JPH057505Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は内燃機関の気筒毎の吸気通路に燃料を
噴射供給する燃料噴射弁の取付装置に関する。

〈従来の技術〉 この種の燃料噴射弁の取付装置としては従来第
２図及び第３図に示すようなものがある。

即ち、図示しない機関の各気筒毎に設けられる
燃料噴射弁１はハウジング２の周壁に燃料導入用
ポート３と余剰燃料排出用ポート４とを隣接して
備えている。

この燃料噴射弁１は、インシユレータ５を嵌挿
した先端噴口部１Ａをインテークマニホールド６
壁に形成された孔６ａに挿入させて各気筒の吸気
通路７に臨ませると共に、周壁を燃料供給管８の
途中に気筒数個取り付けられた円筒状のホルダ９
にシール用Ｏリング１０，１１を介して嵌挿保持
させ、該ホルダ９に形成したフランジ部９ａをイ
ンテークマニホールド６外壁にスペーサー１２を
挟んでボルト１３により締結されている。

また、ホルダ９の頂部に形成したフランジ部９
ｂに燃料噴射弁１の頂部を押圧保持するカバー部
材１４をボルト１５により締結している。

そして、燃料導入通路から燃料導入用ポート３
を介して燃料噴射弁１内に導入された燃料は燃料
噴射弁１の開弁時噴口から吸気通路７内に噴射供
給され、余剰燃料は、余剰燃料排出用ポート４か
ら燃料供給管８へ戻されるようになつている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、かかる従来の燃料噴射弁の取付
構造においては、燃料噴射弁１がホルダ９のフラ
ンジ部９ａの締結位置と噴口部１Ａの取り付け位
置とによつて位置決めされる構成となつていたた
め、これら取付部分の寸法精度が悪い場合にはホ
ルダ９と燃料噴射弁１ホルダをフランジ部を介し
てインテークマニホールドに支持するとき、燃料
噴射弁とホルダとの間にインシユレータを介して
無理な力がかからない構造とすることにより、ホ
ルダ内壁と燃料噴射弁外壁との間の横方向の力を
生じ、燃料噴射弁１とホルダ９との間をシールす
るＯリング１０，１１に作用する力が周方向に不
均一となつてＯリング１０，１１のシール性を悪
化させてしまうという問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に鑑みなさ
れたもので、燃料噴射弁とホルダとの間に無理な
力がかからない構造とすることにより、両者間の
シール性を良好に維持できるようにした燃料噴射
弁の取付装置を提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 このため本考案は、気筒毎に設けられる燃料噴
射弁の先端噴口部を該噴口部に対応してインテー
クマニホールド壁を貫通して形成した孔を介して
吸気通路内に鑑ませると共に、燃料噴射弁の周壁
を円筒状のホルダにＯリングを介して嵌挿保持さ
せ、該ホルダと燃料噴射弁との間に前記Ｏリング
でシールされる空間から燃料噴射弁に燃料を供給
し、かつ、前記ホルダをフランジ部を介してイン
テークマニホールド外壁に締結してなる燃料噴射
弁の取付装置において、前記ホルダの燃料噴射弁
噴口部側の開口端部と、燃料噴射弁の噴口部に対
応してインテークマニホールドに形成した前記孔
の周縁部との間をシールする弾性を有したインシ
ユレータを、前記ホルダとインテークマニホール
ドに各々当接させると共に、前記燃料噴射弁に対
して非当接に設け、かつ、燃料噴射弁をインテー
クマニホールドに対して非当接とした構成とす
る。

〈作用〉 インシユレータを、ホルダとインテークマニホ
ールドに各々当接させると共に、燃料噴射弁に対
して非当接にし、ホルダをフランジ部を介してイ
ンテークマニホールドに締結するため、燃料噴射
弁とホルダとの間にインシユレータを介して無理
な外力が作用することを防止でき、燃料噴射弁の
外壁とホルダ内壁との間のＯリングに作用する力
を均一化できるので、シール性を良好に保持でき
る。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図に基づいて説明す
る。

一実施例を示す第１図において、燃料噴射弁１
は従来と同一であるが、燃料噴射弁１の外周をＯ
リング１０，１１を介して嵌挿保持するホルダ２
１の下端開口部２１ａが噴口方向に延設される。

そして、ホルダ２１に形成したフランジ部２１
ｂをスペーサ１２を介してボルト１３によりイン
テークマニホールド２２外壁に締結すると共に、
前記ホルダ２１の下端開口端部２１ａと、その外
側に対向してインテークマニホールド２２に形成
された円形状凹陥部２２ａ内周壁すなわち周縁部
との間に弾性を有したインシユレータ２３を介装
する。

またインテークマニホールド２２に前記凹陥部
２２ａと同心状に形成された孔２２ｂに燃料噴射
弁１の噴口部１Ａを挿入させて吸気通路７に臨ま
せていることは同様であるが、噴口部１Ａと孔２
２ｂとの関係はガタを有するよう孔２２ｂは大き
目に形成されている。

ガバー部材１４により燃料噴射弁１の頂部を押
圧保持することは、従来同様である。

かかる構成とすれば、インテークマニホールド
２２に直接締結支持されるのはホルダ２１のみと
なり、フランジ部２１ｂの取付部及び開口端部２
１ａの取付部に多少の寸法精度の誤差があつても
弾性を有したインシユレータ２３で吸収されると
共に、ホルダ２１をインテークマニホールド２２
に取り付ける際、ホルダ２１と燃料噴射弁１との
間に無理な外力すなわち横方向の力が作用すると
を防止できる。したがつて、ホルダ２１の内壁と
燃料噴射弁１の外壁との間に介在したＯリング１
０，１１に作用する力が周方向に均等に保たれる
のでシール性を良好に維持できるのである。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、インテー
クマニホールドにはインシユレータを、ホルダと
インテークマニホールドに各々当接させると共
に、燃料噴射弁に対して非当接にし、かつ、燃料
噴射弁をインテークマニホールドに対して非当接
とする構成としたため、ホルダと燃料噴射弁との
間にインシユレータを介して無理な外力を実質的
に作用することを防止して、ホルダの内壁と燃料
噴射弁の外壁との間に設けたＯリングのシール性
を良好に維持できると共に、各取付部の寸法精度
を下げられるため、低コスト化を図れるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第
２図は従来例を示す縦断面図、第３図Ａは従来例
の平面図、同図Ｂは従来例の正面図である。 １……燃料噴射弁、１Ａ……噴口部、７……吸
気通路、１０，１１……Ｏリング、２１……ホル
ダ、２１ａ……開口部、２２……インテークマニ
ホールド、２２ａ……凹陥部、２２ｂ……孔、２
３……インシユレータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 気筒毎に設けられる燃料噴射弁の先端噴口部を
   該噴口部に対応してインテークマニホールド壁を
   貫通して形成した孔を介して吸気通路内に臨ませ
   ると共に、燃料噴射弁の周壁を円筒状のホルダに
   Ｏリングを介して嵌挿保持させ、該ホルダと燃料
   噴射弁との間に前記Ｏリングでシールされる空間
   から燃料噴射弁に燃料を供給し、かつ、前記ホル
   ダをフランジ部を介してインテークマニホールド
   外壁に締結してなる燃料噴射弁の取付装置におい
   て、 前記ホルダの燃料噴射弁噴口部側の開口端部
   と、燃料噴射弁の噴口部に対応してインテークマ
   ニホールドに形成した前記孔の周縁部との間をシ
   ールする弾性を有したインシユレータを、前記ホ
   ルダとインテークマニホールドに各々当接させる
   と共に、前記燃料噴射弁に対して非当接に設け、
   かつ、燃料噴射弁をインテークマニホールドに対
   して非当接としたこと を特徴とする燃料噴射弁の取付装置。