JPH0579695A - 液体加熱装置 - Google Patents

液体加熱装置

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JPH0579695A
JPH0579695A JP4024424A JP2442492A JPH0579695A JP H0579695 A JPH0579695 A JP H0579695A JP 4024424 A JP4024424 A JP 4024424A JP 2442492 A JP2442492 A JP 2442492A JP H0579695 A JPH0579695 A JP H0579695A
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heated
quartz glass
heater
tubular
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Toshihisa Kamiyama
敏久 神山
Masanori Kawaguchi
将徳 川口
Tetsuo Takehara
徹雄 竹原
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】被加熱液体を全く汚すことなく熱効率良く加熱
でき、コンパクトで高加熱容量の液体加熱装置を提供す
る。 【構成】遠赤外線を放射し、PTC特性を有する管状セ
ラミックスヒータ4の内側に石英ガラス管5で囲まれた
流路2を設け、管状セラミックスヒータ4の外側に同心
円状に配置された石英ガラス管6,7の間に形成された
流路3を設けて液体加熱装置1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用技術】本発明は純水などの被加熱液体を
全く汚すことなく、効率良く連続的に加熱でき、かつ高
負荷でもコンパクトな液体加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被加熱液体を流路の壁から溶出する不純
物や塵により汚すことなく熱効率良く加熱でき、高負荷
でもコンパクトでかつ安価な液体加熱装置が産業上の多
くの分野で求められている。
【0003】従来の電気抵抗加熱式の液体加熱装置とし
ては、液体槽の内部に棒状のヒータや板状のヒータある
いはコイル状ヒータを投入するものや、液体槽の壁に発
熱体を組み込むものなどが知られている。この投げこみ
ヒータの場合には、たとえば石英ガラスの中にニクロム
線の発熱体を封入したものが使用されている例がある。
また最近では、PTC 特性、すなわち電気抵抗の温度係数
が正数であるハニカム状のセラミックスヒータ中に流体
を流す形式のものや、板状の電気ヒータに被加熱液体の
流路を密着せしめたものなどが提案されている。
【0004】特開昭57-204744 には、円筒状のセラミッ
クスの表面に発熱抵抗体を蒸着し、さらにこの発熱抵抗
体を薄いセラミックスのシートで被覆してなる円筒状発
熱体を作製し、その内外両面を加熱面として利用すると
ともに、円筒状発熱体の外側の流路に旋回流を発生させ
て熱交換効率を高め、かつ発熱体面上での温度分布を均
一化させた電気通水加熱装置が開示されている。被加熱
液体が水や電解質溶液のように導電性を有するものであ
る場合には、この例のように被加熱液体の流路に絶縁性
のある材料をライニングして被加熱液体とヒータの間を
絶縁したものが使用されている。
【0005】また、特開平1-98854 には、同心円状に配
置された三重管により内側から第1空間、第2空間、第
3空間を形成し、円筒状の形状を有する第2空間中にア
ークプラズマを発生せしめ、アークプラズマの熱を第1
空間と第2空間に流れる被加熱水に伝熱する電気加熱瞬
間湯沸かし器が開示されている。この場合、管の材料に
何を使用しているかについての説明がないが、その構成
から内側の二つの管は導電性のある材料で構成されてい
ると考えられる。
【0006】また最近では、フロンの代わりに化学的お
よび物理的に精製された純水を半導体装置などのエレク
トロニクス製品の中間製品の洗浄用に使用する技術が採
用され始めており、純水を全く汚すことなく加熱し得る
液体加熱装置に対するニーズが高まっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、棒状や
線状のヒータを用いる従来の液体加熱装置では、液体と
ヒータとの間の伝熱面積が稼げないために発熱容量を大
きくできず、ヒータを数多く使用するか長いヒータを使
用する必要があり、このためにコンパクト化が難しいと
いう問題がある。
【0008】板状のヒータを用いる場合には、従来の小
型のヒータではヒータの高発熱容量化が難しく、コンパ
クトで高発熱容量の液体加熱装置が作成し難いという問
題があった。また、ハニカム状のセラミックスヒータを
用いる場合には、ハニカム状セラミックスヒータの周囲
からの放熱の分だけ熱効率が小さいという欠点があっ
た。
【0009】また、被加熱液体が水や電解質水溶液のよ
うに導電性を有する場合には漏電の問題があり、ハニカ
ム状の発熱体をむきだしの状態で使用できないので、対
策としてハニカムの貫通孔に絶縁性のチューブを挿入す
る方法が試みられている。しかし、多数の貫通穴にチュ
ーブを挿入することはチューブの出入り口でチューブの
結束が不可欠であること等を考慮すると、煩雑で多くの
手間がかかり、液体加熱装置を安価に製作することがで
きないという難点がある。
【0010】また、超純水を加熱する場合等、被加熱液
体を全く汚すことなく加熱できる液体加熱装置に対する
要望は多いが、従来使用されている投げこみヒータなど
では液体槽中の液体の温度を所望の温度に保持する液体
加熱装置は嵩が大きく、所定の温度の液体を得るまでに
時間がかかり、かつ熱効率が良くないという問題があ
り、被加熱液体を汚さず、熱効率良く、コンパクトで高
負荷、かつ手頃に使用できる安価な液体加熱装置を提供
して欲しいという強い要望があった。
【0011】本発明は従来の技術が有するこれらの欠点
を解消して、被加熱液体を全く汚すことなく、コンパク
トで高負荷で熱効率が高く、待時間がほとんど不要、か
つ安価で使い易い液体加熱装置を提供しようとするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべく種々検討した結果得られたものであり、本発
明の液体加熱装置は、抵抗加熱管状セラミックスヒータ
の内側と外側に近接して被加熱液体の流路が配置され、
前記管状セラミックスヒータの内側の被加熱液体の流路
が管状セラミックスヒータの内側に同心円状に配置され
た第1の石英ガラス管によって囲まれて形成され、前記
管状セラミックスヒータの外側の被加熱液体の流路が前
記管状セラミックスヒ−タの外側に同心円状に配置され
た第2と第3の石英ガラス管の間に形成されていること
を特徴としている。
【0013】本発明において、石英ガラスとは、純度の
良い石英の結晶を溶融してガラス化したもの、または四
塩化珪素(SiCl4 )などを加水分解して合成されたシリ
カから作られるシリカガラスのことをいう。
【0014】本発明の液体加熱装置では、抵抗加熱管状
セラミックスヒータの内側と外側に近接して被加熱液体
の流路が設けられていることにより、管状セラミックス
ヒータの内外両面を伝熱面として利用しているので伝熱
面積を大きく取ることができ、被加熱液体への熱伝達は
石英ガラス管の壁を通しての伝熱と管状セラミックスヒ
ータからの熱輻射による輻射伝熱の両方を有効に利用し
ているので熱伝達が良好であり、さらに管状セラミック
スヒータの発熱部がほとんどすべて被加熱液体の流路に
よって囲まれていることによりヒータの内外面からの熱
が余さず被加熱液体に伝熱されるので熱効率が優れてい
る。
【0015】本発明の液体加熱装置では、管状セラミッ
クスヒータの内外両面が石英ガラスによって被加熱液体
とは絶縁された構成となっていることにより、被加熱液
体が水や水溶液などの導電性の液体である場合にもその
まま使用できる。
【0016】また、本発明の液体加熱装置では、液体の
流路がすべて石英ガラスで構成されており、石英ガラス
はフッ酸を除く腐食性の液体に対して耐食性が良く、被
加熱液体を不純物や塵で汚さない材料であるとともに、
純度の高い材料からなる石英ガラスを市場で入手できる
ので、半導体の製造工程などで使用される超純水の加熱
などに好適な、被加熱液体を全く汚染することなく加熱
し得る液体加熱装置を比較的安価に提供することができ
る。
【0017】石英ガラスは酸による腐食に対して強いの
で、たとえ流路が汚されることがあっても、酸洗浄を行
って再生することができる。また、石英ガラスは液体加
熱装置においてセラミックスヒータと隣接する材料に要
求される十分な耐熱性を有し、熱膨張率が非常に小さい
ことから使用時に急加熱や急冷却を受けても破損するこ
とがなく、赤外線の透過性が良いので、セラミックスヒ
ータから多量に輻射される遠赤外線による輻射伝熱を熱
伝達に有効利用できるので熱伝達が良好であり、通常赤
外線を多く放射するセラミックスヒータを加熱源として
使用する本発明の液体加熱装置に特に好適な流路の材料
である。
【0018】しかし、石英ガラスは700 ℃以上で長時間
加熱されると、失透(結晶化)を起こして変質する傾向
があるので、使用温度はあまり高くしないようにするの
が好ましい。失透が起きると、塵が放出され、被加熱液
体の汚染の原因となるので注意を払う必要があり、この
意味で管状セラミックスヒータの温度は600 ℃程度以下
で使用するのが好ましい。
【0019】石英ガラス以外で流路に使用される材料と
して有力なものに、フッ素樹脂のPTFEや耐熱ガラスであ
る硼珪酸ガラスが挙げられるが、PTFEからは少量ではあ
っても加熱された純水中には有機物が溶け出し、同時に
塵も発生することが避けられないので、純水を加熱する
目的には適していない。
【0020】また、PTFEの耐熱性がせいぜい300 ℃程度
と低いことと、熱伝導性がそれほど良くないことから隣
接して配置される管状セラミックスヒータの温度を高く
することができず、PTFEの流路材料を使用していては被
加熱液体を全く汚さず、かつコンパクトで高加熱容量の
液体加熱装置は構成し得ない。
【0021】硼珪酸ガラスを被加熱液体の流路に使用す
ると、その耐熱性が600 ℃程度とされているので管状セ
ラミックスヒータの温度は低く制限され、熱膨張率は小
さいといっても石英ガラスと比べてはるかに大きいの
で、急加熱されたり急冷却されたりすると熱応力割れを
起こす虞がある。また、耐腐食性は比較的良いといって
も、被加熱液体の温度が高くなると極く微量の不純物や
塵の放出を阻止できないので、微量の不純物と塵を容認
できる通常の用途以外には使用でない。
【0022】本発明の液体加熱装置の好ましい態様で
は、前記管状セラミックスヒータの材料が金属シリコン
と、アルミナとシリカを主成分とする金属酸化物からな
り、材料中の金属シリコンの含有量が5〜50重量%であ
る。
【0023】管状セラミックスヒータの材料が、このよ
うに金属シリコンと金属酸化物を主成分とし、金属シリ
コンの含有量が5〜50重量%であるものを使用している
ことにより、セラミックスヒータの材料は電気抵抗の温
度係数が正数値となり、従来のチタン酸バリウム系のPT
C 材料(電気抵抗の温度係数が正数値であるセラミック
ス)のヒータがその特性上せいぜい300 ℃程度までしか
加熱できないのに対して、600 ℃程度までの加熱が容易
であり、かつ電気抵抗の温度係数が正数の発熱体となる
ため、温度が上昇すると電気抵抗が増加するのでヒータ
が過熱する虞がなく、温度制御が容易な液体加熱装置を
得ることができる。
【0024】また、金属シリコンの含有量はセラミック
スヒータの抵抗特性を左右し、セラミックスヒータとし
て使い易い抵抗特性を有する材料を得るため、金属シリ
コンの含有量は5 〜50重量%とするのが好ましい。
【0025】また、この材料からなるセラミックスヒー
タは遠赤外線を多量に含む赤外線(熱線)を輻射するセ
ラミックスヒータであり、放射される遠赤外線は液体の
流路を囲んでいる石英ガラス管を透過し、水や水溶液に
吸収され易いので、被加熱液体が水あるいは水溶液であ
る場合に輻射伝熱を熱伝達に都合よく利用でき、石英ガ
ラス管を流路の材料とする組み合せによって、加熱効率
が特に良好な液体加熱装置を実現できる。
【0026】本発明の液体加熱装置の他の好ましい態様
では、管状セラミックスヒータの外側の流路と内側の流
路が連結管によって直列に接続されている。内側と外側
の流路を直列に連結した構成とすることで、被加熱液体
の制御が可能な温度範囲を広くすることができる。
【0027】さらに、複数の液体加熱装置を連結する
と、シリコンウエハーや磁気ディスク基板などの洗浄を
行う場合など、洗浄後の被洗浄物の乾燥が速やかに完了
するように純水の温度を80℃とするのが良いとされて
いるが、この程度の温度に加熱することは容易であり、
使い易く用途の広い液体加熱装置が提供できる。
【0028】本発明の液体加熱装置の他の好ましい態様
では、被加熱液体の流入部に取り付けられた温度センサ
ーおよび管状セラミックスヒータに取り付けられた温度
センサーの温度信号と、被加熱液体の流入口などに取り
付けられた流量センサーによる液体加熱装置に流入する
被加熱液体の流量信号とに基いて、管状セラミックスヒ
ータの温度を予め決めてある所定の温度に保持するよう
に電力を制御することによって被加熱液体の温度調節が
行われるものである。
【0029】すなわち、温度センサーが管状セラミック
スヒータに取り付けられていることにより、管状セラミ
ックスヒータの温度が直接検出され、管状セラミックス
ヒータの温度を直接制御することが可能となる。ここ
で、管状セラミックスヒータの温度を被加熱液体の流量
と流入温度について予め決めてある所定の温度に制御す
るというのは、たとえば予め実験などによって被加熱液
体の流入温度と流入量および管状セラミックスヒータの
保持温度に対して得られる被加熱液体の温度をデータと
して求めておいて、このデータに基いて所要の被加熱液
体の温度に対応する管状セラミックスヒータの温度を決
めて制御することである。この構成の液体加熱装置によ
って、被加熱液体が液体加熱装置から流出する温度を速
やかに所望の温度に制御することができる。
【0030】被加熱液体の流出温度の制御方法にはパラ
メータがいくつかあることからいくつかの制御方法が存
在するが、方法によっては流出温度が所望の温度に収束
するのに時間を要したり、一つのパラメータが変化した
ときに流出する被加熱液体の温度が振動したりする現象
が見られるが、管状セラミックスヒータの温度を直接制
御することによって、温度の収束に時間を要したり、温
度が振動したりする現象を避けることができる。
【0031】この制御は好ましくはマイクロコンピュー
タによって行われ、たとえば被加熱液体の流入量と流入
温度と得ようとする被加熱液体の温度と対応する予め求
めた管状セラミックスヒータの温度をマイクロコンピュ
ータのメモリー中にデータとして記憶しておき、管状セ
ラミックスヒータの温度がデータから読み取られた所定
の温度となるように供給電力を制御することによって速
やかに流出する液体の温度を所望の温度に調節すること
が可能となる。
【0032】しかし対応する管状セラミックスヒータの
予め温度データを求めていない場合には、少々時間が必
要であるが液体加熱装置から流出する被加熱液体の温度
をモニターしながら被加熱液体の温度を必要な温度に設
定することも可能である。
【0033】本発明の液体加熱装置の他の好ましい態様
では、管状セラミックスヒータの内側に設けられた第1
の石英ガラス管の流路中に中空の石英ガラスからなる芯
管が挿入されており、芯管の被加熱流体の流路の上流側
の端部近傍の周囲にインペラーが取り付けられ、インペ
ラーの羽根の先が第1の石英ガラス管の内壁に接触する
ことによって芯管が第1の石英ガラス管の内側に同心円
状に固定される。
【0034】第1の石英ガラス管内に中空の石英ガラス
の芯管が挿入されていることによって、第1の石英ガラ
ス管内の流路の外径を大きくして管状セラミックスヒー
タからの伝熱面積を大きくし、しかも被加熱液体の流路
断面積を狭くして流速を大きくすることができ、さらに
芯管に取り付けられたインペラーによって被加熱液体の
流れを旋回流とすることにより液体の流速をさらに大き
くできるので、被加熱液体が流路中を流れる液体の流速
を、熱伝達が飛躍的に大きくなる乱流域であるレイノズ
ル数3000以上に容易に高めることができ、石英ガラスの
壁を通しての熱伝達をさらに促進することができる。
【0035】また、インペラーの存在によって芯管が第
1の石英ガラス管の中央に固定されるので、芯管が液体
の流れによって振れたりすることなく保持され、第1の
石英ガラス管と芯管との間に形成される被加熱液体の流
路の断面の幅が均等に保持され、ヒータの内壁からの熱
伝達が均等に、かつ良好になされる。芯管の先端は被加
熱液体の流れが均等になされ、かつ流れの抵抗が大きく
ならないよう、半球形などの流線形に形成しておくのが
好ましい。
【0036】本発明の液体加熱装置の他の好ましい態様
では、管状セラミックスヒータの表面と近接して配置さ
れている第1と第2の石英ガラス管の表面との間の間隔
が1.2mm 以下とされている。すなわち、管状セラミック
スヒータの表面と第1と第2の石英ガラス管の表面との
間には隙間があって、ここには通常空気層が存在してい
る。この空気層の厚さは薄い方が空気層を通しての熱伝
達が良好となるので、好ましくは1.2mm 以下とされる。
【0037】この空気層の厚さは、管状セラミックスヒ
ータの内外面の真円度と被加熱液体の流路の壁、すなわ
ち石英ガラス管の真円度を高めることにより0.1mm まで
小さくすることが可能であるが、部材の加工に要する手
間を勘案して、より好ましくは0.3 mm以上1.0mm 以下と
される。この空気層のそれぞれの厚さを調整すれば、管
状セラミックスヒータの内側と外側からの熱伝達バラン
スの調整をすることも可能である。
【0038】空気層の熱伝導性は小さいので、この部分
の伝熱を良くする工夫をすれば熱伝達をさらに向上せし
めることが可能であり、たとえば液体加熱装置をヘリウ
ムガスが充たされた容器中に入れ、前記空気層をヘリウ
ムガス層と置換することは有効である。
【0039】一種類の被加熱液体を加熱する場合には、
被加熱液体の流路中の流速が大きい方が熱伝達を大きく
できるので、またより高い温度まで被加熱液体を加熱す
ることが容易となるので、管状セラミックスヒータの内
側と外側にある被加熱液体の流路を連結管で直列に接続
して使用するのが好ましい。
【0040】また、管状セラミックスヒータの外側の流
路に先ず温度の低い被加熱液体を流し、次いである程度
加熱された被加熱液体を管状セラミックスヒータの内側
の流路に流すようにすると、液体加熱装置の外側の温度
が低く保たれることによって液体加熱装置からの熱放散
が少なくなるので熱効率の向上効果が得られる。第3の
石英ガラス管の外側を断熱材で被覆することももちろん
有効である。
【0041】本発明の液体加熱装置の他の好ましい態様
では、管状セラミックスヒータと第1の石英ガラス管と
の間の管状セラミックスヒータの両端部近傍にそれぞれ
スペーサが挿入されており、かつ管状セラミックスヒー
タの発熱部分が被加熱液体の流路により完全に囲まれ、
かつスペーサが管状セラミックスヒータの発熱部分と重
ならないように、管状セラミックスヒータの発熱部分の
軸方向の長さが液体の流路の長さより短くされている。
【0042】管状セラミックスヒータの両端の電極部
は、電気抵抗が発熱部分と比べて小さくなるように、た
とえばさらに金属シリコンを含浸したり、表面にアルミ
ニウムを溶射したりしてあり、発熱しても僅かであるよ
うに作られている。そしてこの両端の電極部にはリード
線がつながれ、図には示されていない電源に接続されて
いる。
【0043】この構成によって、管状セラミックスヒー
タの発熱部分がほとんどすべて石英ガラス管からなる被
加熱液体の流路で囲まれることになり、また管状セラミ
ックスヒータの発熱部分がスペーサの取り付け位置と重
ならないように配置されていることにより、スペーサが
断熱材料であることよって生じる管状セラミックスヒー
タの過熱を避けることができ、これによって管状セラミ
ックスヒータの耐久性を確保することができるととも
に、この過熱部分からの無駄な熱の放散を避けることが
できる。
【0044】スペーサとしては、たとえばEガラス長繊
維や石英ガラスの長繊維などを編んだ耐熱性と絶縁性を
有するテープなどが好ましく使用でき、第1の石英ガラ
ス管の端部近傍あるいは管状セラミックスヒータの端部
近傍にテープが鉢巻き状に巻き付けられたものであり、
その外側に管状セラミックスヒータまたは第2の石英ガ
ラス管が挿入される。スペーサはそれぞれの石英ガラス
管の表面と管状セラミックスヒータの表面の間の間隔を
所定の狭く均等な距離に保ち、両方の管の間の熱膨張差
によって生じる位置ずれを吸収するとともに、熱伝達が
一部分に偏ることによる部分的な過熱や温度むら、ある
いは部分的な被加熱液体の沸騰現象が生じるのを防ぎ、
管状セラミックスヒータの耐久性を確保する機能を果た
す。
【0045】本発明の液体加熱装置では、石英ガラス管
で隔離された被加熱液体の流路を管状セラミックスヒー
タの内側と外側に有しているので、それぞれの液体流路
に別々の被加熱液体を流すことによって異なる被加熱液
体の同時加熱が簡単な構成の液体加熱装置で可能であ
る。また、さらに大きい加熱容量の液体加熱装置を得た
い場合には、液体加熱装置の本体をさらに直列に連結し
たり、並列に連結したりして大加熱容量の液体加熱装置
を構成することもできる。
【0046】本発明の液体加熱装置の他の好ましい態様
では、温度センサーがシース熱電対であり、シース熱電
対が管状セラミックスヒータの外側にある第2と第3の
石英ガラス管の壁と外側の流路を貫くように、管状セラ
ミックスヒータの軸と直交する方向に取り付けられた石
英ガラスの細管の内側を通り、シース熱電対の先端が管
状セラミックスヒータの表面に設けられた窪みに挿入さ
れている。
【0047】600 ℃程度にまで昇温される管状セラミッ
クスヒータの温度を測定する温度センサーとしては、シ
ース熱電対が使い易く手頃であり、比較的細いシース熱
電対を使用すれば狭い隙間にシース熱電対を差し込むこ
とも可能である。しかし、管状セラミックスヒータの表
面と第1と第2の石英ガラス管の表面との間の隙間は狭
く、この隙間にシース熱電対を差し込むと隙間の間隔を
均等に維持することが困難になる。
【0048】この困難を回避する一つの対策として、抵
抗加熱管状セラミックスヒータの中心軸と直交する方向
から外側の流路を囲む第2と第3の石英ガラス管の壁と
管状セラミックスヒータの外側の流路を貫くように石英
ガラス細管を第2と第3の石英ガラス管と一体に設け、
シース熱電対をこの細管の内側に通し、その先端が管状
セラミックスヒータの、好ましくは中央付近の表面に設
けられた窪みに挿入される。
【0049】石英ガラス管を使用する場合には、このよ
うなガラス細工を比較的容易に行うことができ、シース
熱電対をこのように配置することによって、管状セラミ
ックスヒータと石英ガラス管都の間の間隔を狭く均等に
保つことが容易であり、温度センサーの取り付けと交換
も容易になるという効果がある。
【0050】本発明の液体加熱装置の他の好ましい態様
では、被加熱液体が純水である。ここで純水(超純水と
も呼ばれる)というのは人工的に精製された水であっ
て、化学的および物理的な手段によって高純度化された
水をいう。具体的な精製手段の例としては、蒸留、イオ
ン交換、活性炭による吸着、膜による濾過などが挙げら
れる。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定
されるものではない。
【0052】実施例1 図1は一種類の被加熱液体を加熱するための液体加熱装
置1の断面図であり、管状セラミックスヒータ4は、Al
2O3 が28重量%、SiO2が67重量%およびFe2O3その他が
5重量%となるように配合された木節粘土と硼珪酸ガラ
スとの混合物を金属酸化物とし、これにシリコン粉末を
その割合が35重量%となるように加えて混合し、この混
合物に結合剤としてメチルセルローズを加え、さらに水
を加えて混練したものを管状に押出し成形して乾燥後切
断したものを、還元性の雰囲気中において1350℃で4時
間焼成して得られたものである。この場合、金属酸化物
中にはある程度の鉄を含んでいても構わないので、シリ
コン粉末のかわりにフェロシリコンを使用することも可
能である。
【0053】管状セラミックスヒータの内側の流路2は
第1の石英ガラス管5によって囲まれており、管状セラ
ミックスヒータの外側の流路3は第2の石英ガラス管6
と第3の石英ガラス管7の間に形成されている。この液
体加熱装置1では、管状セラミックスヒータ4が加熱さ
れて輻射される多量に遠赤外線を含む赤外線(熱線)が
石英ガラス管の壁を透過して流路2、3を流れる被加熱
液体に到達することにより、被加熱液体に赤外線を吸収
する性質があれば、管状セラミックスヒータと石英ガラ
ス管が密着していなくても熱伝達はかなり良好となる。
【0054】また、管状セラミックスヒータのすぐ外側
の第2の石英ガラス管6の外周には螺旋状に石英ガラス
の細い棒13が巻き付けてあり、被加熱液体はこの流路3
中を螺旋状に回転しながら流れるようになっている。そ
して、内側の流路2と外側の流路3は連結管14によって
接続されている。
【0055】この液体加熱装置を組み立てる場合には、
予め石英ガラスの部分と管状セラミックスヒータの部分
を別々に作製しておき、最後に両部分を組み合わせるよ
うにすると良い。しかし、管状セラミックスヒータに内
側と外側の石英ガラス管を嵌め込んでから連結管の部分
で接合することもまた可能である。
【0056】一例として、この形態の液体加熱装置を純
水の加熱用に使用した。即ち、管状セラミックスヒータ
として、外径20mm、内径14mm、長さ300 mmで200Vの電圧
をかけたときの電力が10kWであるものを用いて、毎分10
リットルの純水を被加熱液体の入り口9から外側の流路
3に導入し、次いで内側の流路2に流したところ、30℃
の水の温度が44.1℃に上昇し、有効熱効率は98%以上で
あった。またこの際、被加熱液体である純水の流路壁材
料による汚染は全く検知できなかった。
【0057】実施例2 図2は半導体装置などのエレクトロニクス関連製品の製
造工程において、中間製品の洗浄などに用いられる超純
水の加熱に使用される本発明の液体加熱装置の一例の断
面図である。
【0058】管状セラミックスヒータ4の材料は実施例
1と同じ材料で構成され、実施例1と同様に管状セラミ
ックスヒータの内側と外側にある被加熱液体の流路2、
3はすべて有害な不純物の含有量が1ppmのオーダーであ
る高純度の石英ガラスで囲まれている。これらの石英ガ
ラス管の壁の厚さはいずれも 1.5〜2mm とされている。
実施例1と異なる点は、管状セラミックスヒータ4の内
側に配置されている第1の石英ガラス管5の直径が大き
くなっており、この分伝熱面積が大きくなっていること
である。
【0059】しかし、そのままの円形断面の流路2に被
加熱液体を流すと、被加熱液体の流速が遅くなり、被加
熱液体を第1の石英ガラス管5との間の熱伝達が不良と
なって熱が被加熱液体に伝わりにくくなる。
【0060】このため、先端が閉じられ、先端近傍の周
囲にインペラ17を取り付けた中空の石英ガラス管からな
る芯管16を第1の石英ガラス管5の内側に挿入して流路
2の断面積を小さくするとともに、インペラ17の先端が
第1の石英ガラス管5の内側と接するように配置されて
いる。かくして、インペラ17は芯管6が偏ってリング状
の断面を有する流路2の厚さが不均等になったり、芯管
6が被加熱流体の流れに押されて遊動したりしないよう
に芯管6を支持ししている。
【0061】インペラ17の羽根の数は3枚とされてお
り、羽根には螺旋状に傾斜が付けられているので、流路
を流れる液体には回転力が付与され、液体の流速がさら
に速くなることによってレイノズル数が増え、熱伝達が
さらに促進される。図では、被加熱液体が流入する際に
流れを均等化し、かつ流動抵抗を小さくするようにイン
ペラが取り付けられている側の芯管の端面は半球状に形
成されている。
【0062】このようにして流路2の外径を大きくする
ことにより、流路3の内径も大きくし、管状セラミック
スヒータの寸法を大きくして伝熱面積を増やし、より加
熱容量の大きい液体加熱装置を作ることが可能となる。
【0063】また、石英ガラス管5の両端部近傍の外周
には、石英ガラスの長繊維を編んだ幅が10mmのリボンを
巻つけてなるスペーサ21が取り付けられ、このスペーサ
21の外側に管状セラミックスヒータが差し込まれてい
て、管状セラミックスヒータ4の内側表面と第1の石英
ガラス管5の外側表面との間の間隔はスペーサ21によっ
て均等化され、約0.5 mmとされている。
【0064】管状セラミックスヒータ4の寸法は外径が
40mm、内径が32mm、全長が600 mmであり、その両端には
ほとんど発熱しない50mmの長さの電極部が、外側の流路
2の端から5mm 内側まで達するようにそれぞれ設けられ
ていて、それぞれ図示されていない電源と接続されたリ
ード線12が取り付けられている。また、第2の石英ガラ
ス管6と第3の石英ガラス管7の中央部には、図3に拡
大して示されているように管状セラミックスヒータ4の
外側の流路3を貫く石英ガラスの細管22が取り付けられ
ており、シース熱電対からなる温度センサー23がこの細
管22の内側を通り、管状セラミックスヒータ4の表面に
設けられた窪み24にシース熱電対からなる温度センサー
23の先端が挿入されている。
【0065】この構成によって、温度センサー23によっ
て管状セラミックスヒータ4の温度を直接検知すること
ができ、管状セラミックスヒータ4の表面温度が石英ガ
ラスの失透を引き起こす温度まで上昇しないように確実
に制御することができる。
【0066】この液体加熱装置1によって純水の加熱を
試みた。すなわち、管状セラミックスヒータ4に200Vの
電圧をかけたときの最大出力は6kWであり、被加熱液体
の出入り口配管11から20℃の純水を10リットル/分の流
量で流したところ、出入り口配管9から流出する純水の
温度は28.5℃となった。
【0067】この際の有効熱効率は98%以上であり、使
用時における管状セラミックスヒータ4の温度は460
℃、発熱体の電極部の温度は約80℃となっていた。ま
た、出入り口配管9から流出する純水の汚染の有無を検
査したが、不純物の混入は全く認められなかった。
【0068】純水槽中に貯めてある純水の温度を所望の
より高い温度にしたい場合には、純水を液体加熱装置に
循環させることによっても可能である。
【0069】実施例3 図4は本発明による液体加熱装置一応用例を示す説明図
であり、写真用の現像液と定着液の加熱保温に使用され
ている。図中1は液体加熱装置本体、31はポンプ、33は
現像液溜、34は定着液溜、35はポンプの回転数を制御す
る流量コントローラである。
【0070】この例では、現像液と定着液が混ざり合う
ことなく、1つの構造が簡単な液体加熱装置で同時に加
熱され、液温は現像液溜23と定着液溜24に取り付けられ
た温度センサーによって検出され、流量コントローラ35
によってポンプ31の回転数を調整し、さらに図示されて
ない電力制御系によって管状セラミックスヒータに供給
される電力を調整し、現像液と定着液の液温を所要の温
度に調整している。
【0071】使用されている管状セラミックスヒータの
寸法は外径15mm、内径9 mm、長さ100 mmであり、SiO2
62重量%、Al2O3 が35重量%およびその他の酸化物が3
重量%となるように配合された粘土とアルカリ長石との
混合粉末に、金属シリコンをその割合が20重量%となる
ように加え、さらに結合剤のメチルセルローズと水を加
えて混練し、押出成形して乾燥後、1350℃において4時
間焼成して作られたものである。
【0072】この管状セラミックスヒータは100Vの交流
電源に接続したときの電力が300Wのものであり、任意の
室温において、両液溜に収容されている約1リットルの
現像液と約1リットルの定着液をそれぞれ35℃に保持す
るのに適した液体加熱装置として機能した。この液体加
熱装置は、半導体装置の製造工程において実施されてい
るレジストの現像液と定着液にも同様に使用することが
できる。
【0073】実施例4 図5は半導体装置の中間製品の洗浄に用いられる純水を
加熱するのに使用される本発明の液体加熱装置の一例を
示す説明図である。図において1は液体加熱装置本体
で、15は電源、23、28、29は温度センサー、30は制御用
コンピュータ、31はポンプ、35は流量コントローラ、36
は電力コントローラ、37は純水槽、38は流量センサー、
39は排出口、11、40は配管である。
【0074】この例では、純水槽37に貯められた室温の
純水はポンプ31によって送られ、流量センサー38を経て
直列に連結された二台の液体加熱装置1に導入され、両
方の液体加熱装置によって所定の温度に昇温されて出入
り口39から排出されるようになっている。この例では流
路中を流れる純水の流量は、流量センサー38で検知さ
れ、予め決められた一定の流量に制御されている。
【0075】純水槽37に貯められた純水の温度は温度セ
ンサー28によって検知され、その温度信号が制御用コン
ピュータのメモリーにデータとして蓄えられる。
【0076】純水が流れ始めると、流量信号が制御用コ
ンピュータに入り、制御用コンピュータからの信号によ
って管状セラミックスヒータに電力が供給され、液体加
熱装置中の管状セラミックスヒータの温度が温度センサ
ー23によって検知され、その温度信号も制御用コンピュ
ータのメモリーにデータとして蓄えられる。また、温度
センサー28が液体加熱装置と液体加熱装置の間に設けら
れた配管40に、温度センサー29が加熱された純水の排出
口39に取り付けられており、その温度信号は制御用コン
ピュータ30に送られてメモリーにデータとして蓄えられ
る。これらのデータは、必要に応じて制御用コンピュー
タ30のディスプレイに表示することもできる。
【0077】制御用コンピュータ30は集められたデータ
に基づいて、予めメモリーに収納してある制御プログラ
ムにより各液体加熱装置の管状セラミックスヒータの保
持すべき温度を決め、管状セラミックスヒータが保持す
べき温度となるように電力コントローラ36から供給され
る電力が制御される。
【0078】このように、各液体加熱装置の管状セラミ
ックスヒータの温度を保持すべき温度に制御することに
よって、排出口39から流出する純水の温度を速やかに所
望の温度に制御することができる。
【0079】実施例2で示されたのと同じ仕様の8台の
液体加熱装置を直列に連結した大加熱容量の液体加熱装
置の場合には、20℃の純水を10リットル/分で流しなが
ら排出口39から流出する純水の温度を±0.5 ℃の精度で
80℃に保つことができた。この際、各管状セラミックス
ヒータの温度はそれぞれの間に大きな差がないように約
460 ℃に保持され、最終段に配置された液体加熱装置に
よって温度の微調整がなされるように制御プログラムを
組んで被加熱流体の加熱が行われた。この場合の平均所
要電力は43kWであり、有効熱効率は97.3%であった。
【0080】排出口39から排出される加熱された純水に
ついて汚染の有無を調べたが、汚染は全く検知できなか
った。
【0081】比較例 図6は液体加熱装置の比較例の断面図である。この液体
加熱装置1は金属シリコンが20重量%、SiO2およびAl2O
3 を主成分とする金属酸化物80重量%からなる管状セラ
ミックスヒータ4を備えている。そしてこの液体加熱装
置は、管状セラミックスヒータ4の内側に設けられ、内
側の被加熱液体の流路2を内包するフッ素樹脂PTFEのチ
ューブ25と、管状セラミックスヒータ4の外側に管状セ
ラミックスヒータとほとんど接して配置されたフッ素樹
脂PTFEのチューブ26、このチューブ26と同心円状に少し
離して配置されたフッ素樹脂PTFEのチューブ27および管
状セラミックスヒータの電極部に取り付けられているリ
ード線12とから構成されていて、チューブ26、27の間に
は外側の流路3が形成されている。また、10、11は流路
2への出入り口配管であり、8、9は流路3への出入り
口配管である。
【0082】この構成の液体加熱装置はフッ酸を含む多
くの種類の液体の加熱に使用できるが、フッ素樹脂の耐
熱性の制約によって管状セラミックスヒータ4の温度を
300℃以上に高くすることができないので高加熱容量の
液体加熱装置とするのが難かしく、純水の加熱に使用す
る場合には、特に被加熱液体の温度を高くしたい場合、
純水中に微量の有機物と塵を放出するので、純水の加熱
用には適していないことが分かった。
【0083】
【発明の効果】石英ガラス管を流路の材料に使用し、多
量の遠赤外線を含む赤外線を輻射する管状セラミックス
ヒータからの熱を、伝熱と輻射の両方を有効利用する熱
伝達によって被加熱液体に伝えることにより、被加熱液
体を全く汚すことがなく、コンパクトで高加熱容量、か
つ比較的簡単な構成で加熱効率が高く、目的によっては
複数の液体を同時に加熱することも可能なほとんど待時
間を必要としない液体加熱装置が得られた。この液体加
熱装置はエレクトロニクス関連製品の製造工程などで使
用される純水を連続加熱するのに好適なものであり、産
業上用途の広い液体加熱装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体加熱装置の一例を示す断面図。
【図2】本発明の液体加熱装置の他の一例を示す断面
図。
【図3】図2における温度センサーの取り付け部分の拡
大断面図。
【図4】本発明の液体加熱装置の応用例を示す説明図。
【図5】自動制御系を取り付けた本発明の液体加熱装置
の一例の説明図。
【図6】液体加熱装置の比較例の説明図。
【符号の説明】
1 :液体加熱装置 2 :内側の被加熱液体の流路 3 :外側の被加熱液体の流路 4 :管状セラミックスヒータ 5 :第1の石英ガラス管 6 :第2の石英ガラス管 7 :第3の石英ガラス管 8、9、10、11:被加熱液体の出入り口配管 12 :リード線 13 :コイル状石英ガラス棒 14 :連結管 15 :電源 16 :芯管 17 :インペラー 21 :スペーサ 22 :細管 23 :温度センサー 24 :窪み 25、26、27 :フッ素樹脂のチューブ 30 :制御用コンピュータ 31 :ポンプ 33 :現像液溜 34 :定着液溜 35 :流量コントローラ 36 :電力コントローラ 37 :純水槽 38 :流量センサー 39 :排出口 40 :配管

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抵抗加熱管状セラミックスヒータの内側と
    外側に近接して被加熱液体の流路が配置され、管状セラ
    ミックスヒータの内側の被加熱液体の流路が管状セラミ
    ックスヒータの内側に同心円状に配置された第1の石英
    ガラス管によって囲まれて形成され、管状セラミックス
    ヒータの外側の被加熱液体の流路が管状セラミックスヒ
    ータの外側に同心円状に配置された第2、第3の石英ガ
    ラス管の間に形成されていることを特徴とする液体加熱
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、管状セラミックスヒー
    タの材料が金属シリコンと、アルミナとシリカを主成分
    とする金属酸化物とからなり、材料中の金属シリコンの
    含有量が5〜50重量%である液体加熱装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、被加熱液体の
    温度調節が、被加熱液体の流入部に取り付けられた温度
    センサーおよび管状セラミックスヒータに取り付けられ
    た温度センサーからの温度信号と、被加熱液体の流路に
    設けられた流量センサーからの流量信号とに基いて、管
    状セラミックスヒータの温度を被加熱液体が昇温される
    温度に対応する予め決めてある所定の温度に保持するよ
    うに働く制御部により電力を制御して行われるものであ
    る液体加熱装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1つにおいて、管
    状セラミックスヒータの内側に近接し、かつ前記第1の
    石英ガラス管中に中空の石英ガラスの芯管が挿入され、
    被加熱液体の流路の上流側になる芯管の端部近傍の周囲
    にインペラーが取り付けられ、前記芯管がインペラーに
    よって前記第1の石英ガラス管内に第1の石英ガラス管
    と同心円状に固定されている液体加熱装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1つにおいて、管
    状セラミックスヒータの表面と近接して配置されている
    第1と第2の石英ガラス管の表面との間の間隔が1.2mm
    以下とされている液体加熱装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つにおいて、管
    状セラミックスヒータの外側の流路と内側の流路が連結
    管により直列に接続されている液体加熱装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1つにおいて、管
    状セラミックスヒータと第1の石英ガラス管の表面との
    間の管状セラミックスヒータの両端部近傍にそれぞれス
    ペーサが挿入されており、かつ管状セラミックスヒータ
    の発熱部分が第1の石英ガラス管および第2と第3の石
    英ガラス管で区画されている被加熱液体の流路によりほ
    とんど完全に囲まれ、かつ前記スペーサが管状セラミッ
    クスヒータの中央部に形成されている発熱部分と重なら
    ないように配置されている液体加熱装置。
  8. 【請求項8】請求項3〜7のいずれか1つにおいて、温
    度センサーがシース熱電対であり、シース熱電対が管状
    セラミックスヒータの外側の液体流路を囲む第2と第3
    の石英ガラス管とその間に形成されている流路を貫くよ
    うに、管状セラミックスヒータの軸に直交する方向に、
    第2と第3の石英ガラス管と一体に取り付けられた石英
    ガラスの細管の内側を通り、シース熱電対の先端が管状
    セラミックスヒータの表面に設けられた窪みに挿入され
    ている液体加熱装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1つにおいて、被
    加熱液体が純水である液体加熱装置。
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