JPH0592701A - 重荷重車両用ラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重車両用ラジアルタイヤ

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JPH0592701A
JPH0592701A JP3256506A JP25650691A JPH0592701A JP H0592701 A JPH0592701 A JP H0592701A JP 3256506 A JP3256506 A JP 3256506A JP 25650691 A JP25650691 A JP 25650691A JP H0592701 A JPH0592701 A JP H0592701A
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belt
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JP3256506A
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聡 ▲吉▼崎
Satoshi Yoshizaki
Yoichi Nakamura
陽一 中村
Hiroshi Yamaguchi
博 山口
Kiyoto Nakamata
清人 中俣
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重荷重車両用ラジアルタイヤのベルトセパレ
ーション耐久性を効率的に向上させるベルト層のスチー
ルコード終端配置を提案する。 【構成】 主ベルト層の内側コード排列単位Ui のコー
ド端末輪郭Aが、外側コード排列単位Uo 相互間に介在
するUi の外側に隣接するUo のコード端輪郭Bのタイ
ヤ赤道面に対する投影とは重ならずこれと接するを外側
の限度とし、Uoを挟むUi を介して,該Uo と隣り合
うUo のコード端末のうちUi の外側に隣接するUo の
コード端末の輪郭Bの投影と一致するまでの範囲内に配
置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重荷重車両、とくに建
設車両用スチールラジアルタイヤに関し、格別な付加部
材を用いることなく、更にはスチールラジアルタイヤの
特徴である摩耗寿命や低発熱性を維持ないし向上させつ
つ、重荷重車両用スチールラジアルタイヤに改善要望が
強いベルトの耐セパレーション性能を効率良く高める経
済的なタイヤを提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】重荷重車両、特に大型建設車両用ラジア
ルタイヤにあっては、近年、鉱山規模の拡大に伴う走路
の延長やカーブの増加、更に、生産性向上の要請等によ
る車両速度や積載量等の増大により、ベルトへの負荷入
力が高まる一方であり、その結果ベルトのセパレーショ
ンが以前に比し増加傾向を示すようになった。このセパ
レーション故障は使用者と供給者双方にとって深刻な問
題であり、上記使用条件の苛酷化に適合するベルトのセ
パレーション耐久性を向上させるべく、従来各種の提案
がなされてきた。
【0003】例えば、特開昭61−37501ではベル
ト層(補強層)の前記Do /Dc に相当する値が0.9
5以下、更に好ましくは0.90以下であって、ベルト
層の少なくも一層の端部でのコード打込数をクラウンセ
ンターに比べ減じたベルト層を有するタイヤを提案して
いる。これは、ベルト層の曲率が大なるタイヤにあって
は、通例のベルトは層端部近傍のコード打込数が極端に
多くなり、これに起因する過大な剪断歪みの減少を計
り、以てベルトのセパレーションを抑制せんとする提案
である。併し、上記のごとくDo /Dc が極めて小なる
タイヤでの効果は認められるものの、重荷重車両用タイ
ヤ、特に建設車両用タイヤに適用せんとすれば以下のご
とき不具合がある。
【0004】即ち、本発明にかかわる重荷重車両用タイ
ヤ、なかんずく建設車両用タイヤにあっては、ベルト層
の曲率を大とすれば、トレッドのクラウンの曲率をベル
ト層に合わせて大きく設定せざるを得ず、かくすれば、
重荷重の下で接地面に合わせた強制変形を受ける積層ベ
ルトの層端部には極度に大きな層間剪断歪み・応力が生
じる結果、早期にベルト端部のセパレーションが生じ
る。更に、荒れ地走行時に岩石等により最もカット損傷
を受ける確率が高いクラウン中央部の接地圧が高くなり
カット受傷が促進され、あわせてトレッドセンター摩耗
を生じ摩耗寿命も大きく短縮される事となる。一方、ベ
ルト層の曲率を大としたままクラウンの曲率を小(クラ
ウン半径を大)とすれば、上記の歪みや応力は抑制され
るものの、必然的にベルト層端部近傍のトレッドゲージ
を大幅に増加せざるを得ず、これが為、この部位に重荷
重車両用タイヤにとって致命的とも言うべき過度な温度
上昇をもたらし、早期のヒートセパレーションを発生す
るという不具合が生じる。
【0005】加えて、ベルト層の曲率を大とし、ベルト
層の剪断歪みを減じようとすれば、前記公報の実施例に
記載されているごとく、ベルト幅端の狭い領域における
コードの打込数を減じるのみでは不十分で、コード打込
数を減じる領域を十分に広く採る必要がある。かかる構
成とすれば必然的にベルト層単体としての実効幅が狭め
られる結果、いわゆるタガ効果が減少し、重荷重車両用
タイヤの基本特性として最も強く求められている摩耗寿
命の低下を、更には耐ヒートセパレーション性の低下を
ももたらし好ましくない。
【0006】更に、特公平3−23361においては、
タイヤ赤道面を中心としてカーカスと主ベルトの間に主
ベルトとは異なる幅狭のトレッド補強体を挿入し、空気
圧充填時の主ベルトの張力負担を軽減し、張力減小に伴
う主ベルト端部の応力減少を計り、主ベルトのセパレー
ションを防止しようとする提案である。しかるに、使用
条件いかんによっては効果が認められるものの、トレッ
ド補強体中のスチールコードのタイヤ赤道面に対する傾
斜角度が小さいが故に、歪み入力が厳しい条件の下で走
行する重荷重車両用タイヤにあっては、トレッド補強体
自身ないし補強体と主ベルトとの間にセパレーションを
生じ易いという問題があった。加えてトレッド補強体を
付加することによる製造コスト上昇のみならず、トレッ
ドゲージの増加は避け得ず、これが主ベルトの温度上昇
をもたらしヒートセパレ−ションの危険を生じさせると
いう問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重荷
重車両、特に建設車両に用いられるスチールラジアルタ
イヤの主ベルト、即ち事実上トレッドの補強層として所
定空気圧を充填した時に張力の大部分を負担する主ベル
トに、過大な歪み入力が頻繁に加えられる使用条件下に
おいても、前記したような格別な追加部材を用いる事な
く、主ベルトのセパレーションを効率的かつ効果的に抑
制しつつ、一方では、トレッドの摩耗寿命の延長及び耐
カット性の確保を計り、総合的にタイヤの耐久寿命を延
長しようとするところにある
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、少なくも一
層のスチールコード補強になるラジアルカーカスと、カ
ーカスの径方向外側で層内でほぼ平行、層間では交差す
る事実上非伸長性スチールコードよりなる二層以上の主
ベルトと、主ベルトの径方向外側に配置したトレッドゴ
ム層とを備え、前記主ベルトを構成するコード層が主ベ
ルトの側縁にて該コード層の層内で互いに隣接する少な
くとも一本より成るコードの排列単位毎の終端位置を交
互にずらした千鳥配置になるものとしたラジアルタイヤ
にして、主ベルトの幅端を占めて終端する、外側のコー
ド排列単位Uo の相互間に介在する内側のコードの排列
単位Ui は、トレッドの中央円周線を含む平面上に仮想
した、該外側のコード排列単位Uo の端末のうち内側の
コード排列単位Ui の外側に隣接するコード端末の輪郭
Bの投影とは一致しないが、該外側のコードの排列単位
Uo を挟む内側のコード排列単位Ui を介して該外側の
コード排列単位Uoと隣り合う外側のコード排列単位Uo
の端末のうち内側のコード排列単位Uiの外側に隣接す
るコード端末における同様な輪郭Bの投影と一致するま
での間に、内側のコード配列単位Ui のコード端末の輪
郭Aが位置する終端をもつ、千鳥配置になることを特徴
とするベルト側縁におけるセパレーション耐久性に優れ
た重荷重車両用ラジアルタイヤである。
【0009】更に、本発明においては、主ベルトの千鳥
配置になる外側のコード排列単位Uo 及び内側のコード
排列単位Ui がそれぞれ二本以上四本以下のスチールコ
ードで構成されていて、主ベルトの千鳥配置になる内側
のコード排列単位Ui の各コード端末が、ベルト幅とほ
ぼ平行して横並びに配置されるか、もしくは、主ベルト
の千鳥配置になる内側のコード排列単位Ui の各コード
端末が、ベルト幅とほぼ直交して縦並びに配置される
か、または、主ベルトの千鳥配置になる内側のコード排
列単位Ui の各コード端末が、ベルト幅とほぼ直交する
向きに相互に離間して配置されるか、いずれかの構成を
含む事が好ましい。
【0010】また、本発明においては、主ベルトが、そ
の千鳥配置になる外側のコード排列単位Uo のコード端
末と、該コード排列単位Uo のベルト幅中央におけるそ
れぞれの内径Do 、Dc の比が0.97以上の値とし、
主ベルトの千鳥配置になる外側のコード排列単位Uo の
コード端末が該主ベルトの最大幅を占めるものであると
する事が望ましく、加えて、主ベルトの千鳥配置になる
内側のコード排列単位Ui の各コード端末のタイヤ赤道
面からの隔たりの相加平均と、外側のコード排列単位U
o のコード端末の該赤道面からの隔たりとの平均値で定
義される該主ベルトのコード層の実効半幅がトレッド半
幅の少なくとも70%とする事が特に望ましい。更に、
千鳥配置になる主ベルトと隣接する他の主ベルトのコー
ド層の幅端が、内側のコード排列単位Ui の端末の最も
内側から更に内側に位置するように積層するのが好まし
い。
【0011】さて、図1に本発明に従うラジアルタイヤ
1の構成の断面をタイヤ赤道面X−Xより左側半分につ
き示す。図において、2はビ−ドコアー、3はビードコ
アー1にトロイド状をなして跨がる一層以上のスチール
コード補強になるラジアルカーカス(図では一層)、4
はラジアルカーカスの径方向外側に配置されたスチール
コード補強になるベルトであり、それぞれ内側から、タ
イヤ1に空気圧が充填された時に張力の大部分を負担す
る主ベルト4M及び保護ベルト4N(共に図では2層の
例を示す)よりなり、5はベルトの径方向外側に配置さ
れたトレッドゴム層、6はトレッドゴム層に連なり径方
向内側に向かってビードコアー近傍まで延在するサイド
ゴム層である。7はタイヤ1を装着する標準リムであ
る。図1において、ベルト4はラジアルカーカス3から
径方向外側に向かって内側から第一ベルト層、第二ベル
ト層(以降同様)とし、本発明に従う千鳥配置になる主
ベルトを第二ベルト層とする。
【0012】ついで、図1の本発明に従うタイヤの赤道
面X−Xと交わるトレッドの中央円周線を含む平面上に
仮想した千鳥配置になる前記第二ベルト層、即ち実際上
は、トレッドゴム層5と保護ベルト4Nを除去し水平展
開した第二主ベルト層の側端部におけるスチールコード
配置の部分模式図を図2に示す。図2においてSは第二
ベルト層を構成するスチールコードであり、Uo ,Ui
はそれぞれ第二ベルト層内で互いに隣接するスチールコ
ードS一本を排列単位とする外側のコード排列単位及び
内側のコード排列単位を指し、Ui のコード端はUo の
それより常に内側に存在する。Bは内側のコード排列単
位Ui の外側に隣接するコード端末の輪郭であり、A1
はUi のコード端末が最も外側となる位置でのコード端
末の輪郭であり、A1 ′は同様端末が最も内側となる位
置でのコード端末の輪郭である。ここで前記コード端末
の輪郭とはスチールコード切断端の端面の外側輪郭を指
し、外側とは内側に対しタイヤ赤道面を基準として、よ
り離隔している状態を表し、以下同様である。
【0013】A1 及びA1 ′を図2に従って更に詳細に
説明すれば、A1 は、隣り合う一対の外側のコード排列
単位Uo(図では特にUo1、Uo2を付記する。以下同
様。)の間に介在する内側のコード排列単位Ui (U
i1)の外側に隣接するコード排列単位Uo (Uo2)のコ
ード端末の輪郭Bからタイヤ赤道面への投影とは重なら
ず、この投影と接しほぼ同一輪郭を有するUi のコード
端末の輪郭であり、一方、A1 ′は、外側のコード排列
単位Uo (Uo2)を挟むコード排列単位Ui (Ui1、U
i2)のうち一方のUi (Ui2)の外側に隣接するUo
(Uo3)のコード端の輪郭Bの前記投影が一旦Ui (U
i2)を介して他方のUi (Ui1)と一致する内側コード
排列単位のコード端末の輪郭である。しかして、本発明
における主ベルトの千鳥配置になる内側コード排列単位
Ui のコード端末の輪郭Aは、、前記のA1 とA1 ′の
間に位置する事が好ましい。このとき、コード終端の輪
郭Aの形状は輪郭Bのそれと同一であっても異なっても
よい。更に、本発明にあっては図2に示す輪郭A、Bの
形状にとらわれず、例えば、図3に示すがごとき輪郭形
状であってもよく、また、図2、図3両図の輪郭A、B
を混用してもよいのは勿論である。
【0014】次いで、図4に本発明に従う内側、外側そ
れぞれのコード配列単位が各二本のスチールコードより
構成された主ベルトのコード層を、図5には各三本のス
チールコードより構成されたコード層を示す。両図とも
内側のコード排列単位Ui の各スチールコード端末のう
ち最も外側となる位置はA1 の投影と一致し、最も内側
となる位置は同じくA1 ′の投影と一致する。即ち、図
4ではA2 がA1 の、A2 ′がA1 ′のそれぞれの投影
と、図5ではA2 、A3 がA1 の、A2 ′、A 3 ′がA
1 ′のそれぞれの投影と一致する。ここで内側のコード
排列単位Ui の各コード端末の輪郭Aは、図4ではベル
ト幅とほぼ平行の例を、図5ではベルト幅とほぼ直交し
て配置された例を示す。
【0015】また図1において、本発明に従う前記第二
ベルト層の外側のコード排列単位のコード端末の内径を
Do 、該ベルト層の赤道面X−Xにおける内径をDc と
し、Do /Dc を0.97以上1.01以下とする。ま
た前記第二ベルト層の外側のコード排列単位のコード端
末の幅wが主ベルト中最大幅を占め、該幅wはトレッド
幅TWとの関係において、0.7XTWから1.0XT
Wの範囲に収めるを可とする。加えて、本発明に従う千
鳥配置になるコード層は全主ベルト中最大幅を占めるベ
ルト層のみに限定されず、他の主ベルトのコード層にも
適用し得るのは当然であり、かような構成とすれば本発
明の効果は更に増幅される。
【0016】更に、図2において、Wはタイヤの赤道面
が前記第二ベルト層と交わる中央円周線Z−Zから、前
記排列単位Ui 及びUo のそれぞれのコード端末の輪郭
A及び輪郭Bの最外端までの距離(図2のL、図1の1/
2 ×w)の和の平均値であり、このWは該ベルトのコー
ド層単一でみた実効半幅である。本発明にあってはこの
Wはトレッド幅TWの半幅の70%以上であることが望
ましく、75%以上とすれば更に望ましい。また、図
4、図5の例では、前記Z−ZからUi の複数の輪郭A
のそれぞれの最外端までの距離の和の平均値と輪郭Bの
最外端までの距離の和の平均値をもって、前記実効半幅
Wとする。これを図4で説明すれば、排列単位Ui のコ
ード端末の内側外側に位置する輪郭AまでのZ−Zから
のそれぞれの最大距離をL1 、L2 とし(L1 +L2
の1/2 がLa 、排列単位Uo のコード端末の輪郭Bまで
の最大距離がLo で、(La +Lo )の平均値Wが該ベ
ルト層の実効半幅である。尚、ここでLo ×2がwと一
致する。
【0017】図1、図2、図3、図4及び図5におい
て、本発明に従う千鳥配置になる第二ベルト層と隣接す
る他の主ベルトのコード層(図1では第一ベルト層)の
スチールコード端末は、図2、図3のコード端末の輪郭
A及び図4、図5の複数のコード端末のうち最も内側と
なる輪郭Aより更に内側に収めるを可とする。さらに本
発明にあっては、千鳥配置になるベルト層と、これに隣
接する他の主ベルトのコード層は一層とは限らず二層と
する構成をも含み、この場合、隣接コード層のうち少な
くも一層のスチールコードのタイヤ赤道面に対する傾斜
方向が、前記千鳥配置になるベルト層のスチールコード
の傾斜方向と異なり、互いに交差することが好ましい。
また、前記の傾斜方向が同一である隣接主ベルトであっ
ても、そのスチ−ルコード端末の位置は上記同様とする
ことが望ましいのは勿論である。
【0018】ここで、図2Aで示した内側及び外側のコ
ード配列単位がともにスチールコード一本からなる配置
例を、図6、図7ではベルト全幅に亙る数本のスチール
コード全体配置を中央円周線Z−Zとともに模式的に示
す。図6はベルト中のスチールコード長さを長短異なら
せて交互に配置した例を示し、図7はほぼ同一長さのス
チールコードを交互にずらせて配置した例を示す。尚、
両図において点線で示した部分の拡大詳細図が図2であ
る。
【0019】本発明は、主ベルトのコード層のスチール
コードを赤道面に対し5°から25°の角度をもって傾
斜させるのが好ましく、この傾斜角度を15°から22
°とすれば更に好ましい。また、本発明の千鳥配置にな
るコ−ド層に用いるスチールコードの直径は1.4mm以
上に適用するのが好適であり、これを2.5mm以上とす
れば更に本発明の顕著な効果が得られる。特に細径のス
チールコードを用いる場合コード排列単位を二本以上と
すれば生産上特に好都合である。
【0020】
【作用】発明者等は、従来技術によるタイヤが、歪み入
力の厳しい使用条件の下で何故充分なベルトの耐久性を
発揮し得ないのかを考究した結果、以下の知見を得るに
至った。即ち、従来技術によるベルト層端部の歪みや応
力軽減、特にベルト層間の剪断歪み・応力の軽減はタイ
ヤへの歪み入力が比較的大きくない場合には充分その効
果を発揮するものの、一旦歪み入力が過大な使用条件下
で使用されると、層間の剪断歪み・応力の軽減のみでは
効果に限界があり、殊にラジアルタイヤ特有の性能を得
んとして主ベルトの幅を大きく採った場合にセパレーシ
ョン問題が深刻である事を見いだした。尚、本発明で言
う歪み入力の厳しい使用条件とは、トレッド面全体に亙
って接地圧の絶対値が高く、かつ、ベルトのコード層端
部近傍におけるトレッド面の接地圧がタイヤ赤道面近傍
のそれより常時もしくは高頻度で高い等の条件を指す。
【0021】更に発明者等らが研究を進め、到達した結
論を以下に記す。即ち、発明者等は前記の厳しい使用条
件の下で走行するタイヤにあっては、積層されたベルト
のコード層端部にセパレーションが発生する以前に、ま
ず、より幅が広いベルト端におけるスチールコード切断
端面近傍のゴムに初期の微小な亀裂が発生し、走行時間
の経過とともにこの微小亀裂がベルトのスチールコード
端縁に沿うように進展し、亀裂同士互いに連結するとほ
ぼ同時に、この亀裂がスチールコードに沿って内部にも
拡大し、ベルト幅端沿いに幅の狭いセパレーションが生
じる事を突き止めた。
【0022】次いで、発明者等は、上記幅狭ではある
が、ほぼベルト端部全周に及ぶセパレーションが内側に
進展し、積層されたベルトのコード層の一方の端縁に近
ずくと、相互のコード層間に作用している剪断応力が初
期セパレーションの急速な拡大を促し、全面的ベルトセ
パレーション故障に至ることを解明した。よって前記の
苛酷な使用条件による該故障の発端となる核、即ち主因
は、スチールコードの切断端面近傍のゴムに生じる亀裂
であるとの知見を得、本発明を完成するに至った。図9
にこのセパレーション故障の初期の亀裂(図の上の部
分)から中期の幅狭セパレーション状態(図の下の部
分)に至る発展過程の説明図をまとめて示す。亀裂を
K、セパレーション部分は斜線部分で表示した。
【0023】ついで、実験の結果を踏まえ亀裂発生のメ
カニズムを以下のとおり解明した。即ち、図8(a)の
接地部におけるタイヤ断面に示すごとく、タイヤ接地面
においてトレッドゴムは圧縮され、図の2点鎖線で示す
バットレス位置から実線の位置まで張り出す。この時ト
レッドゴム各部は図の矢印で示すように非拘束域である
タイヤ赤道面に対しほぼ直角なバットレス方向に変位す
る。図8(b)にベルト層とトレッド接地面間のトレッ
ドゴム変位量の分布状態を同様矢印で模式的に表した。
これから明らかなように、トレッドに大きな荷重が加え
られている場合、事実上非伸長性スチールコードにより
補強されたベルト層はトレッドゴムに比べ上記方向への
変位は無視し得るので、ベルト層に接するトレッドゴム
は図8(b)のP点に示すように変位が拘束されほぼゼ
ロに近いが、これに反し、ベルト層中のスチールコード
切断端の端面は接着未処理であるため、該端面に接する
ゴムは図のQ点に示すごとく比較的容易に変位に追随す
る。これが為、該端面近傍には空洞が生じ、その結果強
固に周囲のゴムと接着しているスチールコード切断端縁
には大きな引っ張り応力が加えられることになる。タイ
ヤの走行中この引っ張り応力が繰り返し加えられる結
果、前記切断端近傍のゴムが疲労破壊を生じ亀裂に至る
事となる。
【0024】一旦微小亀裂が生じると、応力集中により
比較的短時間の走行で亀裂が成長する。更に走行が進め
ば亀裂同士が連結しタイヤの全周に亀裂が及ぶこととな
るが、ほぼ同時に、コード層とトレッドゴムの間には剪
断応力が作用している為、亀裂はコード層に沿って内部
にも進展し、図9で示したような幅の狭いセパレーショ
ンが発生する。尚、上記のゴム変位量はトレッドの接地
圧にほぼ比例するので、重荷重車両、とりわけ超重荷重
で、しかも荒れ地の凹凸や曲率の大きいカーブを頻度高
く走行し、トレッドに頻繁な偏荷重が作用する建設車両
用タイヤは前記亀裂の発生、進展が生じ易く、ベルト層
のセパレーション問題を招き易い事となる。
【0025】以上の知見にもとずき、まず図2にて、内
側のコード排列端位Ui のコード端末の輪郭Aの最も外
側となる配置をA1 とした理由を一層詳細に説明する。
さて、前記したごとくトレッド接地部においては、スチ
ールコード補強になるベルトの層端部にはトレッドゴム
変位に伴い図の上方に示す矢印方向の力を受ける。(矢
印は必要部分のみに止めた。)その際、外側のコード排
列部分Uo (Uo2)のコード端末の輪郭Bの投影と該コ
ード端が重なる部分(図で三角部分)は、受ける力の方
向に対しスチールコードを構成するフィラメントの一部
ないし殆ど全てを欠く為、前記力に抗する性質が投影と
は重ならない他の部分に比し弱くトレッドゴム変位に追
随し易い。それが為、内側のコード排列単位Ui (U
i1)のコード端末の輪郭Aを前記投影と重なる位置に配
置すれば、この端末の端縁には比較的大きな引っ張り応
力が作用し、Uo (Uo2)のコード端末の端面近傍ゴム
亀裂発生に次いで、僅かな走行時間経過後、同様亀裂が
Ui (Ui1)のコード端末に発生する。
【0026】かように多少の時間の遅れがあっても両端
面に一旦亀裂が生じると、Uo のコード端部に加えられ
る剪断応力成分が亀裂部分に集中し、両亀裂が早期に連
結する一方、Ui のコ−ド端末から内側にも亀裂が進展
する結果、短時間で部分セパレーションに発展し好まし
くない。図10にこの進展過程の状態を図の上側と下側
にまとめて模式的に例示する。
【0027】一方、輪郭Aを図2に示すごとく輪郭Bの
投影と接する位置A1 に止めれば、上記したような両端
面のほぼ同時亀裂は生ぜず、Uo のコード端末に亀裂が
発生しこれがコード沿いに内側に進展し、Ui のコード
端末に到達してはじめて該端末の端面に亀裂が惹起さ
れ、更に、この亀裂がUi のコード端末の端面を介して
Uo のコードの外側に沿って進展を続け、亀裂が互いに
連結するまでは少なくともUo のコード部分のみのセパ
レーションにに止まり、Ui のコード部分を含めた部分
セパレーションには至らない。この間、本発明に従うタ
イヤのセパレーション寿命は従来のタイヤに比し大幅に
延長し得る事となる。図11に、Ui のコード端末の輪
郭AをUo のコード端末の輪郭Bの投影と接する位置A
1 としたベルト層の亀裂及びセパレーション進展の過程
をまとめて図の上側から下側に向かって示した。
【0028】次いで、同じく図2にて、Ui のコード端
末の輪郭Aの最も内側となる配置をA1 ′とした理由を
下記する。即ち、図2に示すUi (Ui1)のコード端末
の輪郭AがUo (Uo3)のコード端末の輪郭Bの投影と
一致する輪郭A1 ′の位置より内側に存すると、前記投
影と該Ui のコードを挟むUo (Uo1とUo2)相互の間
とで区画されるゴム部分が増加し、このゴム部分の上方
にあるトレッドゴムの変位(図では下方の矢印で示す)
が該Uiの外側に隣接するUo (Uo2)を介し、該投影
の元(Uo3)の輪郭Bのコード端末のゴム変位の増加を
促し、その結果、端縁の引っ張り応力の増加をもたらす
作用を及ぼし、この端末近傍のゴムの亀裂発生を早める
不具合を生じさせる。上記理由によりUi のコード端末
の輪郭Aの最も内側を輪郭A1 ′とする事が好ましい。
【0029】一見、セパレーション故障に至る迄の走行
時間を延長する点で、Ui のコード端末の輪郭Aを最も
内側のA1 ′とするのが最良と見られるが、一方では、
実効幅が狭くなる事、及びこれと隣接する主ベルトの層
の幅も狭くせざるを得ず、その結果、主ベルト全体の有
効幅が狭くなる点を併せ考慮する必要があり、一概に上
記配置が最良とは言えず、要求性能等に応じてUi のコ
ード端末の輪郭Aの配置位置を前記A1 とA1′との間
に設定するを可とする。
【0030】以上は内側、外側それぞれのコード配列単
位が一本よりなる場合で説明したが、これが二本から四
本で構成される場合も同様である。しかし、本発明とい
えども極めて大きな歪み入力が加えられた場合、前記し
たごとく、ベルト層のスチールコード端末の亀裂発生と
結合から免れることはできないが、図11に例示したご
とく、本発明は、Uo のコード端末の輪郭B近傍のゴム
に亀裂が生じる事があっても、Ui のコード端末の輪郭
Aには引っ張り応力が原因となる亀裂が生じることはな
く、輪郭B近傍の亀裂が内方に進展し輪郭A近傍に至っ
てはじめて該輪郭A近傍に亀裂が生じるように構成し、
セパレーションに至るまでの耐久寿命を大幅に延長した
点に一つの大きな特徴を有し、しかも、他の諸性能を維
持ないし向上させるに必要な主ベルトの有効幅が十分確
保し得る点に第二の大きな特徴を有す。
【0031】次いで、外側、内側それぞれのコード排列
単位を二本以上四本以下としたのは、細径、例えば直径
1.4mmから2.0mmのスチールコードを本発明の千鳥
配置になるベルト層に用いるに際し、生産上好都合であ
るのみならず、コ−ド径いかんに拘わらず、外側コード
端末から内方への亀裂進展、連結に多くの時間を要し、
セパレーション耐久寿命向上の点で好ましいからであ
る。また、Ui の複数端末をベルト幅とほぼ平行して横
並びに配置すれば、前記亀裂の連結に至る距離が長くな
り亀裂が全面連結し難くなる点で好都合であり、更に、
この複数端末をベルト幅とほぼ直交して縦並びに配置す
ると、ベルトのコード層単体の実効幅を広く設定し得る
上で好都合であることに加え、必要に応じ排列単位Uo
のコード端末迄の距離Lo を加減し得る自由度を大きく
採れる点で好ましい。またこの複数端末をベルト幅とほ
ぼ直交する向きに相互に離間して配置すると、Ui のコ
ード複数端末相互の距離を大きくし得ると同時に、ベル
ト層単体の実効幅も広く採れる等、前記の両長所を兼備
した好結果が得られる。
【0032】次いで、図1におけるDo /Dc を0.9
7以上としたのは、前記従来技術で述べたごとく、0.
97未満ではヒートセパレーション防止上必然的にトレ
ッドのクラウン半径もこの値に合わせて小さく設定せざ
るを得ず、かくすれば、主ベルトの積層コード層端部に
おける層間剪断歪み・応力が過大となり、亀裂進展以前
にこの積層間でのセパレーションが早期に発生し、本発
明の目的を達成し得ないからである。
【0033】殊に建設車両用タイヤにあっては、その用
途から岩石等が散乱ないし埋没した荒れ地走行の機会が
多く、一般路上走行に対し摩耗が促進される。加えて、
タイヤサイズが超大型であることと相俟って、摩耗寿命
の確保が至上命題である事から、例えば、ロックディ−
プトレッドのように溝深さの値を大きく採るのが通例で
ある。この場合、トレッドゴムの総量が多く発熱量の増
大によるヒートセパレーションの危険が生ずるのは勿論
であり、ベルトの端部が特に層間剪断応力と相俟ってこ
の危険度が高い。ここで、前記Do /Dc の比を0.9
7以下としたまま、クラウン半径を大きく、即ち、タイ
ヤ赤道面近傍に比しショルダー部のトレッドゲージを大
きくすれば、ショルダー部近傍のベルト端部の発熱温度
はより高くなりヒートセパレーションの危険が高まる。
【0034】発明者等の実験によれば、前記Do /Dc
の値が0.96と0.97の本発明に従うベルトを備え
た建設車両用タイヤのサイズ18.00R25と37.
00R57を準備し、それぞれのサイズ毎にクラウン半
径を揃え、サイズ毎一定の条件で走行させ、ベルト端の
温度を比較したところ、Do /Dc が0.96のタイヤ
の最高温度は前者のタイヤサイズで約15℃高く、後者
タイヤサイズにあっては19℃高い値を得た。よって本
発明にあっては、このヒートセパレーションの危険を回
避すべく、特に最大幅を有する主ベルト端上部のトレッ
ドゲージに対するタイヤ赤道面近傍の該ゲージの比をほ
ぼ等しくするか、やや小とする事が好ましい。例えばこ
の比を0.98以上、1.01以下とすることが望まし
い。かくして、Do /Dc を0.97未満とすれば、ト
レッドのクラウン半径を小とせざるを得ず、前記不具合
以外に、荒れ地走行時、最もカットを受け易い部位であ
るトレッド赤道面近傍の接地圧を高め、カット受傷の機
会を増やすのみならず、トレッドセンター摩耗を促進し
摩耗寿命の著しい低下をもたらし好ましくない。
【0035】また、主ベルトの千鳥配置になる外側のコ
ード排列単位Uoのコード端末が主ベルト中最大幅を占
めるとしたのは、重荷重の下で、荒れ地の凹凸路面や頻
度が高く、かつ、曲率が大なるカーブ走行時の車両のロ
ーリングやコーナリング等による偏荷重を受ける際、ト
レッド幅TWの中央70%、特に75%より外側部分の
トレッド接地圧が顕著に高まり、従ってベルトのコード
端亀裂が最も発生し易く、かつ、進展し易いこの部分に
本発明以外の主ベルトのコード層端部を配置するのは意
味がないからである。更に、主ベルトの千鳥配置になる
コード層の前記実効幅wをトレッド幅TWの半幅の70
%以上、好ましくは75%以上としたのは、70%未満
では本発明に従う主ベルトを構成するコード層全体の有
効幅の不足、即ち主ベルトの剛性値不足からトレッド補
強層としての機能低下をもたらす結果、摩耗寿命の低
下、発熱量増加によるヒートセパレーションの促進、及
びカット貫通機会の増加等の、他の性能劣化を惹起させ
るからである。
【0036】また、主ベルト各層のスチールコードの赤
道面に対する傾斜角度を5°から25°としたのは、5
°未満では主ベルトの周方向剛性が高くなり過ぎる結
果、エンベロープ性低下に起因したカットを受け易くな
る不具合を生じ、25°を越えると、主ベルトの周方向
剛性が低くなり過ぎる結果、径成長が大きくなりトレッ
ドゴム層の引張り歪が大となり同様カットを受け易く、
かつ、摩耗寿命も低下する点で問題だからである。
【0037】更にまた、本発明の主ベルトのコード層に
用いるスチールコードの直径を1.4mm以上とするの
は、1.4mm未満では、コード端亀裂が発生し難く、こ
れがため千鳥配置とした効果が得難い上、主ベルトの剛
性不足となりトレッドゴム層の補強機能の低下をもたら
すからである。
【0038】
【実施例】
実施例1 建設車両用タイヤでサイズが18.00R25 E4で
あり、基本構成は図1に従い、トレッド幅TWが432
mm、カーカスは一プライのラジアル配列になるスチール
コード(破断荷重400kgf )補強になり、第二ベルト
のコード層の前記Do /Dc の値が0.9745、第二
ベルトのコード層端におけるトレッドゲージに対する該
コード層のタイヤ赤道面におけるトレッドゲージの比が
0.99であり、主ベルト4Mに用いたスチールコード
は破断時伸びが2.0%から5.0%(本実施例では
2.5%)の事実上非伸長性であり、保護ベルト4Nに
用いたスチールコードは破断伸びが6.0%から9.0
%(本実施例では7.5%)のハイエロンゲーションス
チールコードである。また、本発明実施例のタイヤ及び
比較タイヤはいずれも内側、外側それぞれのコード排列
単位を一本のスチールコードとし、従来タイヤは第二ベ
ルトのコード層端部構成を除き本発明タイヤと全て同一
であり、上記以外のベルト諸元を本発明のタイヤ、比較
タイヤ、従来タイヤまとめて表1及び表2に示す。ま
た、これら第二ベルトのコード層端部の配置模式図を図
12に重ね合わせて示す。図において、スチールコード
の端末が21から25までが本発明タイヤ、26と27
は比較タイヤ、28は従来タイヤである。
【0039】次いで、これらタイヤのベルト耐久試験条
件とその結果を示す。7kgf /cm2 の空気圧を充填した
タイヤを、速度16km/h で回転する直径5mのドラム
に、偏荷重が加わるようキャンバー角2°を付して押し
付け、いわゆるスッテプロード条件、即ち、当初100
%荷重(9250kgf )で24時間走行させ、次いで、
120%荷重で48時間、その後48時間毎に荷重を1
0%ずつ増加しベルトに故障が生じるまで走行させた。
評価は主ベルト端部にセパレーションが生じるまでの合
計走行時間をもって行った。この結果を表2の右欄に従
来タイヤを100とした指数で示す。尚、数値は大なる
程良く、市場の要求レベルは従来タイヤ比110%以上
であった。表2より、本発明に従うタイヤはいずれも主
ベルトのセパレーション耐久性に顕著な改善効果が見ら
れ、一方、比較タイヤにあっては、多少の改善は見られ
るものの、その効果の程度は低く、市場要求を満たすに
は至らなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】実施例2 主ベルトのスチールコード破断時伸びが2.4%であ
り、実施例1の表1、表2に示すベルト諸元及び第二ベ
ルトのコード層端部構成を除き、実施例1と同一サイ
ズ、同一タイヤであり、第二ベルトのコード層諸元を本
発明タイヤ、従来タイヤ併せて表3及び表4に示し、第
二ベルトのコード層端部の配置模式図を図13、図14
及び図15にそれぞれ示す。図13は二種の実施例と従
来タイヤの端部配置を重ね合わせて示したが、図14、
図15は従来タイヤの端部図示を省略した。本実施例に
あっては、各図より明らかなごとく、コード排列端位が
それぞれ二本のスチールコードで構成され、スチールコ
ード端末31から34までが本発明に従うタイヤ、35
が従来タイヤである。
【0043】これらタイヤのベルト耐久試験とその結果
を表4の右欄に示す。試験条件と結果の評価は実施例1
と同様である。この結果から、スチールコードが細径で
あっても、二本ずつを一つの排列端位として本発明を適
用すれば顕著な効果が得られる事が判る。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】実施例3 建設車両用タイヤでサイズが37.00R57 E4で
あり、基本構成が図1の主ベルト4Mを4層としたタイ
ヤで、第二ベルトが本発明の千鳥配置になるコード層で
ある。トレッド幅TWが845mm、カーカスは一プライ
のラジアル配列になるスチールコード(破断荷重113
0kgf )補強になり、第二ベルト層のDo /Dc の値が
0.9828、第二ベルトのコード層端におけるトレッ
ドゲージに対する該コード層のタイヤ赤道面におけるト
レッドゲージの比が1.0であり、主ベルト4Mに用い
たスチールコードは破断時伸びが2.0%から5.5%
(本実施例では第一、第二ベルトが3.0%、第三、第
四ベルトが4.5%)の事実上非伸長性であり、保護ベ
ルト4Nに用いたスチールコードは破断伸びが6.0%
から9.0%(本実施例では7.1%)のハイエロンゲ
ーションスチールコードである。また、本発明実施例の
タイヤ及び比較タイヤはいずれも内側、外側それぞれの
コード排列単位を一本のスチールコードとし、従来タイ
ヤは第二ベルトのコード層端部構成を除き本発明タイヤ
と全て同一であり、上記以外のベルト諸元を本発明のタ
イヤ、比較タイヤ、従来タイヤまとめて表5及び表6に
示す。これら第二ベルトのコード層端部の配置模式図を
図16に重ね合わせて示す。図において、スチールコー
ド端末41から43までが本発明タイヤ、44が比較タ
イヤ、45は従来タイヤである。
【0047】次いで、これらタイヤのベルト耐久試験条
件とその結果を示す。7kgf /cm2 の空気圧を充填した
タイヤを、速度8km/h で回転する直径5mのドラム
に、偏荷重が加わるようキャンバー角2°を付して押し
付け、いわゆるスッテプロード条件、即ち、当初100
%荷重(51500kgf )で24時間走行させ、次い
で、120%荷重で48時間、その後48時間毎に荷重
を10%ずつ増加させ、ベルトに故障が生じるまで走行
させた。評価は主ベルト端部にセパレーションが生じる
までの合計走行時間をもって行った。この結果を表6の
右欄に従来タイヤを100とした指数で示す。尚、数値
は大なる程良い。表6より、本発明に従うタイヤはいず
れも主ベルトのセパレーション耐久性に顕著な改善効果
が見られ、一方、比較タイヤにあっては、全く改善は見
られなかった。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【発明の効果】かくして本発明によれば、格別な部材を
別途付加する事なく、更には、摩耗寿命、トレッドの耐
カット性並びに発熱特性等を損なう事なく、苛酷な過荷
重や偏荷重が加えられる重荷重車両、特には建設車両用
タイヤのベルトの耐セパレーション性能を大幅に向上で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うタイヤの構成を示すタイヤ回転軸
を含む左半分の断面図である。
【図2】 本発明に従う主ベルトの内側、外側のコード
排列単位それぞれのスチールコード端末の輪郭位置を示
す模式図である。
【図3】図2のコード端末と異なる輪郭傾斜を有するコ
ード端末を示す本発明に従う模式図である。
【図4】本発明に従う主ベルトの内側、外側のコード排
列単位がそれぞれ二本のスチールコードで構成されてい
るコード端末の輪郭位置を示す模式図である。
【図5】本発明に従う主ベルトの内側、外側のコード排
列単位がそれぞれ三本のスチールコードで構成されてい
るコード端末の輪郭位置を示す模式図である。
【図6】本発明に従う主ベルトのスチールコード配列例
を示す模式図である。
【図7】本発明に従う主ベルトの他のスチールコード配
列例を示す模式図である。
【図8】図8(a)、図8(b)ともにタイヤ接地部に
おけるトレッドゴム変位の説明図である。
【図9】従来タイヤのコード端末の亀裂発生から部分セ
パレーションに至る過程の説明図である。
【図10】本発明の範位を越えたコード端末の亀裂発生
から部分セパレーションに至る過程の説明図である。
【図11】本発明に従う内側のコード端末の最も外側の
輪郭配置における亀裂発生から部分セパレーションに至
る過程の説明図である。
【図12】実施例1、比較例及び従来例それぞれのベル
ト層端部のコード端末配置を示す模式図である。
【図13】実施例2及び従来例それぞれのベルト層端部
のコード端末配置を示す模式図である。
【図14】実施例2の他の例のベルト層端部のコード端
末配置を示す模式図である。
【図15】実施例2の更に他の例のベルト層端部のコー
ド端末配置を示す模式図である。
【図16】実施例3、比較例及び従来例それぞれのベル
ト層端部のコード端末配置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ラジアルタイヤ 2 ビードコアー 3 ラジアルカーカス 4 ベルト 5 トレッドゴム層 6 サイドゴム層 TW トレッド幅 W ベルト層の実効半幅 w ベルト層最大幅 Dc ベルト層のタイヤ赤道面における内径 Do ベルト層のコード端末における内径 S スチールコード Ui 内側のコード排列単位 Uo 外側のコード排列単位 A 内側のコード排列単位のコード端末の輪郭 B 外側のコード排列単位のコード端末の輪郭 K コード端末の亀裂

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくも一層のスチールコード補強にな
    るラジアルカーカスと、カーカスの径方向外側で層内で
    ほぼ平行、層間では交差する事実上非伸長性スチールコ
    ードよりなる二層以上の主ベルトと、主ベルトの径方向
    外側に配置したトレッドゴム層とを備え、前記主ベルト
    を構成するコード層が主ベルトの側縁にて該コード層の
    層内で互いに隣接する少なくとも一本より成るコードの
    排列単位毎の終端位置を交互にずらした千鳥配置になる
    ものとしたラジアルタイヤにして、 主ベルトの幅端を占めて終端する、外側のコード排列単
    位Uo の相互間に介在する内側のコードの排列単位Ui
    は、トレッドの中央円周線を含む平面上に仮想した、該
    外側のコード排列単位Uo の端末のうち内側のコード排
    列単位Ui の外側に隣接するコード端末の輪郭Bの投影
    とは一致しないが、該外側のコードの排列単位Uo を挟
    む内側のコード排列単位Ui を介して該外側のコード排
    列単位Uo と隣り合う外側のコード排列単位Uo の端末
    のうち内側のコード排列単位Uiの外側に隣接するコー
    ド端末における同様な輪郭Bの投影と一致するまでの間
    に、内側のコード配列単位Ui のコード端末の輪郭Aが
    位置する終端をもつ、千鳥配置になることを特徴とする
    ベルト側縁におけるセパレーション耐久性に優れた重荷
    重車両用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 主ベルトの千鳥配置になる外側のコード
    排列単位Uo 及び内側のコード排列単位Ui がそれぞれ
    二本以上四本以下のスチールコードで構成されている請
    求項1記載のラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 主ベルトの千鳥配置になる内側のコード
    排列単位Ui の各コード端末が、ベルト幅とほぼ平行し
    て横並びに配置されている請求項2記載のラジアルタイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 主ベルトの千鳥配置になる内側のコード
    排列単位Ui の各コード端末が、ベルト幅とほぼ直交し
    て縦並びに配置されている請求項2記載のラジアルタイ
    ヤ。
  5. 【請求項5】 主ベルトの千鳥配置になる内側のコード
    排列単位Ui の各コード端末が、ベルト幅とほぼ直交す
    る向きに相互に離間して配置されている請求項2記載の
    ラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 主ベルトが、その千鳥配置になる外側の
    コード排列単位Uoのコード端末と、該コード排列単位
    Uo のベルト幅中央におけるそれぞれの内径Do 、Dc
    の比が0.97以上の値としたものである請求項1から
    5までのうち一項に記載のラジアルタイヤ。
  7. 【請求項7】 主ベルトの千鳥配置になる外側のコード
    排列単位Uo のコード端末が該主ベルトの最大幅を占め
    るものである請求項1から6までのうち一項に記載のラ
    ジアルタイヤ。
  8. 【請求項8】 主ベルトの千鳥配置になる内側のコード
    排列単位Ui の各コード端末のタイヤ赤道面からの隔た
    りの相加平均と、外側のコード排列単位Uoのコード端
    末の該赤道面からの隔たりとの平均値で定義される該主
    ベルトのコード層の実効半幅がトレッド半幅の少なくと
    も70%である請求項1から7までのうち一項に記載の
    ラジアルタイヤ。
  9. 【請求項9】 千鳥配置になる主ベルトと隣接する他の
    主ベルトのコード層の幅端が、内側のコード排列単位U
    i の端末の最も内側から更に内側に位置する請求項1か
    ら8までのうち一項に記載のラジアルタイヤ。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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