JPH0584421A

JPH0584421A - 空気清浄器

Info

Publication number: JPH0584421A
Application number: JP3248110A
Authority: JP
Inventors: Shuzo Tokumitsu; 修三徳満; Noboru Naruo; 昇成尾
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1991-09-27
Filing date: 1991-09-27
Publication date: 1993-04-06

Abstract

(57)【要約】【目的】低騒音で大風量を得るに際して低圧損で高効率
の空気清浄器を得る。【構成】放電線19および対向電極板20によるコロナ放電
によって空気に含まれる粉塵はイオン化される。そし
て、集塵フィルタ16により空気とともに通過するイオン
化された粉塵を捕集する。さらに、粉粒状吸着剤を担持
した通気性面状物を折り込み加工し、この通気性面状物
に空気を通して脱臭する脱臭フィルタ17は、悪臭空気の
通過面積を極めて広くとることができので、低騒音で大
風量を得るに際して圧損は小さくなり、また、通過面積
の広い分、吸着剤の粒あるいは粉末を接着して多量の吸
着剤を担持できるので、高い脱臭性能が発揮される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は室内空気などを通して清
浄化する空気清浄器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、一般家庭などにおける集塵や脱臭
などの要望は年々強くなり、たばこの煙や臭い除去、ペ
ットやトイレの臭い除去、ハウスダストの除去などの要
望が、建築物の密閉度の向上や冷暖房機器の普及に伴っ
て高まってきている。

【０００３】一般に、室内や車内などで使用されている
空気清浄器は、比較的低濃度の粉塵や臭気を効率良く除
去することが必要とされ、ＨＥＰＡフィルタ、静電フィ
ルタ、電気集塵などの集塵部と活性炭充填層などの脱臭
部とを組み合わせることにより実用化されている。この
浄化効率を高めるためには、ワンパスの効率を高めると
ともに、風量を高めて循環を早くすることが重要であ
る。

【０００４】このような方式のなかで低圧損、高い効率
でメインタナンスの簡単な空気清浄器には、コロナ放電
による粉塵のイオン化部と、イオン化された粉塵を捕集
するシート状エレクトレットフィルタと、ハニカム状基
材のセル内に破砕した活性炭などの吸着剤を入れ、かつ
このハニカム状基材の両面に不織布を貼り合わせてなる
脱臭フイルタとを有するものがある。

【０００５】以下、従来の空気清浄器における脱臭フィ
ルタの構成について図面を参照しながら説明する。図11
は従来の空気清浄器における脱臭フィルタを示し、ａは
その断面図、ｂはａのＥ部拡大図である。図12は図11に
おけるハニカム状基材１の拡大斜視図である。図11およ
び図12において、ハニカム状基材１は、アルミニウムの
薄板やクラフト紙をフェノール系樹脂などで硬化したも
ので成る蜂の巣状のものである。このハニカム状基材１
のセル２内に吸着剤３を入れ、両面に不織布４を、くも
の巣状接着シート５で接合している。以上により脱臭フ
ィルタ６が構成される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の各
フィルタでは、低圧損で高い効率が要望されているもの
の、特に、脱臭フィルタ６においてはその内部の吸着剤
３として通常微粒子も含まれるので、不織布４の繊維目
付量を多くしなければならなくなり、圧損が高くなると
いう問題があった。

【０００７】本発明は上記従来の問題を解決するもの
で、低騒音で大風量を得るに際して低圧損で高効率の空
気清浄器を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の空気清浄器は、コロナ放電によって空気に含
まれた粉塵をイオン化するイオン化部と、前記空気とと
もに通して前記イオン化された粉塵を捕集するシート状
エレクトレットフィルタと、粉粒状吸着剤を担持した通
気性面状物を折り込み加工し、前記通気性面状物に前記
空気を通して脱臭する脱臭フィルタとを備えたものであ
る。

【０００９】また、本発明の空気清浄器は、空気に含ま
れた粉塵を捕集する折り込み形メルトブローンエレクト
レットフィルタと、粉粒状吸着剤を担持した通気性面状
物を折り込み加工し、前記通気性面状物に前記空気を通
して脱臭する脱臭フィルタとを備えたものである。

【００１０】さらに、本発明の空気清浄器は、コロナ放
電によって空気に含まれた粉塵をイオン化するイオン化
部と、前記空気とともに通して前記イオン化された粉塵
を捕集する巻回式フィルム電極と、粉粒状吸着剤を担持
した通気性面状物を折り込み加工し、前記通気性面状物
に前記空気を通して脱臭する脱臭フィルタとを備えたも
のである。

【００１１】

【作用】上記構成により、粉粒状吸着剤を担持した通気
性面状物を折り込み加工し、この通気性面状物に空気を
通して脱臭する脱臭フィルタは、悪臭空気の通過面積を
極めて広くとることができので、低騒音で大風量を得る
に際して圧損は小さくなり、また、通過面積の広い分、
吸着剤の粒あるいは粉末を接着するなどして多量の吸着
剤を担持できるので、高い脱臭性能が発揮される。ま
た、空気に含まれた粉塵を捕集する折り込み形メルトブ
ローンエレクトレットフィルタは、メルトブローン製法
による極細繊維を使い、かつエレクトレット加工を施す
とともに、折り込み形にし面積が広いので、コロナ放電
による粉塵のイオン化部がなくても低圧損で集塵効率も
高く、したがって、イオン化部の高電圧による危険は解
消される。さらに、巻回式のフィルム電極で集塵するの
で、フィルタ方式に比べて極めて低圧損で集塵効率も高
く、低騒音の空気清浄器が得られる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図１は本発明の第１の実施例における
空気清浄器の要部を示す縦断面図であり、図２は図１の
空気清浄器の斜視図である。図１および図２において、
空気清浄器のボディ11の前面には空気吸い込み口12が設
けられ、その上面には空気吹き出し口13、および電源の
入切や風量などを制御するコントロール部14が設けられ
ている。また、各フィルタをセットする治具15はボディ
11の上面中央部から空気の通路を横切るように挿入され
て設けられる。この治具15に集塵フィルタ16と脱臭フィ
ルタ17がそれぞれセットされる。

【００１３】また、空気吸い込み口12の内部近傍には空
気中の比較的大きい粉塵を除去するプレフィルタ18が設
けられ、このプレフィルタ18を空気とともに通過した比
較的小さな粉塵をイオン化するコロナ放電のための放電
線19がプレフィルタ18よりさらに内部に設けられてい
る。この放電線19の対向電極板20が各放電線19の中間点
に設けられており、この放電線19は陽極側となり、放電
線19および対向電極板20で粉塵をイオン化するイオン化
部を構成している。

【００１４】さらに、集塵フィルタ16の分極を強化する
ために、放電線19の対極としては脱臭フィルタ17の少な
くとも片面の導電性部分が機能する。ここで、集塵フィ
ルタ16は厚さ約10μｍ、幅約38μｍのエレクトレット化
したポリプロピレン繊維の不織布で、目付量約150 ｇ／
ｍ²である。その寸法は横454 mm×縦302 mmである。こ
のようなシート状エレクトレットフィルタである集塵フ
ィルタ16は、空気とともに通されてイオン化された粉塵
を捕集する。

【００１５】さらには、治具15に対してプレフィルタ18
さらに放電線19などのある側とは反対側にモータ21、モ
ータ21の駆動で回転するファン部22および空気流路23が
設けられ、ファン部22により空気を空気吸い込み口12か
ら吸い込んで空気流路23を介して空気吹き出し口13から
吹き出す構成である。

【００１６】図３は図１の脱臭フィルタ17の斜視図であ
り、図４は図１の脱臭フィルタ17の一部横断面図であ
る。図３および図４において、脱臭フィルタ17は通気性
面状脱臭材17ａを折り込み加工し、それを枠板17ｂで固
定したものである。この通気性面状脱臭材17ａにおける
折り込み加工のピッチと山の高さは、脱臭性能、圧損、
装置の大きさなどを勘案して決定されるが、一般的にピ
ッチは４mm〜15mm、山の高さは５mm〜50mmが望ましい。
また、通気性面状脱臭材17ａは、ここではポリエステル
製の不織布に粉粒状吸着剤を担持したものである。吸着
剤としては活性炭、ゼオライト，シリカゲル，アルミナ
ゲル、またはこれらのものに臭い成分に有効な薬品を添
着したものなどを用いる。ここでは、100mesh 以下で比
表面積約1100ｍ²／ｇ（ＢＥＴ法）の椰子殻活性炭約75
重量部に、ゴムラテックスおよびカルボキシメチルセル
ロース（ＣＭＣ）などから成るバインダー約25重量部を
混合したものを、表１の脱臭フィルタＡになる不織布に
含浸した後乾燥した。乾燥後の活性炭の目付量は約201
ｇ／ｍ²であった。さらに、このうちの３分の１（面積
比）をりんご酸14重量部，硫酸第一鉄６重量部の溶液に
浸漬して乾燥した。この浸漬した部分は約27重量％（吸
着剤の中の割合）のりんご酸＋硫酸第一鉄が添着されて
いる。その次にフィルタ全体にアニリンが約6.5重量％
添着されるように、アニリンガスを吸着させた。その
後、表１に示す寸法で折り込み加工した。このようにし
て得られた表１の脱臭フィルタＡは横454mm ×縦302mm
×厚さ30mmで、吸着剤の全量は約316 ｇである。この脱
臭フィルタＡの導電率は約80ＫΩ／30cmであり、静電集
塵時の電極を兼ね、集塵フィルタ16の帯電を強化してい
る。以上により脱臭フィルタ17が構成され、粉粒状吸着
剤を担持した通気性面状脱臭材17ａを折り込み加工し、
この通気性面状脱臭材17ａに空気を通し脱臭する。

【００１７】

【表１】

【００１８】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。まず、モータ21の駆動によるファン部22の回転によ
り空気吸い込み口12より吸引された空気は、プレフィル
タ18で大きい粉塵が除去される。続いて、放電線19のコ
ロナ放電により細かい埃や煙がプラスに帯電して集塵フ
ィルタ16に捕らえられる。その後、臭い成分などのガス
成分は、脱臭フィルタ17の吸着剤で吸着される。このよ
うにして浄化された空気は空気流路23を経て空気吹き出
し口13から室内に出ていく。このとき、脱臭フィルタ17
は、粉粒状吸着剤を担持した通気性面状物を折り込み加
工し、この通気性面状物に空気を通して脱臭するので、
悪臭空気の通過面積を極めて広くとることができて圧損
は小さくなり、また、通過面積の広い分多量の吸着剤を
担持できて高い脱臭性能が得られる。

【００１９】図５は本発明の第２の実施例における空気
清浄器の要部を示す縦断面図であり、図６は図５の集塵
フィルタ31の斜視図である。図５および図６において、
集塵フィルタ31および脱臭フィルタ32は治具33にセット
され、治具33はボディ34の上面中央部から空気の通路を
横切るように挿入されて設けられる。集塵フィルタ31は
メルトブローン製法で作られた直径が２〜３μｍの極細
で、かつエレクトレット化されたポリプロピレン繊維の
不織布の通気性面状集塵材31ａであり、かつ、これを高
さ25mm、ピッチ5.5mm に折り込み形に加工し、周囲を厚
手の不織布の枠板31ｂで形決めしている。この不織布の
通気性面状集塵材31ａの目付は約60ｇ／ｍ²である。そ
の寸法は横454mm ×縦302mm である。以上により折り込
み形メルトブローンエレクトレットフィルタである集塵
フィルタ31が構成され、空気に含まれた粉塵を捕集す
る。

【００２０】また、脱臭フィルタ32は、第１の実施例と
同じ方法で表１に示すポリエステル製のメッシュに活性
炭を担持した。この活性炭の目付量は約262 ｇ／ｍ²で
あった。さらに、このうちの３分の１（面積比）をりん
ご酸14重量部、硫酸第一鉄６重量部の溶液に浸漬して乾
燥した。この浸漬した部分は約27重量％（吸着剤の中の
割合）のりんご酸＋硫酸第一鉄が添着されている。その
次にフィルタ全体にアニリンが約6.5 重量％添着される
ようにアニリンガスを吸着させた。その後、表１に示す
寸法で折り込み加工した。このようにして得られた表１
の脱臭フィルタＢは横454mm ×縦302mm ×厚さ23mmで、
吸着剤の全量は約316ｇである。以上により脱臭フィル
タ32が構成され、粉粒状吸着剤を担持した通気性面状物
を図４の場合と同様に折り込み加工し、この通気性面状
物に空気を通して脱臭する。図７は脱臭フィルタ32の一
部拡大図であり、35はメッシュ表面の吸着剤である。

【００２１】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。まず、モータ21の駆動によるファン部22の回転によ
り、空気吸い込み口12より吸引された空気は、プレフィ
ルタ18で大きい粉塵が除去される。続いて、極細繊維の
フィルタ効果とエレクトレット効果により細かい埃や煙
が集塵フイルタ31に捕らえられる。その後、臭い成分な
どのガス成分は、脱臭フィルタ32の吸着剤35で吸着され
る。このようにして浄化された空気は空気流路23を経て
空気吹き出し口13より室内に出ていく。このとき、空気
に含まれた粉塵を捕集する折り込み形メルトブローンエ
レクトレットフィルタである集塵フイルタ31は、メルト
ブローン製法による極細繊維を使い、かつエレクトレッ
ト加工を施すとともに、折り込み形にし面積が広いの
で、コロナ放電による粉塵のイオン化部がなくても低圧
損で集塵効率も高い。したがって、ここでは、粉塵をイ
オン化する放電線および対向電極板はなく、極めて安全
性が高い。

【００２２】図８は本発明の第３の実施例における空気
清浄器の要部構成図である。図８において、空気清浄器
は、大きく分けると３つの部分から成っている。まず一
つは、小さな粉塵をイオン化するコロナ放電のための放
電線41（陽極）と、この放電線41の対向電極板42からな
るイオン化部である。次に、集塵部があり、これは集塵
電極43とその対向電極44、そしてそれらを絶縁するフィ
ルム45とフィルム46からなり、これらは巻回されてい
る。ここで、集塵電極43と対向電極44はアルミ箔で、フ
ィルム45とフィルム46はポリエチレンで作られる。この
集塵部の寸法は横454mm ×縦302mm ×奥行き60mmとし
た。以上により巻回式フィルム電極が構成され、空気と
ともに通してイオン化された粉塵を捕集する。さらに、
脱臭部があり、これは脱臭フィルタ47で構成されてい
る。ファン48はクロスフローファンを用い、矢印ｄはフ
ァン48による空気の流れを示している。

【００２３】図９は図８の脱臭フィルタ47の構成を示
し、ａはその断面図、ｂはその平面図であり、図10は図
８の脱臭フィルタ47における立体編み物49の拡大斜視図
である。図９および図10において、脱臭フィルタ47は立
体編み物49に吸着剤50を担持したものを、折り込み加工
したものから構成されている。多角形網目状のセル51か
らなる立体編み物49は、撚糸で編まれた表裏の多角形の
網52、53を平行に連結糸54で繋いだものである。ここで
は表裏の多角形の網52、53はポリエステルの撚糸でな
り、連結糸54はナイロンの単糸を使った。また、セル51
の寸法は一般的に１ ₁，１₂寸法で表示されるが、この
１₁，１₂寸法とｃ2 寸法はフィルタの性能を大きく左
右する。つまり、使用する活性炭などの吸着剤50の量と
許される圧損とで最適な寸法を設定する。一般的に
１₁，１₂寸法は1.5mm 〜10mm、ｃ2 寸法は1.5mm 〜10
mmが望ましい。ここでは、１₁を2.5mm 、１₂を4.5mm
、ｃ2 を3.0mm のものを使った。脱臭フィルタ47は、
このような立体編み物49の網52、53および連結糸54に吸
着剤50を担持したものである。ここでは、第１および第
２の実施例と同じ椰子殻活性炭約80重量部に、ゴムラテ
ックスおよびカルボキシメチルセルロース（ＣＭＣ）な
どかなるバインダー約20重量部を混合したものを、立体
編み物49に含浸した後乾燥した。乾燥後の活性炭の目付
量は約533 ｇ／ｍ²であった。さらに、第１および第２
の実施例と同じようにして、りんご酸＋硫酸第一鉄、ア
ニリンを添着した。その後、表１に示す寸法で折り込み
加工した。このようにして得られた表１の脱臭フィルタ
Ｃは横454mm ×縦302mm ×厚さ30mmで、吸着剤の全量は
300 ｇである。以上により脱臭フィルタ47が構成され、
粉粒状吸着剤を担持した通気性面状物を図４の場合と同
様に折り込み加工し、この通気性面状物に空気を通して
脱臭する。

【００２４】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。まず、ファン48の回転により、空気吸い込み口より
吸引された空気は、プレフィルタで大きい粉塵を除去さ
れる。続いて、放電線41のコロナ放電により細かい埃や
煙がプラスに帯電し、巻回された集塵電極43に捕らえら
れる。その後、臭い成分などのガス成分は脱臭フィルタ
47の吸着剤50で吸着され、浄化された空気が空気吹き出
し口より出ていく。このとき、巻回式のフィルム電極の
集塵電極43で集塵するので、フィルタ方式に比べて極め
て低圧損で集塵効率も高い。

【００２５】以上の第１〜第３の実施例の空気清浄器
と、従来の空気清浄器の特性を比較する。第１〜第３の
実施例の空気清浄器をそれぞれ実施例１〜３とし、従来
の空気清浄器を比較例とする。比較例しては、集塵部は
実施例１の場合と同じくイオン化部とエレクトレットフ
ィルタからなり、脱臭フィルタとしては図11、12に示す
フィルタからなるものである。この比較例における脱臭
フィルタ６は、クラフト紙のセルの寸法１は12mm、厚さ
ｃ₁は７mm、また、吸着剤３は６mesh〜12mesh（約４mm
〜２mm）の、アルデヒド用、アンモニア用、硫黄化合物
系用および炭化水素用の４種の破砕炭300 ｇを用いた。
また、不織布４はポリエステル，アクリル，ＰＰ，ＰＥ
などの熱可塑性樹脂から成り、導伝処理をほどこした繊
維状不織布で、目付重量30ｇ／ｍ²のものを使用した。
さらに、くもの巣状接着シート５は目付重量16ｇ／ｍ²
のナイロン製を使い、フィルタの寸法は454mm ×縦302m
m の大きさにした。１．脱臭性能 (1) １ｍ³の密閉箱中でたばこ（セブンスター）を１本
自然燃焼させた後、実施例１〜３と比較例の空気清浄器
をそれぞれ運転し、箱中のガス濃度をＦＩＤ検出器付き
ガスクロマトグラフィで分析し、減衰曲線を求めた。そ
の結果、10分の１に減衰する時間はいずれも10分以内で
あり、非常に早かった。

【００２６】(2) また、たばこ喫煙者の居間でそれぞれ
の空気清浄器を１年間使用した後に、(1) と同じ方法で
10分間測定を行ったところ、全て80％以上の除去率であ
り、まだ十分に脱臭能力があることが分った。２．圧損、騒音、集塵性能圧損の評価は集塵部と脱臭部を合わせたものを、風速45
cm／sec で測定した。騒音と塵埃捕集率は、それぞれの
空気清浄器について風速３ｍ³／min で測定した。

【００２７】その結果を表２に示す。

【００２８】

【表２】

【００２９】表２から明らかなように、本発明の実施例
１〜３の空気清浄器はいずれも比較例である従来の空気
清浄器よりも圧損が低く、低騒音である。特に、巻回式
フィルム電極による集塵の実施例３においては、圧損が
極めて低いために、音の小さいクロスフローファンが使
えるのでその効果が著しい。また、実施例２においては
高電圧のイオン化部がないので、安全性が高く、さらに
安価に空気清浄器を構成することができる。

【００３０】なお、以上、第１〜第３の実施例について
説明したが、第１〜第３の実施例における集塵部および
脱臭部の組合せは本発明を何等限定するものではなく、
集塵部および脱臭部を目的によって最適な組合せで使う
ことが望ましい。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、通気性面
状物を折り込み加工することによって、悪臭空気の通過
面積を極めて広くできるとともに、吸着剤の量が増える
ため、低圧損、高脱臭性能化を達成することができる。
また、折り込み形メルトブローンエレクトレットフィル
タを用いれば、コロナ放電による粉塵のイオン化部を必
要とせず、安全性の高い安価な空気清浄器を得ることが
できる。さらに、低圧損型の巻回式のフィルム電極より
なる集塵部を用いれば、フィルタ方式に比べて全体の圧
損を極めて低くすることができ、かつ集塵効率、脱臭性
能に優れ、かつ低騒音で大風量の空気清浄器を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における空気清浄器の要
部を示す縦断面図である。

【図２】図１の空気清浄器の斜視図である。

【図３】図１の脱臭フィルタ17の斜視図である。

【図４】図１の脱臭フィルタ17の一部横断面図である。

【図５】本発明の第２の実施例における空気清浄器の要
部を示す縦断面図である。

【図６】図５の集塵フィルタ31の斜視図である。

【図７】図５の脱臭フィルタ32の一部拡大図である。

【図８】本発明の第３の実施例における空気清浄器の要
部を示す構成図である。

【図９】図８の脱臭フィルタ47を示し、ａはその断面
図、ｂはその平面図である。

【図10】図８の脱臭フィルタ47における立体編み物49の
拡大斜視図である。

【図11】従来の空気清浄器における脱臭フィルタを示
し、ａはその断面図、ｂはａのＥ部拡大図である。

【図12】図11におけるハニカム状基材１の拡大斜視図で
ある。

【符号の説明】 16 集塵フィルタ 17、32、47 脱臭フィルタ 17ａ通気性面状脱臭材 17ｂ、31ｂ枠板 19、41 放電線 20、42 対向電極板 31 メルトブローンフィルタ 31ａ通気性面状集塵材 35、50 吸着剤 43 集塵電極 44 対向電極 45、46 フィルム 49 立体編み物 54 連結糸

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】コロナ放電によって空気に含まれた粉塵を
イオン化するイオン化部と、前記空気とともに通して前
記イオン化された粉塵を捕集するシート状エレクトレッ
トフィルタと、粉粒状吸着剤を担持した通気性面状物を
折り込み加工し、前記通気性面状物に前記空気を通して
脱臭する脱臭フィルタとを備えた空気清浄器。
【請求項２】空気に含まれた粉塵を捕集する折り込み形
メルトブローンエレクトレットフィルタと、粉粒状吸着
剤を担持した通気性面状物を折り込み加工し、前記通気
性面状物に前記空気を通して脱臭する脱臭フィルタとを
備えた空気清浄器。
【請求項３】コロナ放電によって空気に含まれた粉塵を
イオン化するイオン化部と、前記空気とともに通して前
記イオン化された粉塵を捕集する巻回式フィルム電極
と、粉粒状吸着剤を担持した通気性面状物を折り込み加
工し、前記通気性面状物に前記空気を通して脱臭する脱
臭フィルタとを備えた空気清浄器。