JPH0599454A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】冷温風の送風に優れ、圧迫感の少ない薄形の空
気調和機を提供する。 【構成】天井面に対向する上面部と、床面に対向する底
面部７と、背面において上面部と底面部との間に在する
背面部１０と、前面において上面部と底面部との間に在
する正面部５とから形成された本体キャビネット１と、
本体キャビネットに内蔵された、熱交換器、電動送風機
を含む空気調和機とからなり、本体キャビネットは、本
体キャビネットの正面部と上面部の正面側との双方に設
けられた空気吸込口４と、本体キャビネットの底面部の
背面側に設けられた空気吐出口６とを備え、本体キャビ
ネットの上面部は天井面に対してほぼ平行な平面であ
り、かつ、本体キャビネットの底面部は、背面側から正
面側に行くに従って上方に上がるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は空気調和機に係り、更に
詳しく言えば、壁面取付けまたは天井吊り下げ形の空気
調和機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】家庭用空気調和機は、室内設置時に、本
体が室内側に極力張り出さないものが良い、このため、
家庭用空気調和機の主流となっている分離形空気調和機
は室外ユニットを室外に出し、室内ユニットの大きさを
極力小さくしている。これらの分離形空気調和機は壁面
取付形が主流となっており、その本体キャビネットの形
態を極力突出しないように、側面形態は前後の長さが高
さより小さい薄形縦長の形態としている。しかし、分離
形空気調和機の普及の向上とともに、種々の要望が顕在
化している。その一つに、取付スペースの小さい壁面取
付形の空気調和機の要望がある。

【０００３】従来から、壁面における取付スペースを小
さくしたものとしては、図１０に示すように、本体キャ
ビネットを高さが前後長より小さい薄形の形態とし、空
気吸込口を正面部に、空気吐出口を底面部後方に各々配
置し、該本体キャビネット上面部を天井面にほぼ並行に
位置するように壁面に取り付ける空気調和機が提案され
ている。 これらの従来例は、例えば、実開平２−３０
８１９号及び登録意匠第４０８４０６号等がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図１０（ａ）に示す従
来例では、側面形状を横長矩形状の直方体の本体キャビ
ネット１としているために、正面部に大きな空気吸込口
を設けた本体キャビネットが大きく室内側に張り出すこ
ととなり、利用者に圧迫感を与えていた。

【０００５】また、図１０（ｂ）に示す従来例では、側
面形状を「横Ｌ字状」とすることで、本体キャビネット
の前部を薄くして圧迫感を低減している。しかし、この
従来例では、底面部に段差部が形成されているために、
室内のインテリアに調和しないばかりか、正面部に設け
た空気吸込口が小さくなり、空気吸込口の開口率が少な
くなる問題点があった。

【０００６】更には、両従来例とも、空気吐出口内の風
向板を横桟状で構成し、かつ、空気吐出口を水平面に配
置しているために、冷風をより前方に吹出すことが困難
であるとともに、常に、空気吐出口が開口し、室内のイ
ンテリアに調和しなかった。

【０００７】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、冷温風の送風に優れ、
圧迫感の少ない薄形の空気調和機を提供することにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明では、前記目的を
達成するために、天井面に対向する上面部と、床面に対
向する底面部と、背面において前記上面部と底面部との
間に在する背面部と、前面において前記上面部と底面部
との間に在する正面部とから形成された本体キャビネッ
トと、前記本体キャビネットに内蔵された、熱交換器、
電動送風機を含む空気調和機とからなり、前記本体キャ
ビネットは、前記本体キャビネットの前記正面部と前記
上面部の正面側との双方に設けられた空気吸込口と、前
記本体キャビネットの前記底面部の背面側に設けられた
空気吐出口とを備え、前記本体キャビネットの上面部は
前記天井面に対してほぼ平行な平面であり、かつ、前記
本体キャビネットの底面部は、背面側から正面側に行く
に従って上方に上がるようにする。

【０００９】更に、好適なものとして、本体キャビネッ
トの背面部の高さより上面部の前後の長を大きくした薄
形の本体キャビネットとする。

【００１０】更に、好適なものとして、底面部を円弧面
あるいは平面とする。

【００１１】更に、好適なものとして、非使用時に空気
吐出口を隠蔽可能な可動自在な風向板を備える。

【００１２】更に、好適なものとして、本体キャビネッ
トの正面部を後方に傾斜するようにする。

【００１３】

【作用】本体キャビネットの底面部を、背面側から正面
側に行くに従って上方に上がるようにすることにより、
本体キャビネットの圧迫感が軽減される。更に、空気吐
出口を傾斜する底面部に設けることにより、空気吐出口
を前方に向けることができる。加えて、空気吸込口を上
面部に設けたことにより、空気吸込口を隠蔽しながら、
大きな開口率を得ることができる。

【００１４】また、空気吐出口に空気吐出口を隠蔽可能
な可動自在な風向板を設けることにより、非使用時に底
面部全体を一様な凸面または平面とすることができる。

【００１５】また、正面部を後方に傾斜させることによ
り、本体キャビネットを薄く見せるとともに、正面部の
空気吸込口を小さく見せることができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明に係る実施例を図１〜図１０を
参照して説明する。

【００１７】図１〜図９は本発明に係る一実施例を示す
空気調和機であり、図１は本発明に係る一実施例の使用
状態図、図２は側面図、図３は上面図、図４は正面図、
図５は底面図、図６は背面図、図７は使用状態の縦断面
図、図８は非使用状態の縦断面図、図９は他の使用状態
図である。

【００１８】先ず、図１〜図６において、本発明に係る
一実施例の外観を説明する。図１において、符号１で総
括的に示すのは本体キャビネットであり、別体の室外ユ
ニット（図示せず）と冷媒輸送管（図示せず）を介して
接続され、内部に熱交換器２と、送風機３等を備えてい
る。本体キャビネット１は空気吸込口４を正面部５に、
空気吐出口６を底面部７の後方に各々配置し、該本体キ
ャビネット１の上面部８を天井面９にほぼ並行に位置す
るように背面部１０を壁面１１に取り付け設置する。ま
た、底面部７の前方中央には運転、停止、タイマー運
転、等の運転状況を表示する運転表示部１２を設けてい
る。

【００１９】側面図を表す図２において、本体キャビネ
ット１は正面部５の高さＨ２を背面部１０の高さＨ１よ
り小さく形成し、本体キャビネット１の底面部７を正面
部５から背面部１０に向けて傾斜する円弧面で構成して
いる。更に、本体キャビネット１は本体キャビネット１
の上部を形成する樹脂製の上カバー１２と、本体キャビ
ネット１の下部を形成する樹脂製の下カバー１３から構
成される。下カバー１３は側面（図２）から見て一様な
厚みＨ３を備えている。また、該下カバー１３と上カバ
ー１２の間には、両カバー１２、１３を明確に分離する
溝１４を形成し、本体キャビネット１を薄く見えるよう
にしている。正面部５は上方を後方に倒した傾斜面とし
ており、設置時に該正面部５に設けた空気吸込口４が一
般使用者から見えにくくしている。１５は背面部１０に
設けた取付金具であり、別体の取付板（図示せず）を介
して壁面１１に取付けられる。また、１８ａは側面配管
用のノック穴部であり、使用時に点線部内側を取り除
く。

【００２０】図３〜図６において、１６は上面部８に設
けた空気吸込口であり、正面部５に設けた空気吸込口４
とともに室内空気を本体キャビネット１に取り込む。１
７は正面部５と底面部７間に設けたフイルターである。
このフイルター１７の詳細は図７において説明する。１
８ｂは配管用開口部であり、背面部１０の片側下方に配
置され、本体キャビネット１内に設けた熱交換器２と室
外ユニットを連結する冷媒輸送管及び、露受皿２５に溜
った水を本体キャビネット１外に排出する排出ホース２
６を配管するためのものである。側面配管時の場合は前
記ノック穴部１８ａを使用する。本実施例の本体キャビ
ネット１は、横幅を１０００mm、Ｈ１を１３０mm、Ｈ２
を６５mm、前後の長さＤを２４０mmに設定している。

【００２１】図７、図８において、本発明に係る一実施
例の内部構造を説明する。本体キャビネット１の内部に
は、熱交換器２と送風機３、フアンケーシング１９ａ、
１９ｂ、露受皿２５等が内蔵されている。送風機３は空
気吐出口６の上方の風路上に配置されている。熱交換器
２は送風機３の前方に位置し、上部を後方に倒した状態
で風路２０を横切って配置されている。正面部５に設け
た空気吸込口４は樹脂性の成形品であり、横桟状のスリ
ットを備えている。空気吸込口１６は空気吸込口４と同
一の樹脂性の成形品とすることでメンテナンスを容易に
し、更には原価低減を図ることができる。フイルター１
７は熱交換器２の前方に位置し、空気吸込口４及び空気
吸込口１６から熱交換器２に至る風路２０を横切って配
置されている。また、フイルター１７は本体キャビネッ
ト１の内壁に形成されるリブ２１上を摺動自在に構成さ
れており、清掃時には空気吸込口４の下方に形成される
凹部２２を介して矢印Ｐに示す前方向に引出して清掃を
行う。露受皿２５は熱交換器２の下方に位置し、下面を
湾曲面で形成し、該下面を下カバー１３の内側の湾曲面
にほぼ接するように配置している。

【００２２】空気吐出口６には横長板状で底面部７の湾
曲面と同じ湾曲面を備えた風向板２３ａ、２３ｂが配置
されている。該風向板２３ａ、２３ｂは空気吐出口６の
前後に回転軸２４を介して回転自在に取り付けられ、非
使用状態（図８の状態）では空気吐出口６をほぼ隠蔽す
る大きさを備えている。

【００２３】矢印Ｘは風路２０を流れる空気の流れを示
したものである。空気吸込口４及び空気吸込口１６から
風路２０に吸込まれた空気はフイルター１７により塵埃
を取り除かれ熱交換器２に至る。空気は熱交換器２にて
冷され、あるいは、温められて送風機３を介して空気吐
出口６より吹出される。ここで、冷房運転時に熱交換器
２に発生する露は露受皿２５に落下する。落下した露は
露受皿２５が傾斜して配置されているために、露受皿２
５の後方に集められ、空気吐出口６の片側に配管される
排出ホース２６を介して本体キャビネット１外に排出さ
れる。

【００２４】また、空気吐出口６に設けた風向板２３
ａ、２３ｂは角度を変更することにより風向を変えられ
る。図７に示す風向板２３ａ、２３ｂは冷房時の状態を
示すものである。この状態において、空気吐出口６を傾
斜する底面部７に配置し、空気吐出口６に湾曲する風向
板２３ａ、２３ｂを設け、更には、底面部７を天井面９
に徐々に先細りするような湾曲面とすることにより、空
気吐出口６より吹出される冷風をより前方に送風するこ
とができる。また、当然のように、暖房時は風向板を立
てることにより、下方に送風することができる。

【００２５】ここで、冷風により底面部７に発生する露
は、底面部７の傾斜する湾曲面に沿って空気吐出口６前
部に設けた植毛部２７に集められ、送風により拡散する
ようにしているいるので、本体キャビネットからの露落
ちを少なくすることができる。本実施例では下カバー１
３を樹脂性の成形品で形成しているが、鉄板等で形成し
ているものでは顕著な効果がある。

【００２６】図８に示す風向板２３ａ、２３ｂは非使用
状態を示すものである。この状態においては、風向板２
３ａ、２３ｂで空気吐出口６をほぼ隠蔽することによ
り、底面部７全体を凹凸がなく、開口部がない幅広の湾
曲面とすることができるので、本体キャビネット１を室
内のインテリヤに調和させることができる。

【００２７】図９において、本実施例に係る空気調和機
は、一方ないし両側に同様の形態を持つ照明装置３２、
換気扇３３あるいは図示しないが空気清浄機等を併設す
ることにより窓３４の上部に室内の設備品を集中配置で
きるようにしている。この際、照明装置３２と換気扇３
３の側面には本体キャビネット１の溝１４に対応する位
置に凸リブ３５を設けて本体キャビネット１と照明装置
３２及び換気扇３３の整合性を良好にしている。なお、
照明装置３２は上面に光源を備えて、天井面９を照らす
間接照明式であり、換気扇３３は内部に送風機を備え、
上部から空気を吸込み背面の開口部より排出する。

【００２８】以上述べたように、本発明に係る一実施例
では、底面部７全体が徐々に天井面９に向けて絞られる
から、本体キャビネット１の圧迫感を軽減でき、底面部
７に付着した水滴の落下を防止することができるととも
に、本体キャビネット１をより薄く見せことができる。
本体キャビネット１を室内のインテリヤに調和させるこ
とができる。更には、空気吸込口４、１６を傾斜する正
面部５と上面部８に設けたことにより、空気吸込口４、
１６を見えにくく、あるいは隠蔽しながら、大きな開口
率を得ることができる。一方、空気吐出口６に風向板２
３ａ、２３ｂを設けたことにより、より前方に冷風を吹
き出すことができる。

【００２９】図９は本発明に係る他の実施例を示す側面
図である。図において、（ａ）図は空気吸込口４を備え
た正面部２８を垂直面としたものである。（ｂ）図は空
気吸込口４を備えた正面部２９を上面部８に大きな丸み
を持って連続する曲面としたものである。この場合、上
面部８に設けた空気吸込口１６を空気吸込口４と連続的
に形成してもよい。また、上面部８の中央部に内部機構
をカバーする凸状カバー３０を設けてもよい（ｃ）図は
本体キャビネット１の底面部３１を正面部５から背面部
１０に傾斜する平面で形成したものである。

【００３０】なお、以上述べた実施例では、壁面１１に
背面部１０を取り付ける壁取付け形を説明したが、同様
な設置場所、即ち、壁面１１と天井面９の隅部に取り付
け可能な天井吊下げ形の空気調和機でも同様な効果が得
られる。また、正面部の高さＨ２を極力小さくする、例
えば側面図の形状をクサビ形としても同様な効果が得ら
れる。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、本体キャビネットの底
面部を、背面側から正面側に行くに従って上方に上がる
ようにすることにより、底面部全体が徐々に天井面に向
けて絞られるから、本体キャビネットの圧迫感が軽減さ
れ、視覚的に薄形の印象を強くすることができる。更
に、底面部に設けた空気吐出口を前方に傾斜させること
ができるので、冷風を前方に吹き出すことができる。加
えて、空気吸込口を上面部に設けたことにより、空気吸
込口を隠蔽しながら、大きな開口率を得ることができ
る。更に加えて、底面部に付着した水滴が底面部の傾斜
面に沿って後方に流れるので、水滴落ちを防止すること
ができる。

【００３２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る一実施例の使用状態図

【図２】本発明に係る一実施例の側面図

【図３】本発明に係る一実施例の上面図

【図４】本発明に係る一実施例の正面図

【図５】本発明に係る一実施例の底面図

【図６】本発明に係る一実施例の背面図

【図７】本発明に係る一実施例の使用状態の縦断面図

【図８】本発明に係る一実施例の非使用状態の縦断面図

【図９】本発明に係る一実施例の他の使用状態図

【図１０】本発明に係る他の実施例の側面図

【図１１】従来例の使用状態図

【符号の説明】

１………………………本体キャビネット ４、１６………………空気吸込口 ５、２８、２９………正面部 ６………………………空気吐出口 ７、３１………………底面部 １０………………………背面部 Ｈ１………………………背面部の高さ Ｈ２………………………正面部の高さ Ｄ………………………上面部の前後の長さ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】天井面に対向する上面部と、床面に対向す
   る底面部と、背面において前記上面部と底面部との間に
   在する背面部と、前面において前記上面部と底面部との
   間に在する正面部とから形成された本体キャビネット
   と、前記本体キャビネットに内蔵された、熱交換器、電
   動送風機を含む空気調和機とからなり、前記本体キャビ
   ネットは、前記本体キャビネットの前記正面部と前記上
   面部の正面側との双方に設けられた空気吸込口と、前記
   本体キャビネットの前記底面部の背面側に設けられた空
   気吐出口とを備え、前記本体キャビネットの上面部は前
   記天井面に対してほぼ平行な平面であり、かつ、前記本
   体キャビネットの底面部は、背面側から正面側に行くに
   従って上方に上がっていることを特徴とする空気調和
   機。
2. 【請求項２】本体キャビネットの背面部の高さより上面
   部の前後の長を大きくした薄形の本体キャビネットであ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の空気調
   和機。
3. 【請求項３】底面部が円弧面であることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の空気調和機。
4. 【請求項４】底面部が平面であることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の空気調和機。
5. 【請求項５】非使用時に空気吐出口を隠蔽可能な可動自
   在な風向板を備えたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の空気調和機
6. 【請求項６】本体キャビネットの正面部を後方に傾斜し
   たことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の空気調
   和機