JPH0586902A

JPH0586902A - 燃焼装置及びその運転方法

Info

Publication number: JPH0586902A
Application number: JP24168091A
Authority: JP
Inventors: Yoshikazu Moritomo; 嘉一森友; Hiroshi Ikeda; 池田　　啓; Nobuyuki Iizuka; 信之飯塚; Tetsuo Sasada; 哲男笹田; Kazumi Iwai; 一躬岩井; Hiroshi Inoue; 洋井上; Minoru Takaba; 稔鷹羽
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1991-09-20
Filing date: 1991-09-20
Publication date: 1993-04-06

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】ガスタービンエンジンのガス−油２重焚き用燃
焼装置に関し、燃焼缶相互間に圧力差が生じても、ノズ
ルや配管に焼損を生ずることが無い燃焼装置を提供す
る。【構成】起動時、即ち低カロリーガス５ｂが同流路８に
無給時であって、油燃料５ａが同流路６を通じ起動ノズ
ル１１に供給される時、低カロリーガス流路内へ同壁面
を貫通した穴１０ａからパージガスを導入し、運転ノズ
ル１２から高速で噴出させるパージガス噴出装置１０を
設ける。同装置は、パージガス流量制御装置１０ｂ及び
同タンク１０ｃを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はガスタービン用燃焼装置
の改良に係り、特に石炭ガス化ガス、高炉ガス等のＣＯ
ガスあるいはＮ₂ ガスを主成分とする難燃性でかつ発熱
量1,000kcal／Ｎｍ³ 以下のいわゆる低カロリーガスを
主燃料とするガスタービン用燃焼器で、さらに低カロリ
ーガスとともに軽質油も燃焼可能な、いわゆるガス−油
２重焚き用の燃焼器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来一般に採用されているこの種燃焼器
の燃料ノズル、すなわちガスタービン用のガス−油２重
焚き用の燃料ノズルは、たとえばＡＳＭＥ、７９−ＧＴ
−172に記載されているように、中央部に油噴口を有
し、その周囲にガス噴口を有するように形成されている
のが普通である。

【０００３】そして燃焼装置の起動時（ガスタービンの
起動時）には油噴口より噴射される油霧により燃焼し、
通常運転中にガス噴口より噴射されるガス燃焼に切替え
られるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このようなガス−油２
重焚き燃料ノズルは、ガス噴射側は低カロリー、かつ難
燃性の燃料ガスを安定に燃焼させるため、極めて面積が
大きな燃料ガス噴口を有している。このような燃料ノズ
ルをもつ多缶型、すなわち複数個の燃焼筒を有するガス
タービンの油焚き運転は、低負荷条件であっても各燃焼
器間に燃焼のアンバランスが生じやすく、したがって燃
焼器間に燃焼器内圧差が生じ、大面積の燃料ガス噴口及
び燃料供給配管を介して高圧となっている燃焼器から低
圧となっている燃焼器へ高温ガスの循環流が生じ、最悪
の場合にはこの燃料ノズル、又そのノズルに連通してい
る配管が焼損する嫌いがある。

【０００５】本発明はこれにかんがみなされたものでそ
の目的とするところは、前述の問題点に対し高温ガスの
循環流が生じぬようになし、ノズルや配管が焼損を生じ
ないようになしたこの種燃焼装置およびその運転方法を
提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、前記
始動時に用いられるノズルに、ガスタービンの運転中、
このノズルの燃料流通路内へパージガスを噴出するパー
ジガス噴出装置を設けるようになし所期の目的を達成す
るようにしたものである。

【０００７】

【作用】このように形成された燃焼器であると、燃料ノ
ズルの燃料ガス噴口近くに直接パージガスが高速で噴出
させられるので、直接パージガスのエゼクター効果によ
り、たとえ燃焼器間に内圧差が生じてもノズル内及び配
管内に高温ガスが逆流することなく、したがってノズル
や配管の焼損が防止される。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例を図２に示す。本図はガスタ
ービン用燃焼器を示している。図において１は燃焼用及
び冷却用の空気を得る圧縮機であり、この圧縮機１にて
１０〜１５気圧に圧縮された高圧空気２はその流れを矢
印で示すように燃焼器３内に導かれる。この燃焼缶３の
頭部（図示左側）に燃料ノズル４が装着されている。こ
の燃料ノズル４にはガスタービン着火すなわち起動から
約２５％負荷まで使用する油燃料５ａ、又２５〜１００
％負荷まで使用する低カロリーガス５ｂが供給される。
また、さらに油燃料５ａを微粒化するための噴霧空気５
ｃも供給される。

【０００９】図１及び図３には燃料ノズル４の詳細が示
されている。軸心中央部には起動ノズル１１、すなわち
油燃料５ａが流れる流通路６及びノズル噴口６ａが形成
されており、そしてその周囲には油燃料噴霧用の空気５
ｃが流通する空気通路７が形成されている。

【００１０】さらにこの空気通路７の外周には運転ノズ
ル１２、すなわち低カロリーガス５ｂの流通路８があ
り、この流通路は特に図３から明らかなように径方向に
異なった位置で、かつ周方向に交互に配置された２種の
噴口８ａ，８ｂに連絡している。

【００１１】前記低カロリーガスが流通する流通路８に
は、この流通路内へパージガスを噴出するパージガス噴
出装置１０が設けられている。パージガス噴出装置は流
通路８の壁面を貫通した貫通孔１０ａ、パージガス流量
制御装置１０ｂ及びパージガスタンク１０ｃとを備えて
いる。

【００１２】このパージガス噴出装置１０は燃焼器が油
焚き状態のときに作動し、ノズルや配管の損焼を防止す
る。すなわちこのパージガス５ｂは燃焼器の製作公差上
生じる各燃焼器間の内圧差により、燃料ガス噴口８ａ，
燃料ガス通路８，各燃料ノズルへの燃料ガス分岐管２０
（図２参照）、燃料ガス供給マニホルドを介して連通し
た他燃焼器の燃料ノズルの燃料ガス通路への燃焼器内高
温ガス逆流、燃料ガス系統焼損を防止する働きをする。
パージガスとしては空気または窒素が用いられる。

【００１３】尚前述したパージガス噴出孔となる貫通孔
１０ａを次のように形成するとさらに有効である。

【００１４】すなわちこの貫通孔１０ａの噴射口を出来
るだけノズルの噴口８ａに近い部分に設けるとともに、
燃料ガスの流通方向に傾斜させて設けるのである。

【００１５】このものであると特に少量のパージガスで
その効果を発揮し、油焚き燃焼火炎に悪影響を及ぼさな
い。すなわち機種によって燃焼器間の差圧が大きく生ず
るものがあるが、その場合にはパージガスを増大させれ
ば良いわけであるが、パージガスの増大は燃焼火炎を吹
き飛ばし失火に致らしめてしまう。しかしこのものであ
るとパージガスがエゼクタ効果により配管内のガスを吸
い出す方向に作用し、すなわち高温ガスの侵入方向と対
向するように作用するので、少量のパージガスで、たと
え大きな燃焼器間差圧があっても高温ガスの逆流を充分
防止することができるのである。

【００１６】さらに又図４にはこのパージガス噴出孔の
他の実施例が示されている。この場合にはパージガス噴
出孔が燃料ガス流通路８ａに対してエアーカーテンを形
成するように３個並設されている。勿論この数は３個に
限らず多い方が密なカーテンが形成され有利である。

【００１７】このように形成するとこのエアーカーテン
により高温ガスの逆流を充分防止することが可能であ
る。

【００１８】さらにこのカーテン効果を促進させるため
に次のようにすると効果的である。すなわち図１に示さ
れているように、燃料ガス流通路８ａの部分、特にその
パージガス噴出部近傍に絞り部１５を設けるのである。
このようにすると前述したエゼクタ効果の向上がはか
れ、大きな差圧があっても高温ガスの侵入を防止するこ
とができる。尚この場合絞り部はパージガス噴出部より
わずかに上流側に設けると効果的であろう。

【００１９】

【発明の効果】以上説明してきたように本発明は、起動
ノズルの作動中、すなわち運転ノズル燃料無給時に、運
転ノズルの燃料流通路内へパージガスを噴出するように
したから、たとえば燃焼器間に内圧差が生じてもこのパ
ージガスにより高温ガスのノズルへの侵入は防止され、
したがってノズルや配管が高温ガスで焼損することのな
いこの種燃焼装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の燃焼装置のノズルの要部を示す縦断側
面図。

【図２】本発明の燃焼装置の縦断側面図。

【図３】本発明の燃焼装置のノズルの要部を示す一部破
断斜視図。

【図４】図１のＡ−Ａ断面図。

【符号の説明】

１…圧縮機、３…燃焼缶、４…燃料ノズル、５ａ…油燃
料、５ｂ…低カロリーガス（燃料ガス）、１０…パージ
ガス噴出装置、１１…起動ノズル、１２…運転ノズル。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者笹田哲男茨城県日立市幸町三丁目１番１号株式会社日立製作所日立工場内 (72)発明者岩井一躬茨城県土浦市神立町502番地株式会社日立製作所機械研究所内 (72)発明者井上洋茨城県土浦市神立町502番地株式会社日立製作所機械研究所内 (72)発明者鷹羽稔茨城県日立市幸町三丁目１番１号株式会社日立製作所日立工場内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数個の燃焼缶と、該燃焼缶の頭部に設けられ、かつ起動時に燃料を供給す
る起動ノズルと、該起動ノズルに隣接して配置され、かつ運転中に燃料を
供給する運転ノズルと、を備えた燃焼装置において、起動時、前記運転ノズルの燃料流通路内へパージガスを
噴出するようにしたことを特徴とする燃焼装置の運転方
法。
【請求項２】複数個の燃焼缶と、該燃焼缶の頭部に設けられ、かつ起動時に燃料を供給す
る起動ノズルと、該起動ノズルに隣接して配置され、かつ運転中に燃料を
供給する運転ノズルと、を備えた燃焼装置において、前記起動ノズルの作動中、前記運転ノズルの燃料流路内
へパージガスを噴出するようにしたことを特徴とする燃
焼装置の運転方法。
【請求項３】複数個の燃焼缶と、該燃焼缶の頭部に設けられ、かつ起動時に燃料を供給す
る起動ノズルと、該起動ノズルに隣接して配置され、かつ運転中に燃料を
供給する運転ノズルと、を備えた燃焼装置において、ガスタービンの起動時、前記運転ノズルの燃料通路内へ
パージガスを噴出供給し、該流通路内にエアカーテンを
形成するようにしたことを特徴とする燃焼装置の運転方
法。
【請求項４】複数個の燃焼缶と、該燃焼缶の頭部に設けられ、かつガスタービンの始動時
に燃料を供給する始動ノズルと、該始動ノズルに隣接して配置され、かつガス
タービンの運転中に燃料を供給する運転ノズルと、を備
え、始動時と運転時とでは異種の切替供給されるガスタ
ービンの運転方法において、前記運転ノズルの燃料無給時、該運転ノズルの燃料流通
路内へ、パージガスを噴出供給するようにしたことを特
徴とするガスタービンの運転方法。
【請求項５】複数個の燃焼缶と、該燃焼缶の頭部に設けられ、かつガスタービンの始動時
に燃料を供給する始動ノズルと、該始動ノズルに隣接して配置され、かつガスタービンの
運転中に燃料を供給する運転ノズルと、を備え、始動時
と運転時とでは異種の燃料が切替供給されるガスタービ
ンの運転方法において、前記始動ノズルに燃料が供給されている間、前記運転ノ
ズルの燃料流通路内へ、パージガスを噴出供給するよう
にしたことを特徴とするガスタービンの運転方法。
【請求項６】複数個の燃焼缶と、該燃焼缶の頭部に設けられ、かつ夫々異種の燃料が噴出
される複数種のノズルを有する重ね焚燃焼ノズル装置
と、を備え、異種の燃料が燃焼缶へ切替供給される燃焼装置におい
て、前記夫々のノズルに、燃料無給時に、ノズルの燃料流通路内へパージガスを噴
出するパージガス噴出装置を設けたことを特徴とする燃
焼装置。
【請求項７】複数個の燃焼缶と、該燃焼缶の頭部に設けられ、かつ夫々異種の燃料が噴出
される複数種のノズルを有する重ね焚燃焼ノズル装置
と、を備え、異種の燃料が燃焼缶内へ切替供給される燃焼装置におい
て、燃料無給側のノズルに、該ノズルの燃料流通路内へパー
ジガスを噴出するパージガス噴出装置を設けたことを特
徴とする燃焼装置。
【請求項８】複数個の燃焼缶と、該燃焼缶の頭部に設けられ、かつガスタービンの始動時
に燃料油を供給する始動ノズルと、該始動ノズルに隣接して配置され、かつガスタービンの
運転中に燃料ガスを供給する運転ノズルと、を備えたガスタービンの燃焼装置において、前記運転ノズルに、ガスタービンの起動時、始動ノズルの燃料流通路内へパ
ージガスを噴出するパージガス噴出装置を設けた、ことを特徴とするガスター
ビンの燃焼装置。
【請求項９】前記パージガス噴出装置の噴出部を、前記
始動ノズルの燃料噴射口近傍に設けたことを特徴とする
請求項８記載のガスタービンの燃焼器。
【請求項１０】前記パージガス噴出装置のパージガス噴
出方向を、燃料の流通方向に傾いた斜め噴射としたこと
を特徴とする請求項８記載のガスタービンの燃焼器。
【請求項１１】前記パージガス噴出装置の噴出部を、前
記始動ノズルの燃料噴射口近傍に設けるとともに、パー
ジガス噴出方向を、燃料ガスの流通方向に傾いた斜め噴
射としたことを特徴とする請求項８記載のガスタービン
の燃焼器。
【請求項１２】前記始動ノズルの燃料流通路のパージガ
ス噴出部近傍に、燃料流通路の断面積を縮小する絞り部
を設けたことを特徴とする請求項１１記載のガスタービ
ンの燃焼器。