JPH0584288A - 創傷被覆材 - Google Patents

創傷被覆材

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JPH0584288A
JPH0584288A JP27182191A JP27182191A JPH0584288A JP H0584288 A JPH0584288 A JP H0584288A JP 27182191 A JP27182191 A JP 27182191A JP 27182191 A JP27182191 A JP 27182191A JP H0584288 A JPH0584288 A JP H0584288A
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JP
Japan
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wound
coating material
water
temp
high polymer
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Pending
Application number
JP27182191A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Okano
光夫 岡野
Mikio Koide
幹夫 小出
Yukio Kiyota
由紀夫 清田
Masato Onishi
誠人 大西
Kenichi Shimura
賢一 志村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水に対する下限臨界溶解温度が0〜35℃の
範囲にある温度感応性高分子を基材に被覆してなる創傷
被覆材。 【効果】 創傷に適用された際に創面に密着し、表皮再
生を促進することができ、特に除去時に被覆材を加温ま
たは冷却することにより被覆材が創面に固着せず容易に
剥離することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、創傷、熱傷等による皮
膚欠損受傷の際、該皮膚欠損部位に適用され、該皮膚欠
損部位と接する創面と固着せず、治癒に伴って容易に剥
離可能な創傷被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】外傷性の皮膚創傷および採皮創等の創傷
および疾患に伴う創部に対する創傷治癒方法としては、
大別して創傷部を乾燥状態に保ち、痂皮を形成させて治
癒を行ういわゆるdry dressingと、適度の
湿潤環境をつくり、速やかな表皮細胞の遊走を行うwe
t dressingとが知られており、前者は浸出液
の貯留が少なく、感染が起こりにくく、また後者は創傷
の治癒も速やかであり、創傷部表面の乾燥壊死が少な
く、創面の保護効果も有することなどが知られている。
【0003】従来はガーゼ,脱脂綿が用いられていた
が、浸出液を速やかに吸収するために、創傷面が脱水症
状になり乾燥してしまい、その結果痂皮ができる。この
際にガーゼが創面に固着して離れにくく、剥す際に患者
に苦痛を与えてしまい、出血等を伴うものである。また
滲出液がガーゼを通して表面に出てくると、細菌が傷に
侵入する可能性が考えられる。
【0004】これに代わるものとして、吸湿性パッドと
非固着性フィルムからなるスポンジ状パッドと防水性絆
創膏を組み合わせたドレッシング(Airstri
,Smith & Nephew Limite
d)や高水蒸気透過性を有するポリウレタンフィルムと
接着剤層からなる接着性ドレッシング(Op−Site
,Smith & Nephew Limited;
Bioclusive,Johnson & Jo
hnson;Tegaderm3M)などが市販され
ている。また、被覆材の創傷部と接触する部位にコラー
ゲン、キチン、フィブリン等の生体高分子を用いるも
の、あるいはゴム系の素材中に保湿成分を分散させ密着
・非癒着・高含水状態の確保などを図ったもの、さらに
は本発明者らが以前提案した創傷部に接触する部位の少
なくとも一部が撥水性物質により被覆された生体適合性
のヒドロゲル形成性の支持層(例えば、カルボキシメチ
ルセルロース、アルギン酸塩系、ヒアルロン酸塩系、ポ
リ(メタ)アクリル酸塩系)と、該支持層の創傷部に接
触する部位とは反対側に形成された水分透過調節層とか
らなる創傷被覆材(特開昭62−183760号公報)
等があり、一定の成果をおさめている。
【0005】一方、dry dressingとして多
孔質高分子膜があるが、この場合dressingが創
面に固着してしまい剥す際に出血を伴う為、最近では創
面と接触する部位には非粘着性多孔フィルム(Melo
lin,Smith &Nephew Limite
d)を使用したドレッシングが市販されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の被覆材もあ
る程度の効果は有しているが、創傷部と接触する部分の
生体適合性を有する基材層の形成に用いられている材料
が、分解、脱落しやすく、創傷被覆材としての使用時に
おける物性に問題があり、さらにその分解、離脱物が異
物として認識されることがあり、創傷部の治癒を遅延さ
せる危険性があった。
【0007】そこで、本発明は創面への良好な密着性を
有し、創傷部と接触しても容易に分解、離脱することが
なく、創面の治癒に伴い、剥す際の出血を伴なわないで
容易に剥すことができる創傷被覆材を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は下記の構成を
有する創傷被覆材によって達成される。
【0009】(1)水に対する下限臨界溶解温度が0〜
35℃の範囲にある温度感応性高分子を基材に被覆して
なる創傷被覆材。
【0010】(2)1項の創傷被覆材に生理活性物質を
含有させた創傷被覆材。
【0011】本発明において、水に対する上限臨界溶解
温度とは、その温度より高い温度では水に溶解するが、
その温度以下の温度では水に溶解せず、水とは二層に分
かれる温度をいう。また、水に対する下限臨界溶解温度
とは、その温度より高い温度では水に溶解せず、水と接
触してもこれに溶解せず二層に分かれるが、その温度以
下では水に溶解する温度をいう。上記の性質を有する高
分子で創傷被覆材を被覆した場合には、除去時に該被覆
材を上限もしくは下限臨界溶解温度以上または以下に加
温または冷却することにより、被覆材表面が水溶性とな
るので容易に被覆材を剥離することができ、創面を痛め
たり、苦痛を与えることがない。さらに、基材表面の親
水性,疎水性のバランスを容易にコントロールすること
ができ、含有されている生理活性物質の基材からの放出
を制御することができる。
【0012】前記下限温度が0℃より低い高分子を使用
すると、被覆材除去時の冷却によりに皮膚に凍傷を与え
るおそれがあるので、前述した範囲の下限臨界溶解温度
をもつ高分子が望ましい。
【0013】本発明で被覆に用いられる感応性高分子ま
たはその共重合体は、以下のモノマーの重合または共重
合体により得られる。使用し得るモノマーとしては、例
えばアクリルアミド、メタクリルアミド等の(メタ)ア
クリルアミド化合物、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−エトキシエチ
ル(メタ)アクリルアミド等のN−アクリル置換(メ
タ)アクリルアミド誘導体、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−エチルメチルアクリルアミド
等のN,N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド誘
導体、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル誘導体
あるいはメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテ
ルなどがあげられるがこれらに限定されない。
【0014】下限臨界溶解温度が0〜35℃のものとし
てはN−イソプロピルアクリルアミド、あるいはジエチ
ルアクリルアミドの単独もしくは共重合体が特に好適に
使用される。
【0015】本発明で用いられる生理活性物質は、皮膚
細胞である表皮細胞と線維芽細胞の増殖を直接的または
間接的に促進しうるものであれば特に制限はなく、イン
シュリン、ハイドロコーチゾン、上皮細胞成長因子(E
GF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、ウロガストロ
ン等が挙げられ、特に上皮細胞成長因子(EGF)、ウ
ロガストロンは好適に用いられる。
【0016】上皮細胞成長因子(EGF)は、マウス顎
下腺より分離された、上皮細胞の増殖を促進する因子で
あり、マウスEGF(mEGF)は、53個のアミノ酸
からなるペプチドである。皮膚、舌、食道等の上皮組織
の細胞増殖と分化の促進などの作用を有している。
【0017】ウロガストロンは、ヒト尿中より単離され
たヒト上皮細胞増殖因子のことであり、上記マウスEG
Fとは、53個のアミノ酸のうち16個を異にする。ウ
ロガストロンは、胃液分泌抑制作用とともに細胞増殖作
用を有しており、創傷治療薬としての用途が期待されて
いる。
【0018】また、インシュリン、ハイドロコーチゾン
等のホルモンは細胞に対する種々の効果、特に細胞増殖
効果が期待されている。なかでもハイドロコーチゾン
は、今や創傷治癒における炎症抑制に欠かせない薬物と
されている。創傷被覆材の基材としては従来公知のもの
が特に制限なく使用される。例えば、不織布,織布,編
布あるいはメッシュ状、フィルム状、多孔質状またはス
ポンジ状の形態を有するポリマーが使用される。
【0019】本発明の創傷被覆材は例えば次のようにし
て製造される。まず、ポリ−N−イソプロピルアクリル
アミドは水溶液中で約32℃に下限臨界溶解温度を有す
ることが知られている。
【0020】例えばポリエステルメッシュ材料にポリ−
N−イソプロピルアクリルアミドを被覆すると、下限臨
界溶解温度である32℃以上ではポリ−N−イソプロピ
ルアクリルアミドの占有体積は小さくなり、ポリマー中
の水分子と分離するため、基材表面は疎水性を示し、逆
に32℃以下ではポリ−N−イソプロピルアクリルアミ
ドの占有体積は大きくなり、ポリマー中の水分子の占め
る体積分率が上昇するため、基材表面は親水性を示すよ
うになる。
【0021】また次の方法により得ることができる。ポ
リエステルメッシュにイソプロピルアルコールに溶解し
たN−イソプロピルアクリルアミドをプラズマ開始表面
グラフト重合して得られる。該被覆材を32℃以下の湿
潤環境下に維持したまま、生理活性物質の粉末あるいは
生理活性物質の水溶液を含浸させ、風乾することによっ
て得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例および実験例を示して本発明を
さらに具体的に説明する。
【0023】実施例1 (1)ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドの合成 N−イソプロピルアクリルアミド(東京化成(株))は
トルエンに溶解させ、石油エーテルで再沈精製した。精
製したN−イソプロピルアクリルアミド20gをベンゼ
ン溶液30mlに溶解させ、開始剤アゾビスイソブチロニ
トリル0.08gを加えた。窒素気流下で反応温度60
℃、反応時間24時間撹拌して重合した。この重合物を
テトラヒドロフランに溶解させ、エチルエーテルで再沈
した。上記の再沈精製操作を2回繰り返した。更に、室
温中で72時間、真空乾燥することにより目的物16g
を得ることができた。
【0024】(2)創傷被覆材の作成 上記(1)で合成した2%ポリ−N−イソプロピルアク
リルアミドのエタノール溶液をポリエステルメッシュに
被覆した後、クリーンベンチ内で風乾して得た。
【0025】実施例2 創傷被覆材の作成 ポリエステルメッシュに1分間アルゴンプラズマを照射
させ、5%のN−イソプロピルアクリルアミドのイソプ
ロピルアルコール溶液中に浸漬させ、30分間グラフト
重合を行って得た。
【0026】実施例3 創傷被覆材の作成 上記実施例2で得られた創傷被覆材を上皮細胞成長因子
を含有したりん酸緩衝液に浸漬させ、20℃に2時間処
理した。更に溶液を37℃に温度を上げてから取り出
し、クリーンベンチ内で風乾した。
【0027】実験例 動物実験 創傷被覆材のラット皮膚欠損創の移植 上記で得られた被覆材(実施例1〜2)をラットの背部
皮膚に移植して試験した。Wistar−KYラット
(200〜400g)をネンブタール麻酔下で除毛し、
イソジン消毒したラット背部皮膚にデルマトームで12
/1000(インチ)の皮膚を剥離して欠損創を作製
し、止血、乾燥した後、生食を含ませた検体をそれぞれ
貼付し、4隅をアロンアルファで固定した。その上に、
ソルフレン(テルモ製)を4枚重ね、更にエラスチコン
等の伸縮性絆創膏で胴巻にし圧迫固定した。移植1日目
で創傷被覆材の交換をする為に、剥がす前に予め冷媒他
の凍結物で創傷被覆材を冷してやると、創面を傷つけず
に容易に剥がすことができた。
【0028】
【発明の効果】本発明の創傷被覆材は、創傷と接触する
面に、水に対する上限臨界溶解温度が40〜50℃の範
囲にあるか、あるいは下限臨界溶解温度が0〜35℃の
範囲にある温度感応性高分子が被覆されているので、被
覆材が創面に適用されているときは、該高分子が固体状
に保持され、創面を保護し、他方、剥離時に被覆材を上
記の範囲の温度に加温または冷却することにより上記高
分子が水に溶け、容易に被覆材を除去することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 誠人 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 志村 賢一 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に対する下限臨界溶解温度が0〜35
    ℃の範囲にある温度感応性高分子を基材に被覆してなる
    創傷被覆材。
  2. 【請求項2】 請求項1の創傷被覆材に生理活性物質を
    含有させた創傷被覆材。
JP27182191A 1991-09-25 1991-09-25 創傷被覆材 Pending JPH0584288A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27182191A JPH0584288A (ja) 1991-09-25 1991-09-25 創傷被覆材

Applications Claiming Priority (1)

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JP27182191A JPH0584288A (ja) 1991-09-25 1991-09-25 創傷被覆材

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Publication Number Publication Date
JPH0584288A true JPH0584288A (ja) 1993-04-06

Family

ID=17505322

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27182191A Pending JPH0584288A (ja) 1991-09-25 1991-09-25 創傷被覆材

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JP (1) JPH0584288A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5766622A (en) * 1996-08-14 1998-06-16 The Procter & Gamble Company Inhibiting undesirable taste in oral compositions

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5766622A (en) * 1996-08-14 1998-06-16 The Procter & Gamble Company Inhibiting undesirable taste in oral compositions

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