JPH0573858A - 磁気ヘツド及び磁気ヘツドの実効ギヤツプ長測定方法 - Google Patents

磁気ヘツド及び磁気ヘツドの実効ギヤツプ長測定方法

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JPH0573858A
JPH0573858A JP23128591A JP23128591A JPH0573858A JP H0573858 A JPH0573858 A JP H0573858A JP 23128591 A JP23128591 A JP 23128591A JP 23128591 A JP23128591 A JP 23128591A JP H0573858 A JPH0573858 A JP H0573858A
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coil
magnetic head
gap length
magnetic
turns
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JP23128591A
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English (en)
Inventor
Yoichi Masubuchi
洋一 増渕
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭いギャップ長の仕様の磁気ヘッドの実効ギ
ャップ長を高精度に測定する。 【構成】 1つの磁気コア2に第1のコイル4と第2の
コイルを巻回した磁気ヘッド1であり、実効ギャップ長
の測定時には、この第1のコイル4と第2のコイル5を
接続することによりヘッドの巻数を増やすことができる
ので測定系のSN比を改善できて、狭ギャップ長、狭ト
ラック幅、低インダクタンスのヘッドであっても高精度
の実効ギャップ長測定が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は信号の記録再生に用い
る磁気ヘッド及び磁気ヘッドの実効ギャップ長測定方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は例えば実公昭47−26262
号公報に示された磁気ヘッドの外略図であり、図におい
て、3はギャップ、2は磁気コアであり、磁気コア2に
は巻線窓7をはさんで両側のサイドコア2bに一本のコ
イル4が巻回されており、このコイル4の一端と他端
は、それぞれ端子6に電気的に接続されている。
【0003】次に磁気ヘッド20をビデオテープレコー
ダー(以下、VTRと称す)等の磁気記録再生装置に接
続して使用する際の動作を図に基づき説明する。図11
は磁気ヘッド20を回転ドラムに取付けて動作させる磁
気記録再生装置の記録・再生系のブロック図である。磁
気ヘッド20のコイル4の両端が回転トランス7の1次
側に接続され、回転トランス7の2次側には切換スイッ
チ12を介して広帯域再生増幅器10と記録増幅器11
が接続されている。
【0004】記録時には、記録増幅器11と回転トラン
ス7が切換スイッチ12により導通され、記録信号電流
が記録増幅器11で増幅されて、回転トランス7を経て
磁気ヘッド20のコイル4に印加され、この印加電流に
より発生した磁束の一部がギャップ3からの漏れ磁束と
なり、磁気テープ13を磁化する。
【0005】再生時には、広帯域再生増幅器10と回転
トランス7が切換スイッチ12により導通され、磁気テ
ープ13を磁気ヘッド20が走査した際に発生する磁束
をコイル4に鎖交させて、この時発生する再生電圧を回
転トランス7を経て、広帯域再生増幅器10にて所定レ
ベルに増幅された後に、次の信号処理回路に伝送され
る。
【0006】VTR等では、信号及び情報の高い転送速
度が必要であるため、高周波でかつ広帯域の再生信号の
伝送特性が要求される。この再生系のインダクタンス成
分をL、容量成分をCとするとこの系の共振周波数fLC
は次式で表される。
【0007】
【数1】
【0008】従って、共振周波数fLCを高く設定するた
めには、L及びCは小さい方が望ましい。
【0009】また、磁気ヘッド20のコイル4の巻数を
N、インダクタンスをLH とすると次の関係がある。 LH ∝ N2 (2) このように巻数Nは、インダクタンスLH に2乗の関係
で影響するので前記の高周波増幅を目的とした再生系の
場合には、共振周波数fLCを高くする目的から磁気ヘッ
ド20のコイル4の巻数Nは、共振周波数fLCの許容限
から決定されており、少ない巻数となっている。
【0010】次に、磁気ヘッド20の実効ギャップ長G
leについて説明する。実効ギャップ長GIeは、磁気ヘッ
ド20の電磁変換特性上のギャップ3の長さを規定する
ものであり、磁気ヘッド20の目的である電磁変換素子
としての実質的なギャップ3の長さを表している。従っ
て、実効ギャップ長Gleは、磁気ヘッド20の重要な特
性である記録再生出力電圧の周波数特性との間に強い相
関があり、この実効ギャップ長Gleを測定し、その値に
基づいて品質を検査し、管理することが広く行われてい
る。
【0011】実効ギャップ長Gleの測定は、次のように
行う。図12は磁気ヘッド20の実効ギャップ長Gle
測定系の記録再生部分のブロック図である。磁気ヘッド
20のコイル4の両端が切換スイッチ12を介して、測
定用再生増幅器8と測定用記録増幅器9に接続されてお
り、測定用信号の記録時と再生時に切換スイッチ12で
切換えられる。
【0012】通常のVTR等の回転ヘッド型磁気記録再
生装置においては、磁気ヘッド20自体を高速で回転さ
せる必要があるため、磁気ヘッド20と増幅器10及び
11の伝送路の間に回転トランス7を入れているが、実
効ギャップ長Gleなどの磁気ヘッド20の特性検査には
測定の効率化を図るために、磁気ヘッド20を固定し磁
気テープ13の方を高速で回転させる機構が用いられ
る。
【0013】実効ギャップ長Gleの測定は、まず、周波
数スイープ信号を測定用信号として測定用記録増幅器9
を経て磁気ヘッド20で磁気テープ13に記録し、再生
した信号を測定用再生増幅器8により増幅した後、その
出力信号をスペクトラムアナライザー等により周波数軸
の変化として測定する。
【0014】この時の周波数軸での測定結果の一例は図
6のようであり、図中の矢印Aのようなディップ点が現
われ、この点の周波数f0 を測定することにより実効ギ
ャップ長Gleが求まる。
【0015】ディップ周波数f0 と実効ギャップ長Gle
には、次のような関係がある。即ち、ギャップ長をg、
記録波長をλとすると磁気記録における再生損失には、
次式のような関係があり、これをギャップ損失Lg と呼
ぶ。
【0016】
【数2】
【0017】式3からわかるようにg/λが整数値をと
る時に磁気ヘッド20の再生起電力が0となる。また、
磁気ヘッド20と磁気テープ13の相対速度Vr には次
式のような関係がある。 Vr=f・λ (4) g=λの時のギャップ長が実効ギャップ長Gleとなるか
ら、式4の関係から実効ギャップ長Gleはディップ周波
数f0 より次式から求まる。 Gle=Vr/f0 (5) この方法による測定では0.01μmオーダーの精度で
実効ギャップ長Gleを測ることが可能であり、非常に有
効な手段である。
【0018】通常、VTR等で使用される場合の信号の
伝送帯域は、磁気ヘッド20の効率の良い部分の特性を
使うため、実効ギャップ長Gleの2〜3倍を信号の最短
記録波長λminとして設定する。従って、通常の伝送
系においては、ディップ周波数f0 は、前述の共振周波
数fLCよりもかなり高い周波数となり、回転トランス7
のインダクタンス・容量分のない実効ギャップ長Gle
測定系においても、高周波回路が必要となり、そのため
の系の構築には、かなりのコストと調整作業が必要とな
る。そこで、通常は式4のような関係から、相対速度V
r をVTR等で使う値よりも低くして測定を行う。この
方法であれば、記録・再生系の最高周波数は15MHz
以下程度であり、容易に測定が行える。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁気ヘッド20
は再生増幅系の共振周波数fLCを高く設定する必要性を
優先する目的で、コイル4の巻数Nを少なく設定してい
た。磁気ヘッド20の再生電圧EH と巻数Nと再生磁束
Φの間には、次式の関係がある。 EH ∝ N・dΦ/dt (6)
【0020】また、再生電圧EH と磁気ヘッド20のト
ラック幅TW にも次の関係がある。 EH ∝ TW (7) さらに、式5の関係からGleが小さくなる程、ディップ
周波数f0 が高くなる。つまり、トラック幅Tw が狭
く、実効ギャップ長Gleが狭くなる程再生電圧EH が低
くなる傾向があり、再生電圧EH が低くなって、測定系
の再生増幅器10を含めた機器ノイズレベルが再生電圧
H より大きくなると、実効ギャップ長Gleが測定でき
ない問題が生じる。
【0021】図7は相対速度3m/sで実効ギャップ長
leが0.20μmの磁気ヘッド20を測定した場合の
測定用再生増幅器9の出力の周波数スペクトラムであ
る。図において、曲線30は、磁気ヘッド20の記録再
生出力であり、曲線31は記録再生を行わず、再生系を
動作させた時の機器ノイズレベルである。
【0022】本来、ディップ周波数f0 は15MHz に
現われるはずであるが、この場合はそれより低い周波数
(矢印B)において機器ノイズレベル31と同一になっ
ており、この矢印B以上の周波数に相当する実測ギャッ
プ長Gleは、この測定系においては全く測定できず、こ
のことはトラック狭Tw 及び実効ギャップ長Gle及びイ
ンダクタンスLH 、コイル4の巻数Nの減少と共により
顕著となる。
【0023】しかしながら、磁気記録再生装置の動向は
時代と共により高密度な方向を求められている。家庭用
アナログVTRを例にとれば、VHS方式VTRでトラ
ック幅TW =58μm,最短記録波長λmin=1.3
μmであったものがS−VHS方式VTRの3倍モード
ではTw =19μm,λmin=0.8μmとなってお
り、8ミリ方式VTRでは、トラック幅Tw =21μ
m,λmin=0.7μmであったものがハイバンド8
ミリ方式VTRの2倍モードではTw =10μm,λm
in=0.5μmとなっている。更に、家庭用のディジ
タルVTRにおいては、アナログ方式に比べて高い情報
の転送レートが必要であり、そのためには1μm2 /b
it前後の記録密度が求められており、磁気ヘッドはよ
り狭トラック幅、狭ギャップ長、高周波に対応する必要
がある。これには前述の実効ギャップ長Gle、トラック
幅TW 、インダクタンスLH 、コイル4の巻数Nの全て
を小さく設定することが有利に作用し、トラック幅TW
は5μm程度、実効ギャップ長Gleは、0.20μm程
度が求められており実効ギャップ長Gleの測定の容易さ
とは相反する方向であり、今後ますます実効ギャップ長
leの測定は困難になると予想される。
【0024】また、実効ギャップ長Gleの高精度な測定
は、実効ギャップ長Gleの減少と共に重要となる。即ち
実効ギャップ長Gleは、磁気ヘッド20の製造上の条件
の違いによりばらつきを生じるがその大きさが例えば
0.02μmであったとして、Gleの中心値が0.4μ
mの場合その誤差は5%であるが、Gleの中心値が0.
2μmになると10%となり、誤差は2倍となる。従っ
て、製造上のばらつきを管理する必要からGleの高精度
な測定手段が求められる。
【0025】このような背景にもかかわらず、従来の磁
気ヘッド20では、実効ギャップ長Gleが正確に測れな
い問題点があった。
【0026】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、狭ギャップ、狭トラック、低イ
ンダクタンスの磁気コアであっても高精度な実効ギャッ
プ長が測定できる磁気ヘッドを得ると共に、この磁気ヘ
ッドによる実効ギャップ長の測定方法を提供することを
目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明に係る磁気ヘッ
ドは、1つの磁気コアに2本のコイルを巻回したもので
あり、更にこの発明に係る磁気ヘッドの実効ギャップ長
の測定では、2本のコイルを接続して巻数を加算して使
用するものである。
【0028】
【作用】この発明における磁気ヘッドは、2本のコイル
を直列に加算して接続されこの場合、2本のコイルの巻
数に比例した分の再生電圧が加算して得られる。また、
この発明の磁気ヘッドの実効ギャップ長測定方法では、
2本のコイルの加算により発生した高い再生電圧を利用
して正確にディップ周波数f0 を測定することにより高
精度の実効ギャップ長測定が可能となる。
【0029】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1において、磁気コア2に設けられた巻線窓7
により分割された2つのサイドコア2bに第1のコイル
4と第2のコイル5が巻回されている。第1のコイル4
は、第2のコイル5よりもギャップ3に近い側に巻回さ
れている。第1のコイル4の一端と他端及び第2のコイ
ル5の一端と他端は、個別に4箇所の端子6に電気的に
接続されている。図3は、この磁気ヘッド1の実効ギャ
ップ長Gleを測定系の記録再生部分のブロック図であ
る。第1のコイル4の一端と第2のコイル5の一端を電
気的に直列に接続し、更に第1のコイル4の他端と第2
のコイル5の他端を切換えスイッチ12を介して、測定
用再生増幅器8と測定用記録増幅器9に接続されてい
る。
【0030】次に動作について説明する。実効ギャップ
長Gleの測定方法については、従来例と同一なので省略
する。第1のコイル4の巻数をN、第2のコイルの巻数
をN2 とすると、図3のような接続をした場合の磁気ヘ
ッド1の総巻数は、2つのコイルの巻数の加算分である
1 +N2 となる。従来例の図10に示した磁気ヘッド
20のコイル巻数NがN=N1 であり、磁気コア2も磁
気ヘッド1と同一であったとして、磁気ヘッド1の出力
電圧E1 と従来の磁気ヘッド20の出力電圧EH20 の出
力比は式6の関係から下式のようになる。 EH1/EH20 =N1 +N2 /N1 (8) 従って、磁気ヘッド1の出力は従来の磁気ヘッド20に
比べて、第2のコイル5の巻数N2 分だけ大きくなる。
【0031】図6は図3に示した測定系により磁気ヘッ
ド1の実効ギャップGleを測定した時の測定用再生増幅
器8の出力の周波数スペクトラムであり、この時のコイ
ル巻数はN1 =10ターン、N2 =10ターンであり、
合計N1 +N2 =20ターンである。また、磁気ヘッド
1の実効ギャップ長Gleは0.2μmであり、相対速度
はVr =3m/sで測定した。図6から明らかにディッ
プ周波数f0 (矢印A)である15MHz でも出力電圧
(曲線30)は機器ノイズレベル(曲線31)よりも上
回っており、正確にGleが測定できる。
【0032】しかしながら、第1のコイル4のみを使用
した場合にはヘッドの再生出力に寄与するコイル巻数は
1 =10ターンのみであり、その時の測定結果は図7
に示した従来の例と全く同じようになり、ディップ周波
数f0 以下の周波数(矢印B)において機器ノイズ(曲
線31)が支配的となり、Gleは測定できない。このよ
うにこの発明の磁気ヘッド1によれば従来測定できなか
った狭い実効ギャップ長Gleが測定できるようになる。
【0033】次にこの磁気ヘッド1を回転トランス7を
用いたVTR等の磁気記録再生装置に用いた時の記録・
再生系のブロック図を図5に示す。この場合は第1のコ
イル4のみを回転トランス7の1次側に接続する。回転
トランスの2次側の接続と構成は従来の図11と同一で
ある。この時の再生系の振幅応答の周波数特性が図8の
曲線32であり、再生系で特に重要な共振周波数fLC
45MHz 矢印C)であり、伝等系に回転トランス7の
インダクタンス分・容量分が含まれているにもかかわら
ず高周波において良好な特性を得ている。図8における
磁気ヘッド1のコイル巻数等の諸元は前述の実効ギャッ
プ長を測定したものと同一である。
【0034】次に、同じ磁気ヘッド1を図9のように第
1のコイル4と第2のコイル5に直列に接続した場合の
再生系の特性を表したのが図8の曲線Bであり、共振周
波数fLCは25MHz (矢印D)となり図5の場合と比
べて約20MHz 低い値となっている。従来例でも述べ
たように、VTR等においては高密度記録の観点からよ
り広帯域の伝送が行える曲線32のような特性が必要で
あり、実効ギャップ長Gleを測定する時だけに、コイル
の巻数を加算して使用するこの発明の磁気ヘッド1の使
用方法は各使用条件に適したコイル巻数を選択できるの
で非常に有効である。
【0035】また、この発明による磁気ヘッド1では、
第1のコイル4に加えて第2のコイル5があるために従
来の磁気ヘッド20よりもコイルの総巻数が増えるた
め、製造上のコスト上昇を招くように思えるが、近年の
生産技術の進歩により、コイルの巻線作業は従来の人手
に変わって自動機械が多く導入されており、全体のコス
トに占める巻数量の割合は年々低くなってきており、コ
ストに関して大きな問題ではないと考えられる。むし
ろ、製造上の重要な管理項目である実効ギャップ長が測
定できずに不良な特性の磁気ヘッドがVTRに組み込ま
れて後に、信号の記録・再生特性において問題が発生し
て、その時点で不良となる方がコストの損失は大きい。
【0036】通常、磁気ヘッドの製造においては全数検
査ではなくロット毎の抜取検査を行っている検査項目も
多く、この実効ギャップ長も、抜取検査により管理する
ような場合には、測定する磁気ヘッドのみに本発明の構
成を適用すれば良い。
【0037】実施例2.実施例1の説明では第1のコイ
ル4と第2のコイル巻数N1 及びN2 を同じとしたが、
例えばN1 <N2 として巻数を変えても良い。
【0038】図3に示した測定用再生増幅器8のSN比
は、ヘッドの雑音電圧をENH、増幅器8の入力換算雑音
電圧をENAとすると次式で表せる。
【0039】
【数3】
【0040】また、ENHは、磁気ヘッドの実効抵抗をR
H 、ボルツマン定数をk、ケルビン温度をTとすると次
式で表せる。
【0041】
【数4】
【0042】式10において、4kTを一定と考えると
NHはヘッドの実効抵抗RH で決まり、ENAは同じ増幅
器を使って同一であるとすれば、ヘッドの実効抵抗RH
が充分小さければ、この時のSN比はヘッド出力電圧E
H と増幅器のENAによりほぼ決まることになり、SN比
を上げて測定の分解能を上げるには、式9からヘッドの
出力電圧EH を上げることに効果が見い出せる。
【0043】従って、回転トランス7に接続した際の共
振周波数fLCを高くする設定があるような場合には、回
転トランス7に接続する第1のコイル4の巻数N1 は少
なく設定せざるを得ず、その時の実効ギャップ長Gle
狭く、トラック幅TW が狭い構成の磁気ヘッド1であれ
ば、第1のコイル4に発生する出力電圧EH が小さく、
ヘッドの実効抵抗RH も小さくなるから、式6の関係か
ら第2のコイルの巻数N2 をN2 >N1 として、出力電
圧EH を高めて実効ギャップ長Gleを測定すれば、測定
時のSN比の改善に効果がある。
【0044】ここで説明を補足すると図6と図7に示し
た測定結果の例においては、図7の場合コイルの巻数N
1 =10ターンにおいて、ENHはENAよりも約10dB
程度小さく、これにコイルの巻数N2 を加算してN1
2 =20ターンとした図6の場合は図7の場合に比べ
て機器ノイズ(曲線31)は約3.5dB増加したが、
出力電圧EH が約6dB増えたために、SN比で見ると
約2.5dBの改善が行われており、これにより実効ギ
ャップ長Gleの測定に不可欠なディップ周波数f0 が観
測できるようになった。
【0045】実施例3.回転トランス7に接続するコイ
ルを第1のコイル4とすると、この第1のコイル4はな
るべくギャップ3に近い側にある方が、漏れ磁束などに
よる損失が少なくなり再生効率が良くなる。従って、第
2のコイル5はギャップ3から遠い側に巻くことにな
る。
【0046】実施例4.巻線窓7の面積は小さい方が、
磁気コア2の再生時の閉磁路が短くなるので、再生効率
を上げる上では効果がある。この時、図1のように全て
のコイルをサイドコア2bに巻くと、巻線窓7の寸法か
らコイルの総巻数N1 +N2 が決まるので、巻線窓7を
小さくして、かつ、総巻数を増やすために、図2に示し
たように、回転トランス7と接続しない第2のコイル5
の一部又は、全てをバックコア2cに巻けば良い。
【0047】実施例5.以上の実施例では、実効ギャッ
プ長Gleを測定する場合に第1のコイル4と第2のコイ
ル5を直列に接続したが、実効ギャップ長Gleを測定す
るのに充分なSN比がとれ、かつ、コイル巻数を増やす
余裕がある場合は、回転トランス7と接続しない第2の
コイル5の巻数を多くして、この第2のコイル5だけで
図4に示したような構成により実効ギャップ長Gleを測
定しても良い。この場合は、第1のコイル4と第2のコ
イルを接続する手間を省くことができる。
【0048】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0049】一つの磁気ヘッドコアに2本のコイルを巻
回してあり、この2本のコイルを接続して加算した状態
で実効ギャップ長を測ることにより実効ギャップ長の測
定系において高いSN比が得られるので、狭ギャップ、
狭トラックの仕様の磁気ヘッドであっても、実効ギャッ
プ長を高い精度で測ることができる。
【0050】磁気ヘッドの実効ギャップ長を高精度で測
れるので、磁気ヘッドの出力の周波数特性のばらつきを
小さく管理することができて、この磁気ヘッドを用いた
磁気記録再生装置の性能のばらつきを低減することがで
きるので製造上の歩留を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による磁気ヘッドを示す概
略図である。
【図2】この発明の実施例4による磁気ヘッドを示す概
略図である。
【図3】この発明の実施例1による実効ギャップ長測定
系のブロック図である。
【図4】発明の実施例5による実効ギャップ長測定系の
ブロック図である。
【図5】この発明の実施例1による磁気ヘッドをVTR
に用いた場合のブロック図である。
【図6】この発明による実効ギャップ長測定時の周波数
スペクトラムである。
【図7】従来の方法による実効ギャップ長測定時の周波
数スペクトラムである。
【図8】再生増幅系の周波数特性図である。
【図9】この発明の実施例1による磁気ヘッドをVTR
に用いた他の場合のブロック図である。
【図10】従来の磁気ヘッドの概略図である。
【図11】従来磁気ヘッドをVTRに用いた場合のブロ
ック図である。
【図12】従来の磁気ヘッドによる実効ギャップ長測定
系のブロック図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッド 2 磁気コア 2b サイドコア 2c バックコア 3 ギャップ 4 第1のコイル 5 第2のコイル 6 端子 9 測定用再生増幅器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の磁気コア半体を非磁性のギャップ
    材を介して突合せてなる磁気コアにコイルを巻回した磁
    気ヘッドコアにおいて、1つの磁気コアに第1のコイル
    と第2のコイルを巻回したことを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記第1のコイルの巻数と前記第2のコ
    イルの巻数が異なることを特徴とする請求項第1項記載
    の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第1のコイルの巻数と前記第2のコ
    イルの巻数が同一であることを特徴とする請求項第1項
    記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第1のコイルと前記第2のコイルの
    内巻数の少ない方のコイルを前記磁気コアのギャップに
    近い位置の両側のサイドコアに巻き、他方のコイルを巻
    数の少ない方のコイルよりギャップから離れた位置の両
    側のサイドコアに巻いたことを特徴とする請求項第2項
    記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記第1のコイルと前記第2のコイルの
    内の一方のコイルを前記磁気コアの両側のサイドコアに
    巻き、他方のコイルを前記磁気コアのバックコアに巻く
    か又は、他方のコイルの内一部をバックコアに巻き、残
    りをサイドコアに巻くことを特徴とする請求項第1項記
    載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記第1のコイルの一端と他端及び前記
    第2のコイルの一端と他端をそれぞれ個別に中継する端
    子を設けたことを特徴とする請求項第1項記載の磁気ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 前記磁気ヘッドの前記第1のコイルの一
    端と前記第2のコイルの一端とを電気的に接続し、か
    つ、前記第1のコイルの他端と前記第2のコイルの他端
    とを測定用再生増幅器に接続し、前記磁気ヘッドに周波
    数スイープ信号を印加して磁性媒体に記録した後に再生
    出力信号を前記測定用再生増幅器にて増幅し、得られた
    信号の周波数軸上のディップ点より、前記磁気ヘッドの
    実効ギャップ長を測定することを特徴とする磁気ヘッド
    の実効ギャップ長測定方法。
  8. 【請求項8】 前記第1コイルと前記第2のコイルの
    内、巻数の多い方のコイルを前記測定用増幅器に接続す
    ることを特徴とする請求項第6項記載の磁気ヘッドの実
    効ギャップ長測定方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9741500B1 (en) 2016-04-04 2017-08-22 Lsis Co., Ltd. Terminal connecting mechanism for molded case circuit breaker

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9741500B1 (en) 2016-04-04 2017-08-22 Lsis Co., Ltd. Terminal connecting mechanism for molded case circuit breaker

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