JPH057998U - 軸流フアンモータの翼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 産業機器の冷却に用いられる軸流ファンモー
タにおいて、ファンの回転数が変化しても、翼が共振し
耳障りなピーク音が発生しにくくし、振動，騒音を低減
することを目的とする。 【構成】 各々の翼で、翼の厚さを一部分差を設けた
り、または、ファンボス部２の翼つけ根から距離Ａ翼先
端に近づいた部分の適度な幅Ｂの翼のみを他の翼部分と
は異なった材質３とし、この距離Ａを各翼ごとに違えさ
せることにより、翼自体の共振周波数を翼各々ばらばら
にする。このような構成とすれば、ファンの回転数が変
化しても翼全てが同一回転数で共振しだすという不具合
がなくなり、また、翼相互の共振による増幅作用を押え
ることができ、安価で簡単な構造にて低振動，低騒音な
軸流ファンモータの提供が可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、産業機器の冷却に用いられる軸流ファンモータの翼構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、産業機器の発達、小型化に伴い冷却のために用いられる軸流ファンモー タの低振動化，低騒音化が求められている。

【０００３】 従来、この種のファンモータの構造は図３に示すような構造が一般的であった 。

【０００４】 以下、その構造について図３および図４を参照しながら説明する。 図に示すように、翼４とファンボス部５とを一体形成したファン６に回転軸７ と回転子磁石８を固定し、前記ファン６の回転軸７を軸受９を介して回転自在に ステータ１０に組付け、ステータ１０はファンケース１１に一体に固定されてい る。

【０００５】 このような構成でファン６が回転すると、翼４により空気を図３に示す矢印の 方向へ流し、ファンモータが取り付いた機器を冷却する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の構造では、翼４はファンボス部５に片持ばり構成で形成され ているため、ファン６の回転によって図４に示すように翼４が振動して、騒音を 発生してしまうという問題があった。前記振動は、翼４が各々全て同一形状，材 質で形成されているため翼４各々の共振が発生し、振動が増幅されていた。

【０００７】 本考案は前記問題を解決するために、翼の厚さや材質を各々変化させることに より、翼各々の共振モードを変化させ振動増幅を防止し、低振動，低騒音の軸流 ファンモータを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために本考案は、各々の翼で、翼の厚さを一部分に差を設 ける。または、各々の翼で少なくとも２つ以上の異なる材質を違う箇所に使用す るものである。

【０００９】

【作用】

本考案は上記した構成において、翼はファンがある回転数に達した際、翼全て が同時に共振することはなくなり、翼相互の共振による増幅作用がなくなること になる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図１および図２を参照しながら説明する。

【００１１】 図１において翼１の断面１ａの厚みを各々の翼１ごとに同一にならないよう設 定することで、それぞれの翼１の振動数を変化させ共振を防止する。またファン ボス部２の翼つけ根から距離Ａの位置の適度な幅Ｂの部分の翼を他の翼部分とは 異なった材質３とし、この翼つけ根からの距離Ａを翼各々で変化させることによ り、翼１自体の共振周波数を翼１各々違えさせる。また翼１の材質を距離Ａ以降 に異なった材質３として、各々の翼１で距離Ａを変化させても、同様の効果が得 られる。

【００１２】 上記構成とすれば、図２に示すように横軸を回転数、縦軸を音圧レベルとして 、ファンの回転数を変化させたときの軸流ファンの発生する音圧レベルを測定す ると、従来の各翼全て同一形状あるいは同一材質のファン構造では測定結果Ｃと なり、本考案にかかわるファン構造によれば測定結果Ｄとなる。測定結果より明 らかなように、従来翼構造ではファンがある回転数に達すると、翼が共振しだし 翼相互の共振により増幅作用が発生し、Ｃ１，Ｃ２に示すように、するどいピー ク音となって非常に耳障りな音が発生してしまう。この問題となる回転数は、以 下の式で表現される。 問題回転数＝（翼共振周波数）×６０÷（モータ極数×Ｎ） ただし Ｎ＝１，２，３…… ところが、翼各々の共振周波数を本実施例によりばらばらにしてしまうことによ り、測定結果Ｄに示すように、翼相互に共振を増幅させる作用がなくなり、非常 に効果的に前記問題となるピーク音を低減させることが可能となる。

【００１３】

【考案の効果】

以上の実施例の説明から明らかなように、本考案によれば翼の厚さあるいは材 質を翼全体または一部違えて、翼各々の共振周波数をばらばらにしてしまうこと により、測定結果Ｄに示すように、翼相互に共振を増幅させる作用がなくなり、 非常に効果的に前記問題となるピーク音を低減させることが可能となる。

【００１４】 また、板厚あるいは一部材質を変更するのみなので、簡単かつ安価に低騒音の 軸流ファンモータを提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の軸流ファンモータの翼の一
部切欠斜視図

【図２】同、ファン騒音特性図

【図３】従来の軸流ファンモータの一部切欠側面図

【図４】同、翼振動モードの一部切欠斜視図

【符号の説明】

１ 翼 ３ 異なる材質の翼部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸流ファンモータの各々の翼において、翼
   の一部分を厚さを異ならせてなる軸流ファンモータの
   翼。
2. 【請求項２】軸流ファンモータの翼において、少なくと
   も２つ以上の異なる材質で翼の違う箇所を形成した軸流
   ファンモータの翼。