JPH0585866A - セラミツク基材下絵付用転写シート及びその転写シートを使用した下絵付セラミツク品の製造方法 - Google Patents
セラミツク基材下絵付用転写シート及びその転写シートを使用した下絵付セラミツク品の製造方法Info
- Publication number
- JPH0585866A JPH0585866A JP3278272A JP27827291A JPH0585866A JP H0585866 A JPH0585866 A JP H0585866A JP 3278272 A JP3278272 A JP 3278272A JP 27827291 A JP27827291 A JP 27827291A JP H0585866 A JPH0585866 A JP H0585866A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- painting
- china
- transfer sheet
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Printing Methods (AREA)
- Decoration By Transfer Pictures (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 各種セラミック基材に、焼成処理やセラミッ
ク基材の色等による悪影響を受けることなく、耐磨耗性
に優れ意匠性に富んだ下絵付けができるセラミック基材
下絵付用転写シートを提供すると共に、その転写シート
を用いた下絵付セラミック品の製造方法を提供する。 【構成】 ポリエステルシートに剥離層、絵柄層、隠蔽
用着色層及び接着層を順次積層して転写シートとする。
この転写シートを接着層側から素焼のセラミック基材表
面に重ね合わせ、ポリエステルシートを剥離した後、焼
成を行って各層の樹脂分を昇華させ、次いで施釉及び焼
成を行って、下絵付セラミックを製造する。
ク基材の色等による悪影響を受けることなく、耐磨耗性
に優れ意匠性に富んだ下絵付けができるセラミック基材
下絵付用転写シートを提供すると共に、その転写シート
を用いた下絵付セラミック品の製造方法を提供する。 【構成】 ポリエステルシートに剥離層、絵柄層、隠蔽
用着色層及び接着層を順次積層して転写シートとする。
この転写シートを接着層側から素焼のセラミック基材表
面に重ね合わせ、ポリエステルシートを剥離した後、焼
成を行って各層の樹脂分を昇華させ、次いで施釉及び焼
成を行って、下絵付セラミックを製造する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック基材下絵付
用転写シート及びその転写シートを使用した下絵付セラ
ミック品の製造方法に関する。
用転写シート及びその転写シートを使用した下絵付セラ
ミック品の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】セラミック品の絵付方法としては、例え
ば、施釉したセラミック基材の表面に所望の絵柄層を転
写形成した後、焼成を行って施す所謂“上絵付方法”
や、セラミック基材の表面に絵柄層を最初に転写形成し
た後、施釉、焼成を行って施す所謂“下絵付方法”（特
公昭４９−４４０９２号公報）が知られている。
ば、施釉したセラミック基材の表面に所望の絵柄層を転
写形成した後、焼成を行って施す所謂“上絵付方法”
や、セラミック基材の表面に絵柄層を最初に転写形成し
た後、施釉、焼成を行って施す所謂“下絵付方法”（特
公昭４９−４４０９２号公報）が知られている。
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記前者の絵
付方法では絵柄層の顔料が釉薬層の表層部に沈着するた
め意匠性が損なわれ（例えば色の深みが不足する）、ま
た絵柄層が表出しているため耐磨耗性に劣る難点があっ
た。また上記後者の絵付方法では絵柄層による意匠内容
と共に下地（セラミック基材）の色が透けて視認される
ため良好美麗な意匠感が得られず、その上、下絵付方法
においては特に施釉後の焼成（本焼）温度が通常約１０
００°Ｃ以上と極めて高温であるため絵柄層中の顔料が
変色や褪色し易く、これによっても意匠性が損なわれる
という問題があった。本発明は上記従来技術の問題点に
鑑みなされたもので、各種セラミック基材に焼成処理や
セラミック基材の素材色等による悪影響を受けることな
く、耐磨耗性に優れ意匠感に富んだ下絵付けができるセ
ラミック基材下絵付用転写シートを提供すると共に、そ
の転写シートを用いた下絵付セラミック品の製造方法を
提供することを目的とする。
付方法では絵柄層の顔料が釉薬層の表層部に沈着するた
め意匠性が損なわれ（例えば色の深みが不足する）、ま
た絵柄層が表出しているため耐磨耗性に劣る難点があっ
た。また上記後者の絵付方法では絵柄層による意匠内容
と共に下地（セラミック基材）の色が透けて視認される
ため良好美麗な意匠感が得られず、その上、下絵付方法
においては特に施釉後の焼成（本焼）温度が通常約１０
００°Ｃ以上と極めて高温であるため絵柄層中の顔料が
変色や褪色し易く、これによっても意匠性が損なわれる
という問題があった。本発明は上記従来技術の問題点に
鑑みなされたもので、各種セラミック基材に焼成処理や
セラミック基材の素材色等による悪影響を受けることな
く、耐磨耗性に優れ意匠感に富んだ下絵付けができるセ
ラミック基材下絵付用転写シートを提供すると共に、そ
の転写シートを用いた下絵付セラミック品の製造方法を
提供することを目的とする。
【０００３】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミック基材
下絵付用転写シートは、ポリエステルシートに剥離層、
絵柄層、隠蔽用着色層及び接着層を順次積層してなるこ
とを特徴とするものである。また本発明下絵付セラミッ
ク品の製造方法は上記構成の転写シートを、素焼のセラ
ミック基材表面に該転写シートの接着層が対峙するよう
に重ね合わせ、ポリエステルシートを剥離した後、焼成
を行って各層の樹脂分を完全に昇華又は燃焼又は熱分解
させ、次いで施釉及び焼成を行うことを特徴とするもの
である。
下絵付用転写シートは、ポリエステルシートに剥離層、
絵柄層、隠蔽用着色層及び接着層を順次積層してなるこ
とを特徴とするものである。また本発明下絵付セラミッ
ク品の製造方法は上記構成の転写シートを、素焼のセラ
ミック基材表面に該転写シートの接着層が対峙するよう
に重ね合わせ、ポリエステルシートを剥離した後、焼成
を行って各層の樹脂分を完全に昇華又は燃焼又は熱分解
させ、次いで施釉及び焼成を行うことを特徴とするもの
である。
【０００４】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１は本発明転写シートの一実施例を示すもので、
図中１はセラミック基材下絵付用転写シート、２はポリ
エステルシート、３は剥離層、４は絵柄層、５は隠蔽用
着色層、６は接着層を示す。剥離層３は転写時にポリエ
ステルシート２を剥離した後、セラミック基材側に転写
されて最表面層となる。そのため剥離層３はアクリル系
樹脂、セルロース系樹脂、ブチラール樹脂、あるいは前
記樹脂を主体とする混合樹脂等により構成される。
る。図１は本発明転写シートの一実施例を示すもので、
図中１はセラミック基材下絵付用転写シート、２はポリ
エステルシート、３は剥離層、４は絵柄層、５は隠蔽用
着色層、６は接着層を示す。剥離層３は転写時にポリエ
ステルシート２を剥離した後、セラミック基材側に転写
されて最表面層となる。そのため剥離層３はアクリル系
樹脂、セルロース系樹脂、ブチラール樹脂、あるいは前
記樹脂を主体とする混合樹脂等により構成される。
【０００５】絵柄層４は、焼成によって昇華する性質を
有するベヒクルと焼成顔料とを含有しているものであ
り、下記ベヒクルと焼成顔料と溶剤からなる印刷用イン
キを用いて印刷形成される。通常は、その印刷に先立っ
て前記ポリエステルシート２における剥離層３面に、例
えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ブチラール
樹脂、あるいは前記樹脂を主体とする混合樹脂等による
プライマー層を設けておいてから印刷形成する。
有するベヒクルと焼成顔料とを含有しているものであ
り、下記ベヒクルと焼成顔料と溶剤からなる印刷用イン
キを用いて印刷形成される。通常は、その印刷に先立っ
て前記ポリエステルシート２における剥離層３面に、例
えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ブチラール
樹脂、あるいは前記樹脂を主体とする混合樹脂等による
プライマー層を設けておいてから印刷形成する。
【０００６】上記印刷用インキに使用するビヒクル、す
なわち焼成によって昇華する性質を有するベヒクルとし
ては、例えば、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル
酸系樹脂、これらの共重合樹脂、ブチラール樹脂、セル
ロース系樹脂、アルキッド樹シ、ポリエチレンオキサイ
ド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、
ポリエステル樹脂、メラミン−アルミッド樹脂、ビニル
系樹脂、マレイン酸樹脂等が使用される。また上記の焼
成顔料、即ち焼成後も残留しセラミック基材の色彩付与
を行いうる耐熱顔料としては、例えばグラビア印刷用イ
ンキの場合には、黒…Ｃｏ、Ｆｅ、Ｃｒの酸化物（平均
粒径：1.７μ）、黄…Ｔｉ、Ｂａ、Ｎｉの酸化物（平均
粒径：0.９μ）、茶…Ｆｅ、Ｃｒ、Ｚｎの酸化物（平均
粒径：1.１μ）、青…Ｃｏ、Ａｌ、Ｚｎ、Ｓｉの酸化物
（平均粒径：0.９μ）が利用される。焼成顔料の粉砕
は、通常のパンミル、ロールミル、さらには媒体分散機
等を使用し、ベヒクル成分をなす樹脂と共に湿式法によ
って粉砕するのが好ましい。
なわち焼成によって昇華する性質を有するベヒクルとし
ては、例えば、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル
酸系樹脂、これらの共重合樹脂、ブチラール樹脂、セル
ロース系樹脂、アルキッド樹シ、ポリエチレンオキサイ
ド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、
ポリエステル樹脂、メラミン−アルミッド樹脂、ビニル
系樹脂、マレイン酸樹脂等が使用される。また上記の焼
成顔料、即ち焼成後も残留しセラミック基材の色彩付与
を行いうる耐熱顔料としては、例えばグラビア印刷用イ
ンキの場合には、黒…Ｃｏ、Ｆｅ、Ｃｒの酸化物（平均
粒径：1.７μ）、黄…Ｔｉ、Ｂａ、Ｎｉの酸化物（平均
粒径：0.９μ）、茶…Ｆｅ、Ｃｒ、Ｚｎの酸化物（平均
粒径：1.１μ）、青…Ｃｏ、Ａｌ、Ｚｎ、Ｓｉの酸化物
（平均粒径：0.９μ）が利用される。焼成顔料の粉砕
は、通常のパンミル、ロールミル、さらには媒体分散機
等を使用し、ベヒクル成分をなす樹脂と共に湿式法によ
って粉砕するのが好ましい。
【０００７】なお印刷用インキ中における無機質成分は
前記焼成顔料の単体でもよいが、顔料の沈降のバラツキ
による印刷絵柄層の光沢や物性のバラツキを補正する目
的で、フリットや硝子粒子を混入しても良い。具体的に
は例えば、PbＯ（７８％）、SiＯ2 （１０％）、Ｂ2 Ｏ
3 （１２％）からなる低融点ガラスや、PbＯ−Ｂ2 Ｏ3
系、PbＯ−Ｂ2 Ｏ3 −SiＯ2 系、PbＯ−ZnＯ−Ｂ2 Ｏ3
系、Sn O2 −Ti O−SnO2 −PbＯ−CdＯ系等のガラスか
らなる粒径0.1 〜１０μ程度のものが利用される。また
グラビア印刷でのドクター筋の発生を防止するととも
に、印刷用インキ中の無機質成分の分離、沈降等を防止
し、さらには釉薬層上での絵柄層の焼成時における大き
な変、褪色を防止するために、前記印刷用インキにおけ
る無機質成分には粒径0.１〜１０μ、より望ましくは１
〜５μの範囲内にあるものを使用するのが良い。
前記焼成顔料の単体でもよいが、顔料の沈降のバラツキ
による印刷絵柄層の光沢や物性のバラツキを補正する目
的で、フリットや硝子粒子を混入しても良い。具体的に
は例えば、PbＯ（７８％）、SiＯ2 （１０％）、Ｂ2 Ｏ
3 （１２％）からなる低融点ガラスや、PbＯ−Ｂ2 Ｏ3
系、PbＯ−Ｂ2 Ｏ3 −SiＯ2 系、PbＯ−ZnＯ−Ｂ2 Ｏ3
系、Sn O2 −Ti O−SnO2 −PbＯ−CdＯ系等のガラスか
らなる粒径0.1 〜１０μ程度のものが利用される。また
グラビア印刷でのドクター筋の発生を防止するととも
に、印刷用インキ中の無機質成分の分離、沈降等を防止
し、さらには釉薬層上での絵柄層の焼成時における大き
な変、褪色を防止するために、前記印刷用インキにおけ
る無機質成分には粒径0.１〜１０μ、より望ましくは１
〜５μの範囲内にあるものを使用するのが良い。
【０００８】上記印刷用インキに使用するインキ溶剤と
しては、セラミック基材の表面を侵食することがない溶
剤、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
等、あるいは、これらの混合液であるガソリン、ベンジ
ン、ミネラルスピリット、石油ナフサ等の脂肪族炭化水
素類；ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類；トリクロル
エチレン、パークロルエチレン、クロロホルム、四塩化
炭化等のハロゲン化炭化水素類；メチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコ
ール、ジアセトンアルコール等の一価アルコール類；エ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン
等の多価アルコール類；アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチ
ルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類；エチル
エーテル、イソプロピルエーテル、エチレングリコール
・モノ・メチルエーテル、エチレングリコール・モノ・
エチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・メチル
エーテル、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテ
ル、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル、ジ
エチレングリコール・ジ・ブチルエーテル等のエーテル
類；エチレングリコール・モノ・メチルエーテル・アセ
テート、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル・
アセテート、ジエチレングリコール・モノ・メチルアセ
テート、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテル
・アセテート、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエ
ーテル・アセテート等の酢酸エステル類；酪酸エステル
等のエステル類、ニトロ炭化水素類、ニトリル類、アミ
ン類、その他アセタール類、酸類、フラン類等の単独あ
るいは混合溶剤等である。
しては、セラミック基材の表面を侵食することがない溶
剤、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
等、あるいは、これらの混合液であるガソリン、ベンジ
ン、ミネラルスピリット、石油ナフサ等の脂肪族炭化水
素類；ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類；トリクロル
エチレン、パークロルエチレン、クロロホルム、四塩化
炭化等のハロゲン化炭化水素類；メチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコ
ール、ジアセトンアルコール等の一価アルコール類；エ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン
等の多価アルコール類；アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチ
ルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類；エチル
エーテル、イソプロピルエーテル、エチレングリコール
・モノ・メチルエーテル、エチレングリコール・モノ・
エチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・メチル
エーテル、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテ
ル、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル、ジ
エチレングリコール・ジ・ブチルエーテル等のエーテル
類；エチレングリコール・モノ・メチルエーテル・アセ
テート、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル・
アセテート、ジエチレングリコール・モノ・メチルアセ
テート、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテル
・アセテート、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエ
ーテル・アセテート等の酢酸エステル類；酪酸エステル
等のエステル類、ニトロ炭化水素類、ニトリル類、アミ
ン類、その他アセタール類、酸類、フラン類等の単独あ
るいは混合溶剤等である。
【０００９】絵柄層４は上記の如き印刷用インキを用い
て例えば、オフセット、活版、シルクスクリーン等の公
知の印刷手段によって形成されるが、特に連続諧調再現
性において優れた性質を有するグラビア印刷法によって
形成するのが好ましい。また本発明における絵柄層は、
必要に応じて、絵付けされるセラミック基材の釉薬層面
に対する接着性との兼ね合いで、焼成によって昇華する
性質を有する熱融着型接着材剤または焼成によって昇華
する性質を有する粘着剤による接着剤層で被覆されてい
るものである。
て例えば、オフセット、活版、シルクスクリーン等の公
知の印刷手段によって形成されるが、特に連続諧調再現
性において優れた性質を有するグラビア印刷法によって
形成するのが好ましい。また本発明における絵柄層は、
必要に応じて、絵付けされるセラミック基材の釉薬層面
に対する接着性との兼ね合いで、焼成によって昇華する
性質を有する熱融着型接着材剤または焼成によって昇華
する性質を有する粘着剤による接着剤層で被覆されてい
るものである。
【００１０】隠蔽用着色層５は、絵付けを行うセラミッ
ク基材の色を隠蔽して、該基材の色によって絵柄層４の
意匠性が損なわないようにするものである。この着色層
５は絵柄層４を構成する前記した印刷用インキを同様に
用いて印刷形成することができ、特に隠蔽すべき色に応
じた顔料を適宜選択すればよい。着色層の厚さは１〜３
０μが好ましい。尚、隠蔽用着色層の発色や隠蔽性は、
その上に施す釉薬の組成によって大きく変化するため、
釉薬も着色隠蔽層の変褪色及び隠蔽性低下の極力少ない
もの（後述）を選択することが好ましい。
ク基材の色を隠蔽して、該基材の色によって絵柄層４の
意匠性が損なわないようにするものである。この着色層
５は絵柄層４を構成する前記した印刷用インキを同様に
用いて印刷形成することができ、特に隠蔽すべき色に応
じた顔料を適宜選択すればよい。着色層の厚さは１〜３
０μが好ましい。尚、隠蔽用着色層の発色や隠蔽性は、
その上に施す釉薬の組成によって大きく変化するため、
釉薬も着色隠蔽層の変褪色及び隠蔽性低下の極力少ない
もの（後述）を選択することが好ましい。
【００１１】接着層６は、焼成によって昇華する性質を
有する熱融着型接着剤や、焼成によって昇華する性質を
有する粘着剤にて構成されるものである。例えば、アク
リル酸エステル系樹脂、メタクリル酸系樹脂、これらの
共重合樹脂、ブラチラール樹脂、セルロース系樹脂、ア
ルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノー
ル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹
脂、メラチミン−アルミッド樹脂、ビニル系樹脂、マレ
イン酸樹脂等による熱融着型接着剤、あるいは、例え
ば、アクリル系樹脂やアクリル系樹脂を主体とする混合
樹脂等による粘着剤によって、厚さ１〜１０μ程度に形
成される。なお接着層６は必要に応じて、隠蔽用着色層
５に準じて着色しても良い。また絵柄層４をセラミック
基材７に確実に転移固定させるため、接着層６及び着色
層５にガラスフリット等を混入しても良い。
有する熱融着型接着剤や、焼成によって昇華する性質を
有する粘着剤にて構成されるものである。例えば、アク
リル酸エステル系樹脂、メタクリル酸系樹脂、これらの
共重合樹脂、ブラチラール樹脂、セルロース系樹脂、ア
ルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノー
ル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹
脂、メラチミン−アルミッド樹脂、ビニル系樹脂、マレ
イン酸樹脂等による熱融着型接着剤、あるいは、例え
ば、アクリル系樹脂やアクリル系樹脂を主体とする混合
樹脂等による粘着剤によって、厚さ１〜１０μ程度に形
成される。なお接着層６は必要に応じて、隠蔽用着色層
５に準じて着色しても良い。また絵柄層４をセラミック
基材７に確実に転移固定させるため、接着層６及び着色
層５にガラスフリット等を混入しても良い。
【００１２】次に、上記の如き構成からなる転写シート
１を用いた本発明下絵付セラミック品の製造方法につい
て説明する。まず転写シート１を、図２（ａ）に示すよ
うに絵付けを行うべき素焼のセラミック基材７に接着層
６が対峙するように重ね合わせてからポリエステルシー
ト２を剥離する。これにより図２（ｂ）に示すように絵
柄層４等がセラミック基材７側に転写される。この転写
は短時間で確実美麗に転写できる熱転写法が好ましい
が、これに限定されずその他の転写法例えば、粘着剤転
写法（アクリル系等の粘着剤を接着剤とする）や、溶剤
塗布により接着剤に粘着接着性を賦与する溶剤活性転写
法、再湿スライド転写法、特開昭５４−３３１１５号公
報等記載の所謂水圧転写法（例えば、水溶性フィルム上
に転写層を形成して接着剤層を溶剤で活性化して水面上
に浮かべ、被転写体を押圧して水圧で転写する方法）等
であっても良い。
１を用いた本発明下絵付セラミック品の製造方法につい
て説明する。まず転写シート１を、図２（ａ）に示すよ
うに絵付けを行うべき素焼のセラミック基材７に接着層
６が対峙するように重ね合わせてからポリエステルシー
ト２を剥離する。これにより図２（ｂ）に示すように絵
柄層４等がセラミック基材７側に転写される。この転写
は短時間で確実美麗に転写できる熱転写法が好ましい
が、これに限定されずその他の転写法例えば、粘着剤転
写法（アクリル系等の粘着剤を接着剤とする）や、溶剤
塗布により接着剤に粘着接着性を賦与する溶剤活性転写
法、再湿スライド転写法、特開昭５４−３３１１５号公
報等記載の所謂水圧転写法（例えば、水溶性フィルム上
に転写層を形成して接着剤層を溶剤で活性化して水面上
に浮かべ、被転写体を押圧して水圧で転写する方法）等
であっても良い。
【００１３】転写後、焼成を行って転写した各層の樹脂
分を昇華又は燃焼又は熱分解させる。この焼成温度は通
常４００〜６００°Ｃであり、この焼成により樹脂分を
昇華させることにより焼成顔料のみが素焼陶板表面に残
留している状態となる。次いで、従来公知の施釉と焼成
を行うことにより、図２（ｃ）に示すように最表面に釉
薬層８が形成された下絵付セラミック品９が得られる。
釉薬層８は通常Ｚｎ系、Ｐｂ系、Ｂａ系、ガラスフリッ
ト系及び還元系の釉薬が使用される。特に隠蔽用着色層
の焼成顔料の変退色或いは隠蔽性低下を少なくする為に
はＺｎ系、ガラスフリット系、ＰｂとＺｎの混合系が好
ましい。また焼成は８００℃以上で行うが表面の平滑性
を向上させる為１０００℃以上のの焼成温度であること
が好ましい。
分を昇華又は燃焼又は熱分解させる。この焼成温度は通
常４００〜６００°Ｃであり、この焼成により樹脂分を
昇華させることにより焼成顔料のみが素焼陶板表面に残
留している状態となる。次いで、従来公知の施釉と焼成
を行うことにより、図２（ｃ）に示すように最表面に釉
薬層８が形成された下絵付セラミック品９が得られる。
釉薬層８は通常Ｚｎ系、Ｐｂ系、Ｂａ系、ガラスフリッ
ト系及び還元系の釉薬が使用される。特に隠蔽用着色層
の焼成顔料の変退色或いは隠蔽性低下を少なくする為に
はＺｎ系、ガラスフリット系、ＰｂとＺｎの混合系が好
ましい。また焼成は８００℃以上で行うが表面の平滑性
を向上させる為１０００℃以上のの焼成温度であること
が好ましい。
【００１４】セラミック基材７の材質としては、陶器、
磁器、セッ器、土器、琺瑯、あるいは各種ニューセラミ
ックスである。基材７は、平板（タイル、厨房機器の天
板等）、曲面材（所謂、役物、壁面等の角部の材料）、
皿、瓶等の食器、管状物等の各種形態からなるものを適
用することができる。なお本発明においては、セラミッ
ク基材の表面を平滑化したり該基材の転写する各層の吸
収を防止するため、また接着力をより強化するため、接
着層をセラミック基材側に設けても良い。更に転写シー
トとセラミック基材の双方に接着層を設けても良い。
磁器、セッ器、土器、琺瑯、あるいは各種ニューセラミ
ックスである。基材７は、平板（タイル、厨房機器の天
板等）、曲面材（所謂、役物、壁面等の角部の材料）、
皿、瓶等の食器、管状物等の各種形態からなるものを適
用することができる。なお本発明においては、セラミッ
ク基材の表面を平滑化したり該基材の転写する各層の吸
収を防止するため、また接着力をより強化するため、接
着層をセラミック基材側に設けても良い。更に転写シー
トとセラミック基材の双方に接着層を設けても良い。
【００１５】次に、具体的な実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。 実施例１ 厚さ２５μのポリエステルシートにタイル絵付用インキ
（昭和インキ工業製：ＳＬＭ−Ｃ）を主体に共用して、
剥離層（４μ厚）、絵柄層、着色ベタ層（白色、着色ベ
タ層に使用するインキは顔料２０重量％、膜厚５０μｍ
を２回印刷した）、接着層（４μ厚）を順次グラビア印
刷して形成し、転写シートとした。得られた転写シート
を用いて、加熱した素焼タイル上に絵付けを行った後、
６００°Ｃの温度で加熱して樹脂分を完全に昇華させ
た。最後に、表面にＰｂＯ系の釉薬（日本フェロー製）
を１５０〜２００ｇ／ｍ2 塗布した後、１０７０°Ｃの
温度で焼成し、絵付けタイルを得た。得られたタイル
は、表面が透明釉薬（約２００μｍ）の下に絵柄が形成
されており、色調に深みを有するものであった。
に詳細に説明する。 実施例１ 厚さ２５μのポリエステルシートにタイル絵付用インキ
（昭和インキ工業製：ＳＬＭ−Ｃ）を主体に共用して、
剥離層（４μ厚）、絵柄層、着色ベタ層（白色、着色ベ
タ層に使用するインキは顔料２０重量％、膜厚５０μｍ
を２回印刷した）、接着層（４μ厚）を順次グラビア印
刷して形成し、転写シートとした。得られた転写シート
を用いて、加熱した素焼タイル上に絵付けを行った後、
６００°Ｃの温度で加熱して樹脂分を完全に昇華させ
た。最後に、表面にＰｂＯ系の釉薬（日本フェロー製）
を１５０〜２００ｇ／ｍ2 塗布した後、１０７０°Ｃの
温度で焼成し、絵付けタイルを得た。得られたタイル
は、表面が透明釉薬（約２００μｍ）の下に絵柄が形成
されており、色調に深みを有するものであった。
【００１６】
【発明の効果】以上説明したように本発明の転写シート
及び製造方法によれば、セラミック基材の下地色が隠蔽
されて意匠的な悪影響を受けることなく、色の深みがあ
る高意匠性に富み、最表面に釉薬層が存在して耐磨耗性
にも優れた下絵付けを施したセラミック品を容易に得る
ことができる。
及び製造方法によれば、セラミック基材の下地色が隠蔽
されて意匠的な悪影響を受けることなく、色の深みがあ
る高意匠性に富み、最表面に釉薬層が存在して耐磨耗性
にも優れた下絵付けを施したセラミック品を容易に得る
ことができる。
【図１】本発明転写シートの一実施例を示す断面図であ
る。
る。
【図２】本発明製造方法の一実施例を示す工程図であ
る。
る。
１ セラミック基材下絵付用転写シート ２ ポリエステルシート ３ 剥離層 ４ 隠蔽用着色層 ５ 接着層 ６ 接着層 ７ 素焼のセラミック基材 ８ 釉薬層 ９ 下絵付セラミック品
Claims (2)
- 【請求項１】 ポリエステルシートに剥離層、絵柄層、
隠蔽用着色層及び接着層を順次積層してなることを特徴
とするセラミック基材下絵付用転写シート。 - 【請求項２】 請求項１記載の転写シートを、素焼のセ
ラミック基材表面に該転写シートの接着層が対峙するよ
うに重ね合わせ、ポリエステルシートを剥離した後、焼
成を行って各層の樹脂分を完全に昇華又は燃焼又は熱分
解させ、次いで施釉及び焼成を行うことを特徴とする下
絵付セラミック品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27827291A JP3164613B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 下絵付セラミック品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27827291A JP3164613B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 下絵付セラミック品の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0585866A true JPH0585866A (ja) | 1993-04-06 |
| JP3164613B2 JP3164613B2 (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=17595040
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27827291A Expired - Lifetime JP3164613B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 下絵付セラミック品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3164613B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014048401A (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-17 | Toppan Tdk Label Co Ltd | 転写ラベルを有するラベルシート |
| CN111943727A (zh) * | 2020-08-11 | 2020-11-17 | 佛山市三水新明珠建陶工业有限公司 | 一种微光大理石抛光瓷片的制造方法 |
| CN115011171A (zh) * | 2022-07-22 | 2022-09-06 | 焦作卓立膜材料股份有限公司 | 一种用于耐高温碳带生产的特种热转印油墨及其制备方法 |
-
1991
- 1991-09-30 JP JP27827291A patent/JP3164613B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014048401A (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-17 | Toppan Tdk Label Co Ltd | 転写ラベルを有するラベルシート |
| CN111943727A (zh) * | 2020-08-11 | 2020-11-17 | 佛山市三水新明珠建陶工业有限公司 | 一种微光大理石抛光瓷片的制造方法 |
| CN115011171A (zh) * | 2022-07-22 | 2022-09-06 | 焦作卓立膜材料股份有限公司 | 一种用于耐高温碳带生产的特种热转印油墨及其制备方法 |
| CN115011171B (zh) * | 2022-07-22 | 2023-09-26 | 焦作卓立膜材料股份有限公司 | 一种用于耐高温碳带生产的特种热转印油墨及其制备方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3164613B2 (ja) | 2001-05-08 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP0306727B1 (en) | Glass powder adhesive sheet | |
| US6336723B1 (en) | Method of making a glass substrate with ink-based patterns | |
| US9758684B2 (en) | Method and system for ink jet printing images to complex contoured surfaces of ceramic and glass items such as dishware | |
| US5132165A (en) | Wet printing techniques | |
| JP3164613B2 (ja) | 下絵付セラミック品の製造方法 | |
| US6854386B2 (en) | Ceramic decal assembly | |
| JPH08253358A (ja) | 陶磁器などの絵付け方法 | |
| JP2903547B2 (ja) | 陶磁器絵付け用転写シート | |
| JPH1160358A (ja) | 多様かつ明確なパターンを有するセラミックタイル | |
| JPS63185875A (ja) | 化粧セラミツク体の製造方法 | |
| JPH05310485A (ja) | 凹凸を有するセラミック模様の形成方法 | |
| EP0669215B1 (en) | Decalcomania for on-glaze decoration of ceramic ware | |
| JPH05301496A (ja) | 窯業製品の上絵付け用転写紙 | |
| JPS5824391B2 (ja) | セラミック製品への絵付方法 | |
| JPH02180779A (ja) | 陶磁器成形体への絵付け方法 | |
| JPS56135091A (en) | Heating transcribing paper | |
| JPH05139021A (ja) | セラミツク模様の形成方法 | |
| JPS5825983A (ja) | 陶磁器のイングレ−ズ絵付用転写紙とその絵付法 | |
| JPH0741755B2 (ja) | ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付け方法 | |
| JP2655303B2 (ja) | 加熱転写シートの製造法 | |
| JPS63256584A (ja) | 化粧セラミツク体の製造方法 | |
| JPS6298B2 (ja) | ||
| JPS6280100A (ja) | ガラス質またはセラミツク質表面を有する基体への絵付け方法 | |
| JPH06116064A (ja) | 下絵付けセラミック着色層形成用の熱転写シート及び該熱転写シートを利用する下絵付けセラミック着色層の形成方法 | |
| JPH08504164A (ja) | フリットコーティング組成物 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090302 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100302 Year of fee payment: 9 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100302 Year of fee payment: 9 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302 Year of fee payment: 11 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302 Year of fee payment: 11 |