JPH0584736A - 繊維強化熱可塑性樹脂複合シート - Google Patents
繊維強化熱可塑性樹脂複合シートInfo
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- JPH0584736A JPH0584736A JP24801991A JP24801991A JPH0584736A JP H0584736 A JPH0584736 A JP H0584736A JP 24801991 A JP24801991 A JP 24801991A JP 24801991 A JP24801991 A JP 24801991A JP H0584736 A JPH0584736 A JP H0584736A
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- JP
- Japan
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- thermoplastic resin
- fibers
- resin
- composite sheet
- fiber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱プレス成形の材料として用いる複合シート
であって、機械的強度に優れると共に、各種の熱可塑性
樹脂も採用可能な繊維強化熱可塑性樹脂複合シートを提
供する。 【構成】 ２種類の基糸７１と７２を交互に配置して、
平織りして複合シート８を形成する。基糸７１、７２
は、それぞれ連続繊維を引き揃えた状態のものを芯材と
し、この周囲を熱可塑性樹脂で被覆した紐状の複合体か
らなる。このような複合体を用いることによって、樹脂
対繊維の比率を、被覆する樹脂量の調整により如何よう
にでも設定することができ、繊維量を限度一杯迄引き上
げて強度に優れた成形品を得ることができる。
であって、機械的強度に優れると共に、各種の熱可塑性
樹脂も採用可能な繊維強化熱可塑性樹脂複合シートを提
供する。 【構成】 ２種類の基糸７１と７２を交互に配置して、
平織りして複合シート８を形成する。基糸７１、７２
は、それぞれ連続繊維を引き揃えた状態のものを芯材と
し、この周囲を熱可塑性樹脂で被覆した紐状の複合体か
らなる。このような複合体を用いることによって、樹脂
対繊維の比率を、被覆する樹脂量の調整により如何よう
にでも設定することができ、繊維量を限度一杯迄引き上
げて強度に優れた成形品を得ることができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、熱プレス成形するのに
用いて好適な繊維強化熱可塑性樹脂複合シートに関する
ものである。
用いて好適な繊維強化熱可塑性樹脂複合シートに関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂をベースポリマーと
した繊維強化合成樹脂複合シートは公知であるが、熱可
塑性樹脂は、熱硬化性樹脂に比べて強化繊維の中に含浸
し難いという問題があった。その理由は、通常、熱硬化
性樹脂は常温で液状であって、強化繊維に対する含浸性
に優れているが、熱可塑性樹脂は加熱しないと流動体に
ならず、しかも流動状態における粘度が高いために、強
化繊維中に含浸させるには、細かく切り刻んだチョップ
ドストランドのように、繊維長の短い繊維となし、これ
と粉末状の熱可塑性樹脂とを、ヘンシルミキサーのよう
な混合機で攪拌して含浸させ、次いでこれを押出成形に
よりシート状に成形するという方法が一般的であった。
した繊維強化合成樹脂複合シートは公知であるが、熱可
塑性樹脂は、熱硬化性樹脂に比べて強化繊維の中に含浸
し難いという問題があった。その理由は、通常、熱硬化
性樹脂は常温で液状であって、強化繊維に対する含浸性
に優れているが、熱可塑性樹脂は加熱しないと流動体に
ならず、しかも流動状態における粘度が高いために、強
化繊維中に含浸させるには、細かく切り刻んだチョップ
ドストランドのように、繊維長の短い繊維となし、これ
と粉末状の熱可塑性樹脂とを、ヘンシルミキサーのよう
な混合機で攪拌して含浸させ、次いでこれを押出成形に
よりシート状に成形するという方法が一般的であった。
【０００３】また、使用し得る樹脂としても、耐熱性、
成形加工性、原料価格等の点から結晶性ポリプロピレ
ン、変成ポリプロピレン等のポリプロピレンしか実用化
されていないのが現状である。
成形加工性、原料価格等の点から結晶性ポリプロピレ
ン、変成ポリプロピレン等のポリプロピレンしか実用化
されていないのが現状である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、繊維と
樹脂とを押出機に投入して混練・押し出す場合、繊維の
含有比率を上げると、押出成形が困難となるので、 繊
維含有比率に制約があり、多量の繊維を含ませることが
できず、また、押出機のスクリューにより繊維が切断さ
れることもあって、結局のところ、機械的強度に優れた
ものが得られないという問題があった。
樹脂とを押出機に投入して混練・押し出す場合、繊維の
含有比率を上げると、押出成形が困難となるので、 繊
維含有比率に制約があり、多量の繊維を含ませることが
できず、また、押出機のスクリューにより繊維が切断さ
れることもあって、結局のところ、機械的強度に優れた
ものが得られないという問題があった。
【０００５】また、採用し得る樹脂が一種類では、どの
ような製品でも多機能・高品質の商品が指向される近時
の市場の要求に対して、充分に対応することが出来ない
という問題もあった。本発明は上述のごとき従来技術の
欠点を解消し、機械的強度に優れると共に、特にポリプ
ロピレンに限らず、ナイロン、ポリエチレン、ポリカー
ボネート等の押出成形可能な他の熱可塑性樹脂も採用で
きる繊維強化熱可塑性樹脂複合シートを提供することを
目的としてなされたものである。
ような製品でも多機能・高品質の商品が指向される近時
の市場の要求に対して、充分に対応することが出来ない
という問題もあった。本発明は上述のごとき従来技術の
欠点を解消し、機械的強度に優れると共に、特にポリプ
ロピレンに限らず、ナイロン、ポリエチレン、ポリカー
ボネート等の押出成形可能な他の熱可塑性樹脂も採用で
きる繊維強化熱可塑性樹脂複合シートを提供することを
目的としてなされたものである。
【０００６】しかして、本発明者は、従来の繊維強化熱
可塑性樹脂複合シートの成形に使用されている粉末状の
樹脂に代えて、長尺の連続した繊維（以下「連続繊維」
という）に、加熱されて流動状態にある熱可塑性樹脂を
被覆したものを基糸として織物もしくは編物とすれば、
繊維含有量が大きく、且つ機械的強度の方向性にバラン
スのとれた複合シートが得られることを知見し、本発明
を完成するに至ったものである。
可塑性樹脂複合シートの成形に使用されている粉末状の
樹脂に代えて、長尺の連続した繊維（以下「連続繊維」
という）に、加熱されて流動状態にある熱可塑性樹脂を
被覆したものを基糸として織物もしくは編物とすれば、
繊維含有量が大きく、且つ機械的強度の方向性にバラン
スのとれた複合シートが得られることを知見し、本発明
を完成するに至ったものである。
【０００７】
【課題を解決する為の手段】本発明は、多数本の連続繊
維を長手方向に引き揃えたものを芯材とし、その周囲を
熱可塑性樹脂で被覆した紐状の複合体を基糸として、織
成もしくは編成されてなることを特徴とする繊維強化熱
可塑性樹脂複合シートをその要旨とするものである。
維を長手方向に引き揃えたものを芯材とし、その周囲を
熱可塑性樹脂で被覆した紐状の複合体を基糸として、織
成もしくは編成されてなることを特徴とする繊維強化熱
可塑性樹脂複合シートをその要旨とするものである。
【０００８】本発明に用いる連続繊維としては、例え
ば、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊
維、ビニロン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維
等が挙げられ、これらのモノフィラメント、ストラン
ド、ヤーン等の連続繊維が用いられるが、後述する被覆
樹脂よりも耐熱性に優れたものを用いるのがよい。そし
て、これらの繊維には表面処理を施すのが好ましく、こ
こで言う表面処理とは、一般に言われているプライマー
処理のことであって、連続繊維と、これに被覆される熱
可塑性樹脂との接着性を向上させるために採用される前
処理であって、シラン系やボラン系のカップリング剤で
行う表面処理である。
ば、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊
維、ビニロン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維
等が挙げられ、これらのモノフィラメント、ストラン
ド、ヤーン等の連続繊維が用いられるが、後述する被覆
樹脂よりも耐熱性に優れたものを用いるのがよい。そし
て、これらの繊維には表面処理を施すのが好ましく、こ
こで言う表面処理とは、一般に言われているプライマー
処理のことであって、連続繊維と、これに被覆される熱
可塑性樹脂との接着性を向上させるために採用される前
処理であって、シラン系やボラン系のカップリング剤で
行う表面処理である。
【０００９】本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、
ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル等が挙げられ、
要は押し出し被覆できる樹脂であれば採用可能である。
また、これらの熱可塑性樹脂は、最終的に得られる成形
品に応じて、単独でまたは複数の混合物として用いるこ
とができ、また更に、必要に応じて熱安定剤、可塑剤、
酸化防止剤、顔料、滑剤、その他の添加剤を配合して使
用する。特に、剛性に優れたものを得るには、クレー、
炭酸カルシウム等の無機系添加剤を用いるのがよい。
リプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、
ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル等が挙げられ、
要は押し出し被覆できる樹脂であれば採用可能である。
また、これらの熱可塑性樹脂は、最終的に得られる成形
品に応じて、単独でまたは複数の混合物として用いるこ
とができ、また更に、必要に応じて熱安定剤、可塑剤、
酸化防止剤、顔料、滑剤、その他の添加剤を配合して使
用する。特に、剛性に優れたものを得るには、クレー、
炭酸カルシウム等の無機系添加剤を用いるのがよい。
【００１０】本発明に於いて、多数本の連続繊維を長手
方向に引き揃えたものを芯材とし、その周囲を熱可塑性
樹脂で被覆した紐状の複合体からなる基糸を得る方法と
しては、成形性、得られる製品の品質等の点で押出成形
方法を採用するのが最も好ましく、例えば、直径が５〜
数１０μｍの連続した繊維からなるロービング状或いは
ストランド状の連続繊維を用い、この連続繊維の多数本
を、ボビンから一方向に引き出しながら、例えば環状の
枠体からなる整列装置の中を通して、種々の形状に並列
もしくは束ねた状態となし、例えば、図１に示すよう
な、押出機１の先端にクロスヘッドダイ２を付設した押
出被覆装置３の中に、並列した束状の連続繊維４を導入
し、クロスヘッドダイ２を出たところで、連続繊維４の
周囲に溶融樹脂５を被覆し、冷却装置６を用いて冷却固
化させて引き取れば、紐状の複合体７を連続的に得るこ
とができる。
方向に引き揃えたものを芯材とし、その周囲を熱可塑性
樹脂で被覆した紐状の複合体からなる基糸を得る方法と
しては、成形性、得られる製品の品質等の点で押出成形
方法を採用するのが最も好ましく、例えば、直径が５〜
数１０μｍの連続した繊維からなるロービング状或いは
ストランド状の連続繊維を用い、この連続繊維の多数本
を、ボビンから一方向に引き出しながら、例えば環状の
枠体からなる整列装置の中を通して、種々の形状に並列
もしくは束ねた状態となし、例えば、図１に示すよう
な、押出機１の先端にクロスヘッドダイ２を付設した押
出被覆装置３の中に、並列した束状の連続繊維４を導入
し、クロスヘッドダイ２を出たところで、連続繊維４の
周囲に溶融樹脂５を被覆し、冷却装置６を用いて冷却固
化させて引き取れば、紐状の複合体７を連続的に得るこ
とができる。
【００１１】その他の方法としては、予め連続繊維に粉
体状の熱可塑性樹脂を付着させておき、これを同じく並
列もしくは束ねた状態で一方向に移送しつつ、その周囲
を熱可塑性樹脂フイルムで、逐次被覆（ラミネート）す
る方法がある。しかして、紐状の複合体中の繊維量は、
用いる繊維の種類、形状、太さ等にもよるが、１０〜７
５容量％とするのがよく、１０％未満では充分な補強効
果が得られず、７５容量％を超えると、後工程の織成も
しくは編成が困難となる。
体状の熱可塑性樹脂を付着させておき、これを同じく並
列もしくは束ねた状態で一方向に移送しつつ、その周囲
を熱可塑性樹脂フイルムで、逐次被覆（ラミネート）す
る方法がある。しかして、紐状の複合体中の繊維量は、
用いる繊維の種類、形状、太さ等にもよるが、１０〜７
５容量％とするのがよく、１０％未満では充分な補強効
果が得られず、７５容量％を超えると、後工程の織成も
しくは編成が困難となる。
【００１２】紐状の複合体の断面形状、大きさについて
は、特に限定されないが、後工程の織成もしくは編成す
るときの織り方や織機の種類、使用している樹脂や繊維
の種類等の要素によって、適宜設定され得る性質のもの
であるが、例えば、断面形状が図２に示すような長四角
形のもの、或いは円形のもの、楕円形のもの等種々挙げ
られる。
は、特に限定されないが、後工程の織成もしくは編成す
るときの織り方や織機の種類、使用している樹脂や繊維
の種類等の要素によって、適宜設定され得る性質のもの
であるが、例えば、断面形状が図２に示すような長四角
形のもの、或いは円形のもの、楕円形のもの等種々挙げ
られる。
【００１３】叙上のようにして得られた紐状の複合体を
用いて、シート状に織成もしくは編成する方法として
は、特に制限は無く、従来公知の方法を採用することが
できる。織り方の種類としては、例えば平織り、繻子織
り、朱子織り等が挙げられ、既製の各種織機や編機にか
けて、所期のシートに織成等すればよい。また更に、織
成等の方法としては、上述のような機械織りのみなら
ず、場合によっては、割り竹を素材として、ざるを編成
するときのような人手による方法も挙げられる。細い糸
を時間をかけて丁寧に織る必要はなく、要は丁度帆布の
ような織り構造のものが好適である。図３に、図２に示
した紐状の複合体７を用いて平織りにより織成した本発
明複合シート８の一例を示す。この複合シート８は、経
緯の基糸が、それぞれ異種の樹脂にて被覆された２種類
の基糸７１と７２とを交互に配置して織成された例を示
している。
用いて、シート状に織成もしくは編成する方法として
は、特に制限は無く、従来公知の方法を採用することが
できる。織り方の種類としては、例えば平織り、繻子織
り、朱子織り等が挙げられ、既製の各種織機や編機にか
けて、所期のシートに織成等すればよい。また更に、織
成等の方法としては、上述のような機械織りのみなら
ず、場合によっては、割り竹を素材として、ざるを編成
するときのような人手による方法も挙げられる。細い糸
を時間をかけて丁寧に織る必要はなく、要は丁度帆布の
ような織り構造のものが好適である。図３に、図２に示
した紐状の複合体７を用いて平織りにより織成した本発
明複合シート８の一例を示す。この複合シート８は、経
緯の基糸が、それぞれ異種の樹脂にて被覆された２種類
の基糸７１と７２とを交互に配置して織成された例を示
している。
【００１４】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合シート
を用いて、熱プレス成形するに際して、用いられる成形
機は、スタンピング成形に使用されるものがそのまま転
用可能であり、金型は通常、上下の二つの金型からな
り、複合シートを装入して閉合し加熱した状態でプレス
する方式のものである。また、プレス成形に際して、本
発明の複合シートと、他の材料、例えば、ポリプロピレ
ン製シートのような熱可塑性樹脂製シートと重ね合わせ
てプレスし積層体とすることも任意である。
を用いて、熱プレス成形するに際して、用いられる成形
機は、スタンピング成形に使用されるものがそのまま転
用可能であり、金型は通常、上下の二つの金型からな
り、複合シートを装入して閉合し加熱した状態でプレス
する方式のものである。また、プレス成形に際して、本
発明の複合シートと、他の材料、例えば、ポリプロピレ
ン製シートのような熱可塑性樹脂製シートと重ね合わせ
てプレスし積層体とすることも任意である。
【００１５】
【作用】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合シートは、
多数本の連続繊維を長手方向に引き揃えられたものを芯
材とし、その周囲を熱可塑性樹脂で被覆した紐状の複合
体を基糸として、シート状に織成もしくは編成されてな
るものであるから、複合体中の繊維対樹脂の比率は、基
糸における被覆樹脂量の調整により自在に変えることが
できる。また基糸の成形に、押出成形方法を採用すれ
ば、連続成形が可能である。また、シートの成形方法と
して、織成もしくは編成によることとしたので、繊維対
樹脂の比率如何によって成形速度が大きく影響されるこ
とがない。
多数本の連続繊維を長手方向に引き揃えられたものを芯
材とし、その周囲を熱可塑性樹脂で被覆した紐状の複合
体を基糸として、シート状に織成もしくは編成されてな
るものであるから、複合体中の繊維対樹脂の比率は、基
糸における被覆樹脂量の調整により自在に変えることが
できる。また基糸の成形に、押出成形方法を採用すれ
ば、連続成形が可能である。また、シートの成形方法と
して、織成もしくは編成によることとしたので、繊維対
樹脂の比率如何によって成形速度が大きく影響されるこ
とがない。
【００１６】また、スタンピング成形に用いるスタンパ
ブルシートは、その素材が短繊維からなるので、比較的
厚手の積層シートを素材とせざるを得ず、厚手の製品し
かできないが、本発明の複合シートは、連続繊維を使用
しているので、薄手のものとすることができ、製品の厚
さが０．５ｍｍ程度の薄物から製造可能である。
ブルシートは、その素材が短繊維からなるので、比較的
厚手の積層シートを素材とせざるを得ず、厚手の製品し
かできないが、本発明の複合シートは、連続繊維を使用
しているので、薄手のものとすることができ、製品の厚
さが０．５ｍｍ程度の薄物から製造可能である。
【００１７】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
シランカップリング剤で前処理した撚りの浅いガラス繊
維（０．３ｍｍ径）の１０本を平面状に引き揃えた状態
にして、連続的に一方向に移送しつつ、図１に示すクロ
スヘッドダイ２に導入し、その周囲に別途押出機１から
の溶融したポリプロピレン樹脂５をダイ２の出口のとこ
ろで被覆し、被覆厚さが０．５ｍｍの図２に示すような
紐状の複合体７を得た。
シランカップリング剤で前処理した撚りの浅いガラス繊
維（０．３ｍｍ径）の１０本を平面状に引き揃えた状態
にして、連続的に一方向に移送しつつ、図１に示すクロ
スヘッドダイ２に導入し、その周囲に別途押出機１から
の溶融したポリプロピレン樹脂５をダイ２の出口のとこ
ろで被覆し、被覆厚さが０．５ｍｍの図２に示すような
紐状の複合体７を得た。
【００１８】次に、この複合体７を用いて、平織機にか
けて、図３に示すような複合シート８を織成した。得ら
れたシート８を２枚重ねとし、熱プレス機に半球状の金
型を装着し、金型温度を２４０℃にセットしてこの金型
内にシートを装入し、プレス成形して肉厚が１．９ｍｍ
の碗状の成形品を成形した。
けて、図３に示すような複合シート８を織成した。得ら
れたシート８を２枚重ねとし、熱プレス機に半球状の金
型を装着し、金型温度を２４０℃にセットしてこの金型
内にシートを装入し、プレス成形して肉厚が１．９ｍｍ
の碗状の成形品を成形した。
【００１９】次に、得られた成形品から巾１０ｍｍ×長
さ１００ｍｍの寸法の試験片を切り取り、同じ肉厚を有
する従来方法によると思われる碗状の成形品と共に、引
張強度とアイゾット衝撃強度と同様な方法で衝撃強度を
測定した結果、本発明品の場合は、それぞれ１３００ｋ
ｇ／ｃｍ2、１２０ｋｇ・ｃｍ／ｃｍであった。これに
対して、従来品は、７００ｋｇ／ｃｍ2、８５ｋｇ・ｃ
ｍ／ｃｍであった。
さ１００ｍｍの寸法の試験片を切り取り、同じ肉厚を有
する従来方法によると思われる碗状の成形品と共に、引
張強度とアイゾット衝撃強度と同様な方法で衝撃強度を
測定した結果、本発明品の場合は、それぞれ１３００ｋ
ｇ／ｃｍ2、１２０ｋｇ・ｃｍ／ｃｍであった。これに
対して、従来品は、７００ｋｇ／ｃｍ2、８５ｋｇ・ｃ
ｍ／ｃｍであった。
【００２０】
【発明の効果】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合シー
トは、多数本の連続繊維を長手方向に引き揃えられたも
のを芯材とし、その周囲を熱可塑性樹脂で被覆した紐状
の複合体を基糸として、シート状に織成もしくは編成さ
れてなるものであるから、複合体中の繊維対樹脂の比率
は、基糸における被覆樹脂量の調整により自在に変える
ことができる。また基糸の成形に、押出成形方法を採用
すれば、連続成形が可能である。また、シートの成形方
法として、織成もしくは編成によることとしたので、繊
維対樹脂の比率如何によって成形速度が大きく影響され
ることがない。
トは、多数本の連続繊維を長手方向に引き揃えられたも
のを芯材とし、その周囲を熱可塑性樹脂で被覆した紐状
の複合体を基糸として、シート状に織成もしくは編成さ
れてなるものであるから、複合体中の繊維対樹脂の比率
は、基糸における被覆樹脂量の調整により自在に変える
ことができる。また基糸の成形に、押出成形方法を採用
すれば、連続成形が可能である。また、シートの成形方
法として、織成もしくは編成によることとしたので、繊
維対樹脂の比率如何によって成形速度が大きく影響され
ることがない。
【００２１】また、スタンピング成形に用いるスタンパ
ブルシートは、その素材が短繊維からなるので、比較的
厚手の積層シートを素材とせざるを得ず、厚手の製品し
かできないが、本発明の複合シートは、連続繊維を使用
しているので、薄手のものとすることができ、製品の厚
さが０．５ｍｍ程度の薄物から製造可能である。従っ
て、複合シートを構成する素材である紐状の複合シート
の材質を、広範囲に選択採用することができるので、市
場で要求される品質のものを、容易に成形することがで
きる。
ブルシートは、その素材が短繊維からなるので、比較的
厚手の積層シートを素材とせざるを得ず、厚手の製品し
かできないが、本発明の複合シートは、連続繊維を使用
しているので、薄手のものとすることができ、製品の厚
さが０．５ｍｍ程度の薄物から製造可能である。従っ
て、複合シートを構成する素材である紐状の複合シート
の材質を、広範囲に選択採用することができるので、市
場で要求される品質のものを、容易に成形することがで
きる。
【００２２】また、プレスされる複合シートは、織成も
しくは編成されたものであるから、機械的強度の縦横方
向のバランスに優れたものが得られ、且つ、厚み方向に
対する強度も具備されており、積層体等でよく見受けら
れる強化繊維層での層間剥離等は起こり得ないものとな
っている。
しくは編成されたものであるから、機械的強度の縦横方
向のバランスに優れたものが得られ、且つ、厚み方向に
対する強度も具備されており、積層体等でよく見受けら
れる強化繊維層での層間剥離等は起こり得ないものとな
っている。
【図１】本発明に用いる基糸を製造する為の装置の要部
のみを示す一部切欠断面図である。
のみを示す一部切欠断面図である。
【図２】図１に示す装置を用いて成形した基糸の断面の
状態を示す一部切欠斜視図である。
状態を示す一部切欠斜視図である。
【図３】図２に示す基糸を用いて織成した本発明複合シ
ートの一例を示す斜視図である。
ートの一例を示す斜視図である。
１ 押出機 ２ クロスヘッドダイ ３ 押出被覆装置 ４ 連続繊維 ５ 溶融樹脂 ７ 紐状の複合体 ８ 本発明複合シート ７１ 基糸 ７２ 基糸
Claims (1)
- 【請求項１】 多数本の連続繊維を長手方向に引き揃え
たものを芯材とし、その周囲を熱可塑性樹脂で被覆した
紐状の複合体を基糸として、織成もしくは編成されてな
ることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂複合シート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24801991A JPH0584736A (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 繊維強化熱可塑性樹脂複合シート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24801991A JPH0584736A (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 繊維強化熱可塑性樹脂複合シート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0584736A true JPH0584736A (ja) | 1993-04-06 |
Family
ID=17171996
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24801991A Pending JPH0584736A (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 繊維強化熱可塑性樹脂複合シート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0584736A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0787573A1 (de) * | 1996-02-02 | 1997-08-06 | Basf Aktiengesellschaft | Flächiger Verbundwerkstoff |
Citations (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS645822A (en) * | 1987-06-27 | 1989-01-10 | Daido Steel Co Ltd | Manufacture of fiber reinforced formed material |
| JPS6443532A (en) * | 1987-08-10 | 1989-02-15 | Daido Steel Co Ltd | Intermediate for molding fiber-reinforced thermoplastic resin |
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| JPH03236942A (ja) * | 1990-02-15 | 1991-10-22 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 繊維補強熱可塑性樹脂材およびその製造方法 |
-
1991
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