JPH0599777A - 回転体の動的バランス修正装置およびそれを用いた動的バランス修正方法 - Google Patents

回転体の動的バランス修正装置およびそれを用いた動的バランス修正方法

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JPH0599777A
JPH0599777A JP29233791A JP29233791A JPH0599777A JP H0599777 A JPH0599777 A JP H0599777A JP 29233791 A JP29233791 A JP 29233791A JP 29233791 A JP29233791 A JP 29233791A JP H0599777 A JPH0599777 A JP H0599777A
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JP
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inner case
balance weight
motor
case
dynamic balance
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JP29233791A
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Inventor
Hiroshi Yoshida
浩 吉田
Shuichi Mori
修一 森
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 位相修正と振動量修正を確実に行うことがで
き、全領域で分解能の等しい動的バランス修正装置およ
び動的バランス修正方法を提供する。 【構成】 回転軸内に固定される外ケース11と、該外ケ
ース11内に回転自在に組込まれた内ケース21と、該内ケ
ース21内に回転軸の直径方向に変位可能に取付けられた
バランスウエイト51と、前記内ケース21を外ケース11内
で回転させるための直流モータM2と、前記バランスウエ
イト51を内ケース21内で直径方向に変位させるための直
流モータM5とからなり、その回転アンバランスの位相を
内ケース21を回転させて修正し、アンバランス量をバラ
ンスウエイト51を直径方向に変位させることで修正す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体の動的バランス
修正装置およびそれを用いた動的バランス修正方法に関
する。本発明は研削盤の研削砥石のような回転体にとく
に好適に利用されるものであるが、これに限られず動的
バランスの修正が必要な回転体であればどのような産業
分野の回転体にも適用することができる。
【0002】
【従来の技術】研削盤の研削砥石などのような回転体に
不釣合があると、主軸を回転させたとき著しく振動を引
き起し、ワークの仕上精度を低下させる等の影響を与え
る。そのため、従来は、熟練技能者が主軸静止状態で回
転体自体にバランスウエイトを取付けた後回転させて振
動を確認し、再び静止させてバランスウエイトの位置を
調節するという作業を、不釣合が修正されるまで繰返し
行っていた。しかし、この作業は熟練技能者の時間と手
間を必要とするだけでなく、静止状態でないと修正でき
ないという欠点があった。そこで、回転中でもバランス
修正ができる装置として、特開平2-190732号公報記載の
装置(従来例I)や特開平2-130442号公報に記載の装置
(従来例II)などが提案されている。
【0003】従来例Iは図16に示すように、砥石車の外
側面などに取付けられる外付けタイプのバランス装置で
あって、つぎのように構成されている。本体ハウジング
111の内周に2個の同一なインターナルギヤ112 、112a
を軸方向に重ねて装着し、一方のインターナルギヤ112
にはウエイト116 が固着され、他方のインターナルギヤ
112aにはウエイト116aが固着されている。そして、各イ
ンターナルギヤ112、112aにはピニオン120 、120aをそ
れぞれ噛み合わせ、各ピニオン120 、120aをモータ119
、119aで回転させるようになっている。モータ119 、1
19aによりピニオン120 、120aが回転すると、インター
ナルギヤ112 、112aが回転させられ、ウエイト116 、11
6aも円周方向に動かされる。つまり、このバランス装置
は、2個のウエイト116 、116aを円周上で変位させて、
砥石車などのバランスを修正しようとするものである。
従来例IIも砥石車の外側面などに取付ける外付けタイプ
であって、図17に示すように、円筒状の本体ケース207
内の中央に直方体形状の枠体209 が固着され、該枠体20
9 の隣接する2側面に平行に送りねじ211 が互いに直交
するように取付けられ、各送りねじ211 にはそれぞれウ
エイト202 が螺合している。そして各送りねじ211 は直
流モータ214a、214bで回転させられるようになってお
り、2個のウエイト202 の送りねじ上の位置を変えるよ
うになっている。この装置の2個のウエイト202 は円周
に沿った動きと実質的に近似した経路を動き、従来例I
と同様に2個のウエイト202 の位置を変えることによっ
て、バランスを修正しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来例
I、IIではつぎのような問題がある。 (1)バランスウエイトを円筒状ケーシングの外周にほ
ぼ沿って円周上を動くように配置するため、ケーシング
の大きさに比べたウエイトの寸法は相対的に小さくな
る。そこで充分大きなウエイト質量を確保しようとすれ
ばケーシング自体が大きくなり、外付け方式でしか採用
できない。このばあい、砥石の着脱の邪魔になったり、
砥石カバーが大きくなりすぎるという問題が生ずる。 (2)ウエイトの円周上の変位のみで、位相とアンバラ
ンス量の両方を修正しなければならないため、修正に不
確実さが残る。すなわち、位相修正後のアンバランス量
修正の段階で再び位相が狂ってしまう可能性がある。 (3)2個のウエイトの円周上の位置によって分解能が
変動する。たとえば、図18(A) に示すように、開き角度
θを80度から79度に1度変化させたときの変化量は、2
W(COS 79°−COS 80°)、すなわち、2W×17×10-3
となるが、同図(B) に示すように開き角度θを10度から
9 度へ1度変化させたときは、2W(COS9°−COS 10
°)、すなわち2W×2.9 ×10-3となり、同じ角度変位
であっても元の開き角θによって修正能力に違いが生じ
ることによる。
【0005】本発明は叙上の事情に鑑み、砥石の着脱操
作などの邪魔にならない回転軸内組込み方式が可能なコ
ンパクトな構成であり、位相修正とアンバランス量修正
が共に確実に行うことができ、全領域で分解能の等しい
動的バランス修正装置および動的バランス修正方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の動的バランス修
正装置は、回転軸内に組み込まれる動的バランス修正装
置であって、回転軸内に固定される外ケースと、該外ケ
ース内に回転自在に組込まれた内ケースと、該内ケース
内に回転軸の直径方向に変位可能に取付けられたバラン
スウエイトと前記内ケースを外ケース内で回転させるた
めの直流モータおよび該直流モータの出力を内ケースの
回転に変換するための回転運動伝達機構からなる内ケー
ス駆動部と、前記バランスウエイトを内ケース内で直径
方向に変位させるための直流モータおよび該直流モータ
の出力をバランスウエイトの変位動作に変換するための
回転−直線運動変換機構からなるウエイト駆動部とを備
えたことを特徴とする。本発明の動的バランス修正方法
は、回転軸内に固定される外ケースと、該外ケース内に
回転自在に組込まれた内ケースと、該内ケース内に回転
軸の直径方向に変位可能に取付けられたバランスウエイ
トを備えた回転軸において、該回転軸に回転アンバラン
スが生じたとき、その振動の位相と180 °反対の位置に
バランスウエイトが位置するように内ケースを回転さ
せ、かつそのアンバランス量を零にするようにバランス
ウエイトを直径方向に変位させることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の装置では、バランスウエイトが内ケー
ス内で直径方向に動くため、内ケースの大きさに比べた
ウエイトの寸法を比較的大きくとることが可能である。
したがって、装置全体を回転軸内に組込むことができ、
回転体の外部に取付ける外付け方式のバランス装置のよ
うな邪魔な突起や大きなカバーをなくすることができ
る。また、修正モーメントの位相の調整は内ケースを回
転させることにより行い、アンバランス量の修正はバラ
ンスウエイトを直径方向に変位させることで行うことが
でき、互いに別個独立に動作させうるので、バランス修
正を確実に行いうる。すなわち、従来技術で存在してい
た位相修正後のアンバランス量修正の段階で再び位相が
狂ってしまうといった不都合が生じない。さらに、内ケ
ースは360 °回転自在であり、内ケースのどの回転位置
においてもバランスウエイトの直径方向移動量は同じ量
を確保できるので、バランスウエイトの位置によって分
解能が変動することがない。したがって、アンバランス
修正能力が高い。
【0008】
【実施例】つぎに本発明を研削盤に適用した実施例に基
づき説明する。図15は本発明が適用される研削盤とコン
トローラを示す概念図である。1は主軸で特許請求の範
囲にいう回転軸である。主軸1は軸受2に回転自在に支
持され、先端に研削砥石3を固定している。また、他端
にはプーリ4が固定され、ベルト伝動などによりモータ
(図示省略)の回転駆動力を受けるようになっている。
本発明の動的バランス修正装置10は図1以下に示すよう
にこの主軸1の内部に組込まれる。5は振動センサで、
軸受2の研削砥石3側の端に取付けられ、主軸1のアン
バランスによる振動を検出するものである。6は1回転
信号検出センサであり、主軸1の外周の1個所に付した
原点マーク7に対応して設置され、この原点マーク7を
検出して回転同期信号を発する。8はコントローラであ
って、公知のマイクロコンピュータなどから構成されて
おり、振動センサ5からの振動量信号と、1回転信号検
出センサ6からの回転同期信号とを入力し、所要の演算
を行ったのち不釣合い修正信号を出力する。すなわち、
振動センサ5からの信号が示す砥石1回転当りの最大振
動量と、回転同期信号が示す前記最大振動量が発生する
位相とに基づき、砥石3が持ってる(または主軸が持っ
ている)アンバランスベクトルの大きさと方向を求め、
さらにアンバランスベクトルに均衡する修正モーメント
を発生させるべく、そのために必要な駆動信号を発す
る。この駆動信号は、主軸1の他端に設けられたスリッ
プリング9から後述する内ケース駆動部の直流モータM
2、およびウエイト駆動部の直流モータM5ヘ送られる。
【0009】(第1実施例)つぎに、図1に基づき、本
発明の第1実施例にかかわる動的バランス修正装置10の
全体構成を説明しておく。11は円筒状の外ケース、21は
その内部に組込まれた内ケースであり、内ケース21内に
はバランスウエイト51と、内ケース21を外ケース11内で
回転させるための直流モータM2、バランスウエイト51を
変位させるための直流モータM5、および直流モータM5の
回転をバランスウエイト51の変位運動に変換するための
ボールネジ41、ボールナット45、リンク48などが収容さ
れている。そして、外ケース11は主軸1の内部に挿入さ
れ、取付板12を介しボルト13などで固定されている。
【0010】上記構成を図2〜4に基づき(図5〜10を
併せ参照して)詳細に説明する。外ケース11の両端のボ
ス部17、18にはベアリング14、15が取付けられており、
内ケース21の両端の軸部22、23をそれぞれ回転自在に支
持している。内ケース21には、バランスウエイト51とボ
ールナット45を収容する部分の両サイドに端板24と保持
板25とが設けられており、これらの間は、図6に示すよ
うに湾曲した天板21a と底板21b とで連結され、両側は
開放されている。図3に示すように、端板24には前記軸
部23が固定されており、該軸部23内には後述するボール
ネジ41の一端を支えるためのベアリング44が取付けられ
ている。また、端板24の右側端面には、ブラケット47が
形成され、バランスウエイト51を支持するためのリンク
48がピン49で連結されている(図5参照)。
【0011】一方、保持板25は図9に示すように、2枚
の継ぎ板固定ブラケット26が両側から延びる部材であ
り、図4に示すように、この固定ブラケット26に2枚の
継ぎ板27がビス28でそれぞれ固定されている(図8参
照)。そして、2枚の継ぎ板27の先端には前記軸部22が
固定されている。また、図2に示すように前記保持板25
の下部にはモータ取付用の下部ブラケット32が取付けら
れ、上部にもモータ取付用の上部ブラケット33が取付け
られている。そして、下部ブラケット32には内ケース駆
動部の直流モータM2が固定され、上部ブラケット33には
ウエイト駆動部の直流モータM5が固定されている(図10
参照)。
【0012】そして、直流モータM2の出力を内ケース21
の回転運動に変換する回転運動伝達機構は、つぎのよう
に構成されている。すなわち、直流モータM2の軸34には
外歯ギヤ35が固定されており、外ケース11の内側に形成
された内歯ギヤ16と噛み合っている。かかる構成によ
り、直流モータM2を回転させると、内ケース21は図11に
示すように時計方向(実線矢印)または反時計方向(点
線矢印)に回転させられる。また、直流モータM5の出力
をバランスウエイト51の変位運動に変換する回転−直線
運動変換機構は、つぎのように構成されている。直流モ
ータM5の軸36には外歯ギヤ37が形成されており、ボール
ネジ41の一端に形成された外歯ギヤ42と噛み合ってい
る。ボールネジ41は、保持板25に固定されたベアリング
43と、軸部23内に固定されたベアリング44とで回転自在
に支持されている。前記ボールネジ41にはボールナット
45が螺合しており、そのボールナット45の側面は平面に
形成されている(図7参照)。保持板25からはボールナ
ット45の方向に回り止め用のナットガイド46が延びてお
り、ボールナット45の側面に形成された側壁が接触する
ようになっている(図4、7参照)。このため、ボール
ネジ41が回転させられると、ボールナット45は回転せず
にボールネジ41に沿って矢印a、b方向に移動する(図
2参照)。そして、ボールナット45の左側端面にはブラ
ケット47が形成されており、リンク48がピン49で取付け
られている(図7参照)。
【0013】バランスウエイト51は図6に示すように断
面形状が馬蹄型で、ボールネジ41を跨ぐように配置され
ている。そして、両端面にブラケット52が形成されてお
り、前記リンク48が連結されている。また、バランスウ
エイト51の下端にはウエイト52自体のバランスを微調整
するためのシム53が適宜取付けられる。ボールナット45
とバランスウエイト51とは前記リンク48で連結されてい
るので、ボールナット45が図1に示すように右側(図2
の矢印b方向)に寄っているときは、バランスウエイト
51は下降しており、図2に示すようにボールナット45が
左側(矢印a方向)へ進むとバランスウエイト51は直径
方向外側に変位させられる(図6参照)。そして、バラ
ンスウエイト51は直径方向外側に移動するほど、バラン
ス修正量が大きくなる。
【0014】保持板25の左側端面にはウエイト原点検出
用の近接センサ55(以下、ウエイト原点検出センサ55と
いう)が取付けられており、これはボールナット45が最
接近したとき検出信号を発する。なお、このときバラン
スウエイト51は図1に示すように下降した状態である。
また、この状態でバランスウエイト51の重心はボールネ
ジ41の軸芯と一致するようになっている。さらに、外ケ
ース11の右側ボス部17の内側には、バランスウエイト51
が垂直に位置しているとき(図2および図6の状態)の
外歯ギヤ35の位置を原点として検出する内ケース原点検
出用の近接センサ56(以下、内ケース原点検出センサ56
という)が取付けられている。
【0015】つぎに、本装置によるバランス修正動作を
説明する。 電源ONと同時に直流モータM5が回転しバランスウ
エイト51を下降させる。ウエイト原点検出センサ55がO
Nすると、直流モータM5が停止する。また、直流モータ
M2が回転し内ケース21が回転する。内ケース原点検出セ
ンサ56がONすると直流モータM2が停止する。これによ
り、修正動作の準備が完了する。つぎに主軸1が回転し
て、アンバランスが生じていると、つぎのように修正動
作が行われる。 コントローラ8から発信されるスタート信号によ
り、直流モータM2が回転し、内ケース21を回転させ、振
動信号との位相を一致させる。 ついで、直流モータM5が回転し、バランスウエイト
51を上昇あるいは下降させて、振動信号の振幅が最小に
なるように調節する。 上記の位相調整とアンバランス量修正量は記述のごとく
コントローラ8が、振動センサ5と1回転信号検出セン
サ6からの検出信号に基づき演算して求めたものであ
る。
【0016】本実施例の利点をつぎに説明する。 (1)本実施例の装置では、バランスウエイト51が直径
方向に動くため、装置の直径と比べたバランスウエイト
51の寸法を比較的大きくとることが可能である。したが
って、軸方向に細長く延びる構造とすることができ、主
軸1内に組込むことができる。このため外付け方式のバ
ランス装置のような邪魔な突起や大きな砥石カバーをな
くすることができる。 (2)また、修正モーメントの位相の調整は内ケース21
を回転させることにより行い、アンバランス量の調整は
バランスウエイト51を直径方向に変位させることで行う
ことができ、互いに別個独立に動作させうるので、修正
を確実に行いうる。すなわち、アンバランス量の調整
(バランスウエイト51の直径方向変位動作)によって位
相の調整(内ケースの回転位置)が何ら影響を受けない
ので、従来技術で存在していた位相修正後のアンバラン
ス量修正の段階で再び位相が狂ってしまうといった不都
合が生じない。 (3)さらに、内ケース21は360 °回転自在であり、内
ケース21のどの回転位置においてもバランスウエイト51
の直径方向移動量も同じ量だけ確保できるので、バラン
スウエイト51の位置によって分解能が変動することがな
い。したがって、アンバランス修正能力が高い。
【0017】(第2実施例)つぎに、本発明の第2実施
例を図12〜14に基づき説明する。なお第1実施例と実質
的に同一の部品には同一番号を付し詳細な説明は省略す
る。図12〜13に示すように、内ケース21の図中右側の取
付ブラケット61には内ケース回転用の直流モータM2が固
定され、図中左側の取付ブラケット62にはウエイト駆動
用の直流モータM5が固定されている。直流モータM2の出
力を内ケース21の回転運動に変換する回転運動伝達機構
は、直流モータM2の軸34に形成された外歯ギヤ35と、こ
れに噛み合った外ケース11の内側に形成された内歯ギヤ
16とから構成されている。この構成により直流モータM2
を回転させると、内ケース21は時計方向または反時計方
向に回転させられる。
【0018】直流モータM5の出力をバランスウエイトの
変位運動に変換する回転−直線運動変換機構機構はつぎ
のとおりである。内ケース21のほぼ中央の取付ブラケッ
ト63にはねじ筒64が回転自在に支持されており、ねじ筒
64の上面にはかさ歯車65が取付けられている。このかさ
歯車65には直流モータM5の軸38に形成されたかさ歯車39
が噛み合っている。一方、ねじ筒64の内部には雌ねじ孔
67が形成され、ねじ軸68が螺合されている。そして、ね
じ軸68の頭部69にバランスウエイト71が取付けられてい
る。バランスウエイト71は第1実施例に類似した形状の
馬蹄型であり、下面にバランス調整用シム73が取付けら
れている。また、バランスウエイト71の両端には半円弧
状の凹部74が形成されており、内ケース21に固定された
2カ所の円柱状のガイド75に嵌って、バランスウエイト
71の回転を不能に規制している。
【0019】直流モータM5が回転するとねじ筒64が回転
させられ、バランスウエイト71の両端はガイド75で回転
不能に規制されているので、ねじ軸68がその軸方向に変
位する。これにより、バランスウエイト71は内ケース21
の直径方向に変位させられる。図12および図14に、バラ
ンスウエイト71の直径方向内側に位置した状態を実線
で、外側に位置した状態を想像線で示す。
【0020】バランスウエイト71の図中左端には下限検
知ドッグ76と上限検知ドッグ77が取付けられており、こ
れに対応して、内ケース21のボス部22内に近接センサ7
8、79が設けられている。これらにより、バランスウエ
イト71が直径方向外側の移動限界および直径方向内側の
移動限界に達したことを検知し破損を防止するようにし
ている。なお、下限検知ドック76と近接センサ78はウエ
イト原点検出センサとしての機能も兼ねている。さら
に、第1実施例と同様の内ケース原点検出用センサ56が
外ケース11のボス部18内側に設けられている。なお、内
ケース原点検出センサを具備しない場合にはバランスウ
エイト71を試しに直径方向に変位して位相を検知するよ
うにしてもよい。
【0021】本実施例はバランスウエイト71の変位をね
じ筒64に対するねじ軸68の螺進により行わせる点に構造
上の特徴があるが、機能的には第1実施例と同様に内ケ
ース21の回転による位相調整と、バランスウエイト71の
直径方向変位によるアンバランス修正を別個独立して行
いうるので、第1実施例と同様に主軸1または砥石3の
アンバランスを確実に修正し、しかも高いアンバランス
修正能力が得られるものである。
【0022】つぎに、本発明の他の実施例を説明する。
前記第1実施例では、バランスウエイト71を馬蹄型にし
下降位置での重心をボールネジ41の軸芯と一致させた
が、このようにする必要はなく、ボールネジ41を跨がな
い形状のウエイトを用いてもよい。第2実施例において
も馬蹄型でない、たとえば平板上のバランスウエイトを
採用することも可能である。また第1実施例ではボール
ネジ41とボールナット45を回転一直線運動変換機構の構
成部品として用いたが、この代りに細目ネジと細目ネジ
用ナットの組合せを用いてもよい。さらに、本発明にお
いて回転一直線運動変換機構は、前記第1、第2実施例
の構成のほか、円筒状のケース内に収容することがで
き、バランスウエイトの直径方向変位動作を行いうるも
のであれば、他のどのような機構を用いてもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、回転軸に組込むのに適
したコンパクトな構造とすることができ、しかも、動的
バランスの位相修正も振動量修正も共に修正動作が確実
であり、かつ修正量が大きく能力が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかわるバランス修正装
置の縦断面図である。
【図2】図1のG部分の拡大断面図である。
【図3】図1のH部分の拡大断面図である。
【図4】図1のA−A線拡大断面図である。
【図5】図1のB−B線拡大断面図である。
【図6】図1のC−C線拡大断面図である。
【図7】図1のD−D線拡大断面図である。
【図8】図1のE−E線拡大断面図である。
【図9】図8に示された保持板25の正面図である。
【図10】図1のF−F線拡大断面図である。
【図11】内ケース21の回転した状態を示す断面図であ
る。
【図12】本発明の第2実施例にかかわるバランス修正
装置の縦断面図である。
【図13】図12のバランス修正装置の横断面図であ
る。
【図14】図13のB−B線拡大断面図である。
【図15】本発明が適用される研削盤とコントローラの
概念図である。
【図16】従来例Iの正面図である。
【図17】従来例IIの正面図である。
【図18】従来例I、IIの問題点を示す説明図である。
【符号の説明】 1 主軸 3 研削砥石
5 振動センサ 6 1回転信号検出センサ 8 コントローラ
11 外ケース 21 内ケース 25 保持板
41 ボールネジ 45 ボールナット 48 リンク
51 バランスウエイト 55 ウエイト原点検出センサ 56 内ケース原点検出セ
ンサ 64 ねじ筒 67 雌ねじ孔
68 ねじ軸 71 バランスウエイト 75 ガイド
76 下限検知ガイド 77 上限検知ガイド 78 近接センサ
79 近接センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸内に組み込まれる動的バランス修正
    装置であって、 回転軸内に固定される外ケースと、 該外ケース内に回転自在に組込まれた内ケースと、 該内ケース内に回転軸の直径方向に変位可能に取付けら
    れたバランスウエイトと前記内ケースを外ケース内で回
    転させるための直流モータおよび該直流モータの出力を
    内ケースの回転に変換するための回転運動伝達機構から
    なる内ケース駆動部と、 前記バランスウエイトを内ケース内で直径方向に変位さ
    せるための直流モータおよび該直流モータの出力をバラ
    ンスウエイトの変位動作に変換するための回転−直線運
    動変換機構からなるウエイト駆動部とを備えたことを特
    徴とする回転体の動的バランス修正装置。
  2. 【請求項2】前記回転−直線運動変換機構が、内ケース
    内でその長手方向に軸が延びるように設けられており、
    かつ直流モータで回転させられるねじ軸と、該ねじ軸上
    を軸方向に螺進するナットと、ナットの螺進運動をバラ
    ンスウエイトの直径方向変位運動に変換するためナット
    とバランスウエイトの間および内ケースとナットとの間
    でそれぞれ連結されたリンクとからなることを特徴とす
    る請求項1記載の動的バランス修正装置。
  3. 【請求項3】前記回転−直線運動変換機構が、内ケース
    内でその直径方向に軸芯を向けて設けられており、かつ
    直流モータで回転させられるねじ筒と、該ねじ筒の雌ね
    じ孔内を軸方向に螺進するねじ軸と、該ねじ軸の一端に
    取付けられたバランスウエイトとからなることを特徴と
    する請求項1記載の動的バランス修正装置。
  4. 【請求項4】回転軸内に固定される外ケースと、該外ケ
    ース内に回転自在に組込まれた内ケースと、該内ケース
    内に回転軸の直径方向に変位可能に取付けられたバラン
    スウエイトを備えた回転軸において、該回転軸に回転ア
    ンバランスが生じたとき、その回転アンバランスの位相
    と180 °反対の位置にバランスウエイトが位置するよう
    に内ケースを回転させ、かつそのアンバランス量を零に
    するようにバランスウエイトを直径方向に変位させるこ
    とを特徴とする回転体の動的バランス修正方法。
JP29233791A 1991-10-12 1991-10-12 回転体の動的バランス修正装置およびそれを用いた動的バランス修正方法 Pending JPH0599777A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011097733A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Tokyo Seimitsu Co Ltd 駆動装置及び駆動方法
CN113701948A (zh) * 2021-08-27 2021-11-26 湖南工程学院 一种转轴偏心载荷加载装置及加载方法

Cited By (3)

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