JPH0586445A - 銅 線 - Google Patents

銅 線

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JPH0586445A
JPH0586445A JP24936391A JP24936391A JPH0586445A JP H0586445 A JPH0586445 A JP H0586445A JP 24936391 A JP24936391 A JP 24936391A JP 24936391 A JP24936391 A JP 24936391A JP H0586445 A JPH0586445 A JP H0586445A
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JP
Japan
Prior art keywords
copper wire
copper
wire
electric conductivity
annealed
Prior art date
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Pending
Application number
JP24936391A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Aoyama
正義 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
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Publication of JPH0586445A publication Critical patent/JPH0586445A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】疲労強度に優れた配電線用高導電性銅線を得
る。 【構成】無酸素銅(OFC)にSnを300ppm添加
し、導電率98.5%の銅合金インゴットを作成する。
それを冷間で鍛造スェージングし、φ8mmの線材(W
R)とした。このWRをφ3.0mmまで伸線し、N2
雰囲気中で400℃×1hの焼なましを行った。その
後、さらにφ2.6mmまで表面を伸線加工して軟銅線
を作成した。軟銅線作成の直前に行う伸線は、低加工度
伸線であり、その他にショットピーニング、ロールによ
る繰り返し曲げ等でもよい。本軟銅線Aの疲労試験によ
れば、繰り返し応力に関係なく破壊までの繰り返し回数
は107 回以上であった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は配電線等に供される銅
線、特に疲労強度を改善した軟銅線に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属材料学的には疲労特性は引
張り強さに関係し、引張り強度が大きいほど、疲労強度
が大きいといわれている。すなわち、鉄鋼(硬材)では
σWb(疲労限度)/σB (引張り強さ)=0.28〜
0.46、焼なまし材では0.3である(日本機械学
会、金属疲労強度の設計資料Ip75)。なお、同資料
には銅についての記述はないが、鉄鋼と同様と考えられ
る。
【0003】ところで、配電線用軟銅線には純銅線が使
用されているが、風や雪等の悪天候の多い地域において
は配電線の振動疲労による断線が問題になっており、そ
の対応が望まれている。
【0004】対応策として、純銅に合金を添加し引張り
強度を大きくして疲労強度を上げる方法があるが、配電
線用には98%以上の高い導電率が要求されるため、導
電率の低下をもたらす合金添加は採用されておらず、現
実にもそのような合金添加の配電線は存在しない。
【0005】このため軟銅線の疲労寿命を延命する方法
として、表面の塑性加工(即ちスキンパスやショットピ
ーニング)による圧縮残留応力負荷法が提案されてい
る。これは塑性加工により圧縮応力が残留するので疲労
寿命が向上するからである。しかし、疲労強度は表面の
傷の有無によっても影響を受けるため問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
配電線軟銅線は純銅から構成されているため、疲労強度
を向上すべく圧縮残留応力負荷法が提案されているが、
この方法は疲労強度が表面の傷に左右されることから実
用に至っていない。また、合金化は導電率の関係から全
く考慮されていない。そのため、配電線用高導電性(9
8%以上)導体として疲労強度に優れた銅線は未だ開発
されていない。
【0007】本発明の目的は、銅の基地及び銅表面の両
面から強度を上げることによって、前記した従来技術の
欠点を解消し、疲労強度を大幅に向上させることができ
る新規な銅線を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の銅線は、純銅に
Sn、Ag、Zn、Mg、In、Sb、Pb、Zr等の
導電率の低下が著しく大きくない金属元素を1種あるい
は2種以上添加して合金化する。添加量は導電率98%
以上を確保できる少量とする。この銅合金を伸線後、焼
なまして軟銅線を形成する。そして、この軟銅線に、導
電率を大幅に低下させない程度の冷間表面加工を施し
て、その加工層の厚さを200μm以下とする加工歪を
軟銅線表面に与えたものである。加工層の厚さを200
μm以下としたのは、200μmよりも大きいと加工層
が疲労強度に影響を与え、また導電率が低下するからで
ある。
【0009】ここで、純銅には無酸素銅(OFC)、タ
フピッチ銅(TPC)、リン脱酸銅がある。また、軟銅
線の表面加工法としては、低加工度伸線、ショットピー
ニング、ロールによる繰り返し曲げ等の冷間加工があげ
られる。
【0010】
【作用】銅線、特に配電線用軟銅線は98%以上の高い
導電率が要求されるため、導電率の低下をもたらす合金
添加は全く考慮されていなかった。しかし、Sn、A
g、Zn、Mg、In、Snなどの元素を単体または複
数を純銅中に添加して銅合金としても、添加量を適量に
設定すれば98%以上の導電率を確保したまま、銅基地
そのものが強化できる。また、低加工度で伸線加工する
ことにより軟銅線表面に加工歪を与えるようにすると、
表面層に圧縮応力が残留するため疲労寿命が向上する。
【0011】このように軟銅を銅合金にすると共に表面
に冷間表面加工を施すことにより、内部と外部の両面か
ら強化するようにしたので、配電線の疲労特性が格段に
向上する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0013】Sn、Ag、Zn、Mg、In、Sb等の
元素を1種あるいは2種以上純銅に添加して銅合金のイ
ンゴットを形成する。添加量は導電率98%以上を確保
できるように少量とする。得られた銅合金のインゴット
を伸線した後、焼なまして軟銅線を形成する。この軟銅
線に導電率の大きな低下が起こらぬ範囲の低加工度の冷
間加工を施し、その加工層の厚さを200μm以下とす
る加工歪を軟銅線表面に与えて本実施例の銅線を形成す
る。これによれば耐疲労強度の優れた銅線が得られる。
【0014】このようにして、軟銅線の疲労強度の向上
が図れた理由は、次のように推測される。
【0015】(1)銅に元素を添加することにより銅基
地そのものが強化され、引張り強度が上がる。疲労強度
と引張り強度は密接に関係し、引張り強度が高いほど疲
労強度が上昇する。
【0016】(2)銅線を焼なました後、低加工度で伸
線加工することにより、表面層が塑性変形し、銅線表面
に圧縮応力が発生し、疲労寿命が延びる。
【0017】(3)銅線を焼なました後、低加工度で伸
線加工することにより、表面層の強度のみ上昇し、その
結果表面の疲労強度が上昇する。即ち、表面に亀裂が発
生し難いので疲労強度が上昇する。
【0018】なお、導電率98%以上にするための添加
元素としては、Sn、Ag、Zn、Mg、In、Sbの
他に、S、Pb、Se、Te、Bi、Ni、Si等のよ
うに、添加により引張り強度を大きくするが、導電率を
大幅に低下させない元素が選択されるべきである。
【0019】また、銅線を焼なまし後に、導電率の大き
な低下が起こらぬ範囲で伸線加工したが、表面加工法と
して、ショットピーニング、繰り返し曲げ等を用いても
よい。特に銅線を配電線(撚線)として使用する場合に
は、表面ひずみを与える方法として、焼なました銅線を
撚り合せる直前にロールを通し加工する方法が好まし
い。
【0020】以下、上述した銅線の具体例を述べる。
【0021】実施例1 無酸素銅(OFC)にSnを300ppm添加し、導電
率98.5%の銅インゴットを作成した。それを冷間で
鍛造スェージングし、φ8mmの線材(WR)とした。
このWRをφ3.0mmまで伸線し、N2 雰囲気中で4
00℃×1hの焼なましを行って軟銅線を形成した。そ
の後この軟銅線表面を伸線加工してφ2.6mmの銅線
を得た。
【0022】中村式疲労試験機にて4000rpmで疲
労試験を行ったところ、図1に符号Aで示すように、繰
り返し応力に関係なく破壊までの繰り返し回数は107
回以上であった。導電率は98%であった。
【0023】比較例1 OFC及びタフピッチ銅(TPC)を同様に鍛造スェー
ジング、伸線し、300℃×1hの焼なましを行い、φ
2.6mmの軟銅線を作成した。
【0024】同様に疲労試験を行ったところ、図1に符
号B(TPC)、符号C(OFC)で示すように、繰り
返し応力が低下するほど破壊までの繰り返し回数が増加
する傾向を示し、実施例1の軟銅線Aに比して疲労寿命
が低いことがわかった。
【0025】実施例2 OFCにAgを0.3%添加し、導電率99%の銅イン
ゴットを作成した。それを実施例1と同様にして軟銅線
を作成した後、その表面を伸線加工して銅線φ2.6を
得た。
【0026】疲労試験の結果は図1に符号Dで示すよう
に、Sn300ppmを含む実施例1の軟線銅(符号
A)よりも疲労特性が優れていた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、他元素を混合して合金
化した導電率98%以上の軟銅線表面に加工歪を与えた
ので銅線の疲労特性を大幅に向上でき、特に配電線軟銅
線に適用すれば振動疲労による断線がなくなり効果大で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例の疲労試験結果を示
すS−N線図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電率98%以上を保持する量のSn、A
    g、Zn、Mg、In、Sb、Pb、Zr等の導電率の
    低下が著しく大きくない金属元素を1種あるいは2種以
    上添加した純銅を伸線後焼なまして軟銅線を形成し、こ
    の軟銅線に冷間表面加工を施し、加工層の厚さ200μ
    m以下の表面加工歪を軟銅線表面に与えたことを特徴と
    する銅線。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008115423A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Hitachi Cable Ltd 耐屈曲性ケーブル用導体及びその製造方法並びにその導体を用いた耐屈曲性ケーブル
WO2014007259A1 (ja) 2012-07-02 2014-01-09 古河電気工業株式会社 銅合金線材及びその製造方法

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