JPH0583184U - 移動式足場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業者が使用する工具、建物の壁面の一部、
余分な塗料等がステージと建物の壁面との間の隙間から
落下するのを効果的に防止することができ、安全性の高
い移動式足場を提供すること。 【構成】 建物の壁面２に沿って所定間隔をおいて立設
された１対の建枠３，３′と、これら建枠間に建物の壁
面に対して隙間をおいて昇降可能に配置されたステージ
４とを具えている。ステージ４に前記隙間を覆って落下
物を受け止める被覆体としての軽量鉄板38を建物の壁面
方向へスライド可能に設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、高層ビルディングなどの建物の壁面の清掃、補修等に使用される 移動式足場、特に作業者が作業するステージと建物の壁面とに形成される隙間を 簡単に覆って落下物が地上に落ちないようにした足場に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

建物の壁面に沿って所定間隔をおいて立設された１対の建枠と、これら建枠間 に建物の壁面に対して隙間をおいて昇降可能に配置されたステージとを具えた移 動式足場においては、前記ステージと建物の壁面との間の隙間を覆って落下物を 受け止める被覆体がなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そのため、作業者がステージ上で作業する際に使用する工具や建物の壁面の一 部が前記隙間から地上に落下したり、あるいは壁面に吹き付けた塗料のうち余分 な塗料が壁面から跳ね返って前記隙間から地上に落下し、地上にいる人又は物に 思わぬ被害をもたらす恐れがあった。 そこでこの考案は、前記のような問題点を解決し、作業者が使用する工具、建 物の壁面の一部、余分な塗料等がステージと建物の壁面との間の隙間から落下す るのを効果的に防止することができ、安全性の高い移動式足場を提供することを 目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、この考案は、前記のような移動式足場であって、ス テージにステージと建物の壁面との間の隙間を覆って落下物を受け止める被覆体 を建物の壁面方向へスライド可能に設けている。被覆体の先端部にはクッション 材が設けられている。被覆体は軽量鉄板、布、ネット、繊維強化プラスチック板 、硬質ウレタンフォーム板のうちのいずれかからなっている。また、被覆体は建 物の壁面に沿う長さ方向に複数個に分割されている。

【０００５】

【作用】

ステージ上で作業する際、作業者は被覆体をステージから建物の壁面へ向けて スライドさせて伸ばし、ステージと建物の壁面との間の隙間を覆うようにする。 これにより、前記隙間があった位置の上方で作業者が使用する工具が不注意によ り落下したり、建物の壁面の一部が落下したり、余分な塗料が落下しても、被覆 体によって受け止められ、これらが地上に落下することがなくなる。

【０００６】

【実施例】

図１はこの考案の一実施例を示す移動式足場の一部省略の正面図、図２はその 平面図である。両図において１は足場で、建物の壁面２に沿って所定間隔をおい て立設された１対の建枠３，３′と、これら建枠間に昇降可能に配置されたステ ージ４とを具えている。建枠３，３′は左右対称となっている以外、同様な構造 となっているので、以下には建枠３の構造について説明し、建枠３′の構造につ いての説明は同一符号にダッシュを付することにより省略することとする。

【０００７】 建枠３は４本の脚柱５を有し、該脚柱間に所定間隔をおいて板付布枠６が複数 段設けられている。各板付布枠６の半部には下段の板付布枠６と上段の板付布枠 ６との間を作業者が移動できる階段７が設置されている。

【０００８】 ステージ４は両端部がワイヤを介して図示しない吊り具により懸吊され、該吊 り具は建枠３の頂部に設けたホイスト11にチェーン12を介して取付けられ、ホイ スト11が地上に設置した図示しないスイッチを押すことにより水平状態を保って 昇降されるようになっている。14は建枠３のステージ側に立設されたガイドレー ルで、昇降時にステージ４の両端部の前後面をガイドするようになっている。23 はステージ４の手摺りである。

【０００９】 図２で25，25′は建枠３と建物の壁面２を連結した壁つなぎ材で、それぞれの 壁つなぎ材25，25および25′，25′には１対の補強材33，33が平面からみて略Ｘ 状となり、かつ交叉部が図示しないヒンジピンで連結されて固定されている。

【００１０】 ステージ４の裏面には長さ方向に所定の間隔をおいてスライド材35がボックス 36に収容されて、壁面２へ向けて水平方向へスライド自在に配置されている（図 ３）。スライド材35の先端部にはクッション材37が取付けられている。そしてこ のスライド材35の先端部には細巾で複数個、一部重ね合わせ状に連結された軽量 鉄板38の先端部が取付けられており、スライド材35を壁面２へ向けてスライドさ せて伸ばすと、ステージ４上に位置された鉄板38が徐々に引きずられていき、図 ２に示すようにステージ４と壁面２との間の隙間を覆うようになっている。尚、 この鉄板38はステージ４の長さ方向に複数個に分割されており、必要によっては 全てでなく、任意のもののみ使用することが可能となっている。40は止めピンで 、スライド材35が所定長さまで伸ばされた位置で、図示しない固定部材の穴から スライド材35に設けた図示しない穴に差し込まれ、スライド材35がボックス36に バックすることがないようにしている。

【００１１】 次に、前記実施例の作用を説明する。例えば壁面２に対する塗装等の作業をス テージ４上で行なう際、作業者はまず、作業に先だってスライド材35をボックス 36に収容された状態から壁面２へ向けてスライドさせて伸ばし、その先端のクッ ション材37が壁面２に当接するように位置させる。このスライド材35の伸長によ って先端で連結された鉄板38が徐々にステージ４上から引きずられていき、ステ ージ４と壁面２との間の隙間を覆うようになる。この後、止めピン40をスライド 材35の穴に差し込み、スライド材35が不意にボックス36にバックすることがない ようにする。これにより前作業が終わり、塗装等の作業を行なうこととなるが、 前記隙間があった位置の上方で作業者が壁面２に吹き付けた塗料のうち余分な塗 料が壁面２から跳ね返ったり、作業者が使用する工具が不注意により落下したり 、壁面２の一部が落下したりしても、前記隙間を覆った鉄板38によって受け止め られる。作業が終了すると、作業者は前記と逆の作業を行ない、止めピン40を抜 き取った後、スライド材35をバックさせてボックス36に収容する。

【００１２】 図４はそれぞれ鉄板38に代わる被覆体の別の実施例を示し、（Ａ）は布又はネ ット42を、鉄板38と同様にその先端部をスライド材35の先端部に取付けたもので 、この場合もスライド材35を壁面２へ向けてスライドさせて伸ばすと、布又はネ ット42はステージ４の壁面２側の前部に例えば巻き付けられた状態から徐々に引 きずられていき、ステージ４と壁面２との間の隙間を覆う。（Ｂ）はステージ４ の裏面に繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）板44をスライド自在に設けたものであ る。また、（Ｃ）はステージ４の裏面に硬質ウレタンフォーム板46をスライド自 在に設けたものである。（Ｂ）のＦＲＰ板44および（Ｃ）のウレタンフォーム板 46は鉄板38のように複数個連結されているものでなく、１枚板からなっている。 また、これらの場合はスライド材35等が不要となる。

【００１３】

【考案の効果】

請求項１の考案は前記のようにステージにステージと建物の壁面との間の隙間 を覆って落下物を受け止める被覆体を建物の壁面方向へスライド可能に設けたの で、該被覆体で作業者が使用する工具、建物の壁面の一部、余分な塗料等が前記 隙間から落下するのを効果的に防止することができる。したがって、従来のもの に比し、極めて安全性が高くなる。請求項２の考案は被覆体を壁面に向けてスラ イドさせて伸ばしたとき、クッション材によって壁面を傷つけることがないよう にできる。請求項３の考案は被覆体として軽量鉄板、布、ネット、繊維強化プラ スチック板、硬質ウレタンフォーム板のうちから任意のものを選択することがで きる。請求項４の考案は必要とする壁面位置の被覆体のみを使用することができ 、これは特にステージが長い場合に有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す移動式足場の一部省
略の正面図である。

【図２】同上の平面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線に沿う拡大縦断側面図である。

【図４】（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）ともそれぞれ別の実施
例を示す縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 足場 ２ 壁面 ３，３′ 建枠 ４ ステージ 35 スライド材 37 クッション材 38 鉄板 42 布又はネット 44 繊維強化プラスチック板 46 硬質ウレタンフォーム板

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の壁面に沿って所定間隔をおいて立
   設された１対の建枠と、これら建枠間に建物の壁面に対
   して隙間をおいて昇降可能に配置されたステージとを具
   えた移動式足場であって、ステージに前記隙間を覆って
   落下物を受け止める被覆体を建物の壁面方向へスライド
   可能に設けたことを特徴とする足場。
2. 【請求項２】 被覆体の先端部にクッション材が設けら
   れている請求項１記載の足場。
3. 【請求項３】 被覆体が軽量鉄板、布、ネット、繊維強
   化プラスチック板、硬質ウレタンフォーム板のうちのい
   ずれかである請求項１又は２記載の足場。
4. 【請求項４】 被覆体が建物の壁面に沿う長さ方向に複
   数個に分割されている請求項１ないし３のいずれか１項
   に記載の足場。