JPH0610227B2 - ポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面部分の改質法 - Google Patents

ポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面部分の改質法

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JPH0610227B2
JPH0610227B2 JP58121525A JP12152583A JPH0610227B2 JP H0610227 B2 JPH0610227 B2 JP H0610227B2 JP 58121525 A JP58121525 A JP 58121525A JP 12152583 A JP12152583 A JP 12152583A JP H0610227 B2 JPH0610227 B2 JP H0610227B2
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弘 鷲田
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特に積層安全ガラスのポリウレタン系熱可塑性
樹脂の表面の予備改質法に関するものであり、特に表面
の耐溶剤性などの物性を改良するための予備改質方法に
関するものである。
積層安全ガラスとして無機ガラスシートや硬質の有機ガ
ラスシートと比較的軟質の合成樹脂との積層シートが周
知である。以下、硬質基体とはこれら無機ガラスシート
あるいは有機ガラスシートをいい、また単にガラスとは
特に有機ガラスと呼ばない限り無機ガラスをいう。両表
面がガラスである積層安全ガラス、たとえば、ガラス−
ポリビニルブチラール−ガラスの3層構造からなる積層
シートは自動車用安全ガラスとして広く使用されてい
る。このようなガラスシートの間に積層されている合成
樹脂層は中間膜と呼ばれ、ポリビニルブチラール、ポリ
ウレタン、その他の種々の合成樹脂が使用され、あるい
は提案されている。一方、ガラスと合成樹脂からなる積
層安全ガラスにおいて、合成樹脂層を露出させた積層シ
ート、たとえばガラス−合成樹脂やガラス−合成樹脂−
ガラス−合成樹脂などの片面がガラスで他面が合成樹脂
である積層シートが自動車用安全ガラス用等に注目され
ている。この積層安全ガラスは従来の両面がガラスであ
る積層安全ガラスよりもさらに安全であると考えられて
いる。たとえば、この積層安全ガラスを合成樹脂面が車
内側となるように自動車フロントガラスとして使用する
と、運転者等がフロントガラスに衝突した場合の裂傷や
切傷がより少なくなり、またガラスが破壊しても車内側
へガラスの破片が飛散することも少くなると考えられて
いる。このような片面がガラスで他の面が合成樹脂であ
る積層安全ガラスを、以下「バイレイヤーガラス」と呼
ぶ。
バイレイヤーガラスについては、たとえば特開昭48−
41423号公報、特開昭48−25714号公報、特
開昭49−34910号公報、および特開昭53−27
671号公報に記載がある。これらの公知例からわかる
ように露出した合成樹脂層(以下バイレイヤー層とい
う)は通常ポリウレタンから構成される。ポリウレタン
はまた合せガラスの中間膜としても周知である。ポリウ
レタンとしてはいわゆる熱可塑性のポリウレタンと熱硬
化性のポリウレタンがあり、前者は線状重合体であり、
通常高分子量ジオール、鎖延長剤およびジイソシアネー
ト化合物を反応させて得られ、後者は架橋した重合体で
あり、たとえば高分子量ジオール、架橋剤およびジイソ
シアネート化合物を反応させて得られる。バイレイヤー
層はガラスと強固に接着する必要がある。ところが、熱
硬化性のポリウレタンをバイレイヤー層とすると、ガラ
スに強固に接着しないという問題がある。一方、熱可塑
性のポリウレタンはガラスと強固に接着するが、バイレ
イヤー層として使用する限り他面が露出するのでその表
面の性質が問題となる。即ち、熱可塑性のポリウレタン
は耐侯性が不充分で溶剤に侵され易い。これらの問題に
ついては、前記特開昭53−27671号公報の特に第
6頁〜第7頁に詳細に説明されている。
上記問題点に対し、特開昭53−27671号公報に記
載された発明では、バイレイヤー層を2層のポリウレタ
ン層で構成し、表面を熱硬化性のポリウレタンとし、ガ
ラスとの接着面を熱可塑性のポリウレタンとすることに
より問題解決を図っている。両ポリウレタンは強固に接
着するので、この発明によりバイレイヤー層のガラスと
の接着と表面特性の問題が解決される。しかしながら、
この発明によりすべての問題が完全に解決し得たとは考
えられない。まず第1に、この発明では2つの異るポリ
ウレタンからなるシート(予備成形シートと呼ばれてい
る)を製造する必要があり、これは比較的複雑な工程を
必要とする。たとえば、公報第10頁右下欄第13行目〜第
11頁右上欄第14行目に説明されているように、一方のシ
ート上に他方を流し込んで一体化したり、一方を溶剤に
溶解して他方の表面に塗布するなどの方法を必要とす
る。
第2の問題点は熱硬化性のポリウレタンは硬化後は可塑
性が失なわれることに起因する問題である。まず、熱硬
化性のポリウレタンのシートやフィルムを成形する方法
が制限され(キャスト成形して硬化させる方法がほぼ唯
一の方法である)、押出成形、プレス成形、その他のシ
ートやフィルムの成形に適した成形方法を使用できず、
このため均一な厚さの平滑なシートやフィルムが得難
い。また、可塑性を有していれば平滑な表面の型で圧縮
して平滑な表面を出すことができるがこれも困難であ
る。勿論、接着性がないこともこれが原因である。第3
に熱硬化性のポリウレタンは熱可塑性のポリウレタンに
比較してバイレイヤーガラスに要求される物性、たとえ
ば耐貫通性や耐衝撃性が充分でない点が問題である。上
記発明ではこのような多くの問題がいまだ解決されてい
ず、表面特性の問題を除けば、バイレイヤーガラスのバ
イレイヤー層としては熱可塑性樹脂、特にポリウレタン
系の熱可塑性樹脂(以下、ポリウレタン系熱可塑性樹脂
という)が最も優れていると考えられる。
本発明者らは以前ポリウレタン系熱可塑性樹脂の層の表
面を改質して表面特性を改良し、これにより熱硬化性の
ポリウレタンを実質的に使用することなく良好なバイレ
イヤーガラスを製造する方法を見い出し特許出願を行っ
た。この表面改質方法はポリウレタン系熱可塑性樹脂の
表面に架橋性基を導入し、次いでこの架橋性基を架橋す
る方法であり、この架橋結合を有する表面は前記ポリウ
レタン系熱可塑性樹脂の表面特性の問題を解決したもの
であった。しかしながら、その後の本発明者の検討によ
って、この方法の新たな問題点を見い出すに至った。上
記方法を実施するに当っては、ポリウレタン系熱可塑性
樹脂はカルボン酸基などの反応性基を有することが特に
好ましく、この反応性基なしには架橋性基の導入は容易
ではなかった。ところが、この反応性基であるカルボン
酸基はポリウレタン系熱可塑性樹脂の物性を低下させる
虞れがあり、表面部分を除いてはポリウレタン系熱可塑
性樹脂はカルボン酸基を含まないものであることが好ま
しいことがわかった。ポリウレタン系熱可塑性樹脂とし
ては、その物性面よりポリエステルジオールを使用した
ポリウレタンが好ましいが、カルボン酸基の存在はこの
エステル結合を分解させる作用がある。従って、カルボ
ン酸基を実質的に含まないポリウレタン系熱可塑性樹脂
を使用し、この表面に架橋性基を導入することができる
ば、上記カルボン酸基に起因する問題は起らないものと
考えられる。
本発明者は種々の研究検討を行った結果、カルボン酸基
を実質的に含まないポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面
に重合性不飽和基を有する化合物を紫外線等の作用でグ
ラフトさせることが存外に容易であることを見い出し
た。このグラフト反応はポリウレタン系熱可塑性樹脂表
面に紫外線等が照射されると水素原子の引抜が起って活
性点が生じ、この活性点に重合性不飽和基が結合するこ
とによって起るものと思われる。従って、この方法を使
用してポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面のみにカルボ
ン酸基を導入することが可能となったが、さらに、この
グラフト反応を利用して直接にたとえば湿気架橋性基を
有する化合物を導入することが可能である。たとえばト
リアルコキシシリル基などの湿気架橋性基と重合性不飽
和基を有する化合物をグラフトして、直接湿気架橋性基
をポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面部分に形成するこ
とが可能である。この1個の重合性基と少くとも1個の
カルボン酸基あるいは湿気架橋性を有する化合物を以下
官能性化合物という。また、ポリウレタン系熱可塑性樹
脂の特性上その表面に接触した官能性化合物は比較的容
易にポリウレタン系熱可塑性樹脂の内部に含浸する。従
って、含浸した官能性化合物も表面のものと同様に紫外
線等の照射によりポリウレタン系熱可塑性樹脂にグラフ
トする。本発明において、表面改質とはこのポリウレタ
ン系熱可塑性樹脂の厳密な意味の表面のみならず、官能
性化合物が表面からある深さまで含浸した部分までの表
面層を含む表面部分の改質を意味する。
本発明は上記グラフトによるポリウレタン系熱可塑性樹
脂の表面架橋を容易にするための予備的な表面改質を要
旨とするものであり、バイレイヤーガラスにおけるポリ
ウレタン系熱可塑性樹脂の予備的な表面改質を要旨とす
るものである。即ち、本発明は、 一方の露出面がポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面であ
り、他方の露出面が硬質基体の表面である少くとも2層
構造の透明あるいは半透明の積層安全ガラスを積層法等
で製造する任意の段階で、該露出面あるいは該露出面と
なるポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面に1個の重合性
不飽和基と少くとも1個のカルボン酸基あるいは湿気架
橋性基とを有する官能性化合物を接触ないし含浸してエ
ネルギー線を照射し、該表面ないしはその内部のポリウ
レタン系熱可塑性樹脂に該官能性化合物をグラフトさせ
ることを特徴とする積層安全ガラスにおけるポリウレタ
ン系熱可塑性樹脂の表面部分の改質法、 である。
本発明における改質法は積層安全ガラス用のポリウレタ
ン系熱可塑性樹脂、特に積層法によるバイレイヤーガラ
スの製造に使用されるポリウレタン系熱可塑性樹脂のシ
ートあるいはフィルムの表面改質に特に適している。即
ち、本発明により得られるカルボン酸基を導入されたポ
リウレタン系熱可塑性樹脂は、前記本発明者らの発明に
おけるカルボン酸基を有するポリウレタン系熱可塑性樹
脂を使用する表面改質に適用されることが好ましい。た
とえば、カルボン酸基と結合しうるエポキシ基などの結
合性基と湿気、光、熱等で架橋しうる架橋性基とを有す
る化合物をポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面部分のカ
ルボン酸基に結合させ、次いで架橋性基を架橋させて、
最終的に耐溶剤性基の表面特性が優れた表面を得ること
ができる(特願昭57-147830号参照)。また、湿気架橋
性基を有する官能性化合物をグラフトした場合は、次い
で該湿気架橋性基を架橋させることにより同様な表面特
性が優れた表面を得ることができる。また、本発明は、
積層法以外の方法によるバイレイヤーガラスの製造法に
も適用しうる。たとえば、バイレイヤーガラスの製造方
法として注型法が知られている。即ち、一枚のガラスシ
ートと離型性の型材、通常は離型剤で処理されたガラス
シートとの間に液状のポリウレタン系熱可塑性樹脂原料
を注入し硬化させて型材を取り外し、2層構造のバイレ
イヤーガラスを製造する方法が公知である。本発明はこ
の方法で得られたバイレイヤーガラスのポリウレタン系
熱可塑性樹脂層の露出面を表面改質する場合に適用しう
る。しかし、好ましくは後述する積層法、特に熱圧着に
よる積層法、で製造されるバイレイヤーガラスの積層前
のポリウレタン系熱可塑性樹脂のシートやフィルムの表
面、または積層法で製造されたバイレイヤーガラスのポ
リウレタン系熱可塑性樹脂層の表面に適用することが好
ましい。以下、この積層法における本発明の適用につい
て主として説明する。
本発明における官能性化合物とは1個の重合性不飽和
基、特に重合性のα,β−不飽和二重結合と少くとも1
個のカルボン酸基あるいは湿気架橋性基とを有する化合
物である。湿気架橋性基としては、加水分解性基を有す
るシリル基、即ち−Si(A)m(B)3-m(A:アルコキシ基、
ハロゲン、フェノキシ基などの加水分解性基,B:アル
キル基なでの非加水分解性基,m:1〜3の整数)で表
わされるシリル基が適当であり、特にトリアルコキシシ
リル基が好ましい。カルボン酸基を有する官能性化合物
としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、などの不飽和カルボン酸
があり、また湿気架橋性基を有する官能性化合物として
は、たとえばγ−メタクロイルオキシプロピルトリメト
キシシランなどの上記加水分解性シリル基を有するアク
リル系あるいはメタクリル系モノマーなどがある。上記
官能性化合物やそれを含む組成物をポリカーボネートシ
ートなどの硬質プラスチック表面に塗布し、熱や紫外線
などで硬化して硬質塗膜層、いわゆるハードコート層を
形成することは公知である。本発明においてこのハード
コート層の形成は不適当である。なぜなら、本発明にお
けるポリウレタン系熱可塑性樹脂は比較的軟質であり、
この表面にハードコート層を形成しても衝撃等によりハ
ードコート層が極めて容易に破壊されるからである。従
って、本発明においてはハードコート層は実質的に形成
されてはならない。即ち、本発明においては、ポリウレ
タン系熱可塑性樹脂の表面には官能性化合物の重合体の
均一な厚さの層を実質的に含まないものである。従来、
ハードコート層の厚さは少なくとも1ミクロンであるこ
とが必要であるといわれている。本発明においては、た
とえ官能性化合物の重合体の均一層を含む場合があって
もその厚さは1ミクロン未満である。また、ハードコー
トの形成においては通常官能性化合物は硬質プラスチッ
クの表面の内部へはほとんど含浸しないものである。こ
れに対し、ポリウレタン系熱可塑性樹脂へは比較的容易
に含浸する。本発明において、官能性化合物の重合体の
均一層を形成することなくグラフトを行う方法としては
種々の方法を採用しうる。たとえば、ポリウレタン系熱
可塑性樹脂のシートの片面に塗布した官能性化合物に対
し、多官能性化合物を塗布していない表面上からポリウ
レタン系熱可塑性樹脂を通して紫外線を照射し官能性化
合物間の重合があまり進行しない内に未反応の官能性化
合物を除去する方法を使用して目的を達成することがで
きる。官能性化合物には光増感剤などを添加することは
好ましいがその重合を促進する化合物を多量に加えるこ
とは好ましくない。なお、本発明においてはグラフトと
同等に官能性化合物自身の重合が起ることを否定するも
のではなく、ある程度重合が起ってもよい。
エネルギー線としては特に紫外線と電子線が好ましい。
しかし、比較的短波長の可視光線、X線、γ線、などの
エネルギー線も使用しうる。紫外線源としては、たとえ
ば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線ケイ光灯、キセノ
ンランプ、メタルハライドランプなどを使用しうる。ま
た、上記光増感剤としては、有機カルボニル系化合物、
有機イオウ系化合物、色素、アゾ系化合物、過酸化物系
化合物、その他の光増感剤を使用でき、またこれら2種
以上を併用してもよい。具体的な光増感剤としては、た
とえばベンゾフェノン、O−ベンゾイル安息香酸メチ
ル、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシア
セトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、ベンゾイン(n−ブチル)エーテル、ベン
ゾインイソブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピオフェノン、2−メチルチオキサントン(2−
メチル−9H−チオキサンセン)−9−オン、ジベンゾ
スベロン、ベンゾイルパーオキシドなどがあるが特にこ
れらに限定されるものではない。
本発明において、バイレイヤーガラスのバイレイヤー層
は硬質基体よりも軟質のポリウレタン系熱可塑性樹脂か
らなる。このバイレイヤー層は透明〜半透明である必要
があるがその材料となるシートやフィルム自体は最終的
には透明〜半透明となる不透明なもの(たとえば表面に
微細な凹凸を有するものであってもよい。またバイレイ
ヤー層は着色されていてもよく、部分的に不透明であっ
てもよい。バイレイヤー層の露出面となる最外層はポリ
ウレタン系熱可塑性樹脂であるが、内部層は必ずしもそ
れに限られるものではない。しかし、特に薄い接着剤層
を形成することがあるとしても、実質的にすべてのバイ
レイヤー層はポリウレタン系熱可塑性樹脂からなること
が好ましい。また、本発明においてポリウレタン系熱可
塑性樹脂がバイレイヤーガラスのバイレイヤー層以外の
目的に使用されるものである場合は、不透明であっても
よく、その形状等も限られるものではない。
本発明において、ポリウレタン系熱可塑性樹脂とは、ウ
レタン基を多数有する熱可塑性を有する合成樹脂であ
る。この合成樹脂はウレタン基以外にウレア基、アロフ
ァネート基、ビュレット基その他の活性水素含有基とイ
ソシアネート基との反応により生じる基を有していても
よい。
また、イソシアヌレート基、カルボジイミド基、その他
のイソシアネート基に起因する基を有していてもよい。
さらに高分子量ポリオール自体が有しているエステル
基、エーテル基、カーボネート基、あるいはその他の基
を有していることは勿論、鎖延長剤や架橋剤などの化合
物に起因する基を有するこのもある。ポリウレタン系熱
可塑性樹脂は基本的に高分子量ジオール、鎖延長剤、お
よびイソシアネート化合物を反応させて得られる線状重
合体である。しかしながら、少量の分枝部が存在しても
よく、たとえば3官能以上のポリオール、架橋剤、ある
いはポリイソシアネートを上記2官能化合物と併用する
このによって得られる少量の分枝部を有する大部分が線
状の重合体であってもよい。高分子量ジオール、鎖延長
剤、およびイソシアネート化合物の主要3原料の他に、
必要により種々の副原料を使用してポリウレタン系熱可
塑性樹脂が得られる。副原料として通常触媒が必要とさ
れる。その他目的に応じて、架橋剤、着色剤、安定剤、
紫外線吸収剤、難燃剤、その他の添加剤を副原料として
使用することができる。
高分子量ジオールとしてはポリエステルジオール、ポリ
エーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポ
リカーボネートジオール、その他の高分子量ジオールが
使用でき、特に2価アルコールと2価カルボン酸系化合
物から得られるポリエステルジオール、あるいは環状エ
ステル化合物を開環重合して得られるポリエステルジオ
ールが好ましく、たとえば、ポリ(1,4−ブチレンア
ジペート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,
3−ブチレンアゼレート)、ポリ(ε−カプロラクト
ン)、などを使用しうる。また、水、2価アルコール、
2価フェノール、その他のイニシエーターにアルキレン
オキサイドなどのエポキシド、あるいは他の4員環以上
の環状エーテルを付加して得られるポリエーテルジオー
ルやポリカーボネートジオールも好ましい場合が少くな
い。これら高分子量ジオールは常温で液体かあるいは反
応時に液体となしうる低融点化合物が適当であり、その
分子量は特に限定されるものではないが、600〜8000、
特に800〜4000であることが好ましい。鎖延長剤は比較
的低分子量の2価の化合物であり、たとえばジオール、
ジアミン、2価のアルカノールアミン、その他の水酸基
やアミノ基を2個有する化合物である。その分子量は、
特に限定されるものではないが、300以下、特に15
0以下であるこのが好ましい。ジオールとしては2価ア
ルコール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオー
ルなどが使用でき、特に炭素数2〜6の2価アルコール
が好ましい。ジアミンとしては脂肪族、脂環族、芳香
族、その他のジアミンが使用できる。アルカノールアミ
ンとしてはたとえばN−アルキルジエタノールアミンな
どの2価のアルカノールアミンを使用できる。これら、
高分子量ジオールと鎖延長剤の組み合せにおいては、さ
らに他の2価の化合物、たとえば両者の中間の分子量を
有するジオールを併用することができる。勿論、高分子
量ジオールと鎖延長剤はそれぞれ2種以上の化合物を併
用することができる。
ジイソシアネート化合物としては脂肪族、脂環族、芳香
族、その他のジイソシアネートやその変性物を使用で
き、それらを2種以上併用することもまた可能である。
芳香族核に直接結合したイソシアネート基は得られるポ
リウレタンを黄変化させる虞れがあるので、このような
イソシアネート基を有しないジイソシアネート、通常無
黄変型と呼ばれているジイソシアネートが好ましい。た
とえば、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキシル
メタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、およびそれらを種々
の化合物や処理で変性した変性ジイソシアネートが好ま
しいジイソシアネートである。
ポリウレタン系熱可塑性樹脂は前記原料を使用してワン
ショット法、プレポリマー法、準プレポリマー法、その
他種々の方法で製造される。これら方法で直接シートや
フィルムにすることができることは勿論、得られたポリ
ウレタンの溶液や粉末〜粒状のポリウレタンからシート
やフィルムに成形することもできる。たとえば、キャス
ト法、押出成形法、射出成形法、プレス法、その他の方
法でシートやフィルムとすることができる。特に種々の
方法で得られたポリウレタン系熱可塑性樹脂の粒子を押
出成形してシートやフィルムを製造し、ことシートやフ
ィルムを利用してバイレイヤーガラスを製造することが
好ましい。なお、本発明において、シートとは0.2mm以
上の厚さのものをいい、フィルムとはそれ以下の厚さの
ものをいう。
本発明において、バイレイヤーガラスのバイレイヤー層
は露出面がポリウレタン系熱可塑性樹脂からなる1層あ
るいは多層構造体からなる。バイレイヤー層は前記のよ
うにポリウレタン系熱可塑性樹脂の原料を硬質基体面上
に直接注型して形成することもできるが、好ましくは積
層法で製造される。積層法に使用されるバイレイヤー層
形成用のシートやフィルムは多層構造体であってもよ
い。多層構造体のシートやフィルムの露出面となる表面
側はポリウレタン系熱可塑性樹脂であるが、他の表面側
は必ずしもそれに限定されない。この多層構造体を硬質
基体と積層する場合、硬質基体と接する側は硬質基体と
強固に結合する必要がある。また、1層あるいは多層構
造のシートやフィルムを第2のシートやフィルムを介し
て硬質基体と熱圧着で積層することもでき、この場合も
バイレイヤー層全体は構質基体とは勿論、隣接する層も
強固に結合する必要がある。さらに、硬質基体とバイレ
イヤー層、またはバイレイヤー層の隣接する層を接着剤
で結合することもできる。本発明において、バイレイヤ
ー層はポリウレタン系熱可塑性樹脂1層のみからなる
か、2種のポリウレタン系熱可塑性樹脂の多層からなる
ことが好ましい。また、積層法としては硬質基体とポリ
ウレタン系熱可塑性樹脂を直接熱圧着する方法が好まし
い。なお、バイレイヤー層全体の厚さは特に限定される
ものではないが、0.2mm以上、特に0.4〜10mmであること
が好ましい。
本発明において硬質基体はポリウレタン系熱可塑性樹脂
よりも硬質のシート材料、たとえば無機ガラスのシート
やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、その
他の有機ガラスのシートである。これら硬質基体は1層
構造は勿論、前記のような多層構造であってもよい。多
層構造体の場合、バイレイヤー層が熱圧着等で結合する
面および露出する最外層の表面は硬質の材料からなる
が、2枚の硬質材料の間はブチラール樹脂などの軟質材
料からなっていてもよい。ガラスシートの場合、それは
風冷強化あるいは化学強化などにより強化されていても
よい。また、ガラスシートは着色されていてもよく、熱
線反射膜などの薄層を有していてもよい。有機ガラスの
シートの場合、延伸処理などの処理が行なわれていても
よく、ハードコート層などの薄層を有していてもよい。
また、有機ガラスのシートは着色されていたり、模様付
されていてもよく、さらに部分的に不透明な部分があっ
てもよい。これら硬質基体は全体として透明〜半透明で
あることが好ましく、特に光学的特性に優れていること
が好ましい。その厚さは硬質基体層全体として0.5mm
以上、特に1〜50mm程度が好ましい。この硬質基体は
平板は勿論自動車のフロントウインド用あるいはリヤウ
インド用に使用されている種々の形状に成形されたもの
であってもよい。また、目的によってはレンズのような
厚さの一定しないものであってもよい。特に好ましい硬
質基体は1層あるいは多層構造を有する透明のあるいは
着色された透明ガラスシートである。
本発明において、バイレイヤーガラスの製造におけるポ
リウレタン系熱可塑性樹脂の表面部分の改質はバイレイ
ヤーガラス製造後に行ってもよいが、好ましくは、ポリ
ウレタン系熱可塑性樹脂の表面を有するシートやフィル
ムの表面部分を改質した後硬質基体と積層してバイレイ
ヤーガラスが製造される。積層法としては熱圧着法が最
も好ましいが接着剤等を使用して積層してもよい。熱圧
着法は表面改質されたシートやフィルムと硬質基体とを
表面改質されている面を外側として重ね、表面改質され
た面にさらに表面が平滑な型材を重ねて積層組立体とし
これを加熱加圧することにより行なわれる。この熱圧着
は1段で行うこともできるが、好ましくはまず予備圧着
し次に本圧着を行う多段法で行なわれる。予備圧着は積
層組立体をゴム製予備圧着袋に入れて内部を脱気するこ
とによって行なわれ、本圧着はオートクレーブ内で予備
圧着体を加熱加圧することによって行なわれる。このよ
うな熱圧着法は従来2枚のガラスシート間に中間膜を有
する積層安全ガラスの製造として公知の種々の熱圧着法
をそのまま使用することができる。通常、最後に型材を
取り外してバイレイヤーガラスとされる。型材は離型処
理されたガラスシートが好ましいが、これに限られるも
のではなく、ゴム、プラスチック、金属、その他の材料
からなるものであってもよい。
本発明によって得られる予備的に改質された表面部分に
は、それがカルボン酸基を有する場合は、γ−グリシド
キシトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−イソシア
ネートプロピルトリメトキシシラン、その他のカルボン
酸基と結合しうる官能基とアルコキシシリル基などの湿
気架橋性基とを有する化合物を反応させた後湿気架橋す
る方法、グリシジルシンナメート、グリシジルメタクリ
レート、その他のカルボン酸基と結合しうる基と光架橋
性基とを有する化合物、その他のカルボン酸基と結合し
うる官能基と架橋性基を有する化合物を反応させ、次い
で架橋性基を架橋して目的とする架橋結合を有する表面
とすることができる。また、湿気架橋性基を有する表面
はそのまま湿気架橋して目的とする表面をうることがで
きる。
本発明は特にバイレイヤーガラスのポリウレタン系熱可
塑性樹脂の表面の改質法として適しているがこれに限ら
れるものではなく、たとえば光学的特性を必要とするポ
リウレタン系熱可塑性樹脂の用途、たとえばレンズや積
層レンズなどにおける表面の改質法としても適してい
る。
以下に本発明を実施例等により説明するが、本発明はこ
れら実施例に限られるものではない。
参考例 〔ポリウレタン系熱可塑性樹脂の製造例〕 (a)水酸基価56.7のポリ(エチレンアジペート)ジ
オール15000gを3mmHgの真空下110℃で攪拌脱気・
脱水した。これに4,4′−メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネート)8007gおよびジブチルチンジラウ
レート1.5gを加え、窒素気流下80℃で20分間反
応させた。次にこの反応混合物に1,4ブタンジオール
1993.5gを加えて速やかに攪拌混合した。反応開始とと
もに発熱がみられ、実質的に均一な混合物が得られた。
この液体反応混合物をフッ素樹脂被覆された乾燥容器に
仕込み、反応が本質的に完了するまで15時間にわたっ
て130℃の窒素パージ炉中に収容した。生成したポリ
マーを室温まで冷却し、粉砕機により粉砕し粒状化し
た。これを通常の方法で押出機によりシリンダー最高温
度180℃でシート化し、厚さ0.6mmのガラス状透明
シートを成形した。
(b)水酸基価51.8のポリ(1,6−ヘキサンカーボ
ネート)ジオール7500g、水酸基価54.4のポリ
(ブチレンアジペート)ジオール7000g、4,4′
−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)79
59g、ジブチルチンジラウレート1.5g、1,4−
ブタンジオール2041.5gを原料として、参考例(a)と同
様の方法で厚さ0.5mmのガラス状透明シートを製造し
た。
以下(c)〜(h)まで同様の方法によりウレタン系熱可塑性
樹脂のシートをつくった。
(c)ポリカプロラクトンとポリブチレンアジペー トの共重合エステル(水酸基価55) 1500g 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー ト) 969g 1,4ブタンジオール 259g ジブチルチンジラウレート 0.2g 以上の組成で厚さ0.6mmのシートをつくった。
(d)ポリカプロラクトンとポリブチレンアジペー トの共重合エステル(水酸基価55) 1500g 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー ト) 1035g エチレングリコール 193g ジブチルチンジラウレート 以上の組成で厚さ0.6mmのシートをつくった。
(e)アジピン酸のエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4ブタンジオールからなる混合エステルの
ジオール(水酸基価49) 1500g 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー ト) 834g エチレングリコール 129g トリメチロールプロパン 38g ジブチルチンジラウレート 0.15g 以上の組成から厚さ0.5mmのシートをつくった。
(f)ポリプロピレングリコール(水酸基価56) 750g ポリカプロラクトンジオール(水酸基価56) 750g 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー ト) 1169g 1,4ブタンジオール 332g ジブチルチンジラウレート 0.18g 以上の組成から厚さ0.6mmのシートをつくった。
(g)ポリ(1,6−ヘキサンジオールの炭酸エス テル)からなるジオール(水酸基価56) 1500g 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー ト) 800g 1,4ブタンジオール 200g ジブチルチンジラウレート 0.15g 以上の組成から厚さ0.5mmのシートをつくった。
(h)ポリヘキシレンアジペートジオール (水酸基価44) 1500g 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー ト) 789g 1,4ブタンジオール 211g ジブチルチンジラウレート 0.15g 以上の組成から厚さ0.6mmのシートをつくった。
実施例1 参考例(a)によって得られる0.6mm厚のシートを30
×30cm寸法のガラス板の間に合わせ、適当なオートク
レーブ中に導入した。この際、フィルムと接触する1枚
のガラス面には予め、ポリジメチルシロキサンを均一に
塗布し350℃で熱処理を施し、もう1枚のガラスのフィ
ルムと接触する面には、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランを均一に塗布した。オートクレーブは当
初真空にしてガラスとシートとの間の空気を除去するよ
うにし、続いて真空中にて120℃に加熱し、予備的圧
着をする。開孔後オートクレーブを150℃、13kg/
cm2の条件で約30分間保ち、ガラスとフィルムを完全
に接着させその後、一方のガラスを取りはずすことによ
り、ガラス−プラスチックの二層積層体であるバイレイ
ヤーを作った。このバイレイヤーをγ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン1432g、ベンゾフェ
ノン68g、エタノール3000gの溶液中に浸漬後引上
げ、その後空気中で風乾した。このバイレイヤーを30
w/cm、1000wの空冷式高圧水銀灯を用い7cmの距離か
ら窒素気流下1m/分で移動させつつ光照射した。次に
このバイレイヤーを50℃温水中に3時間浸漬し、その
後1昼夜空気中に放置した。このバイレイヤーの表面性
能を第1表に示す。
実施例2 参考例(a)のシートの片面に、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン1432g、ベンゾフェノン
68g、エタノール3000gから成る溶液をエアガンでス
プレーした後、風乾した。ことシートに対し実施例1と
同様の照射条件でスプレーした側より光照射した。次
に、このシートの処理面が、ポリジメチルシロキサン処
理したガラス面に、シートの非処理面が、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン処理したガラス面に接
触する様に積層し、実施例1と同様な方法によりバイレ
イヤーを作った。次に、このバイレイヤーを50℃の温
水中に3時間浸漬し、その後1昼夜空気中に放置した。
このバイレイヤーの表面性能を第1表に示す。
実施例3 参考例(a)のシートの片面にアクリル酸518g、ベンゾフ
ェノン77g、エタノール3000gから成る溶液をエアガ
ンでスプレーした後風乾した。このシートに対し、実施
例1と同様の照射条件でスプレーした側より光照射し
た。次に処理面に、γ−グリシドキシプロピルトリメチ
ルシラン450g、N,N−ジメチルアニリン10g、エ
タノール1100gから成る溶液をスプレーし、その後
120℃の窒素パージ炉中に20分間収容した。次にこ
のシートの処理面がポリジメチルシロキサン処理したガ
ラス面に、シートの非処理面がγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン処理したガラス面に接触する様に
積層し、実施例1と同様な方法によりバイレイヤーを作
った。次にバイレイヤーを50℃の温水中に3時間浸漬
し、その後1昼夜空気中に放置した。このバイレイヤー
の表面性能を第1表に示す。
実施例4〜10 参考例(b)〜(h)のシートを用いて、実施例1と同様な方
法によりバイレイヤーを作り、一連の処理を行なった。
これらバイレイヤーの表面性能を第1表に示す。
実施例11〜17 参考例(b)〜(h)のシートを用いて、実施例2と同様な方
法により、前処理、バイレイヤー化、後処理を行なっ
た。これらバイレイヤーの表面性能を第1表に示す。
実施例18〜24 参考例(b)〜(h)のシートを用いて、実施例3と同様な方
法によりバイレイヤーを作り、前処理、バイレイヤー
化、後処理を行なった。これらバイレイヤーの表面性能
を第1表に示す。
実施例25 参考例(b)〜(h)によって得られるシートの片面に、γ−
メタクリロイルオキシプロピルシラン1288g、アク
リル酸52g、ベンゾフェノン77g、エタノール3000
gから成る溶液をエアガンでスプレーした後風乾した。
このシートに対し、実施例1と同様の照射条件でスプレ
ーした側より光照射した。次にこのシートの処理面が、
ポリジメチルシロキサン処理したガラス面に、シートの
非処理面が、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン処理したガラス面に接触する様に積層し、実施例1
と同様な方法によりバイレイヤーを作った。次にこのバ
イレイヤーを50℃の温水中に3時間浸漬し、その後1
昼夜空気中に放置した。得られたバイレイヤーは防曇性
を有していた。このバイレイヤーの表面性能を第1表に
示す。
比較例1 実施例(1)において。エタノール溶液に浸漬する前のバ
イレイヤーをそのまま用いて試験を行なった。性能は第
1表に示す。
比較例2 参考例(b)によって得られる0.5mm厚のシートを実施
例1と同様な方法にて熱圧着し、30×30cmのバイレ
イヤーを作った。このバイレイヤーをベンゾフェノン7
7g、エタノール300gの溶液中に浸漬後引上げ、その
後空気中で風乾した。このバイレイヤーを実施例1と同
条件下で光照射した。次にこのバイレイヤーを50℃の
温水中に3時間浸漬し、その後1昼夜空気中に放置し
た。このバイレイヤーの表面性能を第1表に示す。
参考例〔バイレイヤー体の耐貫通性試験〕 実施例1〜25の各バイレイヤーに対し、JIS R3312中
に記載の耐貫通性試験を実施した。いずれの場合も、鋼
球は貫通せず割れたガラスはシートに接着しており、ガ
ラスの飛散は認められなかった。
なお、各実施例のバイレイヤーの表面性能等を下記第1
表に示す。
光線透過率:JIS R3212による。
テーバー摩耗: 〃 (100回後のヘイズ増加) ラビングテスト:エタノール/メタノール= 10/1溶剤存在下330g/cm2の圧力で500回ラビン
グの状態。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の露出面がポリウレタン系熱可塑性樹
    脂の表面であり、他方の露出面が硬質基体の表面である
    少くとも2層構造の透明あるいは半透明の積層安全ガラ
    スを積層法等で製造する任意の段階で、該露出面あるい
    は該露出面となるポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面に
    1個の重合性不飽和基と少くとも1個のカルボン酸基あ
    るいは湿気架橋性基とを有する官能性化合物を接触ない
    し含浸してエネルギー線を照射し、該表面ないしはその
    内部のポリウレタン系熱可塑性樹脂に該官能性化合物を
    グラフトさせることを特徴とする積層安全ガラスにおけ
    るポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面部分の改質法。
JP58121525A 1983-07-06 1983-07-06 ポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面部分の改質法 Expired - Lifetime JPH0610227B2 (ja)

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FR2616776B1 (fr) * 1987-06-16 1989-08-18 Saint Gobain Vitrage Couche adhesive utilisee dans la fabrication de vitrages feuilletes, procede de fabrication et vitrages feuilletes comprenant une telle couche

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