JPH0571540A - すべり軸受 - Google Patents

すべり軸受

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JPH0571540A
JPH0571540A JP23484391A JP23484391A JPH0571540A JP H0571540 A JPH0571540 A JP H0571540A JP 23484391 A JP23484391 A JP 23484391A JP 23484391 A JP23484391 A JP 23484391A JP H0571540 A JPH0571540 A JP H0571540A
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JP
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synthetic resin
resin sheet
adhesive
sintered metal
metal layer
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JP23484391A
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English (en)
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Hiromitsu Asai
拡光 浅井
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】摩擦係数が低くて摩耗しにくく、油切れを起こ
しにくく、合成樹脂は割れ,欠けを起こしにくく、しか
も温度変化に対しても寸法精度が高く、且つ量産性に優
れたすべり軸受を提供する。 【構成】潤滑油が含浸された多孔質の焼結金属層1と合
成樹脂シート層2とをドライタッチ性のあるフィルム状
接着剤3によって接着し、合成樹脂シート層2に設けた
切欠部4によって焼結金属層1の一部は表出している構
成として、上記目的を達成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結金属層と合成樹脂
シート層とをあわせ具えたすべり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のすべり軸受としては、焼結金属含
油すべり軸受と合成樹脂すべり軸受とがそれぞれ公知で
ある。前者は、多孔質の金属体である焼結金属体の中に
潤滑油を含浸させて形成したすべり軸受であって、含浸
させた潤滑油を潤滑剤として使用するものである。
【0003】後者は、未充填樹脂,耐摩擦性・耐摩耗性
を改善するべく各種の充填剤を含有させた充填樹脂など
を材料としたすべり軸受である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼結金
属含油すべり軸受には次のような問題点があった。 重荷重または低速のすべり条件,揺動,断続運転にお
いて、潤滑油の滲み出しが不十分で油切れを生じて、摩
擦係数が高くなり摩耗しやすい。 雰囲気温度が上がると、含浸油が焼結金属体の全面か
ら激しく漏出して早期に油切れを生じ、すべり軸受の特
性が著しく低下すると共に相手軸を傷つける。
【0005】一方、合成樹脂すべり軸受には次のような
問題点があった。 ドライ状態で使用するため摩擦係数が高く、摩耗しや
すい。 強度が低く、割れや欠けが発生しやすい。 樹脂の線膨張係数が大きいため、温度変化による寸法
変化が大きく、温度条件により軸との隙間が大きくなっ
てガタを生じやすい。
【0006】そこで本発明は、上記従来の問題点に着目
してなされたものであり、摩擦係数が低くて摩耗しにく
く、油切れを起こしにくく、合成樹脂は割れ,欠けを起
こしにくく、しかも温度変化に対しても寸法精度が高
く、且つ量産性に優れたすべり軸受を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のすべり軸受は、潤滑油が含浸された多孔質
の焼結金属層と合成樹脂シート層とがドライタッチ性の
あるフィルム状接着剤によって接着され、合成樹脂シー
ト層に設けた切欠部によって焼結金属層の一部は表出し
ている。
【0008】また、本発明のすべり軸受は、潤滑油が含
浸された多孔質の焼結金属層と潤滑油が含浸された多孔
質の合成樹脂シート層とがドライタッチ性のあるフィル
ム状接着剤によって接着され、焼結金属層の一部は多孔
質の合成樹脂シート層と接着剤を介さないで対向する。
【0009】
【作用】本発明のすべり軸受は、潤滑油が含浸された焼
結金属層と切欠部を設けた合成樹脂シート層との2層構
造であり、焼結金属層の潤滑油が切欠部を経て合成樹脂
シート層の摺動面に長期にわたり適量で補給されるか
ら、摩擦係数が低く維持され摩耗が少ない。
【0010】焼結金属層に接着されている合成樹脂シー
ト層が、潤滑油の急激な漏出を阻止するから、雰囲気温
度が上がっても早期に油切れを生じることもない。合成
樹脂シート層は、薄肉シートを用いて、割れや欠けの発
生を防止できる。また、均一な厚さの樹脂シートを均一
な厚さのフィルム状接着剤により接着することができる
から、寸法精度を確保することが可能であり、且つ合成
樹脂シート層の半径方向への線膨張は、焼結金属層によ
り抑制され、温度変化の影響を小さく押さえられる。
【0011】更に、合成樹脂シートを使用するから、使
用可能樹脂の制約が少なく、例えば射出成形ができない
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂や熱硬化
性樹脂も利用できる。接着剤としても熱可塑性接着剤,
ホットメルト形接着剤,ゴム系接着剤,熱硬化性接着剤
などのフィルム状にしたものを用途により使いわけて使
用できる。
【0012】上記合成樹脂シート層を多孔質合成樹脂シ
ートにすると、切欠部を設けることなく、シート全面よ
り潤滑油が滲み出て潤滑することができる。また、雰囲
気温度の上昇に対し、シートに切欠部を設けたものより
焼結金属層内の含浸潤滑油が良く保持される。図1ない
し図4のすべり軸受は、大型合成樹脂シートにフィルム
状接着剤を圧着後、樹脂シートの切断,切り欠きが容易
にできる。また、図5ないし図8のすべり軸受は、切り
欠いたフィルム状接着剤を多孔質の大型合成樹脂シート
に圧着後、切断が容易にできる。したがって、必要寸法
の接着剤塗布済み合成樹脂シートが低コストで容易にで
きる。
【0013】ドライタッチ性(接着剤を塗布した後に、
接着剤がべたつかなくなってから貼り合わせられる性質
をいう)のある接着剤層にべたつきがないため、外筒へ
のシート挿入がスムーズに行える。また不要な所に接着
剤が付着することがない。熱圧着により数秒で接着が行
えるため生産性が良い。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、各図において同一または相当部分には同一
符号を付し、重複する説明を省く。図1は本発明の第1
の実施例の縦断面図である。図中、1は多孔質の焼結金
属層、2はその焼結金属層1の内面1aにフィルム状接
着剤3を介して接着された合成樹脂シート層である。こ
の合成樹脂シート層2には、円形の切欠部4が円周方向
及び軸方向に配列して多数設けられており、焼結金属層
1の内面1aの一部が、その切欠部4を通して合成樹脂
シート層2の内面、すなわち回転する軸5との摺動面2
a側に表出している。
【0015】焼結金属層1は、鉄,銅,アルミニウムな
どの金属の粉体を粉末冶金により円筒状に形成したもの
で、その多孔質組織の細隙内に潤滑油が含浸されてい
る。もっとも、その外形形状は、円筒状に限らず四角形
状等でもよい。合成樹脂シート層2には、例えば熱可塑
性樹脂であるPOM(ポリアセタール),PPS(ポリ
フェニレンサルファイド),PES(ポリエーテルスル
フォン),PE(ポリエチレン),PA(ポリアミ
ド),PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ある
いは熱硬化性樹脂であるPI(ポリイミド)等の材料を
用いることができる。また、それらの合成樹脂材に各種
の充填材を混合してなる複合材料を用いることもでき
る。
【0016】フィルム状接着剤3には、熱可塑性樹脂系
接着剤,ゴム系接着剤,熱硬化性接着剤,ホットメルト
形接着剤等でドライタッチ性がある接着剤を用いること
ができる。また、それらの接着剤のベース樹脂を変成し
てなるドライタッチ性がある接着剤を用いることもでき
る。次に作用を説明する。
【0017】焼結金属層1に含浸させた潤滑油は、合成
樹脂シート層2の切欠部4に表出した内面1aの部分か
ら滲み出し、切欠部4を通って摺動面2aに供給され
る。すなわち、軸受摺動部分が合成樹脂製のすべり軸受
でありながらドライ状態ではなく潤滑される。そのため
低摩耗性であって、高荷重または低速すべりの条件下で
あっても、あるいは揺動運転や断続運転であっても、低
摩擦,低摩耗が確保できる。
【0018】焼結金属層1の内面1aは、その一部のみ
が合成樹脂シート層2の切欠部4を通して表出している
に過ぎず、内面の大部分は接着剤3を介して合成樹脂シ
ート層2で覆われており、潤滑油は切欠部4以外の部分
から摺動面2aに滲み出すことはできない。したがっ
て、雰囲気温度が上昇しても、従来の焼結金属含油すべ
り軸受の場合のように急激に油切れを生じることはな
い。なお、合成樹脂シート層2は、潤滑油が含浸された
多孔質の合成樹脂シートであっても良い。
【0019】合成樹脂シート層2は厚さが薄いので、割
れや欠けが発生するおそれがなく、且つまた高荷重に対
してもクリープを小さく抑えることができる。また、合
成樹脂シート層2をフィルム状接着剤3で接着するもの
としたため、精度の良い焼結金属円筒体に厚さの均一な
フィルム状接着剤3で接着して形成することができる。
したがって、高い寸法精度を実現することができ、軸5
との径方向のすきまを小さくすることが可能で、精密軸
受として使用できる。
【0020】このように焼結金属層1に合成樹脂シート
層2が強固に接着されて両層が一体化されており、線膨
張率の小さい焼結金属層1によって線膨張率の大きい合
成樹脂シート層2の膨張が抑えられた状態になってい
る。そのため、合成樹脂シート層2の内面2aの線膨張
率は、焼結金属層1と殆ど同等もしくはそれ以下になる
(接着されている合成樹脂シート層2の線膨張係数や厚
みにより異なる)。その結果、寸法精度に対する温度変
化の影響が抑制されて安定した精度が得られる。
【0021】図2は第2の実施例の縦断面図である。こ
のものは、合成樹脂シート層2に設けられた切欠部4の
形状を円形ではなく長方形とした点が第1の実施例と異
なっている。図3は第3の実施例の縦断面図である。こ
の実施例のすべり軸受は、軸5が軸方向に往復直線運動
をするリニアすべり軸受であって、合成樹脂シート層2
には、摺動面2aに正逆直線運動用のヘリングボーン状
の動圧発生用の溝6が設けられている。この溝6は、矢
先方向が軸方向右向きの溝6Aと、軸方向左向きの溝6
Bとを軸と直角方向に波形状に接続して、軸方向にほぼ
同一の間隔で配列したものである。
【0022】そして、軸5が図で右方向に直線運動する
と、その運動方向に矢先が一致する軸方向右向きの溝6
Aのポンピング作用によって、軸受摺動面2aに流出し
た潤滑油に動圧が発生し、軸5を支持する。軸5が反対
の方向に直線運動すると、矢先方向が軸方向左向きの溝
6Bのポンピング作用により同じく潤滑油に動圧が発生
して、軸5を支持する。よって、第1,第2の各実施例
のものよりも耐摩耗性が向上する利点がある。また、動
圧発生用の溝6のポンピング作用で摺動面2aの潤滑油
の保持力も大きくなり、その結果、潤滑油の軸受外部へ
の漏出が少なくなって軸受の耐久性が向上する利点もあ
る。
【0023】その他の作用・効果は第1,第2の各実施
例のものと同様である。なお、動圧発生用の溝6の形状
は、上記のヘリングボーン状に限らず、その他、ハ字形
状,菱形状等を適宜に配列して形成しても良い。また、
軸5を固定し、すべり軸受を往復直線運動して使用する
こともできる。また、合成樹脂シート層2の切欠部4
は、動圧発生用の溝6にあっても良く、ランド部7にあ
っても良い。切欠部4の形状に関しては、円形,長方形
に限らずどんな形状でも良い。要は、焼結金属層1に含
浸されている潤滑油が切欠部4を通して合成樹脂シート
層2の摺動面2aに滲出できればよい。
【0024】図4は第4の実施例の縦断面図である。こ
の実施例のすべり軸受は、軸5が往復回転運動を行うラ
ジアルすべり軸受であって、合成樹脂シート層2の摺動
面2aには、正逆回転運動用の動圧発生用の溝8が設け
られている。この溝8は、矢先方向が下向きの溝8A
と、上向きの溝8Bとを軸方向に波形状に接続して交互
に配設したものを、ランド部9を介して円周方向にほぼ
同一の間隔で配列した点が、上記第3の実施例とは異な
っている。この場合は、軸5の回転運動により発生する
動圧発生用の溝8のポンピング作用によって、軸受摺動
面2aに流出した潤滑油に動圧が発生し、軸5を支持す
る。
【0025】図5は第5の実施例の縦断面図である。こ
の実施例のすべり軸受は、合成樹脂シート層として多孔
質合成樹脂シート層10を用いた点が、上記第1〜第4
の各実施例とは異なる。すなわち、多孔質の焼結金属層
1と多孔質合成樹脂シート層10とが、フィルム状接着
剤3によって接着されている。この実施例のフィルム状
接着剤3層には、僅かの幅を有する斜線状の「接着剤の
無い部分11」が、ほぼ等間隔で平行に複数設けられて
いる。そして焼結金属層1の内周面の一部1aは、この
「接着剤の無い部分11」を介して、多孔質合成樹脂シ
ート層10の外周面の一部と直接に対向している。焼結
金属層1と多孔質合成樹脂シート層10とには、軸受使
用前に予め潤滑油が含浸されている。焼結金属層1から
滲み出した潤滑油は、フィルム状接着剤3層の「接着剤
の無い部分11」を通って多孔質合成樹脂シート層10
に供給され、更に多孔質合成樹脂シート層10の微細な
多数の孔を抜けて、内径面である摺動面10aの全面に
供給される。したがって、この実施例の多孔質合成樹脂
シート層10には、潤滑油滲み出し通路である切欠部4
をわざわざ設ける必要がない。
【0026】このような多孔質合成樹脂シート層10を
用いると、雰囲気温度の上昇に基づく焼結金属層1から
の不必要な潤滑油漏出を抑制する機能が高まるという効
果がある。また、多孔質合成樹脂シート層10の摺動面
全面に初めから潤滑油が滲み出しているから、運転初期
から軸5と軸受摺動面10aとの間の油膜形成が安定し
て行われる。これにより、運転初期から安定した高性能
を発揮することが可能になる。
【0027】図6は第6の実施例の縦断面図である。こ
の実施例は、多孔質合成樹脂シート層10を接着するフ
ィルム状接着剤3層の「接着剤の無い部分11」を円形
状にして、ほぼ等間隔で軸方向と周方向とに複数配列し
たものである。作用・効果は上記第5の実施例と同様で
ある。なお、フィルム状接着剤3層の「接着剤の無い部
分11」の形状は、上記第5,第6の実施例に限られず
に任意の形状にできる。
【0028】図7は第7の実施例の縦断面図である。こ
の実施例は、多孔質合成樹脂シート層10の摺動面10
aに、正逆直線運動用のヘリングボーン状の動圧発生用
の溝6を設けたものである。切欠部4に代えて、フィル
ム状接着剤3層に設けられた「接着剤の無い部分11」
は、幅の狭い円周方向の溝として軸方向にほぼ等間隔で
平行に複数設けられている。
【0029】図8は第8の実施例の縦断面図であり、多
孔質合成樹脂シート層10の摺動面10aに、一方向回
転運動用の動圧発生用の溝12が設けられている。その
溝12の矢先方向が、軸5の回転方向に合わせた下向き
とされている。フィルム状接着剤3層に設けられた「接
着剤の無い部分11」は、円形状であって複数個がラン
ド部13に沿い、間隔をおいて配設されている。
【0030】上記第7,第8の実施例は、第1の実施例
の効果に加えて、更に多孔質合成樹脂シート層による利
点と動圧発生用の溝付すべり軸受の利点とを合わせ持
つ。すなわち、多孔質合成樹脂シート層10を有するか
ら、雰囲気温度の上昇に基づく焼結金属層1からの不必
要な潤滑油漏出を抑制する機能が高まる。また、多孔質
合成樹脂シート層10の摺動面全面に初めから潤滑油が
滲み出しているから、運転初期から軸5と軸受摺動面1
0aとの間の油膜形成が安定して行われ、運転初期から
安定した高性能を発揮することができる。
【0031】また、動圧発生用の溝6,12のポンピン
グ作用により、潤滑油に動圧が発生して軸5を支持する
から、耐摩耗性が向上する利点がある。また、動圧発生
用の溝6,12のポンピング作用で潤滑油の保持力も大
きくなり、潤滑油の軸受外部への漏出が減って軸受の耐
久性が向上する。以下に、本発明の第1〜第4実施例に
示したすべり軸受(切り欠を設けた合成樹脂シートを使
用するもの)の製造方法を、図9ないし図12を参照し
て説明する。
【0032】まず、PTFEを主成分とし、これにカー
ボン繊維,ガラス繊維等の摩耗特性向上物質を混合して
なる大型合成樹脂シート22の一方の面に、接着の前処
理として脱フッ素処理を施す。その後、図9に示すよう
に、離型紙23に塗布されているフィルム状接着剤3
(例えば、接着力,耐熱性,耐溶剤性,耐油性等に優れ
たエポキシ変成樹脂を主成分とする加熱反応型フィルム
状接着剤を使用)と大型合成樹脂シート22の脱フッ素
処理を施した面とを対向させて、加熱した加圧ローラ4
0,41により大型合成樹脂シート22の一方の面にフ
ィルム状接着剤3を圧着する。例えば上記加熱反応型フ
ィルム状接着剤の場合、加熱した加圧ローラ40,41
の加圧力は、1〜10Kg、接着剤温度は10〜200℃
である。
【0033】次いで、図10に示すように、その大型合
成樹脂シート22から、所要寸法のシート2を複数枚切
り出すとともに打ち抜いて切欠部4を形成する。この
時、大型合成樹脂シート22に圧着されたフィルム状接
着剤3はドライタッチ性を有しており、べたつかない状
態であるから、切欠き、切断の作業は容易である。切断
及び切欠部4を入れる方法としては、離型紙23を付け
たままでも、剥がしてからでも良い。離型紙23を付け
たままで大型合成樹脂シート22とフィルム状接着剤3
のみの切欠き、切断を行っても良い(この方法によれ
ば、切断後のシート2がばらばらにならない)。また、
離型紙23と大型合成樹脂シート22とフィルム状接着
剤3との切欠き,切断を行っても良い。
【0034】図11に、動圧みぞ付大型合成樹脂シート
22の切断図を示す。動圧みぞ付大型合成樹脂シート2
2の製造方法としては、接着剤圧着前に、転造機の加熱
加圧ローラを用いて大型合成樹脂シート22に動圧発生
用のみぞ6を成形した。その他の工程は、上記と同様で
ある。次に、切断し、切欠部4を入れ、離型紙23を剥
がしたシート2を、接着剤面を外側にして丸め、多孔質
の焼結金属層1の内周面に挿入する。このとき、接着剤
はそのドライタッチ性ゆえにべたつかない状態であるか
ら、シート2の挿入は容易である。また、シート2の切
欠部4に対向する焼結金属層1の内径面に接着剤が付く
ことがないから、潤滑油の滲み出し面が確保される。
【0035】次に、図12に示すように、加熱した加圧
ローラ40,41により、焼結金属層1を回転させ、シ
ート2との熱圧着を行う。加熱反応型フィルム状接着剤
の場合、加圧力は1〜10Kg、接着剤温度は50〜20
0℃前後、回転速度は1〜2回転/数秒とした。かくし
て、寸法精度の良い焼結金属層1に、厚さの均一な合成
樹脂シート2を、厚さが薄く均一で100%固形分のフ
ィルム状接着剤3で接着したため、優れた接着後の内径
寸法精度が得られる。
【0036】なお、接着に関しては上記の方法に限らな
い。加熱したロッドを合成樹脂シート2の内径面に軽圧
入しても良い。要は熱圧着できればよい。次に、接着し
たものをまとめて加熱炉内で加熱し、接着剤をより硬化
させる。このとき、接着した合成樹脂シート2は動くこ
となく、接着時の精度がそのまま維持される。
【0037】最後に、まとめて、焼結金属層1に潤滑油
を含浸させる。接着剤としてホットメルト型接着剤を使
用した場合には、上記の加熱硬化作用は不要である。本
発明の第5〜第8実施例に示したすべり軸受(切り欠を
設けない多孔質の合成樹脂シートを使用するもの)の製
造方法は、次の通りである。
【0038】まず、離型紙23に塗布されているドライ
タッチ性を有する大型フィルム状接着剤3に、所要寸法
の「接着剤の無い部分11」を形成する。これは、大型
フィルム状接着剤3を切り欠くことで行う。この「接着
剤の無い部分11」の形状は特に限定されない。また、
切り欠きの作業は、離型紙とフィルム状接着剤との両方
を切り欠いてもよく、フィルム状接着剤3のみを切り欠
いてもよい。
【0039】次に、こうして「接着剤の無い部分11」
を切り欠いて形成した大型フィルム状接着剤を多孔質の
大型合成樹脂シートの一方の面に圧着する。その圧着方
法は図9に示すものと同じでよい。次に、フィルム状接
着剤が圧着された多孔質の大型合成樹脂シートから、所
要寸法のシートを複数枚切り出す(このとき、樹脂シー
トに切欠き4を入れない)。この切断は、離型紙を付け
たまま行っても良く、離型紙を剥がした後に行っても良
い。離型紙を付けたまま切断する際は、離型紙は切断し
てもしなくても良い。
【0040】図7,図8に示すような動圧発生用のみぞ
付多孔質合成樹脂シート層10を製造する方法も、先に
述べた方法と同様でよく、フィルム状接着剤を圧着する
前に、転造機により多孔質合成樹脂シートに加熱加圧ロ
ーラで動圧発生用のみぞを形成しておけば良い。さら
に、前記同様に、焼結金属層に切断工程,離型紙剥がし
工程を経た多孔質樹脂シートを挿入し、熱圧着する。
【0041】以上の製造方法によれば、以下のような効
果がある。 フィルム状接着剤の合成樹脂シートへの圧着が、簡単
な装置で容易に大量に行える。 接着剤がドライタッチ性を有するためべたつかない。
したがって接着剤が圧着された大型合成樹脂シートの切
断や、潤滑油の滲み出しの通路である「切欠き部4」あ
るいは「接着剤の無い部分11」の形成が容易であり、
小型のシートを効率良く多量に切り出せる。また、焼結
金属層へのシートの挿入も容易であり、不必要な部分に
接着剤が付着することもない。
【0042】焼結金属層へのシートの熱圧着が簡単
で、短時間で作業が完了する。 以上の結果、生産性に富み量産が容易で、且つ優れた寸
法精度のすべり軸受が極めて効率良く、安価に得られ
る。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、潤
滑油が含浸された多孔質の焼結金属層と合成樹脂シート
層とをドライタッチ性のあるフィルム状接着剤により接
着し、合成樹脂シート層に設けた切欠部によって焼結金
属層の一部は表出している構成としたため、次のような
効果が得られる。
【0044】潤滑油が摺動面に滲み出ることにより摩
擦係数が小さく、低摩擦である。 焼結金属層は一部のみ表出しているに過ぎないから、
雰囲気温度が上がっても潤滑油が焼結金属層の全面から
漏出することはなく、急激な油切れが防止できて耐久性
が向上する。 摺動面が合成樹脂であっても、薄いシート状のため割
れや欠けが発生しない。
【0045】合成樹脂シート層をフィルム状接着剤で
接着する構造のため、高い軸受寸法精度が確保できる。 焼結金属層により合成樹脂シート層の線膨張を抑制で
き、温度変化による寸法変化を小さくできる。 また、潤滑油が含浸された多孔質の焼結金属層と潤滑油
が含浸された多孔質の合成樹脂シート層とをドライタッ
チ性のあるフィルム状接着剤によって接着し、焼結金属
層の一部は合成樹脂シート層と接着剤を介さないで対向
する構成としたため、上記〜の効果に加えて次のよ
うな効果が得られる。
【0046】雰囲気温度の上昇に対して、焼結金属層
からの不必要な潤滑油漏出を抑制する機能が向上する。 摺動面全面に初めから潤滑油の安定した油膜が形成さ
れて、運転初期から安定して高いすべり性能を発揮する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の縦断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の縦断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例の縦断面図である。
【図4】本発明の第4の実施例の縦断面図である。
【図5】本発明の第5の実施例の縦断面図である。
【図6】本発明の第6の実施例の縦断面図である。
【図7】本発明の第7の実施例の縦断面図である。
【図8】本発明の第8の実施例の縦断面図である。
【図9】本発明の製造工程で、フィルム状接着剤を合成
樹脂シートに圧着する工程の模式図である。
【図10】本発明の製造工程で、切断するとともに切欠
部を入れた大型合成樹脂シートの平面図である。
【図11】本発明の製造工程で、動圧発生用のみぞを成
形して切断するとともに切欠部を入れた大型合成樹脂シ
ートの平面図である。
【図12】本発明の製造工程で、焼結金属層にフィルム
状接着剤を介して合成樹脂シートを熱圧着する工程の模
式図である。
【符号の説明】
1 焼結金属層 2 合成樹脂シート層 3 (ドライタッチ性のあるフィルム状)接着剤 4 切欠部 10 多孔質合成樹脂シート層 11 接着剤の無い部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油が含浸された多孔質の焼結金属層
    と合成樹脂シート層とがドライタッチ性のあるフィルム
    状接着剤によって接着され、合成樹脂シート層に設けた
    切欠部によって焼結金属層の一部は表出しているすべり
    軸受。
  2. 【請求項2】 潤滑油が含浸された多孔質の焼結金属層
    と潤滑油が含浸された多孔質の合成樹脂シート層とがド
    ライタッチ性のあるフィルム状接着剤によって接着さ
    れ、焼結金属層の一部は多孔質の合成樹脂シート層と接
    着剤を介さないで対向するすべり軸受。
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