JPH0579222U - 焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼却物を連続的に且つ効率よく完全燃焼さ
せ、構造が比較的簡単であり且つ操作及び制御が容易で
ある焼却炉を提供する。 【構成】 本考案の焼却炉は、焼却物３を貯蔵するホッ
パー１と、燃焼筒１０を有する炉本体２とを含み、前記
燃焼筒内に燃焼座環１１を配設し、前記ホッパー内にコ
ンベヤ装置６を設けると共に前記ホッパーを焼却物供給
管９を介して前記燃焼座環の底部へ連結し、それにより
前記ホッパー内の焼却物を前記燃焼座環へ供給し、更に
前記燃焼座環の上方から空気を吹きつける送風フード１
６を前記燃焼座環の上方に配置したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は焼却物を連続的に且つ効率よく焼却する焼却炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の焼却炉は、炉内の燃焼区域へその上方から焼却物を供給し、そこで焼却 物を下部から上部へ燃焼するようになっており、このため焼却物の追加供給時に 焼却物の燃焼が不安定となることがあり、燃焼効率が比較的低く、また焼却物及 び空気の焼却炉への供給量の調整及び炉内温度の制御が難しく、大気汚染防止に 支障をきたし、炉内の燃焼区域は比較的大きな面積をもって構成されるので、構 造が大型化し且つ高価な耐火性の材料で構成されねばならない等の不都合があっ た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は上記した従来の技術の不都合を取除くと共に簡単で便利な形 の焼却炉を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る焼却炉は、焼却物を貯蔵するホッパーと、燃焼筒を有する炉本体 とを含み、前記燃焼筒内に燃焼座環を配設し、前記ホッパー内にコンベヤ装置を 設けると共に前記ホッパーを焼却物供給管を介して前記燃焼座環の底部へ連結し 、それにより前記ホッパー内の焼却物を前記燃焼座環へ供給し、更に前記燃焼座 環の上方から空気を吹きつける送風フードを前記燃焼座環の上方に配置した構成 を特徴とする。

【０００５】

【作用】

従って、焼却物は燃焼座環上でその上部が常に完全燃焼され、この完全燃焼に よって生じた灰は送風フードからの燃焼用空気流よって燃焼座環から吹き飛ばさ れ、燃焼座環の上部には常に新たに完全燃焼される焼却物が下から給送される。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案に係る焼却炉を図面の実施例に基いて説明する。 図１は本考案による焼却炉の一実施例の概略縦断面図であり、この焼却炉は互 いに近接して配置されたホッパー１と炉本体２とを含み、前記ホッパー１には例 えば刈り取った雑草や芝草等の焼却物３が上部開口４から投入されて貯蔵され、 前記ホッパー１の上部開口４は開閉自在の蓋５によって閉じられている。前記ホ ッパー１の底部全幅にわたって押し出しねじコンベヤ６が設けられており、該ね じコンベヤ６はその一端において伝動装置７を介して電動機８へ連結されており 、該電動機８からの駆動力によって所定の速度で回転駆動されるようになってい る。更に、前記ホッパー１は前記炉本体２の下部に隣接した側部の下部に焼却物 供給管９を連結しており、前記ねじコンベヤ６の他端は該焼却物供給管９中へ延 びている。前記ねじコンベヤ６は作動時に前記ホッパー１内の焼却物３を燃焼速 度に対応した速度で間欠的又は連続的に前記焼却物供給管９へ送出する。

【０００７】 前記焼却物供給管９は前記炉本体２の底部内へ延び且つ該炉本体２で上方へ湾 曲し、その上方端は該炉本体２の燃焼区域を画成する円筒状の燃焼筒１０内の下 方中央部分に配設された燃焼座環１１の底部へ連結されている。該燃焼座環１１ はその頂部端が底部端よりも大きい内径を有する倒立截頭円錐状に形成されてお り、該燃焼座環１１は前記燃焼筒１０に対してかなり小さい直径を有する。ねじ コンベヤ６によって焼却物供給管９中へ送出された焼却物３は燃焼座環１１中を 上方へ移動し、その上で図示したように山形に盛り上がる。更に、前記燃焼座環 １１は送風機１２の送風管路１３から分岐された空気管１４が連結され、該空気 管１４は燃焼座環１１の内部に燃焼促進用の空気を圧送することができる。前記 空気管１４を流通する空気量は該空気管１４に設けられたコック１５によって制 御される。前記送風管路１３は上方へ延在し、前記燃焼筒１０の側部を貫通して その内部の燃焼区域へ入り、そこで下方へ屈曲し、その先端は前記燃焼座環１１ の上方に配置される。前記送風管路１３の先端には截頭円錐状の送風フード１６ が設けられ、該送風フード１６は前記燃焼座環１１から盛り上がった焼却物３を 包みこむ様に上方から空気を供給する。更に、前記燃焼筒１０はその側部に点火 バーナー１７を取付けており、該点火バーナー１７は前記燃焼座環１１上の焼却 物３の方へ火炎を放射し、該焼却物３を自動着火するように位置決めされている 。なお、送風フード１６からの送風は、燃焼状況に応じて、強さ、時間、間隔を 適宜調節することができる。

【０００８】 前記燃焼筒１０はその底部に燃えかす収集部分１８を画成しており、該燃えか す収集部分１８は開閉自在の底蓋１９によって通常は閉じられている。前記燃焼 筒１０の上部は連通管２０によってサイクロン２１へ連通されており、該サイク ロン２１はその上部に連結された煙突２２から燃焼ガスを大気中へ放出すると同 時にサイクロン２１の底部の排塵収集部分２３に排塵を収集する。該排塵収集部 分２３に開閉自在に取付けられた底蓋２４を開き、そこに収集された排塵を排出 することができる。

【０００９】 上述したように構成された焼却炉は次のように動作する。ホッパー１内に貯蔵 された焼却物３はねじコンベヤ６によって焼却物供給管９を通して燃焼座環１１ 中を下方から上方へ供給され、そこで焼却物３は山形に盛り上げられる。燃焼座 環１１上で山形に盛り上げられた焼却物３は点火バーナー１７からの火炎によっ て点火されると共に燃焼座環１１上の焼却物３はその内部へ空気管１４から燃焼 促進空気が圧送されると同時にその上方から送風管路１３の先端の送風フード１ ６から空気が吹きつけられ、このため燃焼座環１１上の焼却物３はその上部から 下部へ燃焼を開始し、該焼却物３の上部が最初に完全燃焼されて灰となり、この 灰は送風フード１６からの空気流によって燃焼座環１１から吹き飛ばされ、燃焼 筒１０の下部の燃えかす収集部分１８へ収集される。このようにして、燃焼座環 １１上の焼却物３はその上部において常に完全燃焼するように燃焼座環１１中を 上方へ燃焼速度に対応した速度で連続的に移動される。燃焼筒１０内の燃焼ガス は連通管２０を通ってサイクロン２１中へ入り、そこで燃焼ガスは排塵を分離し て煙突２２から大気中へ放出され、分離された排塵はサイクロン２１の下部の排 塵収集部分２３へ落下する。また、必要に応じて適宜の手段により燃焼筒１０内 の燃焼熱を一部ホッパー１内へ導いて、ホッパー１内の焼却物の予備乾燥を行う ことができる。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明した本考案の構成により、本考案は焼却物の安定した完全焼却が可能 であり、焼却物の追加時の不安定な焼却がなく、連続焼却炉でありながら焼却物 の一括投入及び追加投入ができ、焼却の追加量及び空気量の調節が自在で、炉内 温度を容易に適正に制御することができ、ＮＯ_X の大気放出を防止することがで き、高価な耐火性材料の使用を排除するとともに、構造を簡単化することができ る等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の焼却炉の一実施例の概略縦断面図。

【符号の説明】

１ ホッパー ２ 炉本体 ３ 焼却物 ６ コンベヤ装置 ９ 焼却物供給管 １０ 燃焼筒 １１ 燃焼座環 １６ 送風フード

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 焼却物（３）を貯蔵するホッパー（１）
   と、燃焼筒（１０）を有する炉本体（２）とを含み、前
   記燃焼筒内に燃焼座環（１１）を配設し、前記ホッパー
   内にコンベヤ装置（６）を設けると共に前記ホッパーを
   焼却物供給管（９）を介して前記燃焼座環の底部へ連結
   し、それにより前記ホッパー内の焼却物を前記燃焼座環
   へ供給し、更に前記燃焼座環の上方から空気を吹きつけ
   る送風フード（１６）を前記燃焼座環の上方に配置した
   ことを特徴とする焼却炉。