JPH0597065U - 電気コンタクト及びそれを使用する電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化且つポストコンタクトとの良好な電気
的接触を行うリセプタクル型電気コンタクト及び斯るコ
ンタクトを使用し相手コネクタとの嵌合動作が容易であ
る電気コネクタを提供すること。 【構成】 電気コンタクト10は電線接続部11及びポスト
コンタクト30との接触部15を有する。接触部15は断面が
略８字状であって、上部17に相手ポストコンタクト30が
挿入され、下部16には電気コネクタ40の絶縁ハウジング
41のコンタクト受容室42の嵌合部43から後方へ突出する
突起60が挿入され電気コンタクト40の姿勢を一定に維持
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気コンタクト、特に相手雄型（ポスト）コンタクトと嵌合するリセ プタクル型電気コンタクト及び斯る電気コンタクトを使用する電気コネクタに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

ワイヤ（電線）に接続された１個以上のリセプタクル型コンタクトがリセプタ クルハウジング内に固定されたリセプタクル型コネクタを回路板（又は基板）の スルーホールに半田付接続される角ポストを有するピンヘッダ型コネクタと嵌合 して使用するワイヤ対ボード（基板）用電気コネクタが広く使用されている。斯 る電気コネクタの代表例は例えば実開昭61-14472号公報に開示されている。

【０００３】 斯るワイヤ対ボード用電気コネクタのリセプタクル型コネクタに使用される各 コンタクトは絶縁撚線のワイヤの一端の露出した導体に圧着（又はかしめ）接続 されるワイヤバレル及びこれに隣接する絶縁被覆上にかしめられるインシュレー ションバレルを有する電線圧着接続部と、他端にあってポストコンタクトが挿入 されるボックス状の雌型接触部とが一直線状に配置形成されているのが普通であ る。斯るコネクタは数Ａ程度の比較的大電流を流す必要のある電源回路用コネク タとして広く普及している。

【０００４】

【考案か解決しようとする問題点】

しかし、上述した従来のリセプタクル型コンタクトにあってはワイヤ圧着接続 部と相手ポストコンタクトとの接触部とが電気コンタクトの相互に反対側に離間 して配置され、相手ポストコンタクトが接触部に挿入されても圧着されたワイヤ 端部又はかしめられたワイヤバレルに相手コンタクトが衝突しないよう十分離間 して配置されている。その為に、リセプタクル型コンタクトの全長が比較的長く なり、小型電気コンタクト製造を困難にした。

【０００５】 また、斯る従来のリセプタクル型コンタクトにあっては、コンタクトの弾性が 十分でなく、ボックス状部の内側に片持梁状の弾性接触片を形成する必要があっ た。更にまた、特に比較的多数のコンタクトを有するこの種コネクタにあっては 、リセプタクルコンタクトが傾き相手ポストコンタクトの挿入時にコンタクト同 士の衝突を生じ、良好な挿入操作が困難であった。また、相手コンタクトとの嵌 合時に両コネクタ間に「こじり」作用が働いてコンタクトを破損又は劣化すると いう問題があった。

【０００６】 従って、本考案は上述した従来のリセプタクル型コンタクトの欠点を克服する 新規な電気コンタクトを提供することである。即ち、比較的短く且つ簡単な構成 で良好な電気的特性が得られるリセプタクル型コンタクト及び斯るコンタクトを 使用する電気コネクタを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題解決の為の手段及び作用】

上記課題を解決する為に本考案の電気コンタクトによると、電線接続部の反対 端の接触部を断面が略８字状に上下に分割された構造とし、上部に相手ポストコ ンタクトが挿入接触されるよう構成している。このように構成することにより、 挿入されたポストコンタクトは電線接続部に圧着接続された電線端部を効果的に 回避するので、電気コンタクトの全長を短くすると共に、良好な電気接触が得ら れる。

【０００８】 また、本考案の電気コネクタによると、上述の如き電気コンタクトを絶縁ハウ ジングのコンタクト受容開口内に挿入すると共に、電気コンタクトの下側接触部 に絶縁ハウジングの突起が挿入されるように構成する。この構成により、電気コ ンタクトは絶縁ハウジングのコンタクト受容開口内の所定位置に確実に固定され ると共に挿入されるポストコンタクトのガイドとして機能して良好な耐「こじり 」性を有する。

【０００９】

【実施例】

添付図を参照して本考案による電気コンタクト及びそれを使用する電気コネク タの好適実施例を以下に詳述する。

【００１０】 図１は本考案による電気コンタクト10の好適一実施例を示し、同図（Ａ）はワ イヤに接続前の電気コンタクト10単体の斜視図を、同図（Ｂ）は同図（Ａ）の電 気コンタクト10にワイヤ20を圧着接続すると共にポストコンタクト30と接触した 状態の斜視図を示す。

【００１１】 先ず、図１（Ａ）において、電気コンタクト10は黄銅、燐青銅又はベリリウム 銅等の弾性銅合金の板状体を打抜折曲げ加工することにより周知の方法で製造さ れる。この電気コンタクト10はワイヤバレル12と絶縁体バレル13とより成りワイ ヤを圧着（かしめ）接続する電線接続部11を一端に有し、他端にポストコンタク トとの接触部15を具えている。後述の如く、電線接続部11のワイヤバレル12及び 絶縁体バレル13には夫々ワイヤの端部の露出導体と絶縁被覆とがかしめ接続され る。電気的接触を良好にする為に、必要に応じてワイヤバレル12の底面には例え ば２本のリブ14が形成されている。

【００１２】 次に、ポストコンタクトとの接触部15は中央部にくびれが形成され、実質的に 下部16と上部17とに２分割された断面が略８又は日字状（以下８字状という）の 略ボックス状リセプタクルである。上部17の両側壁の一部分は内方へ押圧変形さ せて又は片持ち梁状に切り起こして接触突起18を形成する。また、底面の一部を 外方へ切り起してコンタクトランス19を形成する。

【００１３】 図１（Ａ）の電気コンタクト10を用いて電気コネクタを形成する為に、図１（ Ｂ）に示す如く、ワイヤ20を接続すると共に接触部15の上部17にポストコンタク ト30が挿入される。ワイヤ20は従来の絶縁撚線であって、ワイヤ20の一端からワ イヤ即ち導線22を露出させて、圧着用手工具又は動力工具を用いてワイヤバレル 12をかしめ接続する。更にまた、このかしめ端近傍の絶縁被覆24上に絶縁体バレ ル13を周知の如く圧着する。

【００１４】 図１（Ｂ）から明らかな如く、ポストコンタクト30は例えば先端にテーパ31が 形成された断面略正方形の棒状体である。このように、上下２分割された接触部 15の上部17にポストコンタクト30を挿入し、両側面から内方へ突出形成した接触 突起18間にてコンタクト30との接触を行う。これにより、ポストコンタクト30の 先端は嵌合時にワイヤ20のかしめられた端部を避けるので、電気コンタクト10の 全長は短くすることが可能である。更に、接触部15は底面から離れた位置である ので、弾性も大きく良好な電気的接触が可能であることが理解できよう。

【００１５】 次に、図２及び図３を参照して図１の電気コンタクト10を複数個使用する電気 コネクタ40の実施例を説明する。図２は本考案による電気コネクタ40及びこれと 嵌合使用されるポストヘッダー50の嵌合前の斜視図であり、図３は嵌合状態の電 気コネクタ40及びポストヘッダー50の断面図を示す。

【００１６】 電気コネクタ40は、図示の実施例にあっては６個のコンタクト受容室42を有す るナイロン等のプラスチック成型品である絶縁ハウジング41を具えている。各コ ンタクト受容室42は後端（コンタクト挿入端）から嵌合端に向って形成され、ポ ストコンタクト挿入開口44が嵌合面に形成されている。また、嵌合端部43はスリ ット46により相互に分離されている。絶縁ハウジング41の中央にロッキングレグ 48が形成され、その両側の各３個の電気コンタクト用ハウジングの周囲を２個の 防水パッキン47で包囲する。更に、図３に最もよく示す如く、各コンタクト受容 室42の嵌合端の近傍には係合肩49が形成されている。コンタクト受容室42内に電 気コンタクト10が後端から挿入されると、電気コンタクト10の底面のコンタクト ランス19が係合肩49と係合して挿入方向と反対方向への抜け止めとなる。また、 各嵌合端部43のコンタクト挿入開口44の下方には開口45が形成され、必要に応じ てドライバー等の工具を使用してコンタクトランス19を押上げて、一度挿入した 電気コンタクト10を電気コネクタ40の絶縁ハウジング41から引抜き可能にする。

【００１７】 この電気コネクタ40と嵌合使用されるピンヘッダー50は電気コネクタ40と同様 にナイロン等のプラスチック材料のモールド品である絶縁ハウジング51に植立さ れた６本のポストコンタクト52を有する。各ポストコンタクト52は前述のコンタ クト30と同様に断面が略正方形の例えば錫めっき黄銅製である。この絶縁ハウジ ング51の嵌合端には電気コネクタ40の各電気コンタクト10の接触部15に挿入され て接触する各ポストコンタクト52の接触部とロッキングレグ48と係合して両絶縁 ハウジング41、51の嵌合状態を保持する弾性係合部材53を有する。

【００１８】 ここで注目すべきは、図３から明らかな如く、電気コネクタ40の嵌合端部43の 開口44、45間には内方へ突出する突起60が形成されており、この突起60が電気コ ンタクト10の接触部15の下部16に挿入されることである。従って、各電気コンタ クト10が電気コネクタ40の絶縁ハウジング41のコンタクト受容室42内に押込まれ ると、電気コンタクト10の接続部15の下部16に絶縁ハウジング41の突起60が挿入 された状態でコンタクトランス19が係合肩49と係合して保持される。これにより 、電気コンタクト10の姿勢は一定になり、ポストヘッダー50の各ポストコンタク ト52との嵌合動作が円滑となる。更に、突起60はポストコンタクト52のガイドと しても作用するので、耐「こじり」性が改善される。

【００１９】 以上、本考案の電気コンタクト及びそれを使用する電気コネクタを好適実施例 に則して説明したが、本考案は斯る実施例のみに限定するものではなく、用途に 応じて種々の変形変更が可能であることが理解できよう。

【００２０】

【考案の効果】

上述の説明から理解される如く、本考案の電気コンタクトによると、ポストコ ンタクトとの接触部を断面略８字状に形成し、上部にポストコンタクトを挿入す るので、電気コンタクトの全長を短くして小型化を実現すると共に接触部は基部 から離間しているので、大きな弾性を有し、良好な電気的接触が実現できる。

【００２１】 また、本考案の電気コネクタによると、上述した電気コンタクトの使用と併せ て、接触部の下部に絶縁ハウジングの突起部を挿入するので、電気コンタクトの 姿勢が確実に定まり且つ挿入される相手ポストコンタクトを円滑に案内する。更 に、嵌合時のこじり動作があっても、それを軽減することによりコンタクトを保 護することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による電気コンタクトの好適実施例の斜
視図。

【図２】図１の電気コンタクトを使用する本考案による
電気コネクタの好適実施例及び相手コネクタの斜視図。

【図３】図２の両コネクタの嵌合状態を示す斜視図。

【符号の説明】

10 電気コンタクト 11 電線接続部 15 接触部 16 下部 17 上部 40 電気コネクタ 42 コンタクト受容室 30、52 ポストコンタクト 60 突起

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端に電線接続部、他端に雄コンタクト
   との接触部を有するリセプタクル型の電気コンタクトに
   おいて、 前記接触部は略中央部にくびれを有し、全体が略８字状
   をなす下部及び上部に分割され、該上部に前記雄コンタ
   クトを挿入するよう構成したことを特徴とする電気コン
   タクト。
2. 【請求項２】 複数のコンタクト受容開口内に電気コン
   タクトが挿入保持されたリセプタクル型の電気コンタク
   トにおいて、 前記電気コンタクトは一端に電線接続部、他端に中央部
   がくびれて断面略８字状をなす下部及び上部より成る相
   手コンタクトとの接触部を有し、 前記ハウジングの前記嵌合面側には前記電気コンタクト
   の前記接触部の下部に挿入される突起が形成されている
   ことを特徴とする電気コネクタ。