JPH0575389A - 信号分析及び合成フイルタバンク - Google Patents

信号分析及び合成フイルタバンク

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JPH0575389A
JPH0575389A JP3234494A JP23449491A JPH0575389A JP H0575389 A JPH0575389 A JP H0575389A JP 3234494 A JP3234494 A JP 3234494A JP 23449491 A JP23449491 A JP 23449491A JP H0575389 A JPH0575389 A JP H0575389A
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清隆 永井
Akira Usami
陽 宇佐見
Koji Nakajima
康志 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーディオ信号や画像信号のサブバンド符号
化に用いられる信号分析及び合成フィルタバンクにおい
て、その実現のための計算量とメモリ量が多いという課
題を解決し、低消費電力で小型の信号分析及び合成フィ
ルタバンクを提供することを目的とする。 【構成】 信号分析フィルタバンクは第1の中間信号を
算出する第1の演算部11とサブバンド信号を算出する
第2の演算部12とを設け、信号合成フィルタバンクは
第2の中間信号を算出する第3の演算部とフルバンド信
号を算出する第4の演算部とを設ける。第1及び第2の
中間信号を使って効率的な計算をすることにより計算量
とメモリ量を削減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信号を等帯域幅のサブ
バンド信号に分割する信号分析フィルタバンクと前記サ
ブバンド信号を合成して原信号を再生する信号合成フィ
ルタバンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、信号分析及び合成フィルタバンク
は、オーディオ信号や画像信号のサブバンド符号化によ
る高能率符号化を実現する信号分析及び合成手段として
注目されている。
【0003】従来の信号分析及び合成フィルタバンクと
しては、例えばジェイ・エッチ・ロスウェイラー(J.H.R
OTHWEILER)により1983年にボストンで開催されたア
イ・シー・エー・エス・エス・ピーの論文集(PROC. ICA
SSP 83, BOSTON)の1280頁〜1283頁に発表され
た「ポリフェーズクオドラチャーフィルタ,新しいサブ
バンド符号化技術」(POLYPHASE QUADRATURE FILTERS-A
NEW SUBBAND CODING TECHNIQUE)と題する論文(以下、
文献1と呼ぶ)や、エッチ・ジェイ・ヌスバウマー(H.
J.NUSSBAUMER)とエム・ベターリ(M.VETTERLI)により1
984年にサンディエゴで開催されたアイ・シー・エー
・エス・エス・ピーの論文集(PROC. ICASSP 84, SAN DI
EGO)の11.3.1頁〜11.3.4頁に発表された
「計算効率の高いQMFフィルタバンク」(COMPUTATION
ALLY EFFICIENT QMF FILTER BANKS)と題する論文(以
下、文献2と呼ぶ)に示されている。
【0004】以下に、従来の信号分析及び合成フィルタ
バンクについて説明する。図5は従来の信号分析フィル
タバンクと信号合成フィルタバンクのブロック図を示す
ものである。図5において、51は信号分析フィルタバ
ンク、52は信号合成フィルタバンク、Mは帯域分割
数、53(0)〜53(M−1)は分析用の帯域通過フ
ィルタ,54(0)〜54(M−1)は間引き器、55
(0)〜55(M−1)は補間器、56(0)〜56
(M−1)は合成用の帯域通過フィルタ、57は加算器
である。信号分析フィルタバンク51はM個の帯域通過
フィルタ53(0)〜53(M−1)とM個の間引き器
54(0)〜54(M−1)とから成り、信号合成フィ
ルタバンク52はM個の補間器55(0)〜55(M−
1)とM個の帯域通過フィルタ56(0)〜56(M−
1)と加算器57とから成る。分析用の帯域通過フィル
タ53(0)〜53(M−1)と合成用の帯域通過フィ
ルタ56(0)〜56(M−1)は、互いにペアをなし
ている。信号分析フィルタバンク51は、サンプリング
周波数fsの入力信号をM個の等帯域幅の分析用の帯域
通過フィルタ53(0)〜53(M−1)によって帯域
通過信号とし、間引き器54(0)〜54(M−1)で
M個のデータ毎にM−1個のデータを間引き、1個のデ
ータを出力することによって、サンプリング周波数を1
/Mに降下させ、サンプリング周波数fs/Mのサブバ
ンド信号に変換し、出力する。信号合成フィルタバンク
52は、信号分析フィルタバンク51から出力されたサ
ンプリング周波数fs/Mのサブバンド信号を入力と
し、補間器55(0)〜55(M−1)でM−1個の零
データを挿入することによってサンプリング周波数をM
倍に上昇し、合成用の帯域通過フィルタ56(0)〜5
6(M−1)により帯域通過信号とした後、加算器57
によって合成し、サンプリング周波数fsのフルバンド
信号を出力する。
【0005】オーディオ信号や画像信号のサブバンド符
号化では、信号分析フィルタバンクと信号合成フィルタ
バンクとの間でサブバンド信号の周波数方向の分布の偏
りや人間の聴覚特性あるいは視覚特性を利用して情報圧
縮を行い、高能率符号化を実現する。
【0006】文献1及び文献2より、このような信号分
析及び合成フィルタバンクは、帯域幅がfs/4Mで、
周波数fにおける振幅応答H(f)が次の関係式(数1
5)を満足するプロトタイプフィルタを周波数遷移する
ことによって構成することができる。
【0007】
【数15】
【0008】図6は、信号分析あるいは合成フィルタバ
ンクの周波数振幅応答を説明するための図である。図6
で、(a)は帯域幅fs/4Mのプロトタイプフィルタ
の周波数振幅応答を示す。同図で、(b)は(a)のプ
ロトタイプフィルタを周波数遷移することによって構成
したM個の帯域幅fs/2Mのフィルタから成る信号分
析あるいは合成フィルタバンクの周波数振幅応答を示
す。同図に示すように、第iサブバンド(ただし、0≦
i≦M−1)の中心周波数はfs(2i+1)/4Mで
ある。
【0009】文献2より、直線位相非巡回形のプロトタ
イプフィルタの2MP+1個(Pは正整数)のフィルタ
係数をh(l)(ただし、0≦l≦2MP)とすると
き、信号分析フィルタバンクの第iサブバンドのフィル
タ係数ha(i,l)は、(数16)で与えられる。
【0010】
【数16】
【0011】したがって、信号分析フィルタバンクのサ
ンプル時刻nにおける入力信号をx(n)とすれば第i
サブバンドのサンプル時刻Mmにおける出力信号y
(i,Mm)は(数17)で与えられる。
【0012】
【数17】
【0013】ここで、(数18)と(数19)によって
求められる2M個の第1の中間信号w1(k)(ただ
し、0≦k≦2M−1)を導入すると、サブバンド信号
は(数20)によって求めることができ、(数17)を
直接計算する場合と比較して計算量を削減することがで
きる。
【0014】(a)k=0では、
【0015】
【数18】
【0016】(b)1≦k≦2M−1では、
【0017】
【数19】
【0018】
【数20】
【0019】デジタルシグナルプロセッサ(以下、DS
Pと呼ぶ)を使って前記処理を実現するときの計算量と
メモリ量を見積るために、(数18)と(数19)の計
算を第1の演算、(数20)の計算を第2の演算と呼ぶ
ことにする。また、高速DSPでは積和計算の連続をパ
イプライン処理によって効率的に実行するものが多いの
で、計算回数は積和計算の回数で評価することにする。
M個のサブバンド信号を算出するために、第1の演算で
は2MP+1回の積和計算が必要であり、第2の演算で
は2M2の積和計算が必要である。ランダムアクセスメ
モリ(以下、RAMと呼ぶ)としては、2MP+1個の
入力信号を記憶するメモリと、2M個の第1の中間信号
を記憶するメモリと、M個のサブバンド出力信号を記憶
するメモリとが必要である。リードオンリーメモリ(以
下、ROMと呼ぶ)としては第1の演算を実行するため
の2MP+1個のフィルタ係数テーブル(0≦l≦2M
Pに対するh(l)のテーブル)と、第2の演算を実行
するための2M2個のコサイン係数テーブル(0≦i≦
M−1と0≦k≦2M−1に対するcos[π(2i+
1)(2k−M)/4M]のテーブル)とが必要であ
る。
【0020】同様に、信号合成フィルタバンクの第iサ
ブバンドのフィルタ係数hs(i,l)は(数21)で
求められる。
【0021】
【数21】
【0022】したがって、信号合成フィルタバンクの第
iサブバンドのサンプル時刻Mmにおける入力信号y
(i,Mm)とすれば、サンプル時刻Mm+n(ただ
し、0≦n≦M−1)における出力信号x’(Mm+
n)は(数22)で与えられる。
【0023】
【数22】
【0024】ここで、4MP+1個の第2の中間信号w
2(k)(ただし、0≦k≦4MP)を導入し、0≦k
≦4MP−2Mに対して第2の中間信号w2(k)をw
2(k+2M)にシフトし、0≦k≦2M−1に対して
w2(k)を(数23)によって求めるものとすると、
出力信号は(数24)と(数25)によって求めること
ができ、(数22)を直接計算する場合と比較して計算
量を削減することができる。
【0025】
【数23】
【0026】(a)n=0では、
【0027】
【数24】
【0028】(b)1≦n≦M−1では、
【0029】
【数25】
【0030】信号分析フィルタバンクのときと同様に、
以下DSPを使って実現するときの計算量とメモリ量を
見積るために、(数23)の計算を第3の演算、(数2
4)と(数25)の計算を第4の演算と呼ぶことにす
る。M個の出力信号を算出するために、第3の演算では
2M2回の積和計算が必要であり、第4の演算では2M
P+1回の積和計算が必要である。RAMとしては、M
個のサブバンド入力信号を記憶するメモリと、4MP+
1個の第2の中間信号を記憶するメモリと、M個の出力
信号を記憶するメモリとが必要である。ROMとしては
第3の演算を実行するための2M2個のコサイン係数テ
ーブル(0≦i≦M−1と0≦k≦2M−1に対するc
os[π(2i+1)(2k+M)/4M]のテーブ
ル)と、第4の演算を実行するための2MP+1個のフ
ィルタ係数(0≦l≦2MPに対するh(l)のテーブ
ル)とが必要である。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の信号分析及び合成フィルタバンクは、たとえばDS
Pのようなハードウェアを使って実現するのに際して、
フィルタ計算量が多く、メモリ量が大きい、という問題
点を有していた。すなわち、次のような問題点を有して
いた。
【0032】(1)フィルタバンクを実現するための計
算量が多い。 (2)第1及び第2の中間信号を記憶しておくためのメ
モリ量が大きい。特に第2の中間信号を記憶するメモリ
量が大きい。
【0033】(3)信号分析フィルタバンクと合成フィ
ルタバンクにそれぞれコサイン係数テーブルが必要であ
り、またそのメモリ量が大きい。
【0034】(4)フィルタ係数を記憶しておくための
メモリ量が大きい。本発明は上記従来の問題点を解決す
るもので、フィルタバンクを実現するのに必要な計算量
とメモリ量を削減し、低消費電力で小型の信号分析及び
合成フィルタバンクを提供することを目的とする。
【0035】すなわち、本発明の第1の目的は、計算量
と第1の中間信号を記憶するメモリ量を削減し、低消費
電力で小型の信号分析フィルタバンクを提供することで
ある。
【0036】また、本発明の第2の目的は、計算量と第
2の中間信号を記憶するメモリ量を削減し、低消費電力
で小型の信号合成フィルタバンクを提供することであ
る。
【0037】本発明の第3の目的は、コサイン係数テー
ブルのメモリ量を削減し、また、信号分析と合成フィル
タバンクで共通のテーブルとすることによって、ハード
ウェア規模を削減した信号分析及び合成フィルタバンク
を提供することである。
【0038】さらに、本発明の第4の目的は、フィルタ
係数テーブルのメモリ量を削減した信号分析及び合成フ
ィルタバンクを提供することである。
【0039】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の信号分析フィルタバンクは、最初の値が零で
ある2MP(Pは正整数)個のフィルタ係数を有する直
線位相非巡回形のプロトタイプフィルタを周波数遷移す
ることによって構成され、プロトタイプフィルタのフィ
ルタ係数をh(l)(ただし、0≦l≦2MP−1)、
サンプリング時刻nにおける入力信号をx(n)、M個
の第1の中間信号をw1(k)(ただし、0≦k≦M−
1)、第iサブバンド(ただし、0≦i≦M−1)のサ
ンプリング時刻Mmにおける出力信号をy(i,Mm)
とするとき、(1)Mが偶数の場合は、(a)k=0で
は、
【0040】
【数26】
【0041】(b)1≦k≦M/2では、
【0042】
【数27】
【0043】(c)M/2+1≦k≦M−1では、
【0044】
【数28】
【0045】によって第1の中間信号を算出する第1の
演算部と、
【0046】
【数29】
【0047】によってサブバンド出力信号を算出する第
2の演算部とを備え、(2)Mが奇数の場合は、(a)
0≦k≦(M−1)/2では、
【0048】
【数30】
【0049】(b)(M+1)/2≦k≦M−1では、
【0050】
【数31】
【0051】によって第1の中間信号を算出する第1の
演算部と、
【0052】
【数32】
【0053】によってサブバンド出力信号を算出する第
2の演算部とを備えている。また、本発明の信号合成フ
ィルタバンクは、最初の値が零である2MP(Pは正整
数)個のフィルタ係数を有する直線位相非巡回形のプロ
トタイプフィルタを周波数遷移することによって構成さ
れ、プロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(l)
(ただし、0≦l≦2MP−1)、第iサブバンド(た
だし、0≦i≦M−1)のサンプリング時刻Mmにおけ
る入力信号をy(i,Mm)、2MP個の第2の中間信
号をw2(k)(ただし、0≦k≦2MP−1)、サン
プリング時刻Mm+n(ただし、0≦n≦M−1)にお
ける出力信号をx’(Mm+n)とするとき、0≦k≦
2MP−M−1に対して第2の中間信号w2(k)をw
2(k+M)にシフトし、(1)Mが偶数の場合は、
【0054】
【数33】 33
【0055】によって0≦k≦M−1に対する第2の中
間信号を算出する第3の演算部と、(a)0≦n≦M/
2−1では、
【0056】
【数34】
【0057】(b)n=M/2では、
【0058】
【数35】
【0059】(c)M/2+1≦n≦M−1では、
【0060】
【数36】
【0061】によって出力信号を算出する第4の演算部
とを備え、(2)Mが奇数の場合は、
【0062】
【数37】
【0063】によって0≦k≦M−1に対する第2の中
間信号を算出する第3の演算部と、(a)0≦n≦(M
−1)/2では、
【0064】
【数38】
【0065】(b)(M+1)/2≦n≦M−1では、
【0066】
【数39】
【0067】によって出力信号を算出する第4の演算部
とを備えている。また、本発明の信号分析フィルタバン
クの第2の演算部及び信号合成フィルタバンクの第3の
演算部は、M個あるいは2M個もしくは4M個の共通の
コサイン係数テーブルを備えている。
【0068】さらに、本発明の信号分析フィルタバンク
の第1の演算部及び信号合成フィルタバンクの第4の演
算部は、MP個の共通のフィルタ係数テーブルを備えて
いる。
【0069】
【作用】本発明の信号分析フィルタバンクは、上記した
構成で第1の中間信号を使って効率的な計算を行うこと
により、従来例と比較して第2の演算部の積和計算回数
と第1の中間信号のメモリ量を半減することができる。
【0070】本発明の信号合成フィルタバンクは、上記
した構成で第2の中間信号を使って効率的な計算を行う
ことより、従来例と比較して第3の演算部の積和計算回
数と第2の中間信号のメモリ量を半減することができ
る。
【0071】また、本発明の信号分析及び合成フィルタ
バンクは、コサイン係数を記憶しているテーブルを分析
と合成で共通化するとともにその周期性と対称性を利用
することにより、分析あるいは合成の一方を実現すると
きはコサイン係数のメモリ量を従来例の1/2Mあるい
は1/Mもしくは2/Mに削減することができる。分析
と合成でテーブルの共通化を図ったことにより、分析と
合成を同時に行うときはさらに半減することができる。
【0072】本発明の信号分析及び合成フィルタバンク
は、フィルタ係数を記憶しているテーブルを分析と合成
で共通化するとともにその対称性を利用することによ
り、分析あるいは合成の一方を実現するときはフィルタ
係数のメモリ量を半減することができる。分析と合成で
テーブルの共通化を図ったことにより、分析と合成を同
時に行うときはさらに半減することができる。
【0073】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0074】本発明の信号分析フィルタバンクは、サン
プリング周波数fsの信号をM個の等帯域幅のサンプリ
ング周波数がfs/Mのサブバンド信号に分割し、ま
た、本発明の信号合成フィルタバンクは、M個の等帯域
幅のサンプリング周波数fs/Mのサブバンド信号を合
成してサンプリング周波数fsのフルバンド信号を再生
するフィルタバンクであって、これらのフィルタバンク
は、最初の値が零である2MP(Pは正整数)個のフィ
ルタ係数を有する直線位相非巡回形のプロトタイプフィ
ルタを周波数遷移することによって構成される。2MP
+1個のフィルタ係数を有する従来例のプロトタイプフ
ィルタで最初と最後のフィルタ係数の値を零(h(0)
=h(2MP)=0)とした構成である。こうした構成
をとることにより、従来例の信号分析フィルタバンクで
第1の演算が、(a)k=0と、(b)1≦k≦2M−
1の2つ場合に分かれていたものが、0≦k≦2M−1
に対して式(5)を計算すればよいことになる。同様
に、従来例の信号合成フィルタバンクの第4の演算が、
(a)n=0と、(b)1≦n≦M−1の2つの場合に
分かれていたものが、0≦n≦M−1に対して(数2
5)を計算すればよいことになる。
【0075】また、本発明のプロトタイプフィルタは、
直線位相条件よりフィルタ係数に関して(数40)の関
係が成立している。
【0076】
【数40】
【0077】図1は本発明の第1の実施例における信号
分析フィルタバンクのブロック図を示すものである。図
1において、11は第1の演算部、12は第2の演算
部、13は2MP個の入力信号メモリ、14はM個の第
1の中間信号メモリ、15はM個のサブバンド出力信号
メモリである。
【0078】第1の演算部11は、第1の乗算器16、
第1のフィルタ係数メモリ17、第1の加算/減算器1
8、第1のレジスタ19とから構成されている。第2の
演算部12は、第2の乗算器110、第1のコサイン係
数メモリ111、第2の加算/減算器112、第2のレ
ジスタ113とから構成されている。
【0079】以上のように構成された第1の実施例の信
号分析フィルタバンクについて、以下その動作について
説明する。
【0080】最初に、以下の説明で用いる主要な変数に
ついて定義する。すなわち、プロトタイプフィルタのフ
ィルタ係数をh(l)(ただし、0≦l≦2MP−
1)、サンプリング時刻nにおける入力信号をx
(n)、M個の第1の中間信号をw1(k)(ただし、
0≦k≦M−1)、第iサブバンド(ただし、0≦i≦
M−1)のサンプリング時刻Mmにおける出力信号をy
(i,Mm)とする。
【0081】入力信号メモリ13は最新の2MP個の入
力信号x(n)を記憶するメモリである。サンプリング
周波数fsの入力信号が入力信号メモリ13にM個入力
されると、第1の演算部11では以下に示す式にしたが
ってM個の第1の中間信号w1(k)を算出し、結果を
第1の中間信号メモリ14に記憶する。w1(k)の計
算はMの値が偶数か奇数かによって次の2つの場合に分
けられる。(1)Mが偶数の場合、(a)k=0では、
【0082】
【数41】
【0083】(b)1≦k≦M/2では、
【0084】
【数42】
【0085】(c)M/2+1≦k≦M−1では、
【0086】
【数43】
【0087】(2)Mが奇数の場合、(a)0≦k≦
(M−1)/2では、
【0088】
【数44】
【0089】(b)(M+1)/2≦k≦M−1では、
【0090】
【数45】
【0091】第1のフィルタ係数メモリ17は(数4
6)で定義される2MP個の第1のフィルタ係数h1
(l)を記憶している。ここで、INT( )は( )
内の値の小数点以下を切捨て整数化する関数である。
【0092】
【数46】
【0093】第1の演算部11では、計算の最初に第1
のレジスタ19を零にクリアした後、入力信号メモリ1
3からの入力信号と第1のフィルタ係数メモリ17から
の第1のフィルタ係数を上記計算式に示すアドレスにし
たがって読み出し、第1の乗算器16を使って両者を乗
算し、乗算結果を第1の加算/減算器18と加算/減算
の結果を保持する第1のレジスタ19を使って、累積計
算を実行する。第1の加算/減算器18で加算を行うか
減算を行うかは上記計算式にしたがう。第1の乗算器1
6と第1の加算/減算器18と第1のレジスタ19とで
積和計算を行う。
【0094】第1の演算部11では、上記計算式に示す
ように、Mが偶数の場合も奇数の場合も共に2MP回の
積和計算によりM個の第1の中間信号を算出する。
【0095】次に、第2の演算部12で、第1の中間信
号メモリ14と第1のコサイン係数メモリ111とを用
いて、以下に示す式にしたがってM個のサブバンド出力
信号を算出する。第2の演算部12の計算もMが偶数か
奇数かによって次の2つの場合に分けられる。(1)M
が偶数の場合、
【0096】
【数47】
【0097】(2)Mが奇数の場合、
【0098】
【数48】
【0099】第1のコサイン係数メモリ111は、Mが
偶数のときは(数49)で定義され、またMが奇数のと
きは(数50)で定義されるM2個のコサイン係数c
(i,k)を記憶している。(1)Mが偶数の場合、
【0100】
【数49】
【0101】(2)Mが奇数の場合、
【0102】
【数50】
【0103】第1の演算部11と同様に第2の演算部1
2では、計算の最初に第2のレジスタ113を零にクリ
アした後、第1の中間信号メモリ14からの第1の中間
信号と第1のコサイン係数メモリ111からのコサイン
係数を上記計算式の示すアドレスにしたがって読み出
し、第2の乗算器110と第2の加算/減算器112と
第2のレジスタ113とを使って積和計算を行う。第2
の加算/減算器112で加算を行うか減算を行うかは上
記した計算式にしたがう。第2の演算部12では、上記
計算式に示すようにMが偶数の場合も奇数の場合も共に
2回の積和計算でM個のサブバンド信号を算出する。
サブバンド出力信号メモリ15は第2の演算部12の計
算結果であるM個のサブバンド信号y(i,Mm)(た
だし、0≦i≦M−1)を記憶し、出力するためのメモ
リである。
【0104】式を使って第1の実施例の動作についてさ
らに説明する。ここではMが偶数の場合について説明す
るが、奇数の場合についても同様にして説明することが
できるので、説明を省略する。(数41)と(数42)
と(数43)を(数47)に代入する。そして、一般に
(数51)が成立することを考慮し、以下のような変数
q(ただし、0≦q≦2M−1)を導入すると、(数5
2)〜(数56)の関係式が成立する。
【0105】
【数51】
【0106】(1)q=M/2−k(ただし、0≦k≦
M/2,0≦q≦M/2)
【0107】
【数52】
【0108】(2)q=M/2+k(ただし、1≦k≦
M/2,M/2+1≦q≦M)
【0109】
【数53】
【0110】(3)q=M/2+k(ただし、M/2+
1≦k≦M−1,M+1≦q≦3/2M−1)
【0111】
【数54】
【0112】(4)q=3M/2
【0113】
【数55】
【0114】(5)q=5M/2−k(ただし、M/2
+1≦k≦M−1,3M/2+1≦q≦2M−1)
【0115】
【数56】
【0116】(数52)〜(数58)の関係式を使っ
て、変数kをqに置き換える。さらに、変数qから変数
lにl=2Mj+q(ただし、0≦l≦2MP−1)で
置き換えて、h(2MP)=0であることを考慮すれ
ば、(数17)が求められる。すなわち、第1の実施例
と文献2とでは計算方法が異なるものの、最終的な結果
は一致することが証明できた。
【0117】以上のように、第1の実施例によれば、M
個のサブバンド信号を出力するのに必要な第2の演算部
の積和回数を従来例の2M2回からM2回へと半減するこ
とができる。
【0118】また、第1の中間信号のメモリ量を従来例
の2M個からM個へと半減することができる。
【0119】図2は本発明の第2の実施例における信号
合成フィルタバンクのブロック図を示すものである。図
2において、21は第3の演算部、22は第4の演算
部、23はサブバンド入力信号メモリ、24は第2の中
間信号メモリ、25は出力信号メモリである。
【0120】第3の演算部21は、第3の乗算器26、
第2のコサイン係数メモリ27、第3の加算/減算器2
8、第3のレジスタ29とから構成されている。第4の
演算部22は、第4の乗算器210、第2のフィルタ係
数メモリ211、第4の加算/減算器212、第4のレ
ジスタ213とから構成されている。
【0121】以上のように構成された第2の実施例の信
号合成フィルタバンクについて、以下その動作について
説明する。
【0122】最初に、以下の説明で用いる主要な変数に
ついて定義する。プロトタイプフィルタのフィルタ係数
をh(l)(ただし、0≦l≦2MP−1)、第iサブ
バンド(ただし、0≦i≦M−1)のサンプリング時刻
Mmにおける入力信号をy(i,Mm)、第2の中間信
号をw2(k)(ただし、0≦k≦2MP−1)、サン
プリング時刻Mm+n(ただし、0≦n≦M−1)にお
ける出力信号をx’(Mm+n)とする。
【0123】サブバンド入力信号メモリ23はM個のサ
ブバンド入力信号y(i,Mm)(ただし、0≦i≦M
−1)を記憶するメモリである。サンプリング周波数f
s/Mのサブバンド入力信号がサブバンド入力信号メモ
リ23にM個入力されると、0≦k≦2MP−M−1に
対して第2の中間信号w2(k)をw2(k+M)にシ
フトする。このシフトは、第2の中間信号メモリ24の
データを実際移動させることによって行う。なお、メモ
リ内のデータを移動せずにアドレスにMを加算して2M
Pの剰余をとる巡回アドレッシングによって等価的に行
うこともできる。次に、第3の演算部21で以下に示す
式にしたがって0≦k≦M−1に対する第2の中間信号
w2(k)を算出し、第2の中間信号メモリ24に結果
を記憶する。w2(k)の計算はMの値が偶数か奇数か
によって次の2つの場合に分けられる。 (1)Mが偶数の場合、
【0124】
【数57】
【0125】(2)Mが奇数の場合、
【0126】
【数58】
【0127】第2のコサイン係数メモリ27はMが偶数
のときは、(数59)で定義され、またMが奇数のとき
は(数60)で定義されるM2個のコサイン係数c
(i,k)を記憶している。 (1)Mが偶数の場合、
【0128】
【数59】
【0129】(2)Mが奇数の場合、
【0130】
【数60】
【0131】この値は、第1の実施例の信号分析フィル
タバンクの第1のコサイン係数メモリ111で用いるコ
サイン係数と同一である。
【0132】第3の演算部21では、計算の最初に第3
のレジスタ29を零にクリアした後、サブバンド入力信
号メモリ23からのサブバンド信号と第2のコサイン係
数メモリ27からのコサイン係数を上記計算式の示すア
ドレスにしたがって読み出し、第3の乗算器26を使っ
て両者を乗算し、乗算結果を第3の加算/減算器28と
第3のレジスタ29を使って累積し、積和計算を行う。
第3の加算/減算器で加算を行うか減算を行うかは上記
計算式にしたがう。第3の演算部21の積和回数は、M
が偶数の場合も奇数の場合も共にM2である。第2の中
間号メモリ24は、第3の演算部21の計算結果である
第2の中間信号w2(k)を記憶する2MP個のメモリ
である。
【0133】次に、第4の演算部22で第2の中間信号
メモリ24と第2のフィルタ係数メモリ211とを用い
て、以下に示す式にしたがってM個の出力信号を算出す
る。第4の演算部22の計算もMが偶数か奇数かによっ
て次の2つの場合に分けられる。 (1)Mが偶数の場合、(a)0≦n≦M/2−1で
は、
【0134】
【数61】
【0135】(b)n=M/2では、
【0136】
【数62】
【0137】(c)M/2+1≦n≦M−1では、
【0138】
【数63】
【0139】(2)Mが奇数の場合、(a)0≦k≦
(M−1)/2では、
【0140】
【数64】
【0141】(b)(M+1)/2≦k≦M−1では、
【0142】
【数65】
【0143】第2のフィルタ係数メモリ27は(数6
6)で定義される2MP個の第2のフィルタ係数h2
(l)を記憶している。
【0144】
【数66】
【0145】第3の演算部21と同様に、第4の演算部
22では、計算の最初に第4のレジスタ213を零にク
リアした後、第2の中間信号メモリ24からの第2の中
間信号と第2のフィルタ係数メモリ211からの第2の
フィルタ係数を上記計算式に示すアドレスにしたがって
読み出し、第4の乗算器210と第4の加算/減算器2
12と第4のレジスタ213を使って積和計算を行う。
第4の加算/減算器212で加算を行うか減算を行うか
は上記計算式にしたがう。
【0146】以上のように第4の演算部22では、Mが
偶数の場合も奇数の場合も共に2MP回の積和計算によ
りM個のフルバンド信号を算出することができる。出力
信号メモリ25は第4の演算部22の計算結果であるM
個のフルバンド信号を記憶し、出力するためのメモリで
ある。
【0147】第1の実施例で説明したのと同様にして第
2の実施例においても、Mが偶数の場合、(数57)を
(数61)と(数62),(数63)に代入し、y
(i,n)はnがMの整数倍以外では零の値をとること
を利用すると、(数22)を導出することができる。す
なわち、第2の実施例と文献2とでは計算方法が異なる
ものの、最終的な結果は一致することが証明できる。
【0148】以上のように第2の実施例によれば、M個
のフルバンド信号を出力するのに必要な第3の演算部2
1の積和回数を従来例の2M2からM2へと半減すること
ができる。
【0149】また、第2の中間信号のメモリ量を従来例
の4MP個から2MP個へと半減することができる。
【0150】コサイン係数メモリについては、第1の実
施例の信号分析フィルタバンクと第2の実施例の信号合
成フィルタバンクで同一のテーブルを用いることがで
き、信号分析フィルタバンクと信号合成フィルタバンク
を同時に実現する場合のメモリ量を従来例と比較して半
減することができる。
【0151】図3は本発明の第3の実施例のブロック図
である。図3で、31はRAM、32はROM、33は
乗算器、34は加算/減算器、35はレジスタであり、
典型的なDSPの構成である。図1に示した信号分析フ
ィルタバンクでは、第1の演算部と第2の演算部の構成
は同一であり、また、図2に示した信号合成フィルタバ
ンクでは第3の演算部と第4の演算部の構成は同一であ
る。第3の実施例ではこれらの2つの演算部を共通の1
つの演算部にしてこれを時分割に使って信号分析あるい
は合成フィルタバンクを実現する。図3のハードウェア
を使って動作モードを分析と合成とで切り換えることに
より信号分析フィルタバンクと合成フィルタバンクを共
に同一のハードウェアで実現することができる。信号分
析フィルタバンクの場合、RAM31は入力信号メモリ
と第1の中間信号メモリとサブバンド出力信号メモリと
からなり、ROM32は第1のフィルタ係数メモリとコ
サイン係数メモリとからなる。また、信号合成フィルタ
バンクの場合、RAM31はサブバンド入力信号メモリ
と第2の中間信号メモリと出力信号メモリとからなり、
ROM32はコサイン係数メモリと第2のフィルタ係数
メモリとからなる(第3の実施例の場合、コサイン係数
メモリについては共通に使うことができるので、第1と
第2のように区別する必要はない。)。
【0152】以上のように、第3の実施例では演算部を
共通化することにより演算部のハードウェア規模を半減
することができる。
【0153】図4はコサイン係数メモリのメモリ量を削
減した実施例の詳細ブロック図である。図4で、41は
切り換え器、42は剰余算出器、43はアドレスレジス
タ、44は加算器、45はコサイン係数テーブルを記憶
しているROMである。切り換え器41はアドレス動作
モードの設定によってダイレクトアドレスモードのとき
はダイレクトアドレスを選択し、増分アドレスモードの
ときは加算器44の出力を選択し、結果を剰余算出器4
2に出力する。剰余算出器42は入力の1周期分すなわ
ち4Mの剰余を出力するものであり、したがって、4M
が2のべき乗のときは不要である。剰余算出器42は、
1周期より長い時間に対するコサイン係数データを1周
期以下の時間に対するコサイン係数データに変換する役
割を果たす。アドレスレジスタ43は剰余算出器42の
出力を保持し、ROM45に対するROMアドレスを出
力する。加算器44はアドレスレジスタ43の出力であ
るROMアドレスに増分アドレスを加算した結果を出力
することにより、前回のアドレスに増分アドレスで指定
した分だけ増加したアドレスを出力する。ROM45は
ルックアップテーブルであり、アドレスレジスタ43で
指定されたROMアドレスに対応するROMデータを出
力する。
【0154】ROM45は、rをアドレスとするときコ
サイン係数データd(r)として(数67)あるいは
(数68)で表わされるコサイン関数の一周期分即ち4
M個の値を記憶している。 (1)Mが偶数の場合、
【0155】
【数67】
【0156】(2)Mが奇数の場合、
【0157】
【数68】
【0158】図4のような構成をとることにより、第1
の実施例あるいは第2の実施例の(数49),(数5
0)あるいは(数59),(数60)で表わされるコサ
イン係数と同一の値を出力することができる。以下、M
が偶数の場合について説明するが、奇数の場合について
も同様にして説明できるので、ここでは説明を省略す
る。また、信号分析フィルタバンクにおける使い方につ
いて説明するが、信号合成フィルタバンクも同様に説明
することができるので説明を省略する。
【0159】第1の実施例の信号分析フィルタバンクで
は(数47)に示すようにiの値を一定にしてkの値を
0からM−1まで変化させる。最初に、ダイレクトアド
レスの値を2i+1に設定し、切り換え器41をダイレ
クトアドレスモードに設定することによりROMアドレ
スをr=2i+1に設定し、ROMデータを出力する。
このときのROMデータの値は(数47)のk=0の項
のコサイン関数の値である。次に、増分アドレスを2i
+1に設定し、切り換え器41を増分アドレスモードに
設定することにより、ROMアドレスをr=4i+2に
設定し、ROMデータを出力する。これは(数47)の
k=1の項のコサイン関数の値である。以下、増分アド
レスモードで動作させることにより、r=6i+3,8
i+4,・・・,(2i+1)(M−1)に設定し、k
=2,3,・・・,M−1の項のコサイン関数の値を出
力することができる。
【0160】以上のように図4の実施例では、コサイン
係数テーブルをコサイン関数の周期性を利用して一周期
分記憶することにより、コサイン係数のメモリ量を従来
例の2M2から4Mへと2/Mに削減することができ、
例えばMが16の場合メモリ量を1/8に削減すること
ができる。
【0161】さらに、コサイン関数の対称性を利用して
その半周期分あるいは1/4周期分、すなわちコサイン
係数テーブルのメモリ量を2M個あるいはM個とするこ
ともできる。
【0162】次に、(数40)の関係式を利用してフィ
ルタ係数のメモリサイズをMP個に削減したフィルタ係
数メモリの実施例について説明する。
【0163】本実施例のフィルタ係数メモリは、(数6
9)で定義されるMP個のフィルタ係数g(s)を記憶
する。
【0164】
【数69】
【0165】(数46)で定義される第1の実施例の第
1のフィルタ係数h1(l)と(数69)で定義される
フィルタ係数g(s)の間には次の関係式が成立する。 (1)l=0の場合、
【0166】
【数70】
【0167】(2)1≦l≦MPの場合、
【0168】
【数71】
【0169】すなわち、フィルタ係数テーブルg(s)
をアドレスs=l−1で参照し、INT(l/2M)の
値が偶数か奇数かによって、テーブルデータをそれぞれ
そのままあるいは符号を反転して出力する。 (3)MP+1≦l≦2MP−1
【0170】
【数72】
【0171】すなわち、フィルタ係数テーブルg(s)
をアドレスs=2MP−lで参照し、INT(l/2
M)の値が偶数か奇数かによって、テーブルデータをそ
れぞれそのままあるいは符号を反転して出力する。
【0172】(数66)で定義される第2の実施例の第
2のフィルタ係数h2(l)の代わりにこのフィルタ係
数テーブルを用いるときは、フルバンド出力信号をメモ
リに記憶する直前にM倍し、ゲインを合わせる必要があ
る。
【0173】以上のようにこの実施例では、直線位相非
巡回形フィルタのフィルタ係数の対称性を利用して、フ
ィルタ係数のメモリ量を従来例の2MPからMPへと半
減することができる。さらに、信号分析フィルタバンク
と合成フィルタバンクでフィルタ係数テーブルを共通化
することができ、同一のハードウェアを使って信号分析
フィルタバンクと信号合成フィルタバンクを実現すると
きの、フィルタ係数テーブルのメモリ量を半減すること
ができる。
【0174】
【発明の効果】以上のように本発明の信号分析フィルタ
バンクは、第1の演算部と、第2の演算部とを設けるこ
とにより、従来例と比較して第2の演算部の積和計算回
数と第1の中間信号のメモリ量を半減することができ
る。
【0175】また、本発明の信号合成フィルタバンク
は、第3の演算部と、第4の演算部とを設けることによ
り、従来例と比較して第3の演算部の積和計算回数と第
2の中間信号のメモリ量を半減することができる。
【0176】また、本発明の信号分析及び合成フィルタ
バンクは、分析と合成で共通に使用できるM個あるいは
2M個もしくは4M個のコサイン係数テーブルを設ける
ことにより、そのメモリ量をそれぞれ1/2Mあるいは
1/Mもしくは2/Mに削減することができる。
【0177】さらに、本発明の信号分析及び合成フィル
タバンクは、分析と合成で共通に使用することができる
構成のMP個のフィルタ係数テーブルを設けることによ
り、そのメモリ量を半減することができる等、本発明の
信号分析及び合成フィルタバンクは、計算量とメモリ量
を削減し、低消費電力で小型のフィルタバンクを実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における信号分析フィル
タバンクの構成を示すブロック図
【図2】本発明の第2の実施例における信号合成フィル
タバンクの構成を示すブロック図
【図3】本発明の第3の実施例における信号分析あるい
は合成フィルタバンクの構成を示すブロック図
【図4】本発明のメモリ量を削減した実施例におけるコ
サイン係数メモリの構成を示す詳細ブロック図
【図5】従来の信号分析フィルタバンクと信号合成フィ
ルタバンクの構成を示すブロック図
【図6】(a)はプロトタイプフィルタの周波数振幅応
答を示すスペクトル図 (b)はプロトタイプフィルタを周波数遷移することに
より構成した信号分析あるいは合成フィルタバンクの周
波数振幅応答を示すスペクトル図
【符号の説明】
11 第1の演算部 12 第2の演算部 13 入力信号メモリ 14 第1の中間信号メモリ 15 サブバンド出力信号メモリ 16 第1の乗算器 17 第1のフィルタ係数メモリ 18 第1の加算/減算器 19 第1のレジスタ 110 第2の乗算器 111 第1のコサイン係数メモリ 112 第2の加算/減算器 113 第2のレジスタ 21 第3の演算部 22 第4の演算部 23 サブバンド入力信号メモリ 24 第2の中間信号メモリ 25 出力信号メモリ 26 第3の乗算器 27 第2のコサイン係数メモリ 28 第3の加算/減算器 29 第3のレジスタ 210 第4の乗算器 211 第2のフィルタ係数メモリ 212 第4の加算/減算器 213 第4のレジスタ 31 RAM 32,45 ROM 33 乗算器 34 加算/減算器 35 レジスタ 41 切り換え器 42 剰余算出器 43 アドレスレジスタ 44 加算器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプリング周波数fsの信号をM個の等
    帯域幅のサンプリング周波数がfs/Mのサブバンド信
    号に分割する信号分析フィルタバンクであって、前記信
    号分析フィルタバンクは最初の値が零である2MP(P
    は正整数)個のフィルタ係数を有する直線位相非巡回形
    のプロトタイプフィルタを周波数遷移することによって
    構成され、プロトタイプフィルタのフィルタ係数をh
    (l)(ただし、0≦l≦2MP−1)、サンプリング
    時刻nにおける入力信号をx(n)、M個の第1の中間
    信号をw1(k)(ただし、0≦k≦M−1)、第iサ
    ブバンド(ただし、0≦i≦M−1)のサンプリング時
    刻Mmにおける出力信号をy(i,Mm)とするとき、 (1)Mが偶数の場合は、 (a)k=0では、 【数1】 (b)1≦k≦M/2では、 【数2】 (c)M/2+1≦k≦M−1では、 【数3】 によって第1の中間信号を算出する第1の演算部と、 【数4】 によってサブバンド出力信号を算出する第2の演算部と
    を備え、 (2)Mが奇数の場合は、 (a)0≦k≦(M−1)/2では、 【数5】 (b)(M+1)/2≦k≦M−1では、 【数6】 によって第1の中間信号を算出する第1の演算部と、 【数7】 によってサブバンド出力信号を算出する第2の演算部と
    を備えたことを特徴とする信号分析フィルタバンク。
  2. 【請求項2】M個の等帯域幅のサンプリング周波数fs
    /Mのサブバンド信号を合成してサンプリング周波数f
    sの信号を再生する信号合成フィルタバンクであって、
    前記信号合成フィルタバンクは最初の値が零である2M
    P(Pは正整数)個のフィルタ係数を有する直線位相非
    巡回形のプロトタイプフィルタを周波数遷移することに
    よって構成され、プロトタイプフィルタのフィルタ係数
    をh(l)(ただし、0≦l≦2MP−1)、第iサブ
    バンド(ただし、0≦i≦M−1)のサンプリング時刻
    Mmにおける入力信号をy(i,Mm)、2MP個の第
    2の中間信号をw2(k)(ただし、0≦k≦2MP−
    1)、サンプリング時刻Mm+n(ただし、0≦n≦M
    −1)における出力信号をx’(Mm+n)とすると
    き、0≦k≦2MP−M−1に対して第2の中間信号w
    2(k)をw2(k+M)にシフトし、 (1)Mが偶数の場合は、 【数8】 によって0≦k≦M−1に対する第2の中間信号を算出
    する第3の演算部と、 (a)0≦n≦M/2−1では、 【数9】 (b)n=M/2では、 【数10】 (c)M/2+1≦n≦M−1では、 【数11】 によって出力信号を算出する第4の演算部とを備え、 (2)Mが奇数の場合は、 【数12】 によって0≦k≦M−1に対する第2の中間信号を算出
    する第3の演算部と、 (a)0≦n≦(M−1)/2では、 【数13】 (b)(M+1)/2≦n≦M−1では、 【数14】 によって出力信号を算出する第4の演算部とを備えたこ
    とを特徴とする信号合成フィルタバンク。
  3. 【請求項3】請求項1記載の信号分析フィルタバンクと
    請求項2記載の信号合成フィルタバンクとを備えたこと
    を特徴とする信号分析及び合成フィルタバンク。
  4. 【請求項4】第2の演算部は、M個あるいは2M個もし
    くは4M個のコサイン係数テーブルを備えたことを特徴
    とする請求項1または3記載の信号分析フィルタバン
    ク。
  5. 【請求項5】第3の演算部は、M個あるいは2M個もし
    くは4M個のコサイン係数テーブルを備えたことを特徴
    とする請求項2または3記載の信号合成フィルタバン
    ク。
  6. 【請求項6】第1の演算部はMP個のフィルタ係数テー
    ブルを備えたことを特徴とする請求項1,3または4記
    載の信号分析フィルタバンク。
  7. 【請求項7】第4の演算部はMP個のフィルタ係数テー
    ブルを備えたことを特徴とする請求項2,3または5記
    載の信号合成フィルタバンク。
  8. 【請求項8】第2の演算部及び第3の演算部は、M個あ
    るいは2M個もしくは4M個の共通のコサイン係数テー
    ブルを備えたことを特徴とする請求項3記載の信号分析
    及び合成フィルタバンク。
  9. 【請求項9】第1の演算部及び第4の演算部はMP個の
    共通のフィルタ係数テーブルを備えたことを特徴とする
    請求項3または請求項8記載の信号分析及び合成フィル
    タバンク。
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