JPH0598212A - コーテイング用組成物 - Google Patents

コーテイング用組成物

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JPH0598212A
JPH0598212A JP26026791A JP26026791A JPH0598212A JP H0598212 A JPH0598212 A JP H0598212A JP 26026791 A JP26026791 A JP 26026791A JP 26026791 A JP26026791 A JP 26026791A JP H0598212 A JPH0598212 A JP H0598212A
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JP
Japan
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coating film
binder
coating
weight
coating composition
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Application number
JP26026791A
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English (en)
Inventor
Kenichi Oshu
憲一 尾首
Tatsuya Nogami
達哉 野上
Kiyoshi Ema
希代巳 江間
Rie Sakai
里枝 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ガラス、金属、セラミックス、耐
熱性樹脂等の基材上に、耐熱性、硬度、基材との密着
性、高湿度下の電気絶縁性のいずれにも優れる塗膜をク
ラック無しに5μ以上の厚さに形成させ得る如き塗料の
提供を目的とする。 【構成】 本発明の塗料は、湿式法によるシリカ微粉を
湿式粉砕して得られたコロイダルシリカの存在下に、有
機溶媒等液状媒体中で Rn Si(OR1)4-nで示されるアルコ
キシシランの適量を加水分解させ次いで縮合させてなる
結合剤に、無機物粉末の適量を混合することにより得ら
れる。 【効果】 上記基剤上に、本発明の塗料を塗布した後そ
の塗膜を乾燥させ、好ましくは100 ℃以上で加熱するこ
とにより、上記優れた硬化塗膜を形成させ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分散媒中でコロイダル
シリカの存在下にアルコキシシランを加水分解させ、次
いで該加水分解物を縮合させることによって得られた液
を結合剤とするコーティング用組成物の改良に関する。
本発明のコーティング用組成物を、ガラス、金属、セラ
ミックス、耐熱性樹脂等の基材上に適用して、これを乾
燥及び硬化させると、その硬化後の膜厚が5μ以上の厚
い膜のときでもクラックのない硬化塗膜が得られる。そ
して、この塗膜は、良好な電気絶縁性、高温下に於いて
も優れた機械的強度、基材との高い密着強度及び耐熱性
を示し、特に上記各種基材からなる電子部品の表面に耐
熱性及び電気絶縁性に優れる被膜を形成せしめるのに有
用である。
【0002】
【従来の技術】耐熱性のコーティング用組成物として
は、シリコーン樹脂を結合剤として、これにアルミニウ
ム等の金属粉末や、シリカ、アルミナ等の無機物粉末を
分散させたもの、また、コロイダルシリカ、珪酸アルカ
リ水溶液、水溶性燐酸塩等を結合剤として、それらにシ
リカ、アルミナ等の無機物粉末を分散させたもの等が提
案されている。更に、アルコキシシランを加水分解させ
たもの、又はコロイダルシリカの存在下にアルコキシシ
ランを加水分解させたもの等を結合剤として用いるコー
ティング用組成物も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記シリコーン樹脂を
結合剤とする耐熱コーティング用組成物は、200℃程
度での長期使用に対しては十分使用に耐えうるが、30
0℃以上の温度で使用すると、結合剤のシリコーン樹脂
が熱分解を起こすことにより塗膜は劣化し、塗膜にクラ
ックが発生したり、基材からの剥離等が発生する。又、
アルミニウム等の金属粉末を加えたものは絶縁性が著し
く低下する。
【0004】上記コロイダルシリカ、珪酸アルカリ水溶
液、水溶性燐酸塩等を結合剤とする耐熱コーティング剤
は、1000℃程度の耐熱性は有するものの、アルカリ
成分又は燐酸成分を塗膜中に含むため、これによって高
湿度の環境下では、塗膜の硬度低下や、基材からの膜の
剥離現象が発生し、更には、塗膜の吸湿により電気絶縁
性が低下する。
【0005】これら耐熱コーティング用組成物の問題点
を改良できる結合剤として、上記アルコキシシランを加
水分解させたもの、又はコロイダルシリカ存在下にアル
コキシシランを加水分解させ次いで縮合したものが提案
されたが、これを用いて得られる塗膜は耐熱性及び電気
絶縁性には優れるものの、5μ以上の硬化塗膜を形成さ
せると、塗膜にクラックが発生し、更に高温からの急冷
による熱衝撃を受けると、基材からの剥離現象が起こ
る。又、アルコキシシランを加水分解させたもの、又は
コロイダルシリカ存在下にアルコキシシランを加水分解
させ次いで縮合したものを結合剤として用いて、これに
多量の高分子増粘剤、例えばエチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン等を添加してコーティング剤を調製する
と、コロイダルシリカ成分の凝集を引き起こしやすいの
みならず、5μ以上の硬化塗膜では塗膜の強度劣化が著
しい。
【0006】本発明は、5μ以上の厚い硬化塗膜を形成
させたときでも、1000℃以上の耐熱性を有し、塗膜
の硬度、基材との密着強度にすぐれ、且つ高湿度の環境
下でも高い電気絶縁性を維持する塗膜を形成させること
ができ、更に、塗膜物性に何ら影響を与えることなく高
分子増粘剤を添加させることができ、そして、これによ
り粘度を任意に調節し得る如きコーティング用組成物を
提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のコーティング用
組成物は、下記一般式(1) Rn Si(OR1)4-n (1) (但し、式中、R は置換基を有することもあるアルキル
基、アルケニル基又はアリール基を表し、R1はアルキル
基、アシル基又はアリール基を表し、nは0又は1の整
数を表す。)で示されるアルコキシシランの1種又は2
種以上をSiO2として100重量部と、湿式法によって得
られるシリカ微粉、好ましくは珪弗化水素酸又はそのア
ンモニウム塩を水性媒体中でアンモニアと反応させる事
により得られるシリカ微粉を湿式粉砕する事により得ら
れるシリカゾルをSiO2として5〜400重量部とを混合
した後加水分解させ次いで縮合させてなる結合剤に、粒
子径0.2〜50μの無機物粉末を当該結合剤の全SiO2
1重量部に対して0.5〜100重量部分散させてなる
事を特徴とするものである。
【0008】上記 (1)式に於いて、R の例としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル
基、ビニル基、3−クロロプロピル基、3−ヒドロキシ
プロピル基、3−グリシドキシプロピル基、3−メタク
リルオキシプロピル基、フェニル基等が挙げられる。そ
して、R1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、アセチル基、フェニル基等が挙げられ、
好ましいR1はメチル基又はエチル基である。
【0009】本発明に用いられるシリカゾルは、湿式法
により得られたシリカ微粉を湿式粉砕する事により得ら
れる。この湿式法により得られたシリカ微粉としては、
珪弗化水素酸又はそのアンモニウム塩をアンモニアと反
応させるか又は珪酸ナトリウムを硫酸などの酸で中和す
る事により得られるもの等が例示されるが、好ましくは
珪弗化水素酸又はそのアンモニウム塩をアンモニアと反
応させる事により得られる析出シリカである。
【0010】湿式粉砕には、通常の湿式粉砕機、例え
ば、コロイドミル、ボールミル、ペプルミル、サンドグ
ラインダー、アトライター、ホモジナイザー、ディスパ
ー等が用いらる。この湿式粉砕に於ける分散媒として水
又は有機溶剤を用いると、それぞれ水性ゾル又はオルガ
ノゾルが得られる。アルコキシシランとの混合にはオル
ガノゾルが好ましい。オルガノゾルは、上記した如くシ
リカ微粉を直接有機溶媒を分散媒として湿式粉砕して得
られるが、水性ゾルを溶媒置換する事によっても得るこ
とができる。
【0011】オルガノゾルの分散媒として用いられる有
機溶剤は、特に制限はなく、例えば、メタノール、エタ
ノール等のアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、エチルカルビトール等のグリコールエーテル
類、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグ
リコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、及びN−
メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド等が挙げら
れ、これら2種以上を混合して用いても良い。
【0012】上記シリカゾルのコロイド粒子の電子顕微
鏡写真を観察すると、この粒子は粒子径が5〜100m
μの1次粒子が凝集した形態を有し、また、このコロイ
ダルシリカ粒子は動的光散乱法により測定すると、粒子
径150〜600mμと観測される。本発明に用いられ
るシリカゾルとしては、そのSiO2濃度が2〜50重量%
であるものが好ましい。
【0013】本発明に用いられる結合剤を調製する際
の、アルコキシシランの加水分解のための水の量は、ア
ルコキシシラン1モルに対して0.5〜5倍モルの範囲
が適当である。又、本発明に用いられるシリカゾルが水
を含む場合には、その水分は上記加水分解に用いられる
水の量に算入される。上記アルコキシシランの加水分解
とこれに引き続く縮合反応には、通常触媒として酸が用
いられる。触媒としての酸の量は、アルコキシシランに
対して0.1モル%以上が良い。酸触媒は一般的に塩
酸、硝酸又は硫酸等の鉱酸類、蓚酸、蟻酸、酢酸又はト
ルエンスルホン酸等の有機酸類等が好ましい。
【0014】本発明に用いられる結合剤を調製するため
の、上記アルコキシシランと上記シリカゾルとの混合、
及び引き続き起こさせる加水分解及び縮合は、通常水又
は有機溶媒中で行わせることができるが、有機溶媒中で
行わせるのが好ましい。これに用いられる有機溶媒とし
ては、上記オルガノゾルの分散媒と同じものでよいが、
結合剤を得るために用いる上記オルガノゾルの分散媒と
同一のものでなくてもよい。上記有機溶媒及びシリカゾ
ルの分散媒としては、先に例示した中でも、沸点80℃
以上アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル
類等が好適である。
【0015】上記アルコキシシランと上記シリカゾルと
は、アルコキシシランをSiO2に換算してその100重量
部と、シリカゾルをSiO2分として5〜400重量部、好
ましくは5〜300重量部混合される。加水分解反応
は、上記アルコキシシランと上記シリカゾルを十分混合
した後、水と触媒を有機溶媒と共に添加する事によって
も起こさせることが出来、又アルコキシシランの有機溶
媒溶液に、水と触媒とシリカゾルの混合物を添加する事
によっても起こさせる事が出来るが、好ましくは、水と
触媒とシリカゾルの混合物を、アルコキシシランの有機
溶媒溶液に加える方法によって行うことが出来る。
【0016】加水分解反応は通常室温で行われるが、必
要に応じて加熱下に行われる。この室温での加水分解反
応は、約30分程度行えば良い。加水分解反応に引き続
く縮合反応は、一般に50℃〜150℃の温度で数時間
行われる。上記縮合反応終了後は、この反応の副生物で
ある低沸点のアルコール等を必要に応じて留去してもよ
い。
【0017】本発明のコーティング用組成物に用いられ
る結合剤としては、アルコキシシランとシリカゾル由来
のSiO2分をその合計として、0.1〜50重量%、好ま
しくは5〜35重量%の範囲に含むものがよい。本発明
のコーティング用組成物は、上記結合剤と無機物粉末を
混合する事により得られる。
【0018】本発明に用いられる無機物粉末は、水不溶
性のものであって、例えば、シリカ、アルミナ、ムライ
ト、コージエライト、ジルコニア、ジルコン、フォルス
テライト、ステラタイト、チタニア等の酸化物粉末、炭
化珪素、炭化チタン、炭化タングステン等の炭化物粉
末、窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ、窒化ホウ素等
の窒化物粉末、カオリン、アスベスト、マイカ、タルク
等の天然鉱物粉末、合成マイカ、合成カオリンなどの合
成鉱物粉末、アルミナ、窒化珪素、チタン酸カリウムな
どのウィスカー、ガラス粉末、ガラスファイバー、セラ
ミックスファイバー等が挙げられ、これらを単独又は2
種以上組み合わせて用いられる。
【0019】上記無機物粉末の粒子径は、長径で0.2
〜50μの範囲の物が好ましく、種々の粒子径の粉末を
組み合わせて用いることが出来る。特に20μ以下のも
のが好ましい。無機物粉末は、上記結合剤に含まれるSi
O2分1重量部に対して、0.5〜100重量部の比率に
混合するのが好ましい。本発明のコーティング用組成物
は、アルコキシシランとシリカゾル由来のSiO2分と無機
物粉末とをその合計として5〜80重量%含有するもの
が好ましい。
【0020】本発明のコーティング用組成物は、得られ
る塗膜を着色する為の無機顔料、基材との濡れ性を改善
するための界面活性剤又は各種のシランカップリング剤
等を含有することができる。更に、本発明のコーティン
グ用組成物には、粘度調節及び無機物粉末の沈降固結防
止の目的で各種の増粘剤を添加してもよい。増粘剤の例
としては、有機変性モンモリナイトの様な膨潤性粘土鉱
物、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、及び
ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0021】上記結合剤への無機物粉末の混合、及び所
望に応じて加えられる上記添加成分の混合には、通常使
用される分散機が使用でき、ディスパー、サンドグライ
ンダー、コロイドミル、ホモジナイザー、万能ミキサ
ー、アトライター、ボールミル、三本ロール等が用いら
れる。この際、必要に応じて、上記した有機溶剤を添加
することは差し支えない。
【0022】増粘剤の添加方法は、コーティング用組成
物に直接添加して混合する事も出来るが、より均一な混
合のためには、結合剤に直接溶解した後無機物粉末と混
合する方法、又は増粘剤を有機溶剤に分散又は溶解後、
コーティング用組成物に添加する方法が好ましい。
【0023】
【作用】アルコキシシランを加水分解し次いで縮合反応
させた液、あるいは湿式粉砕法によらないで得られたシ
リカゾルの存在下にアルコキシシランを加水分解し次い
で縮合反応させた液を結合剤成分とし、これらと無機物
粉末を混合して得られたコーティング液は、得られる硬
化塗膜の機械的強度に乏しく、また、硬化塗膜の膜厚が
厚いときには、その硬化塗膜にクラックが発生したり、
その硬化塗膜が基材から剥離することが起こる。
【0024】それに対し本発明に好ましく用いられる、
珪弗化水素酸又はそのアンモニウム塩を水性媒体中でア
ンモニアと反応させることにより生成したシリカ微粉を
湿式粉砕することにより得られるシリカゾルは、コロイ
ダルシリカの形状が不定型であって、このようなシリカ
ゾルの存在下にアルコキシシランを加水分解させ次いで
縮合反応させて得られた本発明のコーティング用組成物
の結合剤は、造膜性に優れ、高い結合力を示し、従って
その結合剤と無機物粉末よりなるコーティング用組成物
からは、機械的強度に優れ且つ基材との密着力に優れた
硬化塗膜が得られる。更に、上記湿式法によるシリカ微
粉から得られたシリカゾルは、アルカリ金属、ハロゲン
等の不純物含量が著しく少ないから、本発明の組成物
も、これら不純物を殆ど含有しない。
【0025】結合剤を得るための、アルコキシシランの
加水分解に用いる水を、アルコキシシランのアルコキシ
基1モルに対して、0.5〜5モルの比率とする事によ
り、本発明のコーティング用組成物は、優れた機械的強
度と、基材との密着力に優れた硬化塗膜を与える。この
加水分解に用いる水の比率が0.5モルより少ないとア
ルコキシシランの加水分解が不十分となり、その結合剤
と無機物粉末とからなるコーティング用組成物を硬化す
る事によって得られる硬化塗膜の機械的強度、及び基材
との密着力が低下する。反対に、上記水の比率が5モル
より多くなると、結合剤の粘度増加、ゲル化等が起こ
り、無機物粉末を混合する事により得られるコーティン
グ用組成物の貯蔵安定性が乏しくなる。
【0026】本発明に用いられる結合剤中、アルコキシ
シランとシリカゾル由来のSiO2分の合計濃度が0.1〜
50重量%、好ましくは5〜35重量%に於いて、更に
は、結合剤の全SiO2分1重量部に対して、無機物粉末を
0.5〜100重量部とする事により、そして、本発明
の組成物中上記結合剤の全SiO2分と無機物粉末の総和を
5〜80重量%とする事により、機械的強度に優れ且つ
基材との密着力に優れた硬化塗膜が得られる。
【0027】結合剤中のアルコキシシランとシリカゾル
に由来するSiO2濃度が0.1重量%より少ないと、塗膜
の結合力が低下し、硬化塗膜の機械的強度が低くなり、
基材との密着力を示さない。一方このSiO2濃度が50重
量%を越えると、組成物の粘度増加等が起こり、貯蔵安
定性に乏しくなる。無機物粉末の比率が、結合剤の全Si
O2分1重量部に対して0.5重量部より少ないと、硬化
塗膜に割れや、基材との剥離が発生する。一方100重
量部より多いと、結合剤成分が不足するために、結合力
に優れた塗膜が得られず、硬化塗膜の機械的強度、基材
との密着力に劣る。
【0028】本発明の組成物の固形分が、5重量%より
少ないと一回の塗布により得られる塗膜の厚みが薄くな
り、所定の厚みの塗膜を得るために多数回の塗布が必要
となり、効率的でない。一方、80重量%を越えると、
組成物の流動性が低下するので、塗布作業時の作業性も
著しく低下する。本発明の好ましいコーティング用組成
物である沸点80℃以上のアルコール類、グリコール
類、グリコールエーテル類等の有機溶媒を分散媒とする
オルガノゾルの存在下に上記アルコキシシランを加水分
解させ次いで縮合させて得られる液を結合剤とするコー
ティング用組成物は、特に無機物粉末との混合及びこの
コーティング用組成物の塗布作業の際、溶剤の揮発がほ
とんどないので好適である。
【0029】本発明の好ましいコーティング用組成物で
ある粒子径0.2〜20μの無機物粉末を含有するコー
ティング用組成物の塗膜を硬化させると、著しく平滑性
を有する塗膜が得られる。
【0030】
【実施例】
(結合剤の製造例)還流管、滴下ロートを備え付けた反
応フラスコに、第1表記載の組成でアルコキシシラン
と、溶媒としてブチルカルビトールを投入し混合攪拌し
た。第1表記載の組成で、この混合液に珪弗化アンモニ
ウムの中和によって得られたシリカ微粉を湿式粉砕する
ことにより得られたノルマルプロピルセロソルブ分散シ
リカゾル(SiO2濃度20%、比重1.032、粘度10
cps 、水分0.6%、動的光散乱法による粒子径300
mμ、電子顕微鏡による1次粒子径40〜50mμ)と
水と触媒として35%塩酸0.1gを十分に混合したも
のを、室温で30分かけて滴下した。滴下終了後加熱昇
温し、70℃で2時間保持した後、室温まで冷却し、第
1表記載の結合剤B1 〜B5 を得た。
【0031】 第1表 使用した原料 結 合 剤 1 2 3 4 5 アルコキシシラン(g) 208 104 156 173 104 メチルトリエトキシシラン(g) 0 208 312 148 208 シリカゾル(g) 150 500 250 500 500 水(g) 54 49 74 52 49 ブチルカルビトール(g) 588 139 208 127 139 ヒドロキシプロピルセルロース(g) 0 0 0 0 0.2 実施例1 (コーティング用組成物の製造例)第2表記載の組成で
結合剤に無機物粉体を添加し、ディスパーを用いて分散
混合してコーティング用組成物P1〜P12 を得た。第2表
中の量は、重量部を表す。
【0032】 第2表 組成物 結合剤 (量) 無機物 無機物粉末 結合剤の 粉末 ( 量) の粒子径μ 粘度 (cps)1 1 100 アルミナ 100 3.0 170 P2 2 100 アルミナ 100 3.0 200 P3 3 100 アルミナ 100 3.0 220 P4 4 100 アルミナ 100 3.0 250 P5 2 100 シリカ 100 1.0 300 P6 2 100 ジルコニア100 1.2 150 P7 2 100 ムライト 100 8.0 400 P8 2 100 シリカ 50 12.1 アルミナ 50 0.5 250 P9 2 100 シリカ 500 5.2 1800 P102 100 シリカ 100 1.0 300 P112 100 アルミナ 100 3.0 200 125 100 シリカ 100 1.0 400 実施例2 実施例1で得られたコーティング用組成物をスリット2
5μ,50μ,80μのアプリケーターを用いて各種基
材に塗布し、100℃10分乾燥後、300℃15分加
熱して塗膜を硬化させた後、塗膜の物性を測定した。結
果を第3表に示す。
【0033】第3表記載の硬化塗膜の物性は、下記方法
で測定された。 クラック: 目視により、塗膜表面のクラックの有無を
観察し、クラックの認められない場合は○、クラックの
認められた場合×で表す。 硬度 : JIS 5400 鉛筆硬度試験法により
表面硬度を測定した。 密着強度: 粘着テープ試験により塗膜の剥離の有無を
観察した。全く剥離が観察されない場合は○、一部剥離
が認められた場合△、剥離した場合×で表す。
【0034】熱衝撃性: 塗膜で被覆された基材を30
0℃のオーブン中で15分加熱した後、基材を水中に投
入する操作を10回繰り返した後の、塗膜の状態を観察
した。全く剥離が認められない場合は○、一部剥離が認
められた場合△、剥離した場合×で表す。 絶縁性 : 塗膜で被覆された基材を20℃、相対湿度
60%の状態に24時間放置した後、塗膜上に針状電極
を1cmの間隔で接触させ、メガオームテスターを用い
て、抵抗値を測定した。
【0035】耐熱性 : 塗膜で被服された基材を80
0℃ 1時間加熱後、空気中室温に放置した時の表面状
態を観察した。全く剥離が観察されない場合は○、一部
剥離が認められた場合△、剥離した場合×で表す。 平滑性 : 表面荒さ計で測定した。Ra2μ以上を
△、Ra2μ以下を○とで表す。
【0036】 第3表 組成物 基材 膜厚 クラ 硬度 密着 耐熱 熱衝 平滑 絶縁性 μ ック 性 性 撃性 性 MΩ 1 sus1 6 ○ 2H ○ ○ ○ ○ 1000 P2 sus1 10 ○ 4H ○ ○ ○ ○ 1000以上 P3 sus2 10 ○ 4H ○ ○ ○ ○ 1000以上 P4 sus1 15 ○ 2H ○ ○ ○ ○ 1000以上 P5 sus3 20 ○ 2H ○ ○ ○ ○ 1000以上 P6 sus1 20 ○ 2H ○ ○ ○ ○ 1000以上 P7 sus1 35 ○ 2H ○ ○ ○ ○ 500 P8 sus1 15 ○ 4H ○ ○ ○ ○ 1000以上 P9 sus1 50 ○ 2H ○ ○ ○ ○ 1000以上 P10 石英* 20 ○ 2H ○ ○ ○ ○ 1000以上 P11 アルミナ 15 ○ 4H ○ ○ ○ ○ 1000以上 12 sus1 25 ○ 2H ○ ○ ○ ○ 500 上表において、SUS1はSUS430を、SUS2はSUS3
04を、SUS3はSUS304にポリイミドをコーティン
グしたものを、石英* は石英ガラスをそれぞれ表す。
【0037】比較例1及び2 結合剤としてそれぞれJIS3号珪酸ソーダ(固形分4
0%)、コロイダルシリカ(SiO2濃度30%)を100
重量部用い、無機物粉末としてシリカを200重量部加
え、室温でディスパーを用いて30分混合分散し、コー
ティング用組成物とした。得られたコーティング用組成
物をスリット80μのナイフコーターを用いてSUS 基材
に塗布し、100℃10分乾燥後、300℃15分加熱
して硬化した後、塗膜の物性を測定した。結果を第4表
に示す。
【0038】比較例3 結合剤B1 と同様の方法で、シリカゾルを用いずにテト
ラエトキシシランの加水分解及び縮合により、SiO2分6
重量%の結合剤を得た。この結合剤100重量部に無機
物粉末としてシリカを200重量部加え、室温でディス
パーを用いて30分混合分散し、コーティング用組成物
とした。得られたコーティング用組成物をスリット80
μのナイフコーターを用いてSUS 基材に塗布し、100
℃10分乾燥後、300℃15分加熱して硬化した後、
塗膜の物性を測定した。結果を第4表に示す。
【0039】比較例4 比較例3で得た結合剤100重量部にヒドロキシプロピ
ルセルロース0.2重量部を攪拌しながら加えて溶解し
た。このものに無機物粉末としてシリカを200重量部
加え、室温でディスパーを用いて30分混合分散してコ
ーティング用組成物とした。得られたコーティング用組
成物をスリット80μのナイフコーターを用いてSUS 基
材に塗布し、100℃10分乾燥後、300℃15分加
熱して硬化した後、塗膜の物性を測定した。結果を第4
表に示す。
【0040】比較例5 結合剤B2 で用いた湿式粉砕法によるゾルに代わり、珪
酸ソーダをイオン交換する事により得られたノルマルプ
ロピルセルソルブ分散球状シリカゾル(SiO2分20%、
比重1.044、粘度3.2cp、水分0.5%、動的光
散乱法による粒子径20〜30mμ、電子顕微鏡による
1次粒子径10〜20mμ)を用いた以外は、同様の方
法で結合剤を得た。このもの100重量部にヒドロキシ
プロピルセルロース0.2重量部を攪拌しながら加えた
ところ、シリカゾル成分が凝集、ゲル化した。
【0041】 第4表 粘度 膜厚 クラ 硬度 密着 耐熱 熱衝 絶縁性 cps μ ック 性 性 撃性 MΩ 比較例1 1650 45 △ 4H ○ × × 1 以下 比較例2 250 20 × B × × × 1 以下 比較例3 150 15 △ B × × × 1000 比較例4 400 20 ○ 2B × × △ 100
【0042】
【発明の効果】本発明のコーティング用組成物は、低い
温度で硬化させても、耐熱性、機械的強度、基材との密
着力のいずれにも優れた平滑性の良い塗膜を与える。ま
た、各種の増粘剤を、塗膜に強度劣化等の悪影響を及ぼ
すこと無しに添加する事が可能であり、様々な塗布法に
応じた粘度に調整しうる。
【0043】更には、結合剤がアルカリ金属、ハロゲン
等の不純物を含まず、高純度であるため、本発明のコー
ティング組成物もこれら不純物を含まず、得られる塗膜
は高湿度下でも電気物性劣化を起こさないから、本発明
のコーティング組成物は電子部品等の絶縁塗膜形成剤と
して有用である。本発明のコーティング用組成物の塗布
には、通常用いられる塗布法が適用され、例えば、刷毛
塗り、ディッピング、ナイフコーティング、スプレーコ
ーティング、スピンコーティング、スクリーン印刷、ロ
ールコーティング、フローコーティング等で行うことが
できる。
【0044】コーティングした後、有機溶剤の除去と硬
化の為に100℃以上の加熱を行うことによって、塗布
膜の機械的強度、電気絶縁性が向上する。加熱時間は、
塗布膜の厚み、加熱温度により異なるが、通常は10分
〜60分で十分である。加熱硬化後の塗膜は任意の膜厚
が可能であるが、通常は5〜200μが適当である。本
発明のコーティング用組成物を塗布する基材としては、
電子部品に用いられるSUS、銅、アルミなどの金属、
石英ガラス、ホウ酸ガラス、ソーダライムガラスなどの
ガラス、アルミナ、ムライト、コージライト、フォルス
テライト、ジルコニアなどのセラミックス、ポリイミ
ド、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイト、ポリ
エーテルエーテルケトンなどの耐熱性樹脂及び金属に上
記耐熱性樹脂をコーティングしたものなどが挙げられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 里枝 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 (1) Rn Si(OR1)4-n (1) (但し、式中、R は置換基を有することもあるアルキル
    基、アルケニル基又はアリール基を表し、R1はアルキル
    基、アシル基又はアリール基を表し、nは0又は1の整
    数を表す。)で示されるアルコキシシランの1種又は2
    種以上をSiO2として100重量部と、湿式法で得られた
    シリカ微粉を湿式粉砕する事により得られるシリカゾル
    をSiO2として5〜400重量部の割合に混合した後、上
    記アルコキシシランを加水分解させ次いで縮合させてな
    る結合剤に、粒子径0.2〜50μの無機物粉末を当該
    結合剤中の全SiO21重量部に対して0.5〜100重量
    部混合してなる、耐熱性及び絶縁性のコーティング用組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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