JPH058975A - 二方向戸貫通型エレベータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二方向戸貫通型のエレベータにおいて、乗場
戸が二方向に有る階床の夫々の側の乗場呼びの登録が交
互に繰返されてかごが当該階に停止状態となることを防
止し、又、インジケータの表示に区別を付して出入口が
順位に応じて開閉するようになして利用者の懸念と不安
感を解消する制御装置を目的とする。 【構成】 乗場戸が二方向に有る階床の夫々の出入口側
の呼びを方向選択処理上は２つの異なる階床として取扱
い、出入口に方向の順位を付して方向順に応答する制御
装置を構成し、インジケータにも前記応答の差異を区別
してポジション表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は二方向戸貫通型のエレベ
ータの制御に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、二方向戸貫通型のエレベータの運
転制御において、方向性乗合全自動方式で運行されてい
る時に、乗場戸が二方向（二箇所）にある階床の乗場呼
びが登録されている場合、又は当該階へのかご内の行先
階呼びが登録されている場合、通常の方向性乗合全自動
方式で応答しながら、かごが前記乗場戸が二箇所に有る
階床に到着した時は、当階床で先に呼びが登録された側
の戸が最初に開く。

【０００３】即ち、乗場戸が二箇所にある階床に対し
て、乗場呼び及びかごからの行先階呼びの２種類の呼び
が夫々の出入口に対してしてあるが、階としては１つの
階であるため、二方向（この場合かごの前側と後側の二
箇所）の呼びを合せて当該階の呼びとして方向性乗合全
自動方式で応答しながら、当該階にかごが到着した時
に、片側の呼びのみが登録されている場合はその側の戸
を開け、両側の呼びが登録されていれば先に登録されて
いた側の戸を開け、その側に応答した後に他の側の戸を
開け応答している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような二方向戸貫
通型のエレベータの制御においては、乗場戸が二方向に
ある階床の一方の側で乗場呼びを登録してかごを待って
いる利用者は、乗場インジケータにかご到着の表示がな
されても、他の側の乗場呼びの登録が先行している時は
その側の乗場戸が先に開くため、“かごが来たのに何故
戸が開かないのか、乗れるのか”というような疑問或い
は不安が生じる。

【０００５】又同様の場合で、片側の乗場呼びに応答し
て乗場戸を開けている間に、反対側の乗場呼びの登録が
可能であるため、先の側の応答が終わり次に反対側に応
答中、再び最初に応答した側の乗場呼びが登録される
と、再び一度応答した側に応答することになり、このよ
うに両側の乗場呼びが交互に登録される状態が繰返され
ると、かごはいつまで経っても出発できずその階床に停
止状態になる。

【０００６】本発明は上記に鑑み、乗場戸の二方向の夫
々の側に順位を付け、その順序に呼びに応じ、且インジ
ケータにもこの順位による出入口の表示に区別を付ける
ことによりかごが一つの階床に停止状態となることを防
ぎ、又利用者の不安を解消することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的達成のため本
発明は、方向性乗合全自動方式の運転を行つている二方
向戸貫通型のエレベータの制御において、乗場戸が二方
向に有る階床の夫々の乗場出入口を２つの階床として取
扱い、前記出入口に順位を付してその順位に応じて応答
する構成とする。同時に、夫々の側の乗場及びかご内の
インジケータの乗場戸が二方向に有る階床の表示は応答
している出入口を区別してポジション表示を行う。

【０００８】

【作用】上記の構成により、乗場戸が二方向にある階床
の乗場呼び及びかご内での行先階呼びは、例えば前面を
上階、後面を下階のように方向順位を付し、これにより
夫々乗場呼び、行先階呼びの合成を行い、合成後の呼び
により方向選択処理上は２つの階として方向順位に従つ
て応答させる。又、インジケータには応答方向が区別さ
れて表示される。

【０００９】

【実施例】本発明を図１及び図２に示す実施例に基づい
て説明する。本発明を１、３、４階はかご前面にのみ乗
場戸が有り、２階にはかご前面と後面の両側に乗場戸が
有る４ストップのエレベータの場合を例として説明す
る。

【００１０】このエレベータの構成を図１に示す。即ち
１階から４階の前面と２階の後面の各乗場には乗場呼び
釦１があり、乗場呼び釦１を押すと乗場呼び入力信号２
がエレベータ制御装置３に登録され、乗場呼びランプ信
号４により、乗場呼び釦１のランプが点灯する。

【００１１】かご内には行先階呼び釦５があり、行先階
呼び釦５を押すと行先階入力信号６がエレベータ制御装
置３に登録され、行先階呼びランプ信号７により行先階
呼び釦５のランプを点灯する。

【００１２】かご内及び各乗場にはエレベータ制御装置
３よりの表示信号８により、エレベータの方向表示９及
び２階前面（２Ｆ) と２階後面 (２Ｂ) を区別したポジ
ション表示１０が可能なインジケータ１１を取付ける。
上記構成におけるエレベータ制御装置３の入出力信号処
理を図２のブロック図により説明する。

【００１３】乗場呼釦１により登録された前面乗場呼び
(ステップ100)と後面乗場呼び (ステップ101)を本実施
例では、２階の前面と後面の方向性（順位）を前面が下
（下階）、後面を上（上階）とし、下方向側から１階前
面、２階前面、２階後面、３階前面、４階前面の順に乗
場呼びを並べ換えて合成する( ステップ102)。

【００１４】かご内の行先階呼び釦５により登録された
前面行先階呼び（ステップ103)と後面行先階呼び (ステ
ップ104)も、乗場呼びと同様に方向順に並べ換えながら
合成する (ステップ105)。合成された乗場呼びと行先階
呼びによつて、１階前面、２階前面、２階後面、３階前
面、４階前面の一方向戸の５停止階と見做して、方向性
乗合全自動方式の処理を実施する（ステップ106)。

【００１５】前記の結果、上方向を選択している時に
は、１階前面、２階前面、２階後面、３階前面、４階前
面の順番に乗場呼び又は行先階呼びのある処に応答して
いく。下方向を方向選択している時は上記上方向と逆の
順番で応答する(ステップ107)。

【００１６】同時に、インジケータ１１には方向表示を
すると共に、５停止階と見做した時のポジションとなる
２階前面（２Ｆ）と２階後面（２Ｂ）を別個の階床のよ
うに区別した形でポジション表示１０を行う。

【００１７】上記実施例のように、乗場戸が二方向に有
る２階の前面と後面の乗場及び行先階呼びの方向性によ
る順序を付することにより、二方向の乗場呼びの登録が
交互に繰返されて、かごがその階床に停止状態となるよ
うな事は発生しない。

【００１８】又、インジケータ１１に前面、後面の何れ
の側に応答しているかを区別して表示しているので、応
答している反対側の利用者に懸念あるいは不安を与える
ことがなくなる。

【００１９】本実施例においては、乗場戸が二方向にあ
る階床の前面を下方、後面を上方に方向を付したが、前
面を上方、後面を下方としても差支えがなく、又乗場戸
が二方向に有る階床の両側の階高が同一レベルでなく段
差がある場合は、実際に高い側を上方として方向付ける
こともできる。

【００２０】２カー群制御、或いは群管理制御方式で号
機毎の制御を行うエレベータ制御装置に本発明の適用も
可能である。上記２カー群制御装置或いは群管理制御装
置においても二方向の各乗場呼びを別個に取扱うので、
前記本実施例のように４停止階で２階のみ二方向の場合
は、５停止階の仕様の２カー群制御装置或いは群管理制
御装置とすれば適用が可能である。

【００２１】

【発明の効果】本発明により、二方向戸貫通型のエレベ
ータ制御装置において、乗場戸が二方向に有る階の呼び
による不都合を解消し、二方向の乗場呼びの交互の呼び
登録により、かごが当該階で停止状態となることが防止
され、又、インジケータにも二方向を区別して表示する
ので、利用者に無用の不安感を与えることは起こらな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるエレベータ運転制御の構成図であ
る。

【図２】図１におけるエレベータ制御装置内の信号処理
のフローチャート図である。

【符号の説明】

１ 乗場呼び釦 ３ エレベータ制御装置 ５ 行先階呼び釦 ９ 方向表示 １０ ポジション表示 １１ インジケータ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 ２箇所の出入口を有するかごと、必要サ
   ービス階床に前記出入口に対応する２箇所の乗場出入口
   を設けた二方向戸貫通型エレベータにおいて、 前記複数乗場出入口を設けた階床の夫々の出入口に、か
   ごの停止順位を付けて各出入口を一つの停止階とみなす
   運転制御手段を備えると共に、乗場及びかごインジケー
   タに前記各乗場の複数出入口を区別して表示することを
   特徴とする二方向戸貫通型エレベータ。