90/87km/hうを超えるかどう
かが判定され、V>VOP3であるときには第4ステッ
プL4に進み、V≦VOP3であるときには第5ステッ
プL5に進む。
第4ステップL4では、スロットル開度θTHが設定ス
ロットル開度変化率ΔθTHOP2未満であるかどうか
が判定される。この設定スロットル開度変化率θ
THOP2はヒステリシスを有して設定されており、Δ
θTH<ΔθTHOP2であるときには第2ステップL
2に進み、それ以外のときには第5ステップL5に進
む。
第5ステップL5では車速Vが設定車速VOP1未満で
あるかどうかが判定される。該設定車速VOP1はヒス
テリシスを有するものであり、たとえば65/63km/
hに設定される。V<VOP1であれば第7ステップL
7に進み、またV≧VOP1であるときに第6ステップ
L6に進んでソレノイド73を消磁する。また第7ステ
ップL7では、車速Vが設定車速VOP2未満であるか
どうかが判定される。この設定車速VOP2はヒステリ
シスを有するものであり、たとえば4/3km/hに設定
されている。V>VOP2のときには第12ステップL
12に進み、V≦VOP2のときには第8ステップL8
に進む。
第8ステップL8では前回の車速Vが前記設定車速V
OP2を超えるかどうかが判定され、V>VOP2であ
るときには第9ステップL9でタイマtOPをリセット
した後に第10ステップL10に進み、V≦VOP2
あるときには第10ステップL10に進む。この第10
ステップL10では前回が励磁状態であったか否かが判
定され、消磁状態であったときには第6ステップL6に
進み、励磁状態であったときには第11ステップL11
でタイマtOPが設定タイマtOP0を超えるかどうか
を判定して、tOP>tOP0であるときには第6ステ
ップL6に、またtOP≦tOP0であるときには第2
ステップL2に進む。
第12ステップL12では機関回転数Nが設定回転数
EOP未満であるかどうかが判定される。この設定回
転数NEOPは、ヒステリシスを有するものであり、た
とえば2500/2300rpmに設定されている。N
≧NEOPであるときには第6ステップL6に、また
<NEOPであるときには第13ステップL13に
進む。
第13ステップL13では吸気圧Pが設定吸気圧P
BOP未満であるかどうかが判定される。この設定吸気
圧PBOPはヒステリシスを有するものであり、たとえ
ば−100/−150mmHgに設定される。P≧P
BOPであるときには第6ステップL6に、またP
BOPであるときには第14ステップL14に進む。
第14ステップL14ではスロットル開度θTHが設定
スロットル開度θTHOP未満であるかどうかが判定さ
れる。この設定スロットル開度θTHOPはたとえば2
0/15degに設定される。θTH≧θTHOPのと
きには第6ステップL6に進み、θTH<θTHOP
ときには第15ステップL15に進む。
さらに第15ステップL15では、スロットル開度変化
率ΔθTHが正であり、しかもヒステリシスを有して設
定された設定スロットル開度変化率ΔθTHOP1未満
であるかどうかが判定され、0<ΔθTH<θ
THOP1であるときには第2ステップL2に、またそ
れ以外のときには第6ステップL6に進む。
このような手順を纒めると、第3ステップL3および第
4ステップL4の判断で、90/87km/hを超える高
車速時には、0<ΔθTH<ΔθTHOP2となる緩加
速状態では可変容量ターボチャージャ5の可動ベーン5
4が固定ベーン49との間の空隙流通面積を大とする方
向に作動する。これによりポンピングロスを防止するこ
とができる。すなわち高車速のクルージング状態では加
速を要求しておらず、可動ベーン54を過給圧増大側に
作動せしめることは機関の高回転数により発生する背圧
上昇に伴ってポンピングロスが発生するからである。
また第5ステップL5で65/63km/hを超える車速
状態ではソレノイド73を消磁しているが、これはその
ような高車速状態では第5図で示した電磁制御弁69の
制御で充分であるからである。さらに第7ステップL7
ないし第11ステップL11では4/3km/h以下の低
車速すなわちほぼ停止している状態で、前回の車速がほ
ぼ停止状態になるときにはタイマをリセットし、そのタ
イマたとえば1分が経過する間ソレノイド73を励磁し
て、可動ベーン54を流通面積が大きくなるように作動
せしめる。これは再スタート時には可動ベーン54が流
通面積を小とする側にあると、過給圧Pが一時的に上
昇して発進ギヤ等に過負荷がかかるので、それを防止す
るためのものである。さらに車速が4/3km/h以下の
ときに可動ベーン54が流通面積を小とする側にある
と、可変容量ターボチャージャ5が慣性等で回転してい
るときにその回転を助長することにより、その場合スロ
ットル開度θTHはほぼ全閉であるので過給圧がスロッ
トル弁上流の吸気路内圧を上昇せしめることになる。そ
こで、可動ベーン54を流通面積が大となる方向に作動
せしめることにより上記昇圧によるサージングの発生が
防止される。しかも冷間時の発進直後の触媒温度上昇に
も寄与することができる。
それ以外の第12ないし第15ステップL12〜L15
の判定条件により、VOP2<V<VOP1、N<N
EOP、P<PBOPT、θTH<θTHOP、0<
ΔθTH<ΔθTHOP1が全て成立したとき、すなわ
ち10モード走行にあるような部分負荷時の緩加速状態
では、ソレノイド73を励磁して過給圧Pを低下さ
せ、それによりポンピングロスを防止することができ
る。
以上の実施例では、過給圧Pを過給圧センサSP2
検出するようにしたが、ほぼスロットル全開状態で過給
圧制御を行なうようにすれば、吸気圧センサSPBで検
出される吸気圧Pが、過給圧Pにほぼ一致するもの
として過給圧制御を行なうことも可能である。
また以上の実施例では可動ベーン54を作動させて容量
を変化させるようにした可変容量ターボチャージャを取
上げて説明したが、本発明は、ウェストゲート方式およ
び過給圧リリーフ方式の可変容量ターボチャージャにも
適用可能であり、さらに機関の出力動力により駆動され
る所謂スーパーチャージャにも適用可能である。
C.発明の効果 以上のように、本発明によれば、フィードバック制御へ
移行すべきと判断された時には、過給圧が第2所定値を
越えるのに応じてフィードバック制御を開始し、しかも
その所定値は過給圧変化率が大きい程大きな値に変更さ
れるので、フィードバック制御への移行のタイミングを
過給圧変化に応じて最適なものとすることができ、従っ
てフィードバック制御による過給圧の異常上昇およびハ
ンチング等を防止しつつ過給圧の立上がり速度を早める
ことができ、加速特性の向上に寄与することができる。
しかも上記第2所定値よりも低い第1所定値以下の場合
には基本過給圧制御量を最高過給圧制御量とするので、
フィードバック制御への移行を速やかに進めることがで
き、従って総合的に安定し且つハンチングの少ない速や
かなフィードバック制御への移行が可能となる。
更に第2の特徴によれば、過給圧が前記両所定値の中間
にある場合には、基本過給圧制御量が過給圧変化率が正
の時に所定量減算され、また同変化率が負の時に所定量
加算されるので、その所定量減算により過給圧立上がり
時のオーバーシュートを効果的に防止できるばかりか、
その反動による過給圧の落ち込みを上記所定量加算によ
りカバーすることができて、ハンチングの発生を抑えつ
つフィードバック制御に一層速やかに移行することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は内燃機
関の吸気系および排気系を示す全体概略図、第2図は可
変容量ターボチャージャの拡大縦断側面図、第3図は第
2図のIII−III線断面図、第4図は第2図のIV−IV線断
面図、第5図は電磁制御弁を制御するためのメインルー
チンを示すフローチャート、第6図はタイマ選択のため
のサブルーチンを示すフローチャート、第7図は高過給
圧判定ガード値を示すグラフ、第8図は第1速位置での
基本デューティおよび目標過給圧の減算サブルーチンを
示すフローチャート、第9図は第8図のサブルーチンで
用いる判別ゾーンを示す図、第10図は第1速位置以外
での基本デューティおよび目標過給圧の減算サブルーチ
ンを示すフローチャート、第11図は設定減算デューテ
ィ決定のためのサブルーチンを示すフローチャート、第
12図は設定減算デューティのマップを示す図、第13
図は設定加算デューティ決定のためのサブルーチンを示
すフローチャート、第14図、第15図および第16図
はDTRB、ΔP2ST、ΔP2FBの設定マップをそ
れぞれ示す図、第17図は比例制御項および積分制御項
に係るフィードバック係数を決定するサブルーチンを示
すフローチャート、第18図はシフトチェンジ時の吸気
圧の変化を示す図、第19図はオープンループ制御から
フィードバック制御への移行時のデューティおよび過給
圧の変化を示す図、第20図は電磁開閉弁を制御するた
めのメインルーチンを示すフローチャートである。 5……可変容量ターボチャージャ、D……基本過給圧
制御量としての基本デューティ、D……所定量として
の設定減算デューティ、DTRB……所定量としての設
定加算デューティ、P……過給圧、ΔP……過給圧
変化率、P2ST……第1所定値としてのデューティ制
御開始判別過給圧、P2FB……第2所定値としてのフ
ィードバック制御開始判別過給圧、P2REF……目標
過給圧、T……吸気温
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−212625(JP,A) 特開 昭62−26322(JP,A) 特開 昭60−249621(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の所定の運転状態では、実際の過給圧
    (P)と目標過給圧(P2REF)との偏差に基づい
    て過給圧(P)が目標過給圧(P2REF)となるよ
    うにフィードバック制御を行なう内燃機関の過給圧制御
    方法において、フィードバック制御へ移行すべきと判断
    された時には、過給圧(P)が第1所定値
    (P2ST)以下の場合に基本過給圧制御量(D)を
    最高過給圧制御量とすると共に、過給圧(P)が前記
    第1所定値(P2ST)よりも高い第2所定値(P
    2FB)を越えるのに応じてフィードバック制御を開始
    し、前記第2所定値(P2FB)は過給圧変化率(ΔP
    )が大きい程大きな値に変更されることを特徴とす
    る、内燃機関の過給圧制御方法。
  2. 【請求項2】過給圧(P)が前記第1所定値(P
    2ST)よりも大きく且つ前記第2所定値(P2FB
    よりも小さい場合には、前記基本過給圧制御量(D
    を過給圧変化率(ΔP)が正の時に所定量(D)減
    算し、また同変化率(ΔP)が負の時に所定量(D
    TRB)加算することを特徴とする、第項記載の内燃
    機関の過給圧制御方法。
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