JPH0575500A - ハウリング防止装置 - Google Patents

ハウリング防止装置

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JPH0575500A
JPH0575500A JP23058191A JP23058191A JPH0575500A JP H0575500 A JPH0575500 A JP H0575500A JP 23058191 A JP23058191 A JP 23058191A JP 23058191 A JP23058191 A JP 23058191A JP H0575500 A JPH0575500 A JP H0575500A
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JP
Japan
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attenuation amount
echo
amount
attenuation
circuit
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP23058191A
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English (en)
Inventor
Kensaku Fujii
健作 藤井
Toshiro Oga
寿郎 大賀
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ハンズフリータイプの双方向通話
装置において、ハウリングの発生を防止するハウリング
防止装置に関し、エコーキャンセラと音声スイッチを併
用するような構成において、同時双方向通話を確保しな
がら、ハウリングの発生も防止することができるハウリ
ング防止装置を提供することを目的とする。 【構成】 減衰量算出手段22により、一巡閉路の音響
結合利得と、エコー除去手段21のエコー消去量と、一
巡閉路の増幅利得に基づいて、一巡閉路の利得を1以下
に設定するための減衰量を算出し、この算出結果に基づ
いて減衰量挿入手段23により一巡閉路に減衰量を挿入
するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ハンズフリータイプ
の双方向通話装置において、ハウリングの発生を防止す
るハウリング防止装置に関する。
【0002】近年、電話システムにおいては、従来のハ
ンドセットタイプの電話機の代わりに、スピーカ(受話
音声出力手段)とマイクロホン(送話音声入力手段)を
使って通話するハンズフリータイプの電話機が開発され
ている。
【0003】また、テレビ会議システムにおいても、ス
ピーカとマイクロホンを使って通話する双方向通話装置
が用いられる。
【0004】このようなハンズフリータイプの双方向通
話装置においては、スピーカとマイクロホンとの音響結
合(防側音回路を有する双方向通話装置においては、側
音結合を含む)により一巡閉路が構成される。
【0005】このような一巡閉路が形成されると、スピ
ーカから出力される受話音声がエコーとしてマイクロホ
ンに入力され、ハウリングが生じることがある。
【0006】したがって、ハンズフリータイプの双方向
通話装置においては、ハウリングの発生を防止するため
のハウリング防止装置が必要になる。
【0007】
【従来の技術】従来は、例えば、エコーキャンセラを用
いてハウリングの発生を防止するようになっていた。
【0008】ここで、エコーキャンセラとは、双方向通
話装置の出力信号から擬似エコーを生成し、この擬似エ
コーを双方向通話装置の入力信号から差し引くことによ
り、一巡閉路を流れるエコーを除去するものである。
【0009】このようなエコーキャンセラを用いる構成
によれば、上述したような結合が相殺されるため、ハウ
リングの発生を防止することができる。
【0010】また、エコーを消去することによりハウリ
ングを防止する構成であるため、同時双方向通話も実現
することができる。
【0011】しかし、このエコーキャンセラには、ダブ
ルトークやエコー経路変動により、エコー消去能力が低
下するという欠点がある。
【0012】エコー消去能力が低下すると一巡閉路の利
得が上昇し、ハウリングが発生する危険性が高くなる。
【0013】したがって、ハウリング防止装置としてエ
コーキャンセラを用いる場合は、ダブルトークやエコー
経路変動に伴うエコー消去量の低下に対処する必要があ
る。
【0014】この方法として、音声スイッチをエコーキ
ャンセラと併用する方法が考えられる。
【0015】ここで、音声スイッチとは、一般的には、
送話経路と受話経路のうち、通話状態にない経路に大き
い減衰量を挿入することにより、ハウリングの発生を防
止するものである。
【0016】したがって、エコーキャンセラのエコー消
去能力が低下したとき、音声スイッチを駆動するように
すれば、閉路利得が1未満に維持されるので、ハウリン
グの発生を防止することができる。
【0017】しかし、このような構成では、エコー消去
能力の低下時、一巡閉路に大きい減衰量が挿入されるた
め、エコーキャンセラの採用によりようやく可能となっ
た同時双方向通話を確保することができなくなる。
【0018】したがって、エコーキャンセラと音声スイ
ッチを併用する場合、音声スイッチの減衰量として、同
時双方向通話を保証可能な減衰量を設定する必要があ
る。
【0019】このような減衰量を算出する方法として、
「適応型ボイススイッチ」(電子情報通信学会技術研究
報告EA87−76)に記載される方法がある。
【0020】この文献によれば、図16に示すハンズフ
リー電話機の通話回路モデルにおいて、一巡閉路利得の
算出に必要な音響結合利得αは、受話状態におけるスピ
ーカ11の出力R0 とマイクロホン12の入力Si の比
(Si /R0 r と表される。
【0021】また、側音結合率βは、送話状態における
送話音声出力S0 と受話音声入力R i の比(Ri
0 s と表される。
【0022】
【数1】
【数2】 但し、K:送話信号レベル/受話信号レベル G:スイッチ減衰量
【0023】したがって、両式から音響結合率αは、上
記式(1)の最小値として求められる。また、側音結合
率βは、上記式(2)の最小値として求められる。
【0024】両結合率α,βが得られと、同時双方向通
話を保証可能な必要最小限のスイッチ減衰量Gは、両結
合率α,βの積の逆数にある程度の余裕Mを与えて次式
(3)のように求められる。 G=M/(αβ) …(3)
【0025】この文献における理論展開は厳密であり、
式(1),(2)で求められた結合率α及びβから決定
されるスイッチ減衰量Gは、最適値を与えていると判断
される。
【0026】ところで、この文献は、エコーキャンセラ
と音声スイッチを併用する場合におけるスイッチ減衰量
Gの算出については言及していない。
【0027】しかし、この文献で得られた結果を、併用
構成におけるスイッチ減衰量Gの算出に適用することは
簡単である。
【0028】すなわち、この場合は、上記スイッチ減衰
量Gに、エコーキャンセラによるエコー消去量を含めて
考えればよいわけである。
【0029】しかし、この方法の場合、同時双方向通話
を保証することができるものの、エコーキャンセラにお
いて必然的に生じるエコー消去量の変化に追随すること
ができないという問題がある。
【0030】これは、この文献の場合、双方向通話装置
の設置状態における静的な結合率αとβを推定してスイ
ッチ減衰量Gを算出するようになっているため、エコー
キャンセラのエコー消去量の低下に応じて、スイッチ減
衰量Gを制御することができないからである。
【0031】すなわち、この文献の「減衰量の適応制
御」の意味するところは、その文脈から予想するに、設
置した環境で決まる固定的な結合率を計算して適応させ
ることであり、ダブルトークやエコー経路変動により使
用中に変動する動的な結合率に追随して制御することで
はない。
【0032】したがって、この文献の方法により、スイ
ッチ減衰量を算出した場合、使用中にエコー消去量が変
化すると、ハウリングが発生する可能性がある。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の音声スイッチは、固定的な結合率に基づいてスイッ
チ減衰量を求めるようになっているため、エコーキャン
セラとの併用を考えた場合、同時双方向通話を確保する
ことができても、ハウリングの発生を防止することがで
きない場合があるという問題がある。
【0034】そこで、この発明は、エコーキャンセラと
音声スイッチを併用するような構成において、同時双方
向通話を確保しながら、ハウリングの発生も防止するこ
とができるハウリング防止装置を提供することを目的と
する。
【0035】
【課題を解決するための手段】図1は、この発明の原理
構成を示すブロック図である。
【0036】図において、21は、双方向通話装置の出
力信号から擬似エコーを生成し、この擬似エコーを双方
向通話装置の入力信号から差し引くことにより、一巡閉
路を流れるエコーを除去するエコー除去手段である。
【0037】22は、一巡閉路の音響結合利得と、エコ
ー除去手段21のエコー消去量と、一巡閉路の増幅利得
に基づいて、一巡閉路の利得を1以下に設定するための
減衰量を算出する減衰量算出手段である。
【0038】23は、減衰量算出手段22により算出さ
れた減衰量を一巡閉路に挿入する減衰量挿入手段であ
る。
【0039】
【作用】上記構成においては、挿入減衰量がエコー消去
量に基づいて算出されるため、ダブルトークやエコー経
路変動によりエコー消去量が減少すると、それに追随し
て挿入減衰量が増大する。
【0040】これにより、エコー消去量が減少しても、
一巡閉路利得が1以下に維持されるめ、ハウリングが発
生することはない。
【0041】しかも、挿入減衰量はエコー消去量に基づ
いて算出されるため、常に、必要最小限の減衰量を挿入
することが可能である。
【0042】これにより、同時双方向通話を極力保証し
ながら、ハウリングの発生を防止することができる。
【0043】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例
を詳細に説明する。
【0044】図2は、この発明の一実施例の構成を示す
ブロック図である。なお、この図2は、この発明をハン
ズフリー電話機のハウリング防止装置に適用した場合を
代表として示す。
【0045】図において、まず、通話回路の構成の構成
を説明する。
【0046】図中、31は、送話音声を入力するための
マイクロホンである。32は、送話音声信号を送信する
ための送信回路(図示せず)が接続される出力端子であ
る。
【0047】33は、受話音声信号を受信するための受
信回路(図示せず)が接続される入力端子である。34
は、受話音声を出力するためのスピーカである。
【0048】以上が通話回路の構成である。次に、この
通話回路に挿入されるハウリング防止装置の構成を説明
する。
【0049】図において、35は、スピーカ34とマイ
クロホン31の音響結合により構成される一巡閉路を流
れるエコーを除去するエコーキャンセラである。
【0050】36は、一巡閉路に挿入する減衰量を算出
する減衰量算出部である。37は、この減衰量算出部3
6により算出された減衰量を一巡閉路に挿入する音声ス
イッチである。
【0051】以上がハウリング防止装置の全体的な構成
である。次に、このハウリング防止装置を構成するエコ
ーキャンセラ35の構成を説明する。
【0052】このエコーキャンセラ35において、35
1は擬似エコーGjを生成する適応フィルタである。
【0053】この適応フィルタ351は、後述する係数
更新回路354から供給される係数データHj を、スピ
ーカ34に供給される通話回路の出力信号Xj にかける
ことにより擬似エコーGj を生成するようになってい
る。
【0054】352は、マイクロホン31から出力され
る通話回路の入力信号Yj から上記擬似エコーGj を差
し引くことにより、一巡閉路からエコーgj を除去する
減算回路である。
【0055】353は、適応フィルタ351の現在の係
数データHj と次の係数データHj+ 1 との差を示すデー
タを算出する差分算出回路である。この差分算出回路3
53は、減算回路352から出力される残留エコーEj
と通話回路の出力信号Xj に基づいて、上記差分データ
を算出するようになっている。
【0056】上記係数更新回路354は、差分算出回路
353により算出された差分データを現在の係数データ
j に加算することにより新しい係数データHj+1 を求
めるようになっている。
【0057】355は、ダブルトークの発生を検出する
ダブルトーク検出回路である。このダブルトーク検出回
路355は、減算回路352の出力信号と擬似エコーG
j に基づいて、ダブルトークの発生を検出するようにな
っている。
【0058】356は、エコー経路の変動を検出するエ
コー経路変動検出回路である。このエコー経路変動検出
回路356は、減算回路352の出力信号と擬似エコー
j に基づいて、エコー経路変動を検出するようになっ
ている。
【0059】357は、ダブルトーク検出回路355と
エコー経路変動検出回路356の検出出力に基づいて、
係数更新回路354の係数更新動作を制御するゲート回
路である。
【0060】上記ダブルトーク検出回路355の検出出
力は、ダブルトークを検出すると、「0」レベルから
「1」レベルに切り替わる。同様に、前記エコー経路変
動検出回路356の検出出力は、エコー経路変動を検出
すると、「0」レベルから「1」レベルに切り替わる。
【0061】これにより、ゲート回路357のゲート出
力は、ダブルトークが検出された場合だけ「1」レベル
から「0」レベルに切り替わり、そのほかの場合は、
「1」レベルに保持される。
【0062】上記係数更新回路354は、ゲート回路3
57のゲート出力が「1」レベルの場合は、係数更新動
作を実行し、「0」レベルの場合は、この動作を停止す
るようになっている。
【0063】これにより、係数更新回路354の係数更
新動作は、ダブルトークが検出された場合だけ停止さ
れ、そのほかの場合は実行される。
【0064】以上がエコーキャンセラ35の構成であ
る。なお、上記適応フィルタ351の係数データは、例
えば、学習同定法に基づいて更新されるようになってい
る。
【0065】この学習同定法によれば、時刻j+1にお
ける適応フィルタ351のタップm(m=1〜I)の係
数データHj+1(m)は、次式(4)により表される。
【0066】 Hj+1(m)=Hj (m) +{KEj j (m) /ΣXj (i) } …(4) 但し、K:修正係数(ステップゲイン) ΣXj (i) :ノルム(i=1〜I)
【0067】ここで、右辺第1項は、現在の係数データ
を示し、第2項は差分データを示す。この差分データ
は、上記の如く、差分検出回路353により算出され、
係数更新回路354により、現在の係数データと加算さ
れる。
【0068】次に、上記音声スイッチ37の構成を説明
する。
【0069】この音声スイッチ37において、371は
受話経路に挿入された減衰回路であり、372は、送話
経路に挿入された減衰回路である。373は、これら減
衰回路371,372の減衰量を制御する減衰量制御回
路である。
【0070】以上が音声スイッチ37の構成である。次
に、図3を参照しながら、減衰量算出部36と音声スイ
ッチ37の減衰量制御回路373の構成を説明する。
【0071】まず、減衰量算出部36の構成を説明す
る。この減衰量算出部36において、361は、エコー
キャンセラ35のエコー消去量Pe を算出するエコー消
去量算出回路である。
【0072】このエコー消去量算出回路361は、通話
回路の入力信号Yjと残留エコーE j とのパワー比(Y
j /Ej )を算出することにより、近似的に上記エコー
消去量Pe を算出するようになっている。
【0073】以下、この近似処理に求められたエコー消
去量Pe を近似エコー消去量PE という。
【0074】362は、スピーカ34とマイクロホン3
1の間の音響結合利得Pg を算出する音響結合利得算出
回路である。
【0075】この音響結合利得算出回路362は、係数
推定動作の収束後における係数データHj をパワー換算
することにより、近似的に上記音響結合利得Pg を算出
するようになっている。
【0076】以下、この近似処理に求められた音響結合
利得Pg を近似音響結合利得PG という。
【0077】363は、挿入減衰量Ps を算出する減衰
量算出回路である。この減衰量算出回路363は、近似
エコー消去量PE と、近似音響結合利得PG と、一巡閉
路の増幅利得Pa から次式(5)に基づいて、挿入減衰
量Ps を算出するようになっている。
【0078】 Ps ≒PG +Pa −PE …(5)
【0079】但し、減衰量算出回路363は、係数推定
動作が収束する前は、予想される最悪条件下での音響結
合利得PGXを用いて、挿入減衰量Ps を算出するように
なっている。
【0080】この音響結合利得PPGXは、減衰量算出回
路363の内部メモリに予め登録されている。
【0081】364は、係数推定動作が収束したか否か
をを判定する収束判定回路である。この収束判定回路3
64は、近似エコー消去量PE がある値に収束したか否
かを判定することにより、係数推定動作が収束したか否
かを判定するようになっている。
【0082】上記音響結合利得算出回路362は、収束
判定回路364により、係数推定動作が収束したと判定
されると、係数データHj に基づいて、音響結合利得P
G を算出するようになっている。
【0083】また、減衰量算出回路363は、収束判定
回路364により係数推定動作が収束したと判定される
前は、上記音響結合利得PGXに基づいて挿入減衰量Ps
を算出し、収束したと判定されると、音響結合利得算出
回路362から出力される音響結合利得PG に基づい
て、挿入減衰量Ps を算出するようになっている。
【0084】以上が減衰量算出部36の構成である。次
に、減衰量制御回路373の構成を説明する。
【0085】この減衰量制御回路373において、1A
は、減衰量算出回路363により算出された挿入減衰量
s を減衰回路371,372に設定する減衰量設定回
路である。
【0086】2Aは、上記減衰量算出回路363により
算出された挿入減衰量Ps が、例えば、10dB 以上か
否かを判定する減衰量判定回路である。
【0087】この減衰量判定回路2Aにより挿入減衰量
s が10dB 以下と判定されると、上記減衰量設定回
路1Aは、減衰量算出回路363の算出結果に関係な
く、挿入減衰量Ps を無限大に固定するようになってい
る。
【0088】3Aは、上記減衰量算出回路363により
算出された挿入減衰量Ps が、例えば、6dB 未満か否
かを判定する減衰量判定回路である。
【0089】この減衰量判定回路3Aにより挿入減衰量
s が6dB 以下と判定されると、上記減衰量設定回路
1Aは、減衰量算出回路363の算出結果に関係なく、
挿入減衰量Ps を6dB に固定するようになっている。
【0090】4Aは、例えば、減衰回路371の入出力
信号に基づいて、送話状態にあるか否かを判定する送話
判定回路である。
【0091】5Aは、例えば、減衰回路372の入出力
信号に基づいて、受話状態にあるか否かを判定する送話
判定回路である。
【0092】上記減衰量設定回路1Aは、上記判定回路
4A,5Aの判定結果に基づいて、送話状態にあれば、
受話側の減衰回路372に挿入減衰量Ps を設定するよ
うになっている。
【0093】これに対し、受話状態にあれば、送話側の
減衰回路371に挿入減衰量Ps を設定するようになっ
ている。
【0094】また、同時双方向通話状態においては、す
でに、挿入減衰量Ps を設定している減衰回路371
(あるいは372)に対してそのまま挿入減衰量Ps
付与すするようになっている。
【0095】上記減衰量設定回路1Aは、また、エコー
経路変動検出回路356によりエコー経路変動が検出さ
れると、減衰量算出回路363の算出結果に関係なく、
挿入減衰量Ps を無限大に固定するようになっている。
【0096】そして、この状態は、減衰量算出回路36
3により算出された挿入減衰量Ps が10dB に達する
まで維持されるようになっている。
【0097】上記構成において、まず、エコーキャンセ
ラ35のエコー除去動作を説明する。
【0098】係数推定動作の初期状態においては、係数
更新回路354から出力される係数データHj は小さな
値を示す。これにより、適応フィルタ351から出力さ
れる擬似エコーGj も小さな値を示す。
【0099】したがって、スピーカ34からマイクロホ
ン31に入力されたエコーgi はほとんど除去されな
い。これにより、減算回路352から出力される残留エ
コーE j は大きな値を示すことになる。
【0100】この状態より、係数推定動作が進行してい
くと、係数更新回路354から出力される係数データH
j が除々に増大する。これにより、適応フィルタ351
から出力される擬似エコーGj も除々に増大する。
【0101】その結果、減算回路352におけるエコー
消去量Pe が除々に増大し、残留エコーEj が除々に減
少する。
【0102】このような動作により、擬似エコーGj
エコーgi とほぼ同じ値まで増大すると、残留エコーE
j が無視できるような値となる。これにより、差分算出
回路353から差分データが出力されなくなり、係数推
定動作が収束したことになる。
【0103】この状態より、ダブルトークが発生する
と、送話音声Sj (周囲騒音Nj も含む)の分だけ、残
留エコーEj の見かけ上の値が変化する。これにより、
差分算出回路353から再び差分データが出力されるよ
うになる。
【0104】しかし、ダブルトークが発生すると、ダブ
ルトーク検出回路355によりこのダブルトークが検出
される。これにより、ダブルトーク検出回路355の検
出出力が「0」レベルから「1」レベルに変化する。
【0105】ダブルトーク検出出力が「0」レベルから
「1」レベルに変化すると、ゲート回路357の出力が
「1」レベルから「0」レベルに変化する。これによ
り、係数更新回路354は、係数更新動作を停止する。
【0106】したがって、ダブルトークの発生に伴い、
差分算出回路353から差分データが出力されても、係
数データHj は更新されない。これにより、エコー消去
量P e は、ダブルトークが発生する前の状態に保持され
る。
【0107】但し、ダブルトーク検出回路355がダブ
ルトークを検出するには、ある程度の時間を要する。し
たがって、実際には、この検出遅延時間の間に、係数デ
ータHj が乱れる。
【0108】これにより、ダブルトークが発生するとエ
コー消去量Pe が減少し、ハウリングが発生する可能性
が高くなる。この問題は、後述するように、この発明の
特徴とする減衰量挿入動作により解消される。
【0109】ダブルトーク状態が解消すると、ダブルト
ーク検出回路355の検出出力が「0」レベルに戻り、
ゲート回路357の出力が「1」レベルに戻るので、係
数更新動作が再開される。
【0110】これにより、再び、上述したような係数推
定動作が再開され、係数データHj は元の値に戻る。し
たがって、エコーgj は無視することができるような値
まで除去される。
【0111】エコー経路変動が生じた場合は、スピーカ
34とマイクロホン31の間の音響結合利得Pg が変化
する。これにより、スピーカ34からマイクロホン31
に入力されるエコーgj が変化する。
【0112】その結果、エコー消去量Pe が減少し、残
留エコーEj が増大する。これにより、係数推定動作が
再開され、係数データHj は、エコーgj の変化に相当
する分だけ、修正される。
【0113】その結果、エコー経路変動が生じても、最
終的には、エコーgj が除去されることになる。
【0114】エコー経路の変動状態が解消すると、再
び、係数推定動作が再開され、係数データHj は元の状
態に戻る。
【0115】なお、ダブルトークが発生しても、エコー
経路変動が生じた場合は、係数更新動作を停止しないよ
うにしたのは、エコー経路変動が発生すると、エコーg
j そのものが変化するからである。
【0116】以上がエコーキャンセラ35のエコー除去
動作である。次に、この発明の特徴とする減衰量挿入動
作について説明する。
【0117】ダブルトークやエコー経路変動が生じる
と、上記の如く、エコーキャンセラ35のエコー消去量
e が減少する。
【0118】エコー消去量Pe が減少すると、一巡閉路
の利得が1より大きくなってハウリングが発生する危険
性が高くなる。
【0119】そこで、この実施例では、音声スイッチ3
7を設け、エコーキャンセラ35のエコー消去量Pe
減少すると、この音声スイッチ37により閉路利得を減
衰させ、この閉路利得を1以下に保持するようにしてい
る。
【0120】ここで、問題となるのは、挿入減衰量Ps
の大小とこの減衰量Ps の挿入遅延である。
【0121】すなわち、挿入減衰量Ps が小さすぎると
ハウリングが生じ、逆に大きすぎると、同時双方向通話
状態を確保することが不可能となる。
【0122】また、仮に、ハウリングの発生を防止可能
で、かつ、同時双方向通話も確保可能な挿入減衰量(以
下、「最適挿入減衰量」という)Ps を求めたとして
も、その挿入が遅れれば、ハウリングが発生する。
【0123】したがって、減衰量挿入処理においては、
最適挿入減衰量Psを求めるともに、これををいかに早
く一巡閉路に挿入するかが重要となる。
【0124】そこで、まず、最適挿入減衰量Ps の算出
法について説明する。
【0125】図2において、通話装置の入力端子33か
らエコー経路を介して出力端子32に到る経路の利得を
A(dB )とすると、この利得Aは、次式(6)により
表される。
【0126】 A=Pg +Pa −Pe −Ps …(6)
【0127】ここで、ハウリングが発生しないための条
件は、A≦0である。したがって、式(6)において、
A=0とおけば、最適挿入減衰量Ps を求めることがで
きる。
【0128】すなわち、A=0は、ハウリングの発生を
防止するための必要最小限の条件である。したがって、
この条件に基づいて挿入減衰量Ps を算出すれば、この
挿入減衰量Ps を必要最小限に抑えることができる。こ
れにより、同時双方向通話状態も極力確保することがで
きるわけである。
【0129】この最適挿入減衰量Ps は、式で示すと、
次式(7)のようになる。 Ps =Pg +Pa −Pe …(7)
【0130】なお、この実施例では、上述した式(5)
の説明で述べたように、実際の音響結合利得Pg の代わ
りに、係数推定動作の収束後における係数データHj
ら算出された近似音響結合利得PG を用いている。
【0131】また、実際のエコー消去量Pe の代わり
に、入力信号Yj と残留エコーEj から算出された近似
エコー消去量PE を用いている。
【0132】また、係数推定動作の初期状態において
は、実際の近似音響結合利得PG の代わりに、予想され
る最悪条件下での近似音響結合利得PGXを用いている。
【0133】また、増幅利得aは、予め、測定により求
めたものを用いている。
【0134】式(5)に基づいて、挿入減衰量Ps を算
出すれば、この挿入減衰量Ps は、近似エコー消去量P
E の変化に追随して変化する。
【0135】したがって、実際のエコー消去量Pe が減
少しても、極力ハウリングの発生を防止することができ
る。
【0136】すなわち、係数推定動作の初期状態におい
ては、実際のエコー消去量Pe が小さいため、加算回路
352から出力される残留エコーEj は大きな値を示
す。
【0137】これにより、エコー消去量算出回路361
により算出される近似エコー消去量PE は小さな値を示
すことになる。その結果、減衰量算出回路363により
算出される挿入減衰量Ps は大きな値を示すことにな
る。
【0138】したがって、この状態においては、実際の
エコー消去量Pe が小さくても、ハウリングが生じるこ
とがない。
【0139】この状態より、係数推定動作が進行してい
くと、実際のエコー消去量Pe が除々に増大する。これ
により、残留エコーEj が除々に減少する。
【0140】残留エコーEj が除々に減少することによ
り、エコー消去量算出回路361から出力される近似エ
コー消去量PE が除々に増大する。これにより、減衰量
算出回路363から出力される挿入減衰量Psが徐々に
減少する。
【0141】したがって、係数推定動作が進行すると、
ハウリングが発生することなく、通話状態が同時双方向
通話状態に移行する。
【0142】なお、音響結合利得としては、上記の如
く、係数推定動作の進行過程においては、PGXが用いら
れ、係数推定動作が収束すると、PG が用いられる。
【0143】ここで、PG はPGXより大きくなることは
ない。したがって、係数推定動作の収束した後における
挿入減衰量Ps が、係数推定動作の進行過程における挿
入減衰量Ps より大きくなることはない。
【0144】この状態において、ダブルトークが発生す
ると、上記の如く、ダブルトーク検出回路355により
ダブルトークが検出されるまでの間、係数データHj
乱れる。
【0145】これにより、エコー消去量Pe が係数デー
タHj の変化に相当する分だけ減少し、残留エコーEj
が増大する。その結果、ハウリングが発生する危険性が
生じる。
【0146】しかし、残留エコーEj が増大することに
より、この残留エコーEj と入力信号Yj とのパワー比
によって求められる近似エコー消去量PE が減少する。
【0147】これにより、近似エコー消去量PE の減少
分だけ挿入減衰量Ps が増大する。その結果、閉路利得
が1以下に保持され、ハウリングの発生が防止される。
【0148】この後、ダブルトーク検出回路355によ
りダブルトークが検出されると、係数更新動作が停止さ
れる。これにより、挿入減衰量Ps は、ダブルトークが
検出されたときの値に保持される。
【0149】ダブルトーク状態が解消すると、係数更新
動作の停止状態が解除される。これにより、再び、上述
した係数推定動作が実行される。その結果、ハウリング
の発生を招くことなく、通話状態が同時双方向通話状態
に移行する。
【0150】エコー経路変動が発生した場合も、エコー
消去量Pe が減少するので、近似エコー消去量PE が減
少する。これにより、挿入減衰量Ps が増大するので、
ハウリングの発生が防止される。
【0151】この後、係数推定動作が開始されると、エ
コー消去量Pe が除々に増大するので、近似エコー消去
量PE も除々に増大する。これにより、挿入減衰量Ps
が除々に減少するので、ハウリングの発生を招くことな
く、通話状態が同時双方向通話状態に移行する。
【0152】ところで、挿入減衰量Ps が10数dB よ
り大きいと、同時双方向通話状態を確保することが難し
い。
【0153】したがって、上記のように、挿入減衰量P
s をエコー消去量PE の変動に合わせて細かく算出した
としても、挿入減衰量Ps が10数dB より大きけれ
ば、算出処理により得られる効果は少ない。
【0154】そこで、この実施例では、減衰量判定回路
2Aにより挿入減衰量Ps が例えば10dB 以上か否か
を判定し、10dB 以上の場合は、挿入減衰量Ps を強
制的に、例えば、無限大に設定するようにしている。
【0155】ここで、10dB という値は、同時双方向
通話を確保可能な値として定められたものである。
【0156】このような構成によれば、挿入減衰量Ps
が同時双方向通話状態を確保可能な値になるまでは、近
似エコー消去量PE の細かい変動に対する挿入減衰量P
s の変更の遅れを無視することができるようになるとい
う効果が得られる。
【0157】以上が最適挿入減衰量Ps の算出法であ
る。次に、この挿入減衰量Ps の算出遅延と精度に対す
る対処法について説明する。
【0158】近似エコー消去量PE の算出に必要な入力
信号Yjと残留エコーEj のパワーの算出に遅延は避け
られない。この算出遅延は、特に、実際のエコー消去量
e の減少時において、ハウリングの発生の原因とな
る。
【0159】また、エコーキャンセラ35においては、
実際の音響結合利得Pg やエコー消去量Pe の細かな変
動は絶えず起こり、これを精度よく、かつ、素早く算出
することは大変に難しい。
【0160】一方、挿入減衰量Ps が数dB である場合
には、同時双方向通話が違和感無く実現される。したが
って、数dB の挿入減衰量Ps であれば、これを常に挿
入するように設定したとしても、同時双方向通話状態を
確実に確保することができる。
【0161】そこで、この実施例では、減衰量判定回路
3Aにより挿入減衰量Ps が、例えば、6dB 未満か否
かを判定し、6dB 未満の場合は、これを強制的に6d
B に固定するようにしている。
【0162】このような構成によれば、挿入減衰量Ps
のある程度の算出遅延や算出誤差がこの6dB 内に吸収
され、通話の安定性が確保される。
【0163】ところで、エコー消去量Pe の変動がわず
かである場合は、この変動が上述した6dB のオフセッ
ト量(最小挿入減衰量)により吸収され、減衰量Ps
挿入遅延によるハウリングの発生が抑えられる。
【0164】しかし、エコー消去量Pe の変動が大きい
場合は、この変動を上述した6dBのオフセット量で吸
収することができない。
【0165】この場合、許容される挿入遅延は、ハウリ
ング発生の時点までであることは確かである。
【0166】そこで、ハウリング発生までにどの程度の
時間的余裕があるかを確かめるために、ハウリングの立
上がり特性を一巡閉路利得0dB 〜42dB において、
6dB 間隔で計算してみた。
【0167】図4にその結果を示す。但し、この図4
は、一巡閉路を、図5に示すような残響回路41と増幅
回路42から成る等価回路により表し、かつ、残響回路
41の与える残響特性を図6に示す特性として計算した
場合の結果を示すものである。
【0168】なお、図6の残響特性においては、そのイ
ンパルス応答が、標本数にして1024点の間、指数関
数的に−60dB となるまで減少するものとし、かつ、
一巡閉路には、記憶(伝送遅延)はないものとした。
【0169】図4に示す結果から、ハンズフリー電話機
の設計において最も一般的な閉路利得である40dB 付
近では、ハウリングの発生が非常に急激で、挿入減衰量
s の挿入に遅延がほとんど許されないことがわかる。
【0170】このように、挿入遅延がほとんど許されな
いとすると、エコー消去量Pe が大きく減少する場合
は、ハウリングは発生するものとして対策を考えた方が
よい。
【0171】言い換えれば、発生したハウリングをでき
るだけ速やかに終息させる方向で対策を考えた方がよ
い。
【0172】このためには、挿入減衰量Ps の大小とハ
ウリング終息時間との関係を調べてみる必要がある。
【0173】そこで、挿入減衰量Ps をいろいろ変えな
がら、ハウリングの終息時間を比較してみた。
【0174】この結果を図7〜図10に示す。なお、図
7〜図10は、減衰量Ps を挿入してハウリングを停止
させようとした場合の図5のA点(マイクロホン31の
位置に相当)における信号レベルの推移を示すものであ
る。
【0175】まず、図7は、振幅1のインパルスを、図
5の一巡閉路に印加してから8標本化周期後に、閉路利
得42dB を3dB 上回る減衰量45dB を一巡閉路に
挿入してハウリングを停止させようとした場合を示す。
【0176】通常、音声スイッチ37の挿入減衰量Ps
は、一巡利得をわずかに上回る程度に設定されるが、図
7の結果は、このような挿入減衰量Ps では、ハウリン
グが終息しない可能性があることを示している。
【0177】したがって、ハウリングを終息させるため
には、閉路利得をかなり上回る減衰量を挿入する必要が
ある。
【0178】そこで、挿入減衰量Ps を66dB にして
みた。図8は、この場合の信号レベルの推移を示すもの
である。
【0179】この場合、ハウリングは終息するが、その
終息速度が緩やかである。したがって、ハウリングの終
息時間を早めるには、さらに、大きな減衰量を挿入する
ことが考えられる。
【0180】そこで、挿入減衰量Ps を122dB にし
てみた。図9は、この場合の信号レベルの推移を示すも
のである。
【0181】なお、この図9において、ハウリング発生
後、信号レベルが60dB 減少した丁度j=1024付
近で認められる段差は、シミュレーションにおいて、残
響特性をj=1024で打ち切ったために生じた段差で
ある。
【0182】したがって、このような打切りを行わない
実際の残響特性においては、上述したような段差は生ぜ
ず、信号レベルは連続した減少傾向を示す。
【0183】図10は、挿入減衰量Ps をさらに大きく
し、無限大とした場合の信号レベルの推移を示すもので
ある。
【0184】図8〜図10に示す結果から、ハウリング
終息時間は、挿入減衰量Ps を大きくしても変わらず、
残響特性に対応した減少を示すだけであることがわか
る。
【0185】一方、挿入減衰量Ps が20dB もあれ
ば、通話状態が片方向通話状態になることが避けられな
いのであるから、挿入減衰量Ps を20dB 以上として
も通話特性はなんら変わるところがない。
【0186】したがって、エコー消去量Pe が大きく減
少し、ハウリングが生じるような場合は、ハウリングの
終息に必要な挿入減衰量Ps を閉路利得に合わせて適応
的に制御せず、これをを無限大に設定し、この状態をハ
ウリングが終息するか邪魔にならなくなる時点まで維持
する方が簡単である。
【0187】そこで、この実施例では、図3に示すよう
に、減衰量判定回路2Aを設け、エコー消去量Pe が大
きく減少するような場合は、挿入減衰量Ps を強制的に
無限大に設定するようにしているわけである。
【0188】しかしながら、エコー消去量Pe はいつも
大きく減少するとは限らないと考えられる。そして、図
4は、また、閉路利得が12dB 以下ならば、ハウリン
グが発生するまで少し時間があることを示している。
【0189】エコー消去量Pe の減少量がこの程度なら
ば、この余裕時間の間にエコー消去量Pe の減少を検出
し、その間に閉路利得が1を越えない程度の減衰量Ps
を挿入するという処理が可能となる。
【0190】そこで、エコー消去量Pe の減少を招き、
減衰量Ps の挿入を必要とするようになる原因の1つで
あるダブルトークによるエコー消去量Pe の減少特性を
計算し、減衰量挿入時間として確保可能な余裕時間を調
べた。
【0191】図11は、j=4096において、エコー
対周囲騒音比が40dB から10dB へ移行した場合を
ダブルトークとみなして計算したエコー消去量Pe の減
少特性を示すものである。
【0192】なお、図において、変動の激しい実線は、
シミュレーションによって求めたエコー消去量Pe の遷
移を示し、滑らかな実線は理論値を示す。この図11の
詳細については、本件特許出願人が平成3年5月2日に
出願した特願平3−130653号に記載されている。
【0193】図11の結果が示すように、ダブルトーク
が生じると、エコー消去量Pe は一瞬にして飽和値付近
まで減少する。したがって、ダブルトークを検出して係
数更新処理を停止させるころには、エコー消去量Pe
すでに大きく減少している可能性が高い。
【0194】このようにエコー消去量Pe の劣化が早い
のは、係数推定アルゴリズムとして採用した学習同定法
における修正定数(ステップゲイン)Kを1にしたこと
によるものと考えられる。
【0195】そこで、種々の修正定数Kについて、エコ
ー消去量Pe の劣化特性を計算してみた。その結果を図
12に示す。
【0196】この図12は、収束速度を犠牲にして修正
定数を小さく選んでも、10dB 程度の劣化は一瞬にし
て起こることを示している。
【0197】したがって、ダブルトークが発生したら、
挿入減衰量Ps を、ハウリングが発生するまでの間に減
少したエコー消去量Pe に対応する量とする必要があ
る。
【0198】ダブルトークによるエコー消去量Pe の減
少分は、上記の如く、次式(8)に示す入力信号Yj
残留エコーEj の平均パワー比PE の減少分で近似する
ことができる。
【0199】 PE =σE 2 /σY 2 (8) 但し、σE 2 :残留エコーEj の短時間パワー σY 2 :入力信号Yj の短時間パワー
【0200】上式において得られる近似エコー消去量P
E の減少分(挿入減衰量Ps に相当)が、同時双方向通
話状態を保証する挿入減衰量Ps を数dB を上回る値と
なるとき、挿入減衰量Ps の制御を開始すればよい。
【0201】そこで、この実施例では、上記の如く、原
則として、挿入減衰量Ps を近似エコー消去量PE に基
づいて算出し、この算出結果が同時双方向通話状態を保
証可能な10dB 以下の場合は、挿入減衰量Ps を無限
大に設定し、10dB から6dB の間では、算出結果を
挿入減衰量Ps として用いるようにしているわけであ
る。
【0202】エコー消去量Pe を減少させるもう1つの
要因は、上記の如く、エコー経路変動である。この変動
もわずかであれば、ダブルトークと同様の制御が可能で
ある。
【0203】そこで、エコー経路変動に伴うエコー消去
量Pe の減少具合を確かめるため、エコー経路特性を与
えるインパルス応答の最初の標本値の極性だけを変化さ
せ、その変化分が残留エコーEj をどの程度変化させる
かを調べた。
【0204】その結果を図13に示す。但し、図13に
おいては、エコー対周囲騒音比を約41dB としてい
る。
【0205】このエコー経路変動分がエコー経路利得全
体に示す割合は、パワーに換算してわずか0.2dB で
ある。
【0206】このようなわずかな変動に対しても、残留
エコーEj は、図13に示すように、急増する。この増
加は、ダブルトークと同様の効果を与え、係数推定誤差
は急激に増加し、エコー消去量Pe は急減する。
【0207】図14は、エコー経路特性を与えるインパ
ルス応答に対して極性変化を与える標本を1〜4とした
場合において、エコー経路変動時に得られるエコー消去
量P e の収束特性を通常の収束特性と合わせて図示した
ものである。
【0208】図13および図14に示す結果から、エコ
ー経路変動がわずかであっても、エコー消去量Pe が大
きく減少し、それは、ほとんど係数推定動作の初期状態
への回帰に等しいことがわかる。
【0209】したがって、図4の結果と合わせて考える
と、エコー経路変動時には、この変動を素早く検出し、
減衰量Ps を挿入することが必要になることは明らかで
ある。
【0210】このエコー経路変動時に挿入が必要な減衰
量は、ハウリング発生前であれば、閉路利得を1未満と
する程度、例えば、40dB 程度でよい。
【0211】しかし、このような大きな減衰量Ps の挿
入は、通話状態を片方向通話状態とするのが明らかであ
る。したがって、この場合は、ハウリング発生時と同様
に、無限大の減衰量Ps を挿入するようにしても構わな
い。
【0212】エコー経路変動の最も早い検出方法とし
て、本件特許出願人が平成2年3月14日に出願した特
願平第2−63133号に記載される方法がある。しか
し、この方法でも、検出時間は8標本化周期程度かか
る。
【0213】一方、図11に示すハウリングの立上がり
特性によれば、8標本化周期程度の検出遅延では、ハウ
リングが既に発生していると考えてよい。
【0214】ハウリングが発生する可能性が大きけれ
ば、挿入減衰量Ps を無限大とした方がよいことは既に
述べた。
【0215】本件特許出願人が、平成3年2月16日に
特許法42条の2第1項の規定による優先権を主張して
特許出願したものによれば、ハウリングが発生している
か否かはを検出するには、128msの時間がかかる。
【0216】したがって、ハウリングの検出を待ってか
ら挿入減衰量Ps を無限大としたのでは、少し遅い。
【0217】そこで、この実施例では、初めから挿入減
衰量Ps を無限大に設定するようにしている。すなわ
ち、エコー経路変動検出回路356により、エコー経路
変動が検出されると、減衰量設定回路1Aは、挿入減衰
量算出回路363の算出結果に関係なく、強制的に挿入
減衰量Ps を無限大に設定するようにしている。
【0218】以上詳述したこの実施例によれば、次のよ
うな効果が得られる。
【0219】(1)まず、近似音響結合利得PG 、近似
エコー消去量PE 、増幅利得Pa に基づいて、挿入減衰
量Ps を算出するようにしたので、挿入減衰量Ps をエ
コー消去量Pe の変化に追随して制御することができ
る。
【0220】これにより、同時双方向通話状態を確保し
ながら、ハウリングの発生を防止することができる。
【0221】(2)また、音響結合利得Pg を係数デー
タHj の収束値から近似的に算出するようにしたので、
この音響結合利得Pgを迅速かつ正確に算出することが
できる。
【0222】すなわち、音響結合利得Pg を算出する方
法としては、通話回路の出力信号X j と入力信号Yj
の比を積分することにより算出する方法が考えられる。
【0223】しかし、このような方法では、音声信号が
非定量な特性を有するため、積分時間が長くなるととも
に、音響結合利得Pg を正確に算出することができな
い。
【0224】これに対し、この実施例では、係数データ
j の収束値に基づいて音響結合利得Pg を算出するよ
うにしたので、音声信号の特性に影響されることなく、
迅速かつ正確に音響結合利得Pg を算出することができ
るわけである。
【0225】(3)また、挿入減衰量算出回路363の
算出結果が、同時双方向通話状態を確保可能な10dB
以下の場合は、挿入減衰量Ps を強制的に無限大に設定
するようにしたので、近似エコー消去量PE の細かい変
動に対する挿入減衰量Ps の変更の遅れを無視すること
ができる。
【0226】(4)また、このように、挿入減衰量Ps
を強制的に無限大に設定するような構成によれば、挿入
減衰量Ps を閉路利得に合わせて適応的に制御する場合
に比べ、エコー消去量Pe が大きく減少し、ハウリング
が生じるような場合におけるハウリング終息時間の制御
が簡単となる。
【0227】(5)また、挿入減衰量算出回路363で
算出結果が、同時双方向通話状態を確実に確保可能な6
dB 未満の場合は、挿入減衰量Ps を強制的に6dB に
設定するようにしたので、挿入減衰量Ps のある程度の
算出遅延や算出誤差がこの6dB 内に吸収され、通話の
安定性が確保される。
【0228】(6)また、エコー経路変動検出回路35
6によりエコー経路変動が検出された場合は、挿入減衰
量Ps を強制的に無限大に設定するようにしたので、わ
ずかな変動であっても、ハウリングの発生を招く可能性
のあるエコー経路変動に対して迅速に対処することがで
きる。
【0229】次に、この発明の第2の実施例を説明す
る。
【0230】先の実施例では、エコー経路変動が検出さ
れると、挿入減衰量Ps を強制的に無限大に設定する場
合を説明した。
【0231】しかし、双方向通話装置においては、エコ
ー経路変動が頻繁に起こる。したがって、エコー経路変
動が発生するたびに、挿入減衰量Ps を無限大としたの
では、通話状態が頻繁に片方向通話状態になってしまう
恐れがある。
【0232】このように片方向通話状態が頻繁に起こる
と、エコーキャンセラ35を導入した効果を半減させ
る。
【0233】そこで、この実施例は、図2の減衰回路3
71,372において、音声信号の伝送帯域を多数の帯
域に分割し、エコー経路変動が生じた場合は、各分割帯
域ごとに独立に挿入減衰量Ps を制御するようにしたも
のである。
【0234】このような構成によれば、エコー経路変動
が生じた場合でも、極力同時双方向通話状態を確保する
ことができる。
【0235】なお、このような効果は、音声信号を高速
フーリエ変換し、各周波数成分ごとに独立に挿入減衰量
s を制御するようにしても得られる。
【0236】上述したような帯域分割制御や高速フーリ
エ変換制御については、本件特許出願人が、平成1年5
月26日に特許出願した特願平第1−131593号に
詳細に記載されているので、ここでは、詳細な説明を省
略する。
【0237】次に、図15を参照しながら、この発明の
第3の実施例を説明する。なお、図15において、先の
図2と同一部には、同一符号を付す。
【0238】図15において、上述した図2と異なる点
は、次の4点にある。
【0239】(1)エコーキャンセラ35の差分算出回
路353と係数更新回路354との間に遅延回路358
が挿入されている点。
【0240】この遅延回路358の遅延時間は、少なく
ともダブルトーク検出回路355がダブルトークの検出
に要する時間に設定されている。
【0241】(2)ダブルトーク検出回路355により
ダブルトークが検出されると、減衰量制御回路373の
減衰量設定回路1A(図3参照)が、挿入減衰量Ps
強制的に挿入減衰量算出回路363の算出結果に固定す
る点。
【0242】(3)一巡閉路中に遅延回路38が挿入さ
れている点。
【0243】なお、図15には、減衰回路371と出力
端子32との間に遅延回路38を挿入する場合を代表と
して示す。
【0244】この遅延回路38の遅延時間は、少なくと
もエコー経路変動検出回路356がエコー経路変動を検
出するのに要する時間から一巡閉路の伝送遅延時間を引
いた値に設定されている。
【0245】(4)エコー経路変動検出回路356によ
りエコー経路変動が検出されても、この検出出力に基づ
いて強制的に挿入減衰量Ps を無限大に設定することは
せず、あくまで挿入減衰量算出回路363の算出結果に
基づいて、挿入減衰量Ps を設定するようにした点。
【0246】但し、この場合、減衰量判定回路2A,3
Aの判定結果を利用することは、先の第1の実施例と同
様である。
【0247】上記構成において、まず、ダブルトークの
発生時における動作を説明する。
【0248】差分算出回路353の算出結果は、遅延回
路358により少なくともダブルトークの検出時間分だ
け遅延されて係数更新回路354に供給される。
【0249】これにより、ダブルトークが発生しても、
ダブルトーク検出回路355によりダブルトークが検出
されるまでは、適応フィルタ351の係数データHj
乱されない。
【0250】ダブルトーク検出回路355によりダブル
トークが検出されると、この検出出力に基づいて、挿入
減衰量Ps が強制的に減衰量算出回路363の算出結果
に固定される。
【0251】これにより、ダブルトークが発生しても、
挿入減衰量Ps をダブルトークが発生する前の値に保持
することができる。
【0252】次に、エコー経路変動が発生した場合の動
作を説明する。
【0253】上記の如く、エコー経路変動が発生する
と、エコー消去量Peが大幅に減少する。これにより、
ハウリングが発生する危険性が高くなる。
【0254】しかし、エコー経路変動の検出にはある程
度の時間がかかる。したがって、先の第1の実施例のよ
うに、エコー経路変動が検出された時点で挿入減衰量P
s を無限大に設定したとしても、ハウリングの発生をま
ぬがれないことがある。
【0255】これに対し、この実施例では、一巡閉路
に、少なくともエコー経路変動の検出時間から一巡閉路
の伝送遅延時間を引いた値の遅延時間を有する遅延回路
38が挿入されている。
【0256】このような構成によれば、エコー経路変動
が発生しても、これが検出されるまでは、ハウリングが
発生しない。
【0257】エコー経路変動が検出された後は、挿入減
衰量算出回路363の算出結果に基づいて、挿入減衰量
s が設定される。これにより、この場合も、ハウリン
グの発生を防止することができる。
【0258】以上のこの発明の3つの実施例を詳細に説
明したが、この発明は、このような実施例に限定される
ものではなく、ほかにもその要旨を逸脱しない範囲で種
々様々変形可能なことは勿論である。
【0259】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
ダブルトークやエコー経路変動によりエコー消去量が減
少しても、同時双方向通話を確保しながら、ハウリング
の発生を抑えることが可能なハウリング防止装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図3】図2の減衰量算出部及び減衰量制御回路の具体
的構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ハウリングの立上がり特性を示す特性図であ
る。
【図5】一巡閉路の等価回路を示すブロック図である。
【図6】残響特性を示す特性図である。
【図7】一巡閉路に45dB の減衰量を挿入した場合の
信号レベルの推移を示す特性図である。
【図8】一巡閉路に66dB の減衰量を挿入した場合の
信号レベルの推移を示す特性図である。
【図9】一巡閉路に122dB の減衰量を挿入した場合
の信号レベルの推移を示す特性図である。
【図10】一巡閉路に無限大の減衰量を挿入した場合の
信号レベルの推移を示す特性図である。
【図11】エコー消去量の減少特性を示す特性図であ
る。
【図12】エコー消去量の劣化特性を示す特性図であ
る。
【図13】残留エコーの変化特性を示す特性図である。
【図14】エコー消去量の収束特性を示す特性図であ
る。
【図15】この発明の第3の実施例の構成を示すブロッ
ク図である。
【図16】ハンズフリー電話機の通話回路モデルを示す
ブロック図である。
【符号の説明】
21 エコー除去手段 22 減衰量算出手段 23 減衰量挿入手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送話音声を入力するための送話音声入力
    手段と受話音声を出力するための受話音声出力手段との
    音響結合により構成される一巡閉路を有する双方向通話
    装置のハウリング防止装置において、 前記双方向通話装置の出力信号から擬似エコーを生成
    し、この擬似エコーを前記双方向通話装置の入力信号か
    ら差し引くことにより、前記一巡閉路を流れるエコーを
    除去するエコー除去手段(21)と、 前記音響結合の利得と、前記エコー除去手段(21)のエコ
    ー消去量と、前記一巡閉路の増幅利得に基づいて、前記
    一巡閉路の利得を1以下に設定するための減衰量を算出
    する減衰量算出手段(22)と、 この減衰量算出手段(22)により算出された減衰量を前記
    一巡閉路に挿入する減衰量挿入手段(23)とを具備したこ
    とを特徴とするハウリング防止装置。
  2. 【請求項2】 前記エコー除去手段(21)は、係数推定動
    作により係数を算出し、この算出された係数を前記双方
    向通話装置の出力信号にかけることにより前記擬似エコ
    ーを生成するように構成されていることを特徴とする請
    求項1記載のハウリング防止装置。
  3. 【請求項3】 前記音響結合利得は、前記エコー除去手
    段(21)の前記係数の収束値に基づいて近似的に算出され
    たものであることを特徴とする請求項2記載のハウリン
    グ防止装置。
  4. 【請求項4】 前記エコー消去量は、前記エコー除去手
    段の入力信号とその残留エコーのパワー比を求めること
    により近似的に算出されたものであることを特徴とする
    請求項1記載のハウリング防止装置。
  5. 【請求項5】 前記減衰量挿入手段(23)は、前記減衰量
    算出手段(22)により算出された減衰量が同時双方向通話
    を可能とする値に減少するまで、前記減衰量算出手段(2
    2)の算出結果に関係なく、強制的に無限大の減衰量を挿
    入するように構成されていることを特徴とする請求項1
    記載のハウリング防止装置。
  6. 【請求項6】 前記減衰量挿入手段(23)は、前記減衰量
    算出手段(22)により算出された減衰量が同時双方向通話
    を可能とする値より小さい所定の値未満である場合は、
    前記減衰量算出手段(22)の算出結果に関係なく、強制的
    に前記所定の値の減衰量を挿入するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のハウリング防止装
    置。
  7. 【請求項7】 前記減衰量挿入手段(23)は、前記減衰量
    算出手段(22)により算出された減衰量が同時双方向通話
    を可能とする値より大きい場合は、音声信号の伝送帯域
    を複数の帯域に分割し、各分割帯域ごと独立に挿入減衰
    量を設定するように構成されていることを特徴とする請
    求項1記載のハウリング防止装置。
  8. 【請求項8】 前記減衰量挿入手段(23)は、前記減衰量
    算出手段(22)により算出された減衰量が同時双方向通話
    を可能とする値より大きい場合は、音声信号をフーリエ
    変換し、このフーリエ変換により得られた各周波数成分
    ごとに独立に挿入減衰量を設定するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のハウリング防止装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6097971A (en) * 1996-04-23 2000-08-01 Nec Corporation Hands-free speech communication apparatus
KR100541119B1 (ko) * 1998-12-30 2006-03-09 삼성탈레스 주식회사 교환시스템의 에코 제거 장치
JP2007137817A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Hiroyoshi Inoue 眼科用組成物およびコンタクトレンズ用組成物

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