JPH0578799A - Mg合金製部材及びその製造方法 - Google Patents

Mg合金製部材及びその製造方法

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JPH0578799A
JPH0578799A JP26997191A JP26997191A JPH0578799A JP H0578799 A JPH0578799 A JP H0578799A JP 26997191 A JP26997191 A JP 26997191A JP 26997191 A JP26997191 A JP 26997191A JP H0578799 A JPH0578799 A JP H0578799A
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JP
Japan
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alloy
compound
corrosion
plastic flow
weight
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JP26997191A
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English (en)
Inventor
Makoto Fujita
誠 藤田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Mg合金の材料として所要の組成を有するも
のを選定すると共に、この材料でなる素材に所定の加工
を施すことにより、該合金でなる部材の耐食性と耐摩耗
性を向上させる。 【構成】 Alを3重量%以上含有する材料で形成され
たMg合金製素材の表面部に、その表面方向に沿って塑
性流動加工を施すことにより、該表面部にMgとAlと
の化合物を層状に分布させる。この層状化された化合物
は、表面からの腐食に対するバリヤとして作用し、腐食
はこのバリヤに達した時点で阻止されて、それ以上の腐
食の進行が防止される。また、表面部に存在する層状化
された化合物は、該表面上での他の部材の摺動を円滑に
行わせて、当該部材の耐摩耗性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Mg(マグネシウム)
合金製部材、特に耐食性及び耐摩耗性に優れたMg合金
製部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車の軽量化の一環とし
て、ホイールをMg合金で製造することが考えられてい
る(例えば特開昭59−67102号公報参照)が、こ
のMg合金は腐食しやすいという欠点があり、これを補
うための種々の試みが行われているところである。
【0003】その一つは、Mg合金製部材の表面にメッ
キや塗装により耐食性皮膜を形成する方法であり、また
他の一つは、不純物を極力少なくした高純度材料を用い
ることである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Mg合金製部
材の表面に耐食性皮膜を形成する方法は、該皮膜が一部
でも破れて素材が露出したときに、その部位から腐食が
急速に進行するという問題があり、また、高純度材料を
用いたMg合金製部材は、塩に対しては強い反面、酸に
よっては容易に腐食するという欠点がある。
【0005】そこで、本発明は、Mg合金材料として所
要の組成を有するものを選択すると共に、その材料で形
成された素材の表面部に所定の加工を施すことにより、
該合金でなる部材の耐食性を向上させ、併せて耐摩耗性
の向上をも図ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0007】まず、本願の請求項1の発明(以下、第1
発明という)に係るMg合金製部材は、Al(アルミニ
ウム)を3重量%以上含有する材料で形成されたMg合
金製素材の表面部に、その表面方向に沿って塑性流動加
工を施すことにより、該表面部にMgとAlとの化合物
を層状に分布させたことを特徴とする。
【0008】また、請求項2の発明(以下、第2発明と
いう)に係るMg合金製部材は、Alを3重量%以上、
11重量%未満含有する材料によって形成されたMg合
金製素材の表面部に、その表面方向に沿って塑性流動加
工を施すことにより、上記第1発明と同様に、表面部に
MgとAlとの化合物を層状に分布させたことを特徴と
する。
【0009】さらに、請求項3の発明(以下、第3発明
という)に係るMg合金製部材は、上記第1、第2発明
における塑性流動加工により層状化されたMgとAlと
の化合物を、該部材の全表面に分布させたことを特徴と
する。
【0010】そして、請求項4の発明(以下、第4発明
という)に係るMg合金製部材の製造方法は、上記第1
発明に係るMg合金製部材を製造する方法であって、A
lを3重量%以上含有する材料によりMg合金製素材を
形成し、該素材の表面部に、その表面方向に沿って塑性
流動加工を施すことにより、該表面部にMgとAlとの
化合物を層状に分布させることを特徴とする。
【0011】なお、以上の発明における塑性流動加工と
しては、例えばロール加工、圧延加工、鍛造加工等が適
用可能である。
【0012】
【作用】上記の構成によれば、第1〜第4発明のいずれ
においても、材料中にAlが3重量%以上含有されてい
ることにより、該材料で例えば鋳造により形成された素
材中にMgとAlとの化合物(共析反応化合物)が形成
されることになると共に、この化合物が部材表面部に対
する塑性流動加工により該表面部では層状化されること
になる。そして、この表面部における層状化された化合
物が、表面からの腐食に対するバリヤとして作用するの
である。したがって、腐食はこのバリヤに達した時点で
阻止され、それ以上の腐食の進行が防止されることにな
る。また、表面部に存在する層状化された化合物は、当
該部材表面上での他の部材の摺動を円滑に行わせる作用
があり、これによって該部材の耐摩耗性も向上すること
になる。
【0013】そして、第2発明によれば、Mg合金製素
材の材料に含有されるAlが11重量%未満とされるの
で、これが11重量%以上含有される場合の延性の低下
が防止され、したがって、化合物を層状化させるための
塑性流動加工が良好に行われることになる。
【0014】また、第3発明によれば、上記の層状化さ
れた化合物が部材の全表面に分布するので、当該部材の
全表面が外部に露出する場合にも、腐食の発生ないし進
行が確実に阻止されることになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0016】この実施例で用いられたAlを含有するM
g合金材料はAZ80Aの連続鋳造材であり、そのMg
を除く他の組成は表1に示すとおりである。なお、同表
に参考として示す米国ASTM規格による押し出し材
も、本発明におけるMg合金製素材として使用可能であ
る。
【0017】
【表1】 この表から明らかなように、AZ80AにはAlが比較
的多量(8.0重量%)含有されているので、この材料
で形成された鋳造素材中にはMgとAlとの化合物(M
17Al12)が析出されることになる。これを顕微鏡写
真で示すと、図2(a)に示す通りであって、母材中に
析出している塊がこのMg−Al化合物である。
【0018】次に、上記Mg合金材料AZ80Aで形成
した鋳造素材の表面部に対して鍛造により塑性流動加工
を施す。
【0019】この加工は、図1(a)に示す円柱状のテ
ストピースを金型内で図1(b)に示すように押しつぶ
すものであり、その条件は表2に示す通りである。
【0020】
【表2】 この塑性流動加工により、素材表面部に存在する上記M
g−Al化合物が均一に層状化されることになり、その
状態を顕微鏡写真で示すと、図2(b)の通りである。
【0021】そして、この塑性流動加工を行った素材の
図1(b)に示す大加工域から切り出した試験片と、塑
性流動加工が施されていない鋳造素材から切り出した試
験片とについて、腐食試験として塩水噴霧テストを行っ
た。その結果は表3に示す通りである。
【0022】
【表3】 ここで、この塩水噴霧テストは、米国のテスト規格であ
るASTMB117に従い、濃度3%の塩水を用いて、
温度50℃で1000時間行ったものである。また、表
3の数値は1年間あたりの試験片の腐食による厚みの減
少量(単位:1/1000インチ)であり、この結果か
ら明らかなように、塑性流動加工によるMg−Al化合
物の層状化により、耐食性が著しく向上したことが判明
する。
【0023】また、上記両素材については、酸による腐
食試験も行った。その条件は試験片を3%の硝酸に30
秒間浸漬するというもので、その結果は図3(a),
(b)の顕微鏡写真に示す通りである。つまり、図3
(a)の塑性流動加工が行われていない鋳造素材の場
合、Mg−Al化合物の塊を避けて腐食が進行している
のに対して、同図(b)に示す塑性流動加工を行った素
材の場合は、層状化されたMg−Al化合物が腐食に対
するバリヤとなり、該バリヤに達した時点で腐食が阻止
されている。
【0024】ここで、上記Mg−Al化合物の層状化に
より、塑性流動加工を行った素材はこれを行わない素材
より機械的性質が向上することも確認されており、その
結果は表4に示す通りである。
【0025】
【表4】 なお、以上の実施例は、表1に示す組成を有するAZ8
0A合金の場合であるが、これ以外にも例えばAZ31
B(Al含有率:約3重量%),AZ31C(同、約3
重量%),AZ61A(同、約6〜7重量%),AZ8
0A(同、約8〜9重量%),AZ91D(同、約9重
量%),AM60A(同、約6重量%),AM100A
(同、約10重量%)等のMg合金の使用が可能であ
る。しかし、Al含有率が3重量%未満の場合は、Mg
−Al化合物の析出量が少なくて、塑性流動加工を行っ
ても効果的な化合物層が形成されず、またAl含有率が
11重量%以上の場合は、延性が低下して塑性流動加工
が困難となる。したがって、Al含有率は3重量%以
上、11重量%未満であることが必要である。
【0026】ここで、上記AZ31B、AZ91D及び
AM60Aについての鋳造素材の組織とその塑性流動加
工後の素材(切り粉押し出し材)の組織とを図4〜図6
の顕微鏡写真によって示すが、いずれもMg−Al化合
物が層状化されていることが確認される。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明に係るMg合金製部
材及びその製造方法によれば、Mg合金材料に含有され
る3重量%以上のAlにより素材中にMgとAlとの化
合物が形成されると共に、これが塑性流動加工により表
面部で層状化されて表面からの腐食に対するバリヤとし
て作用することにより、耐食性に優れたMg合金製部材
が製造されることになる。また、上記の層状化された化
合物は、当該部材表面上での他の部材の摺動を円滑に行
わせることにより、該部材の耐摩耗性も向上することに
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 耐食性を確認する塩水噴霧テストに用いられ
るテストピースと、その塑性流動加工を示す説明図であ
る。
【図2】 本発明の実施例に係るAZ80Aでなる鋳造
素材とその塑性流動加工後の組織を示す図面代用顕微鏡
写真である。
【図3】 図2の写真に示す鋳造素材及びその塑性流動
加工素材についての腐食試験の結果をそれぞれ示す図面
代用顕微鏡写真である。
【図4】 本発明の他の実施例としてのAZ31Bでな
る鋳造素材とその塑性流動加工後の組織を示す図面代用
顕微鏡写真である。
【図5】 同じく他の実施例としてのAZ91Dでなる
鋳造素材とその塑性流動加工後の組織を示す図面代用顕
微鏡写真である。
【図6】 同じく他の実施例としてのAM60Aでなる
鋳造素材とその塑性流動加工後の組織を示す図面代用顕
微鏡写真である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alを3重量%以上含有する材料により
    形成されたMg合金製素材の表面部に、その表面方向に
    沿って塑性流動加工を施すことにより、該表面部にMg
    とAlとの化合物を層状に分布させたことを特徴とする
    Mg合金製部材。
  2. 【請求項2】 Alを3重量%以上、11重量%未満含
    有する材料により形成されたMg合金製素材の表面部
    に、その表面方向に沿って塑性流動加工を施すことによ
    り、該表面部にMgとAlとの化合物を層状に分布させ
    たことを特徴とするMg合金製部材。
  3. 【請求項3】 塑性流動加工により層状化されたMgと
    Alとの化合物が全表面に分布されていることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のMg合金製部材。
  4. 【請求項4】 Alを3重量%以上含有する材料により
    Mg合金製素材を形成し、該素材の表面部にその表面方
    向に沿って塑性流動加工を施すことにより、該表面部に
    MgとAlとの化合物を層状に分布させることを特徴と
    するMg合金製部材の製造方法。
JP26997191A 1991-09-21 1991-09-21 Mg合金製部材及びその製造方法 Pending JPH0578799A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011141032A (ja) * 2003-06-19 2011-07-21 Sumitomo Electric Ind Ltd マグネシウム基合金ねじ
WO2011122390A1 (ja) * 2010-03-30 2011-10-06 住友電気工業株式会社 コイル材及びその製造方法

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