JPH0574369A - 受像管 - Google Patents

受像管

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JPH0574369A
JPH0574369A JP5851792A JP5851792A JPH0574369A JP H0574369 A JPH0574369 A JP H0574369A JP 5851792 A JP5851792 A JP 5851792A JP 5851792 A JP5851792 A JP 5851792A JP H0574369 A JPH0574369 A JP H0574369A
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JP
Japan
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electrode
deflection
funnel
phosphor screen
electron gun
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Application number
JP5851792A
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English (en)
Inventor
Eiji Kanbara
英治 蒲原
Hirotaka Murata
弘貴 村田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Video Image Reproduction Devices For Color Tv Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 電子銃8 から放出される電子ビーム7B,7G,7R
を偏向ヨーク10の発生する水平および垂直偏向磁界によ
り偏向して蛍光体スクリーン3 を走査する受像管におい
て、その蛍光体スクリーンと電子銃の電子ビーム放出端
部との間の外囲器の内側に放射方向に第1電極およびこ
の第1電極に印加される電圧よりも低い電圧が印加され
る第2電極からなる4極子電界や8極子電界などの多極
子電界発生電極を設けた。 【効果】 偏向ヨークによるラスター歪を取除くことが
でき、また偏向ヨークの消費電力の低減、受像管の広角
偏向化や奥行きの短縮化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管などの
受像管に係り、特に偏向電力の低減、奥行きの短縮化が
可能であり、さらにはラスターの形状歪も補正可能な受
像管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、図8に示すよう
に、パネル1 およびこのパネル1 に一体に接合された漏
斗状のファンネル2 からなる外囲器を有し、そのパネル
2 の内面に、青、緑、赤に発光するドット状またはスト
ライプ状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3 が
形成され、この蛍光体スクリーン3 に対向して、その内
側にシャドウマスク4 が配置されている。このシャドウ
マスク4 には、ファンネル2 の径大部内側に位置して、
地磁気などの外部磁界を遮蔽する内部磁気遮蔽体5 が取
付けられている。またファンネル2 のネック6 内には、
3電子ビーム7B,7G,7Rを放出する電子銃8 が配置され
ている。さらに上記ファンネル2 の径大部内面から上記
電子銃8 の電子ビーム放出端部と対向するネック6 内面
にかけて内部導電膜9 が塗布形成されている。なお、フ
ァンネル2 の径大部とネック6 との境界部外側には、偏
向ヨーク10が装着されている。
【0003】このようなカラー受像管においては、電子
銃8 から放出される3電子ビーム7B,7G,7Rは、偏向ヨ
ーク10の発生する水平偏向磁界および垂直偏向磁界によ
り偏向され、シャドウマスク4 を介して蛍光体スクリー
ン3 を水平、垂直走査することにより、この蛍光体スク
リーン3 上にカラー画像を表示する。この場合、電子銃
8 から放出される3電子ビーム7B,7G,7Rは、所定の3
色蛍光体層に入射するようにシャドウマスク4 により選
別される。
【0004】上記のように蛍光体スクリーン3 上にカラ
ー画像を表示するためには、電子銃8 から放出される3
電子ビーム7B,7G,7Rを蛍光体スクリーン3 の全域にわ
たり正しく集中させることが必要であり、この3電子ビ
ーム7B,7G,7Rの集中に関し、特に蛍光体スクリーン3
の3色蛍光体層をストライプ状とするとともに、電子銃
8 を同一水平面上を通るセンタービーム7Gおよび一対の
サイドビーム7B,7Rからなる一列配置の3電子ビーム7
G,7B,7Rを放出するインライン型電子銃とし、この電
子銃8 から放出される一列配置の3電子ビーム7G,7B,
7Rを偏向する偏向ヨーク10の発生する水平偏向磁界をピ
ンクッション形、垂直偏向磁界をバレル形として、3電
子ビーム7G,7B,7Rを自己集中するようにしたセルフコ
ンバーゼンス方式のカラー受像管が実用化されている。
図8に示したカラー受像管は、そのセルフコンバーゼン
ス方式インライン型カラー受像管の一例である。
【0005】ところで、蛍光体スクリーン3 を3電子ビ
ーム7B,7G,7Rで走査することにより画像を表示するカ
ラー受像管において、その画質を良好にするためには、
蛍光体スクリーン3 上での3電子ビーム7B,7G,7Rの集
中ずれを小さくするとともに、ラスターの形状歪(ラス
ター歪)を小さくすることが必要である。上記セルフコ
ンバーゼンス方式インライン型カラー受像管では、偏向
ヨーク10の発生する水平偏向磁界をピンクッション形、
垂直偏向磁界をバレル形とする非斉一磁界とすることに
より、同一水平面上を通る一列配置の3電子ビーム7B,
7G,7Rを集中することは可能であるが、その非斉一磁界
のために、画面の上下左右にピンクッション形の歪を生
ずる。
【0006】特公昭57−35542号公報には、この
画面の上下左右にピンクッション形の歪を、偏向ヨーク
の磁界分布により取除く方法が示されている。この公報
の方法によれば、その歪を小さくすることは可能である
が、完全に取除くことは難しく、実際に製作される偏向
ヨークは、その歪を最小にする妥協的な設計とせざるを
えず、最適に設計されたとしても、なお図9に示すよう
な高次のラスター歪12を取除くことはできない。
【0007】また、一般家庭用受像機に用いられるカラ
ー受像管については、画面全面にわたり高解像度である
とともに、奥行き(蛍光体スクリーンから電子銃までの
距離)が短く、消費電力が低いことが望まれる。しかし
これら特性は、それぞれ技術的に相矛盾するものを含む
ため、それらの全てを解決することは困難である。
【0008】すなわち、カラー受像管の奥行きを短くす
るためには、偏向ヨークの最大偏向角を大きく(広角偏
向化)すればよいが、偏向を広角化すると、偏向ヨーク
に流れる電流量が多くなり、偏向ヨークの消費電力(偏
向電力)が増大する。また偏向電力を小さくするために
は、ネック径を小さくして偏向感度を上げればよいが、
ネック径を小さくすると、電子銃の電子レンズの口径が
小さくなり、蛍光体スクリーン上のビームスポット径が
大きくなるために、解像度が劣化する。
【0009】上記偏向ヨークの消費電力は、主として水
平偏向コイルに流れる電流によって決まる。たとえばN
TSC方式の場合、水平偏向周波数は、15.75kHz
と、垂直偏向周波数の60Hzにくらべて格段に高く、消
費電力は、水平偏向コイルのインピーダンスLH (mH)と
流れる電流iH (A) の2乗の積LH ・iH 2 から明らか
なように大きくなり、単にエネルギの損失だけでなく、
偏向ヨークの発熱や焼損などの問題をまねく。
【0010】一方、現在テレビシステムとして、EDT
V(ExtendedDefnition TV )(高画質化テレビ)やH
DTV(High Defnition TV )(高品位テレビ)が開発
されているが、これらEDTVやHDTVでは、水平偏
向周波数が現行の倍(33.75kHz )にもなり、特に
画面の縦横比が9:16のカラー受像管では、通常のカ
ラー受像管にくらべて水平偏向角が大きくなる。さらに
コンピュータ端末機のディスプレイ用として用いられる
カラー受像管などでは、水平偏向周波数が64kHz また
はそれ以上になるものがあり、その結果生ずる偏向ヨー
クの発熱や焼損を防止するために、偏向コイルに高価な
リッツ線などが用いなければならなくなる。
【0011】したがって、EDTVやHDTVなどにつ
いては、消費電力の点からも、また偏向ヨークの発熱の
点からも、現行以上の広角偏向による奥行きの短縮は望
めない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般に3電子ビームを
放出するカラー受像管において、蛍光体スクリーン上に
画像を表示するためには、電子銃から放出される3電子
ビームを蛍光体スクリーンの全域にわたり集中させる必
要があり、特に電子銃から放出される3電子ビームを同
一平面上を通る一列配置の3電子ビームとし、偏向ヨー
クの発生する水平偏向磁界をピンクッション形、垂直偏
向磁界をバレル形とする非斉一磁界として、上記一列配
置の3電子ビームを自己集中するセルフコンバーゼンス
方式インライン形カラー受像管が実用化されている。し
かしこのカラー受像管では、偏向磁界が非斉一磁界であ
るために、画面の上下左右にピンクッション形の歪が生
ずる。
【0013】従来よりこのセルフコンバーゼンス方式イ
ンライン形カラー受像管の画面の上下左右に生ずるピン
クッション形の歪を偏向ヨークの磁界分布により取除く
方法が知られている。この方法によれば、その歪を小さ
くすることは可能であるが、完全に取除くことは難し
く、実際に製作される偏向ヨークは、その歪を最小にす
る妥協的な設計とせざるをえず、最適に設計されたとし
ても、画面に高次のラスター歪が残るという問題があ
る。
【0014】またカラー受像管については、一般家庭用
受像機に用いられるカラー受像管については、奥行きが
短く、消費電力が低いことが望まれるが、EDTV、H
DTVなどでは、水平偏向周波数が高くなり、特に画面
の縦横比がが9:16のカラー受像管では、通常のカラ
ー受像管にくらべて、水平偏向角が大きくなる。またコ
ンピュータ端末機のディスプレイ用として用いられるカ
ラー受像管などについては、その偏向周波数は高くなる
傾向にある。したがってこのようなカラー受像管の偏向
を広角化して奥行きを短縮することは、いちじるしく偏
向電力が増大するばかりなく、偏向ヨークの発熱や焼損
をまねく。したがって偏向電力を低減することも、重要
な問題である。
【0015】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、受像管の消費電力、特に偏向電力
を低減でき、要すれば同時にラスター歪を十分に小さく
することができる受像管を構成することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】電子銃から放出される電
子ビームを偏向ヨークの発生する水平偏向磁界および垂
直偏向磁界により偏向して蛍光体スクリーンを走査する
受像管において、その蛍光体スクリーンと電子銃の電子
ビーム放出端部との間の外囲器の内側に放射方向に設け
られた第1電極およびこの第1電極に印加される電圧よ
りも低い電圧が印加される第2電極からなる多極子電界
発生電極を設けた。
【0017】また、蛍光体スクリーンと電子銃の電子ビ
ーム放出端部との間の外囲器の内側に水平方向に対向し
て設けられた第1電極および垂直方向に対向して設けら
れ第1電極に印加される電圧よりも低い電圧が印加され
る第2電極からなる4極子電界発生電極を設けた。
【0018】さらに、蛍光体スクリーンと電子銃の電子
ビーム放出端部との間の外囲器の内側に水平および垂直
方向に対向して設けられた第1電極および対角方向に設
けられた第2電極からなる8極子電界発生電極を設け
た。
【0019】
【作用】上記のように、蛍光体スクリーンと電子銃の電
子ビーム放出端部との間の外囲器内側に、第1電極およ
びこの第1電極に印加される電圧よりも低い電圧が印加
される第2電極からなる4極子電界や8極子電界などの
多極子電界を発生する電極を設けると、その第1電極と
第2電極を適切な形状、配置にすることにより、電子ビ
ームに発散力や集束力を与える電界を形成することがで
きる。
【0020】その結果、電子銃から放出され偏向ヨーク
により偏向された電子ビームは、その後、その第1電極
と第2電極とにより形成される多極子電界の作用によ
り、偏向ヨークのみにより電子ビームを偏向した場合に
生ずるラスター歪を取除くことができる。
【0021】また少なくとも水平方向に発散力もつ電界
を形成することにより、偏向ヨークの水平偏向磁界によ
る偏向量に多極子電界による発散作用を加算して、水平
方向の偏向感度を増大させることができ、それにより偏
向ヨークの消費電力を低減することができ、また受像管
の広角偏向化や奥行きの短縮化も可能となる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0023】(実施例1)図1および図2にその一実施
例であるカラー受像管を示す。このカラー受像管は、パ
ネル1 およびこのパネル1 に一体に接合された漏斗状の
ファンネル2 からなる外囲器を有し、そのパネル1の内
面に、青、緑、赤に発光するドット状またはストライプ
状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3 が形成さ
れ、この蛍光体スクリーン3 に対向して、その内側にシ
ャドウマスク4 が配置されている。このシャドウマスク
4 には、ファンネル2の径大部の内側に位置して地磁気
などの外部磁界を遮蔽する内部磁気遮蔽体5 が取付けら
れている。またファンネル2のネック6 内には、同一水
平面上を通るセンタービーム7Gおよび一対のサイドビー
ム7G,7Rからなる一列配置の3電子ビーム7B,7G,7Rを
放出する電子銃8 が配置されている。さらに上記ファン
ネル2 の径大部内面から上記電子銃8 の電子ビーム放出
端部と対向するネック6 内面にかけて、後述する第1電
極を構成する内部導電膜20a と第2電極を構成する内部
導電膜20b とが、電気的に絶縁されるように一定間隔離
れて塗布形成されている。さらにまた、ファンネル2 の
径大部とネック6 との境界部外側に偏向ヨーク10が装着
されている。
【0024】上記ファンネル2 の径大部内面からネック
6 内面にかけて塗布形成されている内部導電膜20a ,20
b については、内部磁気遮蔽体5 を取囲む蛍光体スクリ
ーン3 側および電子銃8 側は、その全面が第1電極を構
成する内部導電膜20a で覆われているが、その蛍光体ス
クリーン3 側と電子銃8 側との中間部は、図3に示すよ
うに、管軸に対して放射方向に第1電極を構成する内部
導電膜20a と第2電極を構成する内部導電膜20b とが塗
布形成されている。その第1電極を構成する内部導電膜
20a は、水平方向(X軸方向)に対向し、第2電極を構
成する内部導電膜20b は、垂直方向(Y軸方向)に対向
し、これら内部導電膜20a ,20b がほぼ対角方向で隣接
している。
【0025】そして、その第1電極を構成する内部導電
膜20a は、図2に示したように上記内部磁気遮蔽体5 を
取囲むファンネル2 の径大部に設けられた第1陽極端子
21aに電気的に接続され、この第1陽極端子21a に供給
される電圧V1 が印加される。なお、この電圧は、電子
銃8 の最終加速電極22に取付けられてネック6 内面に塗
布形成された内部導電膜20a に圧接するバルブスペーサ
23を介して最終加速電極22に供給される。また、第2電
極を構成する内部導電膜20b は、この内部導電膜20b の
塗布形成されているファンネル2の径大部部分に設けら
れた第2陽極端子21b に電気的に接続され、この第2陽
極端子21b に供給される上記第1陽極端子21a に供給さ
れる電圧よりもわずかに低い電圧V2 が印加されるよう
になっている。
【0026】なお、上記第1陽極端子21a に供給される
電圧V1 は、シャドウマスク4 に取付けられて内部導電
膜20a に圧接する図示しないコネクタを介してシャドウ
マスク4 、このシャドウマスク4に取付けられている内
部磁気遮蔽体5 、さらにシャドウマスク4 を支持する支
持具24(シャドウマスクに取付けられたマスクホルダお
よびパネルに固定されたスタッドピン)などを介して蛍
光体スクリーン3 に印加される。
【0027】ところで、上記のようにファンネル2 の内
面に内部導電膜20a ,20b からなる第1電極および第2
電極を設けて、その第1電極に電圧V1 を印加し、第2
電極にその第1電極に印加される電圧V1 よりもわずか
に低い電圧V2 を印加すると、これら第1、第2電極
は、それら間に4極子レンズ26で示した3電子ビーム7
B,7G,7Rに対して水平方向に発散力FH 、垂直方向に
集束力FV を及ぼす4極子電界を発生する。
【0028】その結果、このカラー受像管では、電子銃
8 から放出される3電子ビーム7B,7G,7Rは、水平方向
には、偏向ヨーク10の水平偏向磁界により、図1に示し
たようにθH の偏向作用を受け、ついで上記4極子レン
ズ26の水平方向の発散作用によりψH の偏向作用を受
け、3電子ビーム7B,7G,7Rは、水平方向には、偏向ヨ
ーク10の水平偏向磁界と4極子レンズ26の水平方向の発
散作用とにより、θH +ψH の偏向を受ける。一方、垂
直方向には、偏向ヨーク10の垂直偏向磁界により、図2
に示したようにθV の偏向作用を受け、ついで4極子レ
ンズ26の垂直方向の集束作用によりψV の偏向作用を受
ける。この4極子レンズ26の集束作用は、偏向ヨーク10
の垂直偏向磁界による偏向に対して負の作用を及ぼすの
で、3電子ビーム7B,7G,7Rは、垂直方向には、偏向ヨ
ーク10の垂直偏向磁界と四極子レンズ26の垂直方向の集
束作用とにより、θV −ψV の偏向を受ける。
【0029】したがって、蛍光体スクリーン3 上に描か
れるラスターは、図4に示すように、4極子レンズを作
用させないで、偏向ヨークのみを作用させた場合のラス
ター27a に対して、垂直方向には縮み、水平方向には伸
長したラスター27b が形成される。
【0030】このように水平方向に伸長させることがで
きるということは、水平偏向周波数が増大する場合や広
角偏向をおこなう場合、さらには水平偏向周波数を増大
すると同時に広角偏向をおこなう場合、偏向ヨーク10に
よる偏向量を抑えても、四極子レンズによりその偏向を
助長して、所望の偏向が得られることを意味しており、
偏向ヨーク10の水平偏向電流を小さく抑えることができ
ることを示している。
【0031】一方、垂直方向の偏向については、上記の
ように偏向感度が低下するが、一般に垂直偏向周波数
は、水平偏向周波数にくらべていちじるしく低いので、
垂直偏向電流を大きくして偏向感度を上げても、発熱や
垂直偏向電流は、わずかに上昇するのみで、ほとんど問
題とならない。
【0032】したがって、上記のようにカラー受像管を
構成すると、偏向ヨークの消費電力を低減でき、かつ偏
向ヨーク10の発熱を抑制し、また発熱対策として従来使
用された高価なリッツ線でコイルを形成する必要もなく
なる。
【0033】(実施例2)この実施例2のカラー受像管
の全体の構成は、ファンネルの内面に形成される内部導
電膜を除いて、図1および図2に示したカラー受像管と
ほぼ同じであるので、その説明を省略する。
【0034】このカラー受像管のファンネルの内面に形
成される内部導電膜は、漏斗状のファンネルの径大部内
面からネックの内面にかけて塗布形成され、シャドウマ
スマに取付けられてファンネルの径大部の内側に位置す
る内部磁気遮蔽体を取囲む蛍光体スクリーン側および電
子銃側は、その全面が第1電極を構成する内部導電膜で
覆われているが、その蛍光体スクリーン側と電子銃側と
の中間部は、図5に示すように、管軸に対して放射方向
に第1電極を構成する内部導電膜20a と第2電極を構成
する内部導電膜20b とが互いに電気的に絶縁されて塗布
形成されている。その第2電極を構成する内部導電膜20
b は、ほぼ対角方向(D軸方向)に対向して塗布形成さ
れ、第1電極を構成する内部導電膜20a は、上記内部導
電膜20bを取囲むように水平方向および垂直方向に対向
して塗布形成されている。
【0035】この第1電極を構成する内部導電膜20a
は、ファンネルの径大部に設けられた第1陽極端子(図
示せず)に電気的に接続され、この第1陽極端子に供給
される電圧V1 が印加される。また第2電極を構成する
内部導電膜20b は、この内部導電膜20b の塗布形成され
ているファンネル2 の径大部部分に設けられた第2陽極
端子(図示せず)に電気的に接続され、この第2陽極端
子21b に供給される上記第1陽極端子21a に供給される
電圧よりもわずかに低い電圧V2 が印加される。
【0036】なお、この第1陽極端子に供給される電圧
V1 は、電子銃8 の最終加速電極22に取付けられてネッ
ク6 内面に塗布形成された内部導電膜20a に圧接するバ
ルブスペーサ23を介して最終加速電極22に供給される。
また上記第1陽極端子21a に供給される電圧V1 は、シ
ャドウマスクに取付けられて内部導電膜20a に圧接する
コネクタを介してシャドウマスク、このシャドウマスク
に取付けられている内部磁気遮蔽体、さらにシャドウマ
スクを支持する支持具などを介して蛍光体スクリーンに
印加される。
【0037】ところで、上記のようにファンネル2 内面
に内部導電膜20a ,20b からなる第1電極および第2電
極を設けて、その第1電極に電圧V1 を印加し、第2電
極にその第1電極に印加される電圧V1よりもわずかに
低い電圧V2 を印加すると、これら第1、第2電極は、
それら間に図6に示す8極子電界を発生し、8極子レン
ズを形成する。なお、この図6に示した矢印29は、8極
子電界の方向とは逆向きの電子ビームに作用する力Fの
方向を示したものであり、この8極子レンズは、水平方
向および垂直方向には、電子ビームに対して発散力用を
もち、対角方向には、集束力をもっている。
【0038】したがってこのカラー受像管では、図1に
示したように、電子銃8 から放出される3電子ビーム7
B,7G,7Rは、水平方向には、偏向ヨーク10の水平偏向
磁界によりθH の偏向作用を受け、ついで上記8極子レ
ンズの水平方向の発散作用によりψH の偏向作用を受
け、3電子ビーム7B,7G,7Rは、水平方向には、偏向ヨ
ーク10の水平偏向磁界と8極子レンズの水平方向の発散
作用とにより、θH+ψHの偏向を受ける。同様に垂直方
向にも、図2に示したように偏向ヨーク10の垂直偏向磁
界によりθV の偏向作用を受け、ついで8極子レンズの
垂直方向の発散作用を受ける。これに対し、対角方向に
は、偏向ヨーク10に水平および垂直偏向磁界の偏向作用
を受け、ついで8極子レンズの対角方向の集束作用を受
ける。この集束作用は、偏向ヨーク10の偏向作用に対し
て負の作用となる。
【0039】したがって上記のように構成されたカラー
受像管は、偏向ヨークの発生する偏向磁界のみにより3
電子ビーム7B,7G,7Rを偏向した場合、たとえば図7に
示すように、高次のラスター歪12をもつていても、この
偏向ヨークに上記8極子レンズを組合わせると、破線30
で示すように、その歪を取除くことができる。
【0040】またこの8極子レンズ28は、水平および垂
直方向にそれぞれ発散作用をもつので、偏向ヨークによ
る偏向量を抑えても、8極子レンズによりその偏向を助
長して、所望の偏向が得られので、偏向ヨークの消費電
力を低減することができる。
【0041】なお、特開昭52−79776号公報、特
開昭52−79764号公報などには、前記実施例のカ
ラー受像管と類似の構造に形成して、内部導電膜とシャ
ドウマスマや蛍光体スクリーンとを異なる電位にするカ
ラー受像管が開示されている。しかしこの公知のカラー
受像管は、電子ビームを蛍光体スクリーンの手前で集束
させて、ラスターを修正するものであり、上記各実施例
のカラー受像管と相違する。
【0042】また、特開平2−195623号公報に
は、ファンネルの内側に静電レンズを形成して、シャド
ウマスクや蛍光体スクリーンに入射する電子ビームの入
射角を大きくすることにより、ミスランディングを小さ
くするカラー受像管が開示されている。しかしこのカラ
ー受像管のファンネルの内側に形成する静電レンズは、
ユニポテンシャル型レンズあるいはバイポテンシャル型
レンズなどの円筒レンズであり、原理的に4極子電界を
発生する4極子レンズや8極子電界を発生する8極子レ
ンズなどの多極子電界を発生する多極子レンズを形成す
る実施例のカラー受像管と相違する。
【0043】つまり、上記各実施例のカラー受像管の多
極子レンズは、電子ビームの進行方向と直交する方向に
第1電極および第2電極が配置され、これら第1および
第2電極により電子ビームの進行方向に垂直な電界を形
成するものであり、電極の長さを長くすることにより、
容易に強い電子レンズを形成することができる。その電
子レンズ作用は、所要の方向に発散作用または集束作用
を及ぼすものである。これに対して円筒レンズは、電子
ビームの進行方向に沿って電極が配列され、その電極間
に電子レンズが形成されるものであり、そのレンズ作用
は、全体として集束作用のみであり、しかも電子レンズ
の作用自体も弱い。
【0044】また、4極子レンズや8極子レンズなどの
多極子電界を発生する多極子レンズは、これを形成する
第1および第2電極にわずかな電位差を与えることによ
り、発散力や集束力が得られる。このことは、実際にフ
ァンネル内面に電極を形成する場合、その電位差が大き
いと、放電がおこるので、多極子レンズは、円筒レンズ
などの他のレンズを形成する場合にくらべて有利である
ことを示している。
【0045】なお、上記各実施例では、第1電極を構成
する内部導電膜と第2電極を構成する内部導電膜とをガ
ラス露出面(ファンネル内面)で絶縁したが、この第1
電極と第2電極との絶縁を確実にするため、両内部導電
膜間にフリットガラス、セラミック、絶縁性耐熱有機
物、その他絶縁性無機酸化物などを塗布して放電を抑制
することは有効である。
【0046】また、上記各実施例では、第1電極を構成
する内部導電膜と第2電極を構成する内部導電膜とに、
それぞれ各別の陽極端子から所要の電圧を印加するよう
にしたが、この各内部導電膜への電圧の印加は、絶縁さ
れた2つの端子をもつ1個の陽極端子から供給するよう
に構成してもよい。また、抵抗体を配置し、1個の陽極
端子に供給される電圧を分圧して、低電圧の印加される
内部導電膜に供給するように構成してもよい。
【0047】また、上記各実施例では、ファンネルに設
けられた陽極端子を介して、第1電極を構成する内部導
電膜と第2電極を構成する内部導電膜とに電圧を印加す
るようにしたが、この各電極への電圧の印加は、ステム
を介して電子銃側から印加することも可能である。
【0048】さらに、上記各実施例では、第1電極を構
成する内部導電膜のみを蛍光体スクリーン側と電子銃側
とに延在させたが、この第1電極を構成する内部導電膜
と第2電極を構成する内部導電膜との両方をそれぞれ蛍
光体スクリーン側や電子銃側の少なくとも一方に延在さ
せてもよい。また、この両内部導電膜は、その形状を適
宜変化させることにより、ラスター歪み、コンバーゼン
スなどを補正することができる。
【0049】さらにまた、上記各実施例では、第1電極
を構成する内部導電膜と第2電極を構成する内部導電膜
とをファンネルの内面に形成したが、この第1および第
2電極は、ファンネルの内面に形成される内部導電膜に
限らず、別途たとえば金属板で形成してファンネルの内
側に配置してもよく、また、いずれか一方の電極を金属
板などで形成し、他方の電極を内部導電膜で形成しても
よい。また、内部磁気遮蔽体を電極として利用すること
も可能である。
【0050】なお、上記各実施例では、4極子レンズお
よび8極子レンズを形成する場合について説明したが、
この発明は、4極子レンズや8極子レンズばかりでな
く、10極子レンズや16極子レンズなど、目的とする
補正に必要な多極子電界を発生する多極子レンズとする
ことは任意である。またその多極子レンズを形成する電
極の形状も、上記各実施例に示したものに限定されるも
のではない。
【0051】なおまた、上記各実施例は、シャドウマス
クを有するカラー受像管について説明したが、この発明
は、それ以外のカラー受像管にも適用可能であり、また
モノクローム受像管にも適用可能である。
【0052】
【発明の効果】蛍光体スクリーンと電子銃の電子ビーム
放出端部との間の外囲器の内側に、第1電極およびこの
第1電極に印加される電圧よりも低い電圧が印加される
第2電極からなる4極子電界や8極子電界などの多極子
電界を形成する電極を設けると、その第1電極と第2電
極の適切な形状、配置にすることにより、電子ビームに
発散作用や集束作用を及ぼす所要の電界を形成すること
ができる。
【0053】したがって上記のように受像管を構成する
ことにより、電子銃から放出される電子ビームは、偏向
ヨークにより偏向されたのち、その第1電極と第2電極
とにより発生する多極子電界の作用を受け、偏向ヨーク
のみにより電子ビームを偏向した場合に生ずるラスター
歪を、その第1電極と第2電極とにより形成される多極
子電界により取除くことができる。
【0054】また少なくとも水平方向に発散作用をもつ
電界を形成することにより、偏向ヨークの水平偏向磁界
による偏向量に多極子電界による発散作用を加算して、
水平方向の偏向感度を増大させることができ、それによ
り偏向ヨークの消費電力を低減することができ、かつ受
像管の広角偏向化や奥行きの短縮化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1のカラー受像管の構成を断
面で示した正面図である。
【図2】同じくそのカラー受像管の構成を断面で示した
側面図である。
【図3】図1に示したカラー受像管の III−III 線の矢
視方向断面図である。
【図4】その第1および第2電極により形成される4極
子レンズの作用を説明するためのラスターの図である。
【図5】この発明の実施例2のカラー受像管の要部構成
を示す断面図である
【図6】その第1および第2電極により形成される8極
子レンズの作用を説明するための図である。
【図7】その第1および第2電極により形成される8極
子レンズの作用を説明するためのラスターの図である。
【図8】従来のカラー受像管の構成を断面で示した平面
図である。
【図9】従来のカラー受像管のラスター歪を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 …パネル 2 …ファンネル 3 …蛍光体スクリーン 6 …ネック 7G…センタービーム 7B,7R…一対のサイドビーム 8 …電子銃 10…偏向ヨーク 20a …第1電極 20b …第2電極 21a …第1陽極端子 21b …第2陽極端子 26…4極子レンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルおよびファンネルからなる外囲器
    のパネル内面に形成された蛍光体スクリーンと、 上記ファンネルのネック内に配置された電子銃と、 上記ファンネルの外側に装着され、上記電子銃から放出
    される電子ビームを水平方向に偏向する水平偏向磁界お
    よび垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を発生する偏向ヨ
    ークと、 上記蛍光体スクリーンと上記電子銃の電子ビーム放出端
    部との間の上記外囲器の内側に放射方向に設けられた第
    1電極およびこの第1電極に印加される電圧よりも高い
    電圧が印加される第2電極からなる多極子電界発生電極
    とを具備することを特徴とする受像管。
  2. 【請求項2】 パネルおよびファンネルからなる外囲器
    のパネル内面に形成された蛍光体スクリーンと、 上記ファンネルのネック内に配置された電子銃と、 上記ファンネルの外側に装着され、上記電子銃から放出
    される電子ビームを水平方向に偏向する水平偏向磁界お
    よび垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を発生する偏向ヨ
    ークと、 上記蛍光体スクリーンと上記電子銃の電子ビーム放出端
    部との間の上記外囲器の内側に水平方向に対向して設け
    られた第1電極および垂直方向に対向して設けられ上記
    第1電極に印加される電圧よりも低い電圧が印加される
    第2電極からなる4極子電界発生電極とを具備すること
    を特徴とする受像管。
  3. 【請求項3】 パネルおよびファンネルからなる外囲器
    のパネル内面に形成された蛍光体スクリーンと、 上記ファンネルのネック内に配置された電子銃と、 上記ファンネルの外側に装着され、上記電子銃から放出
    される電子ビームを水平方向に偏向する水平偏向磁界お
    よび垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を発生する偏向ヨ
    ークと、 上記蛍光体スクリーンと上記電子銃の電子ビーム放出端
    部との間の上記外囲器の内側に水平および垂直方向に対
    向して設けられた第1電極および対角方向に対向して設
    けられ上記第1電極に印加される電圧よりも低い電圧が
    印加される第2電極からなる8極子電界発生電極とを具
    備することを特徴とする受像管。
JP5851792A 1991-03-28 1992-03-17 受像管 Pending JPH0574369A (ja)

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JP3-90088 1991-03-28
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