JPH05918U - 排出ガス浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒の反応開始時間を短縮することを可能と
する。 【構成】 触媒１３の上流側の排出ガス通路１２内に排
出ガス低温時に排出ガスの一部を加熱昇温させる電気ヒ
ータ１５を設けたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は排出ガス浄化装置に係り、特に、触媒の反応開始時期を早めるための 排出ガス浄化装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

メタノールエンジンには図７に示す排出ガス浄化装置が設けられている。図示 するように、メタノールエンジン１の排出ガス通路２の途中には酸化触媒３が設 けられると共にその下流側にはサイレンサ４が設けれている。この浄化装置はエ ンジン燃焼室内で燃焼しきれない未燃燃料を排出ガス通路２の途中で酸化触媒３ で再燃焼させてＨＣ、ＣＯを低減することを可能にするものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、酸化触媒３は排出ガスの有する熱により所定温度以上に加熱昇温さ れて反応するため、エンジン１の始動後しばらくの時間にあっては触媒温度が低 く、また、排出ガス温度も低いため、酸化触媒３は反応しない。このため、未燃 焼のＨＣ、ＣＯが多量に排出されると共に、強い臭気を発生する問題がある。

【０００４】 そこで、排出ガス温度を高めるために、図８に示すように、酸化触媒３の上流 の排出ガス通路２に電気ヒータ５が設けられている。この電気ヒータ５は排出ガ ス通路２の外周部に巻き付けられており、排出ガス量が多いために、触媒３の反 応開始時期を短縮するには多大な加熱量を要し、実用性に欠ける問題があった。

【０００５】 この種の浄化装置においては特開昭６２−５８００７号公報に排出ガス量を絞 ってヒータ加熱する「ディーゼル機関の排気浄化装置」が提案されており、この 提案のように排出ガス量を絞ることは燃費、排出ガス（ＮＯＸ）などのエンジン 性能の悪化を招き耐久性にも影響を与える。また、特開昭５２−７０２２４号公 報には「内燃機関の触媒式浄化マフラ」が提案されているが、この提案にあって は触媒を直接加熱するものであるため、触媒反応開始後、温度が上がりすぎて耐 久性の低下を招くと共に、構造が複雑且つコスト高になり実用性に欠ける問題が ある。さらに、セラミックスを加熱しているが、反応開始までには時間がかかる し、排出ガス全体を加熱しているので触媒反応開始時期を短縮することは困難で ある。

【０００６】 本考案は上記問題点を有効に解決すべく創案されたものである。

【０００７】 本考案は排出ガスを短時間で触媒反応温度以上に昇温することを可能にし、触 媒の反応開始時時間を短縮することのできる排出ガス浄化装置を提供することを 目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

触媒の上流側の排出ガス通路内に排出ガス低温時に排出ガスの一部を加熱昇温 させる電気ヒータを設けたものである。

【０００９】

【作用】

このように、排出ガスの一部を加熱昇温するため、加熱熱量を低減できると共 に加熱時間も短縮できる。また、電気ヒータで加熱昇温された一部の排出ガスが 触媒の反応を開始させ、以後、その反応熱で触媒が活性化し、触媒反応開始時期 が短縮されると共に加熱熱量を低減できる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【００１１】 図１に示すように、メタノールエンジン１１にはこれより排出される排出ガス を移送する排出ガス通路１２が接続され、この排出ガス通路１２には酸化触媒１ ３が設けられると共にその下流側にはサイレンサ１４が設けられている。

【００１２】 特に、酸化触媒１３の上流側の排出ガス通路１２内にはこれを通過する排出ガ スの一部を加熱昇温させるための電気ヒータ１５が設けられる。図示例にあって は排出ガス通路１２の中心部に軸方向に沿って電気ヒータ１５が挿入されており 、この電気ヒータ１５には電源１６が接続されると共に電気ヒータ１５への通電 をＯＮ、ＯＦＦするコントローラ１７が接続されている。コントローラ１７には 酸化触媒１３の温度を検出するセンサ１８が接続されている。すなわち、コント ローラ１７は酸化触媒１３の反応温度が予め入力されており、センサ１８から得 られる実際の温度が触媒反応温度より低いときに電気ヒータ１５に通電し、反応 温度を越えたときには通電を中止するように構成されている。

【００１３】 図２は電気ヒータ１５による加熱制御を示すフローである。

【００１４】 すなわち、エンジン１１の始動によりこれより排出される排出ガスが排出ガス 通路１２の途中に設けられた酸化触媒１３を通過して放出される。排出ガスが通 過する際にその酸化触媒１３の温度がセンサ１８で検出される。センサ１８で検 出された温度はコントローラ１７に入力され、コントローラ１７では予め入力さ れた触媒反応温度とセンサ１８から得られる実際の温度とが比較検討される。

【００１５】 特に、エンジン始動直後においては排出ガスは比較的低温で排出されるため、 センサ１８から得られた実際の温度が触媒反応温度より低いことが検出されたと きは電気ヒータ１５に通電される。電気ヒータ１５は排出ガス通路１２の断面中 央部に設けられているため、断面中央部を通過する排出ガスのみを加熱昇温させ ることになる。加熱昇温された排出ガスは流下して酸化触媒１３の中央部に導入 され、その酸化触媒１３の中央部を加熱する。このため、酸化触媒１３はその中 央部から反応を開始し、その反応は触媒全体に拡大し、排出ガス中の全ての未燃 ガスが燃焼を始めることになる。

【００１６】 排出ガスの温度が触媒反応温度を越えたことがセンサで１８検出されると、コ ントローラ１７は電気ヒータ１５への通電を中止する。

【００１７】 このように本考案にあっては少量の排出ガスを加熱昇温するため、排出ガスの 温度上昇が早められて短時間で触媒反応温度に達することがでると共に、加熱熱 量も少なくて済む。したがって、未燃ＨＣ、ＣＯの排出量を低減でき、臭気の発 生も低減できる。

【００１８】 図３〜図６図は本考案の他の実施例を示すものであり、いずれも排出ガスの一 部を加熱する電気ヒータ１５を示すものである。

【００１９】 図３においては排出ガス通路１２内には酸化触媒１３の上流側に位置させて排 出ガス通路１２内を中心部側と外周部側とに仕切る筒体状の仕切り部材１９が設 けられ、この仕切り部材１９の外周部には電気ヒータ１５が巻き付けれている。 したがって、仕切り部材１９内を通過する排出ガスが加熱昇温されることになる 。仕切り部材１９には銅などの熱伝導性の高い材料を選定する。

【００２０】 図４〜図６は電気ヒータ１５を仕切り部材１９内を横断するように設けたもの であり、図４は一本の電気ヒータ１５が設けられ、図５は略Ｙの字状に電気ヒー タ１５が設けられ、図６は十の字状に電気ヒータ１５を設けたものである。

【００２１】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、少量の排出ガスを加熱昇温するため、排出ガス の温度上昇が早められて短時間で触媒反応温度に達することがでると共に、加熱 熱量も少なくて済み、未燃ＨＣ、ＣＯの排出量や臭気の発生を低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の浄化装置を示す図である。

【図２】加熱昇温制御のフローを示す図である。

【図３】他の実施例を示す図である。

【図４】他の実施例を示す図である。

【図５】他の実施例を示す図である。

【図６】他の実施例を示す図である。

【図７】従来の浄化装置を示す図である。

【図８】従来の浄化装置を示す図である。

【符号の説明】

１２ 排出ガス通路 １３ 触媒 １５ 電気ヒータ

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 触媒の上流側の排出ガス通路内に排出ガ
   ス低温時に排出ガスの一部を加熱昇温させる電気ヒータ
   を設けたことを特徴とする排出ガス浄化装置。