JPH0575760B2 - - Google Patents

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JPH0575760B2
JPH0575760B2 JP7613489A JP7613489A JPH0575760B2 JP H0575760 B2 JPH0575760 B2 JP H0575760B2 JP 7613489 A JP7613489 A JP 7613489A JP 7613489 A JP7613489 A JP 7613489A JP H0575760 B2 JPH0575760 B2 JP H0575760B2
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protein
fusion protein
buffer
solubilized
insoluble
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Masahiro Iwakura
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Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、遺伝子組換え技術により大腸菌体内
に不溶化状態で発現したジヒドロ葉酸還元酵素
(以下、DHFRということもある)をアミノ末端
側に有する融合タンパク質の分離精製方法、例え
ば大腸菌由来のDHFR遺伝子を改変した遺伝子
の3′末端側に遺伝暗号の読み取り枠を合うように
して異種遺伝子を結合し作製した融合遺伝子の大
腸菌内での発現の結果得られる組換え融合タンパ
ク質のうち、大腸菌菌体内に不溶性タンパク質と
して発現蓄積する融合タンパク質の可溶化及び可
溶化した融合タンパク質の高度精製方法に関する
ものである。本発明の融合タンパク質の分離精製
方法の利用分野としては、微生物工業、発酵工
業、医薬品製造の分野に好適である。
[従来の技術および問題点] 分子量の小さいポリペプチドとか大腸菌菌体内
で安定な高次構造をとらないタンパク質などの生
産を試みる場合、それ自身を暗号化する遺伝子を
効率よく発現するだけでは、菌体内に存在するタ
ンパク質分解酵素などの働きにより作られると同
時に分解がおこり、目的ポリペプチドもしくはタ
ンパク質を大量に菌体内に蓄積・生産させること
ができない。このことを避けるために、大腸菌で
安定に発現・蓄積するタンパク質との融合タンパ
ク質として発現・生産することが行われている。
不安定なポリペプチドもしくはタンパク質の安定
生産のために用いられるタンパク質として、既
に、本発明者らは、枯草菌及び大腸菌由来の
DHFRを利用る方法を開発している(特開昭63
−87981、特開昭63−102696、特開昭63−267276、
特開昭63−245679、特開昭63−245680、特願昭62
−085406、特開昭63−258597、特願昭62−
302154、特願昭62−302155、特願昭62−302156な
ど)。DHFR以外のタンパク質としては、β−ガ
ラクトシダーゼ(K.Itakura,et al.,Science,
vol.198,1056(1977)),トリプトフアン合成酵素
(K.Nagahari,et al.,Agric.Biol.Chem.,
vol.51,845(1987)),人成長ホルモン(M.
Ikehara,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,
vol・83,4695(1986))などの利用が公知である。
DHFRを利用する異種ポリペプチドもしくは
タンパク質の安定生産方法は、DHFRとの融合
タンパク質が大腸菌菌体内でDHFR酵素活性を
有する可溶性タンパク質として蓄積・生産するこ
とから、DHFR以外のタンパク質との融合によ
る安定生産方法に比較して、融合タンパク質の分
離精製などの点で優れた方法であつた。
しかしながら、DHFRと融合させるポリペプ
チドもしくはタンパク質を種々変化させると、あ
る種のポリペプチドもしくはタンパク質(本明細
書では、成長ホルモン放出因子誘導体と人プロラ
クチンに関して例示している。)をカルボキシ末
端側に有するDHFR融合タンパク質が不溶化タ
ンパク質として蓄積することが明かになり、この
ことが目的融合タンパク質の分離精製の上で大き
な問題として考えられた。
大腸菌で異種タンパク質を発現させた場合の不
溶化に関しては、多くの例が知られており(F.
A.O.Marston,Biochem.J.vol.240,1(1986)),
目的タンパク質の分離精製に関しては、不溶化し
たタンパク質を尿素などのタンパク質の変性剤で
可溶化し、その後変性剤存在下で精製する方法が
行われている。しかしながら、変性剤存在下の精
製方法は適用できる方法が限定されること、また
変性剤存在下では、目的タンパク質の生理活性が
不活性化され精製途中における目的タンパク質の
同定、検出に大きな問題が生じている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような事情の下、不溶化タンパ
ク質として大腸菌体内に発現・蓄積したDHFR
融合タンパク質の可溶化及び高度精製法を提供す
ることを目的としてなされたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記DHFR融合タンパク質の
可溶化及び高度精製法を開発するべく鋭意研究を
重ねた結果、不溶性タンパク質を酢酸又は変性剤
で可溶化しうること、さらにこれに続いて、場合
により緩衝液で希釈したのち、特定のクロマトグ
ラフイー処理を施すことにより、その目的を達成
し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明
をなすに至つた。
すなわち、本発明は、大腸菌のジヒドロ葉酸還
元酵素のカルボキシ末端側に異種タンパク質を結
合させた融合タンパク質を暗号化する遺伝子の発
現により、大腸菌体内に不溶性のタンパク質とし
て蓄積された融合タンパク質の分離精製方法にお
いて、不溶性タンパク質を発現生産した大腸菌体
を破砕後、遠心分離して得られる沈澱画分を酢酸
で可溶化し、可溶化した融合タンパク質を逆相高
速液体クロマトグラフイーにより高度に精製する
ことを特徴とする融合タンパク質の分離精製方
法、及び大腸菌のジヒドロ葉酸還元酵素のカルボ
キシ末端側に異種タンパク質を結合させた融合タ
ンパク質を暗号化する遺伝子の発現により、大腸
菌体内に不溶性のタンパク質として蓄積された融
合タンパク質の分離精製方法において、不溶性タ
ンパク質を発現生産した大腸菌体を破砕後、遠心
分離して得られる沈澱画分をタンパク質の変性剤
で可溶化し、可溶化した融合タンパク質を緩衝液
で希釈することによりジヒドロ葉酸還元酵素を活
性化し、ジヒドロ葉酸還元酵素活性を目安にメソ
トリキセート結合アフイニテイクロマトグラフイ
ーにより融合タンパク質を高度に精製することを
特徴とする融合タンパク質の分離精製方法を提供
するものである。DHFR融合タンパク質を不溶
性タンパク質として発現生産する菌体としては、
本発明者らが既に発明している、組換えプラスミ
ドpSG1−12を含有する大腸菌(微工研に
FERMBP−2149として寄託、特願昭63−293389
に記載)、組換えプラスミドpGRF44−22を含有
する大腸菌(微工研にFERMBP−2152として寄
託、特願昭63−294203に記載)、組換えプラスミ
ドpGRFM44−6を含有する大腸菌(微工研に
FERMBP−2151として寄託、特願昭63−294204
に記載)、組換えプラスミドpPRLh4を含有する
大腸菌(微工研にFERMBP−2153として寄託、
特願昭63−296913に記載)などがあるが、本発明
はこれらの菌体に限定されるものではない。
本発明は、菌体の培養方法、菌体からの不
溶化タンパク質の分離方法、不溶化タンパク質
の可溶化の方法、可溶化したタンパク質の高度
精製方法より構成される。以下、順に構成内容を
説明する。
菌体の培養方法 DHFR融合タンパク質が不溶性のタンパク質
として発現蓄積する場合、培養温度により不溶化
状態で蓄積するタンパク質と不溶化しないタンパ
ク質との割合が変化する。不溶化の割合は、培養
温度を高めるにしたがつて高まる。従つて、培養
温度としては、菌体が生育できる温度のうち最も
高温側(通常37℃から42℃)が望ましい。不溶化
タンパク質の割合は、培養菌体を、破砕後、5000
から10000回転/分で10から20分間の遠心分離に
より沈澱と上清画分に分け、これと全菌体タンパ
ク質とをそれぞれSDS−ポリアクリルアミド電気
泳動(SDS−PAGEと略す)後、クマジ−ブリリ
アントブルーでの染色パターンから目的タンパク
質バンドの染色度をデンシトメーターにより求め
比較することにより測定することができる。
DHFR融合タンパク質の不溶化タンパク質
(以下、不溶化融合タンパク質と略す)を発現生
産する菌体の培養は、YT+Ap培地(培地11
中に、5gのNaCl、5gの酵母エキス、8gの
トリプトン、及び50mgのアンピシリンナトリウム
を含む液体培地)で培養することができる。培地
としては、この他にST+Ap倍地(倍地11中
に、2gのグルコース、1gのリン酸2カリウ
ム、5gのポリペプトン、5gのイーストエキス
および50mgのアンピシリンナトリウムを含む液体
培地。)など、菌体が成長する培地であれば、ど
の様な培地でも用いることができるが、調べた限
りでは、DHFR融合タンパク質の生産にはYT+
Ap培地が最適であつた。
不溶性タンパク質を発現生産するを含有する大
腸菌を、培地に接種し、通常37℃で対数成長期の
後期もしくは定常期まで培養する。培養した菌体
は、5000回転/分の遠心分離により集める。培地
11より湿重量2から5gの菌体が得られる。
集菌およびこれ以後の操作は、特に断わらない
限り低温(0から10℃の間、4℃が望ましい)で
行う。
菌体から不溶化融合タンパク質の分離 培養して得られた菌体の破砕は、フレンチプレ
スを用いる方法、音波破砕法、ガラスビーズを用
いる法等、菌体を破砕することができる方法であ
ればどの様な方法でも適用することができる。こ
こでは、フレンチプレスを用いる方法を記載する
が本発明は菌体の破砕方法には限定されない。
湿重量の2倍の緩衝液1(0.1mM エチレン
ジアミン4酢酸ナトリウムを含む10mMリン酸カ
リウム緩衝液、PH7.0)に懸濁し、フレンチプレ
スを用いて菌体を破砕する。菌体破砕液を、5000
から10000回転で10分間遠心分離し沈澱を得る。
得られた沈澱を洗浄する目的で、緩衝液1に懸濁
し、5000から10000回転/分で10分間遠心分離し
沈澱を得る(沈澱の洗浄)。この洗浄の操作を2
ないし3回繰り返す。得られたタンパク質画分を
不溶化画分と称する。
この操作により、不溶化融合タンパク質の純度
が約50〜90%程度になる。
不溶化融合タンパク質の可溶化の方法 不溶化タンパク質の可溶化の方法としては、
()酢酸を用いる方法、()タンパク質の変性
剤を用いる方法が有効である。
() 酢酸を用いる方法 不溶化画分を、用いた菌体の湿重量のグラム数
と同容量(ml)の酢酸水溶液に溶解する。酢酸に
不溶の物質を遠心分離により取り除く。得られた
上清を酢酸不溶化画分と称する。用いる酢酸水溶
液の濃度は、15から30%の間が効果的である。こ
の操作により、目的融合タンパク質の純度が、約
90%以上に高まる。
() タンパク質の変性剤を用いる方法 タンパク質の変性剤としては、尿素もしくは塩
素グアニジンについて記載するが、不溶化融合タ
ンパク質を可溶化することができる変性剤で且つ
タンパク質のアミノ酸残基に、例えば、側鎖の修
飾などの悪影響を及ぼさない物であれば利用可能
であり、本発明は、用いられるタンパク質の変性
剤には限定されない。
不溶化画分を用いた菌体の湿重量のグラム数と
同量の尿素水溶液もしくは塩酸グアニジン水溶液
に溶解する。尿素もしくは塩酸グアニジンに不溶
の物質を遠心分離により取り除く。得られた上清
をそれぞれ尿素可溶化画分および塩酸グアニジン
可溶化画分と称する。用いる尿素の濃度は4M以
上、また塩酸グアニジンは3M以上が効果的であ
る。この操作により、目的融合タンパク質の純度
が、約80%以上に高まる。
可溶化した融合タンパク質の高度精製方法 () 酢酸を用いて可溶化した融合タンパク質 酢酸可溶化画分を、逆相系の担体を用いて高速
液体クロマトグラフイー(以下、HPLCと略す)
で分離精製する。逆相系の担体としては、オクチ
ル基を導入したシリカゲル担体が効果的であり、
0.1%トリフルオロ酢酸(TFAと略す)中、アセ
トニトリルの15%から50%の濃度勾配をかけるこ
とにより溶出させ、280nmの吸収を調べることに
より、溶出位置を知ることができる。このような
条件でも、可溶化した融合タンパク質は、部分的
にDHFR活性を有し、溶出画分中の目的融合タ
ンパク質を確認することができる。目的融合タン
パク質は、アセトニトリルの濃度45から48%の間
に溶出される。この操作により、目的融合タンパ
ク質は、完全に純化することができる。この操作
で用いられるHPLC装置としては、種々の物が利
用できる。実施例では、島津LC−4A型HPLC装
置を用いているが、本発明は、用いられるHPLC
装置には限定されない。また逆相系の担体とし
て、ガスクロ工業製のInertsil−ODSカラムを用
いているが、オクチル基を導入したシリカゲル担
体としては、種々のものが利用でき、従つて、本
発明は、用いられる担体には限定されない。
() タンパク質の変性剤を用いて可溶化した
融合タンパク質 変性剤を用いて可溶化したタンパク質画分を、
緩衝液1を用いて、10倍以上希釈することによ
り、変性状態で可溶化したを融合タンパク質を再
活性化することができる。希釈する緩衝液として
は、緩衝液1について記載しているが、PH5から
8の間においては、この範囲で緩衝能を有する緩
衝液(リン酸緩衝液、トリス緩衝液、ヒスチジン
緩衝液、グツド緩衝液など)に関しては、調べた
限り効果的に再活性化が達成できた。従つて、本
発明は、希釈に用いられる緩衝液には、制限され
ない。
緩衝液1の希釈により再活性化された目的融合
タンパク質の高度精製は、DHFR活性を目安に、
メソトリキセート(以下、MTXと略す)を結合
したアンフイニテイクロマトグラフイーを用いて
達成される。用いられるMTXを結合したアガロ
ースゲル担体は、市販品(例えば、シグマ社で販
売)を利用することができる。
緩衝液1の希釈により再活性化された目安融合
タンパク質溶液を、あらかじめ緩衝液1で平衡化
したMTX−アガロースアフイニテイカラムに吸
着させる。吸着後、1MのKClを含む緩衝液1で
洗う。洗いは、カラムからの溶出液の280nmの吸
光度を測定し、吸光度が0.1以下になるまで同緩
衝液を流し続ける。酵素の溶出は、1MのKClと
3mMの葉酸を含む10mMリン酸カリウム緩衝液、
PH9.0を用いて行い、溶出液を一定量ずつフラク
シヨンコレクターを用いて分画する。分画した溶
出液についてDHFR活性を測定し、酵素活性が
含まれる画分を集める。得られた酵素液を、緩衝
液1に対して、3回透析する。この操作により、
目的融合タンパク質は、完全に純化することがで
きる。
なお、透析して得られる酵素液中には、透析が
不完全な場合には、葉酸が含まれており、このた
め、280nmの吸光度を利用したタンパク質量の検
定等の障害となることが考えられる。そのため
に、ここでは、DEAE−トヨパールカラムクロマ
トグラフイーの利用方法を記載するが、本方法の
使用は、融合タンパク質の分離及び高度精製方法
を限定しない。
透析した酵素液を、あらかじめ緩衝液1で平衡
化したDEAE−トヨパールカラムに吸着させる。
吸着後、0.1MのKClを含む緩衝液1で洗う。洗
いは、カラムからの溶出液の280nmの吸光度を測
定し、吸光度が0.01以下になるまで同緩衝液を流
し続ける。酵素の溶出は、緩衝液1を用いて
0.1Mから0.3MのKC1の直線濃度勾配を用いて行
い、溶出液を一定量ずつフラクシヨンコレクター
を用いて分画する。分画した溶出液について
280nmの吸光度とDHFR活性を測定する。酵素
活性/280nmの吸光度の値が、一定な画分を集め
る。この操作により、再現性良く、葉酸を取り除
くことができる。
DHFR酵素活性は、反応液(0.05mMのジヒド
ロ葉酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−メル
カプトエタノール、50mMのリン酸緩衝液(PH
7.0))を、1mlのキユベツトとり、これに酵素液
を加え、340nmの吸光度の時間変化を30℃で測定
することにより行う。酵素1ユニツトは、上記反
応条件において、1分間に1マイクロモルのジヒ
ドロ葉酸を還元するのに必要な酵素量として定義
する。この測定は、分光光度計を用いて容易に行
うことができる。
本発明に用いられる試薬、装置等は、特に限定
して記載した以外は、通常の市販品を利用するこ
とができる。また、ここに記載した種々の操作
は、この分野の当業者であれば、なんの問題もな
く再現よく行うことができる。なお、用いられる
市販の試薬品は、特級以上の品質が要求される。
次に本発明の実施例を示す。
実施例 1 DHFR−牛成長ホルモン放出因子フラグメン
ト融合タンパク質 DHFR−牛成長ホルモン放出因子フラグメン
ト融合タンパク質は、組換えプラスミドpSG1−
12上に暗号化されており、微工研寄託番号
FERMBP−2149の大腸菌(以下、BP−2149株と
略す)が生産される融合タンパク質である。
BP−2149株は、YT+Ap培地を用いた場合、
37℃では90%が、また30℃では約50%の融合タン
パク質が不溶化するが、20℃ではほとんど100%
が可溶性タンパク質として菌体内に蓄積する。従
つて、YT+Ap培地31を用いて、37℃で16時
間培養した場合、42℃で更に1時間培養を行つ
た。培養後、5000回転/分、10分間の遠心分離に
より菌体を集め、菌体を300mlの緩衝液1に懸濁
し、再び5000回転/分、10分間の遠心分離を行い
菌体を集めた。その結果、湿重量11gの菌体が得
られた。得られた菌体を22mlの緩衝液1に懸濁
し、フレンチプレスを用いて菌体を破砕し、得ら
れた菌体破砕液を、5000回転/分、10分間の遠心
分離し、沈澱を集めた。沈澱は、白色をしてお
り、これを30mlの緩衝液1に懸濁し、再び5000回
転/分、10分間の遠心分離を行い沈澱を集めた。
この操作を、3回繰り返した。得られた沈澱を、
11mlの15%酢酸に溶解し、不溶性部分を、15000
回転/分、15分間の遠心分離により沈澱として取
り除き、上清を得た(約14ml)。得られた上清を
逆相HPLCにより分離した。上清0.5mlをHPLC
装置(島津LC−4A、inertsil−ODSカラム)を
用いて、0.1%トリフルオロ酢酸中、15%から50
%のアセトニトリルの濃度勾配を用いて溶出・分
離することができる。溶出物は、280nmにおける
吸光度を測定することにより検出することができ
る。試料注入後34分に目的の融合タンパク質のピ
ークが得られ、そのピーク画分を分離した。この
ピーク画分はDHFR活性を保有し、その活性は
タンパク質1mg当り約0.7ユニツトであつた。分
離した溶出液をエバホレーターで乾燥後、少量の
水を加え凍結乾燥し溶媒を除き、融合タンパク質
を得ることができた。1回のHPLCの操作によ
り、約0.9mg弐融合タンパク質が回収された(す
なわち、この操作を繰り返すことにより19.8mgの
融合タンパク質が分離できる計算になる)。得ら
れた標品は、SDS−PAGEにより均一なタンパク
質標品であることが示され、また、ブロムシアン
処理することにより成長ホルモン放出因子ペプチ
ドフラグメントを生成することから、成長ホルモ
ン放出因子ペプチドフラグメント生成の原料とし
て有用であつた(特許出願中)。
実施例 2 DHFR−牛成長ホルモン放出因子誘導体融合
タンパク質 DHFR−牛成長ホルモン放出因子誘導体融合
タンパク質は、組換えプラスミドpGRFM44−6
上に暗号化されており、微工研寄託番号
FERMBP−2151の大腸菌(以下、BP−2151株と
略す)が生産する融合タンパク質である。
BP−2151株は、YT+Ap培地を用いた場合、
37℃でほとんど全ての融合タンパク質が不溶化す
るが、30℃では約65%が不溶化し、20℃ではほと
んど100%が可溶性タンパク質として菌体内に蓄
積する。従つて、YT+Ap培地31を用いて、
37℃で16時間培養を行つた。培養後、5000回転/
分、10分間の遠心分離により菌体を集め、菌体を
300mlの緩衝液1に懸濁し、再び5000回転/分、
10分間の遠心分離を行い菌体を集めた。その結
果、湿重量13gの菌体が得られた。得られた菌体
を26mlの緩衝液1に懸濁し、フレンチプレスを用
いて菌体を破砕し、得られた菌体破砕液を5000回
転/分、10分間の遠心分離し、沈澱を集めた。沈
澱は、白色をしており、これを30mlの緩衝液1に
懸濁し、再び5000回転/分、10分間の遠心分離を
行い沈澱を集めた。この操作を、3回繰り返し
た。得られた沈澱を、14mlの4M尿素を含む緩衝
液1に溶解し、不溶性部分を、15000回転/分、
15分間の遠心分離により沈澱として取り除き、上
清を得た(約14ml)。上清に、10倍量(140ml)の
緩衝液1を加え希釈した。希釈した溶液中には、
930ユニツトのDHFR活性が含まれていた。これ
に10gのあらかじめ緩衝液1で平衡化したMTX
−アガロースゲルを加え、一晩緩やかに撹はんし
ながら一晩放置し、融合タンパク質をMTXアガ
ロースゲルに吸着させた。この操作をしたゲルを
カラムにつめ、上澄み液をカラムに通した後、
1MのKClを含む緩衝液1で洗つた。洗いは、カ
ラムからの溶出液の280nmの吸光度を測定し、吸
光度が0.1以下になるまで同緩衝液を流し続けた
(約150ml)。酵素の溶出は、1MのKClと3mMの
葉酸を含む10mMリン酸カリウム緩衝液、PH9.0
を用いて行い、溶出液を一定量(約5ml)をフラ
クシヨンコレクターを用いて分画した。分画した
溶出液についてDHFR活性を測定し、酵素活性
が含まれる画分を集めた(約25ml)。得られた酵
素液を、緩衝液1に対して、3回透析した。透析
した標品を、SDS−PAGEで調べたところ、均一
なタンパク質標品であることが示された。この標
品は、502ユニツトのDHFR活性(回収率54%)、
また約20mgの融合タンパク質を含んでいた。
実施例 3 DHFR−プロラクチン融合タンパク質 DHFR−プロラクチン融合タンパク質は、組
換えプラスミドpPRLh4上に暗号化されており、
微工研寄託番号FERMBP−2153の大腸菌(以
下、BP−2153株と略す)が生産する融合タンパ
ク質である。
BP−2153株は、YT+Ap培地を用いた場合、
37℃で約70%が不溶化し、30℃では約90%以上が
可溶性タンパク質として菌体内に蓄積する。従つ
て、YT+Ap培地31を用いて、37℃で16時間
培養した後、42℃で更に2時間培養を行つた。培
養後、5000回転/分、10分間の遠心分離により菌
体を集め、菌体を300mlの緩衝液1に懸濁し、再
び5000回転/分、10分間の遠心分離を行い菌体を
集めた。その結果、湿重量10gの菌体が得られ
た。得られた菌体を20mlの緩衝液1に懸濁し、フ
レンチプレスを用いて菌体を破砕し、得られた菌
体破砕液を、5000回転/分、10分間の遠心分離
し、沈澱を集めた。沈澱は、白色をしており、こ
れを30mlの緩衝液1に懸濁し、再び5000回転/
分、10分間の遠心分離を行い沈澱を集めた。この
操作を、3回繰り返した。得られた沈澱を、10ml
の3M塩酸グアニジンを含む緩衝液1に溶解し、
不溶性部分を、15000回転/分、15分間の遠心分
離により沈澱として取り除き、上清を得た(約10
ml)。上清に、10倍量(100ml)の緩衝液1を加え
希釈した。希釈した溶液中には、680ユニツトの
DHFR活性が含まれていた。これに10gのあら
かじめ緩衝液1で平衡化したMTX−アガロース
ゲルを加え、一晩緩やかに撹はんしながら一晩放
置し、融合タンパク質をMTXアガロースゲルに
吸着させた。この操作をしたゲルをカラムにつ
め、上澄み液をカラムに通した後、1MのKClを
含む緩衝液1で洗つた。洗いは、カラムからの溶
出液の280nmの吸光度を測定し、吸光度が0.1以
下になるまで同緩衝液を流し続けた(約150ml)。
酵素の溶出は、1MのKClと3mMの葉酸を含む
10mMのリン酸カリウム緩衝液、PH9.0を用いて
行い、溶出液を一定量(約5ml)をフラクシヨン
コレクターを用いて分画した。分画した溶出液に
ついてDHFR活性を測定し、酵素活性が含まれ
る画分を集めた(約25ml)。得られた酵素液を、
緩衝液1に対して、3回透析した。透析した標品
を、SDS−PAGEで調べたところ、均一なタンパ
ク質標品であることが示された。この標品は、
450ユニツトのDHFR活性(回収率66%)、また
約23mgの融合タンパク質を含んでいた。
[発明の効果] 本発明に従えば、不溶性となつたDHFRとの
融合タンパク質の可溶化が達成されるだけでな
く、融合タンパク質のアミノ末端領域のDHFR
酵素部分の活性化が達成され、可溶化したタンパ
ク質の高度精製均一化が容易となつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 大腸菌のジヒドロ葉酸還元酵素のカルボキシ
    末端側に異種タンパク質を結合させた融合タンパ
    ク質を暗号化する遺伝子の発現により、大腸菌体
    内に不溶性のタンパク質として蓄積された融合タ
    ンパク質の分離精製方法において、不溶性タンパ
    ク質を発現生産した大腸菌体を破砕後、遠心分離
    して得られる沈澱画分を酢酸で可溶化し、可溶化
    した融合タンパク質を逆相高速液体クロマトグラ
    フイーにより高度に精製することを特徴とする融
    合タンパク質の分離精製方法。 2 大腸菌のジヒドロ葉酸還元酵素のカルボキシ
    末端側に異種タンパク質を結合させた融合タンパ
    ク質を暗号化する遺伝子の発現により、大腸菌体
    内に不溶性のタンパク質として蓄積された融合タ
    ンパク質の分離精製方法において、不溶性タンパ
    ク質を発現生産した大腸菌体を破砕後、遠心分離
    して得られる沈澱画分をタンパク質の変性剤で可
    溶化し、可溶化した融合タンパク質を緩衝液で希
    釈することによりジヒドロ葉酸還元酵素を活性化
    し、ジヒドロ葉酸還元酵素活性を目安にメソトリ
    キセート結合アフイニテイクロマトグラフイーに
    より融合タンパク質を高度に精製することを特徴
    とする融合タンパク質の分離精製方法。
JP7613489A 1989-03-28 1989-03-28 融合タンパク質の分離精製方法 Granted JPH02255697A (ja)

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