JPH057924Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は換気装置を設けた靴に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、この種の換気装置を設けた靴としては踵
部に空気ポンプを設け、該空気ポンプに連通した
吸気用溝から爪先側の水虫、足むれ等の原因とな
る悪臭を発する空気をポンプ内に吸い込ませ空気
ポンプの踏圧効果で靴外へ排出する構成のものと
か、また、前記の構成のポンプ部分の作用をピス
トンによる滑動で行ない吸入弁及び排出バルブで
ピストンの吸排気を制御する構成のものが知られ
ている。（例えば実開昭62−148105号公報及び実
開昭51−129227号公報参照） 〔考案が解決しようとする課題〕 従来の技術で述べたもののうち前者において
は、蛇腹式の空気ポンプの一部分を踵で頻繁に押
圧する構成となつているために破れ易い問題点を
有していた。また後者においては、踵部の空胴内
をピストンが上下に滑動する構成となつているた
め空胴内面と滑動するピストン外周面との気密性
が保持しにくいために排気効率が低い問題点を有
していた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、頻繁な踵の押圧にも充分に耐えられ、
しかも排気効率の良好な換気装置を設けた靴を提
供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案における換
気装置を設けた靴は、踵部に窪設した空胴の上側
に、バネにより下側より中央位置を常押し上方に
やゝ湾曲させて上面側の略中央位置に踵の押圧突
起を突設して前記空胴の上側より密封被蓋した可
曲板状の圧搾弁蓋と、前記空胴部の前部及び側面
の側壁に埋設し、内側には周囲に円形シート面を
形成させた略球冠形の球冠弁を傾動自在に内蔵
し、前記球冠弁を内蔵したケースに閉塞縁及び通
気孔を形成した吸排気弁と、空胴部の前部側壁に
設けた通気弁に基部を連通し、先端側は本底の爪
先側に窪設した通気溝中に挿入させた通気管と、
前記通気溝の上方位置に穿孔した通気孔と前記押
圧突起が突出できる位置に穿設した押圧突起遊嵌
孔を穿設して本底上に被着したインソールとから
なるものである。

〔作用〕

靴を履用することにより、踵で押圧突起を押圧
しバネで押し上げて圧搾弁蓋を上下に揺動すると
圧搾弁蓋の上昇時には空胴内への空気吸引力が作
用し、吸気弁が開いて通気管の先端部から爪先側
の空気を空胴内へ吸引するために、爪先側の悪臭
を有する空気はインソールの通気孔より通気溝中
へ導入された後、通気管を通つて空胴内へ吸入さ
れる。次に踵で圧搾弁蓋が踏み込まれて押し下が
ると吸気弁は閉じて排気弁が開き前記空胴内へ吸
引された爪先側の空気は靴外へ排出される。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明する。

第１図〜第４図において空胴１は本底２の踵部
の内側に窪設されており形状は後半部は踵の後側
の半円周に沿つた形状に形成することが最も好ま
しく、空胴１の上端側の周囲に横方向に平面状の
圧搾弁蓋接着面３が形成されている。圧搾弁蓋４
は、例えばポリエチレン樹脂のような軟質で弾力
性を有するプラスチツクスを用いて厚み３mm〜５
mm程度の肉厚を有し中心位置に向かつてやゝ上方
に湾曲させた可曲板状に形成されており、中心位
置には上方に大きく縦断面倒伏コ字形に膨出形成
した押圧突起５が設けられている、また圧搾弁蓋
４の周囲縁６の下面側は前記圧搾弁蓋接着面３に
強固に糊着されており圧搾弁蓋４の中心位置は下
側より押上げバネ１７で常押しされている空胴１
の前部の側壁に埋設されている吸気弁８は、通気
孔９，９……を内外の側面に穿設したケース１０
内に例えばゴム材で略球冠形に形成して周囲に円
形シート面１１をやゝ窪ませて形成した球冠弁１
２を傾動自在に内蔵させており前記円形シート面
１１の対向位置に閉塞縁１３を円形に突出形成さ
せている。空胴１の側面の側壁に埋設されている
排気弁１４は前記吸気弁８と略同一構造に形成
し、ケース１５の外側面１６は本底２の外周面と
同一線上に埋設し靴外の外気と連通させ、そして
内側面は空胴１と連通させている。通気管１７は
例えば塩化ビニールのようなプラスチツク管で形
成し、基部を前記吸気管８に挿入連通させ先端側
は爪先側に向けて本底２に窪設した嵌入溝１８中
に嵌入させている。通気溝１９は本底２の爪先側
の上面に縦横に窪設し、最後端部に前記、通気管
１７の先端を位置させる。インソール２０は、前
記通気溝１９の上方位置に通気孔２１，２１……
を穿設し、押圧突起５が上方に突出できる位置に
押圧突起遊嵌孔２２を穿孔して押圧突起５を上方
に遊嵌突出させて本底２の上面側に被せて糊着さ
れている。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のとおり構成されているので次
に記載する効果を奏する。

圧搾弁蓋と押圧突起とが一体に成形されてお
り、しかも単純な板状に形成されているため上下
の揺動による部材間の摩擦や無理な変形部分が生
じることなく頻繁な揺動運動にも充分に耐え破れ
る等の故障が無くなり、また圧搾弁蓋の周囲縁が
圧搾弁蓋接着面に密着しているので空気漏れを生
じることなく、さらに吸気弁、排気弁ともに球冠
弁の傾動作用で空気の通気、遮断を行うために一
端が枢着された枢着弁と相違して故障も少なく開
いた状態の時通気面積が大きく圧搾弁蓋との相剰
作用により、爪先側の空気の排出効率を著しく高
め、しかも故障も無くすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は換気装置を設けた靴の縦断面図、第２
図は一部を欠截した平面図、第３図は主要部の一
部を拡大した縦断面図、第４図は吸気弁を拡大し
た縦断面図である。 １……空胴、２……本底、３……圧搾弁蓋接着
面、４……圧搾弁蓋、５……押圧突起、６……周
囲縁、７……押上げバネ、８……吸気弁、９……
通気孔、１０……ケース、１１……円形シート
面、１２……球冠弁、１３……閉塞縁、１４……
排気弁、１５……ケース、１６……外側面、１７
……通気管、１８……嵌入溝、１９……通気溝、
２０……インソール、２１……通気孔、２２……
押圧突起遊嵌孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部を上方に湾曲させて可曲板状に形成し、
   略中央位置に押圧突起５を一体に突設形成した圧
   搾弁蓋４の周囲縁６を、踵部に窪設した空胴１の
   上端外周に周設した圧搾弁蓋接着面３に糊着して
   圧搾弁蓋４を下側より押上げバネ７にて常押し、
   空胴１の前部及び側面の側壁に、略球冠形の周囲
   に円形シート面１１を周設した球冠弁１２をケー
   ス内に内蔵させた吸気弁８及び排気弁１４を埋設
   して吸気弁８から爪先側に向かつて通気管１７を
   嵌設し、爪先側の靴内空気の換気装置を設けた
   靴。