JPH0570Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は洋式便器の便座上に、大判な水洗廃棄
可能なシートペーパーを自動供給する便座に係
り、その目的は、前記シートペーパーを巻回した
シートペーパーロールの交換や紙づまりの修正作
業を迅速容易に行うことにある。

〔将来の技術〕

近年、ホテルやレストランあるいは一般家庭等
において洋式便器が多数使用されるようになつて
きた。この洋式便器は便器に起伏自在に取付けた
便座に座つて使用する関係上、便座は常に衛生的
であることが望ましい。このため、一般家庭では
汚水等の飛沫が付着して不衛生になりがちな便座
に、布製カバーを定期的に交換しながら取付けて
便座が不衛生となるのを防いているが、布製カバ
ーは便座の衛生状態を良好に維持するというよ
り、むしろ便座に座つたとき、冷たいと感じるの
を解消するのに使用していることが多い。従つ
て、布製カバーを便座に取付けることは、逆に、
汚水の付着を見過しやすく、かえつて不衛生状態
を助長するおそれがあつた。又、ホテルやレスト
ラン、あるいは、各種交通機関等不特定多数の人
間が利用する公共的な場所に設置されている洋式
便器には、一般家庭と異なり便座カバーは全く使
用されていないのが通例であり、かつ、便座に汚
水の飛沫が直接付着するという点では、布製カバ
ーを取付けたときと同様であり、しかも、このよ
うな便座を不特定多数の人間が利用することは、
公衆衛生上大きな問題であり、今日、公共的な場
所に設置されている洋式便器を衛生的に使用した
いという願望が日増に高まつている。

このため、最近では例えば、実開昭60−155399
号公報に示されているように、ロール状のシート
ペーパーを一定の長さに切断して便座に敷くよう
にしたものが考案されており、その概略構造を第
１１図により説明する。１は便器で、２は便器１
上に起伏自在に取付けた便座、３は用紙ホルダー
で、便座上面を覆うシートペーパー４ａをロール
状に巻回したシートペーパーロール４が回転可能
に収納されている。５はホルダー３から繰出した
シートペーパー４ａを便座２上に送出して所定長
さに切断する送出切断部で、取付ベース５ａに、
ガイドローラ６と、シートペーパー４ａを挟持し
て送出する１組の送出ローラ７ａ，７ｂと、シー
トペーパー４ａを切断する切断刃８ａ，８ｂとを
取付け、前記送出ローラ７ａ及び切断刃８ａを個
別に図示しない電動機と駆動連結して構成され、
使用に際しては、図示しないペーパー繰出スイツ
チを操作してシートペーパー４ａを便座２上に繰
出し、その上から着座して用足しが行えるので、
洋式便器を衛生的に使用することができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記構造のシートペーパー自動供給便座におい
て、今、例えば、シートペーパーロール４を交換
する場合、新しいシートペーパーロールを用紙ホ
ルダー３にセツトしてから、シートペーパー４ａ
をガイドローラ６の位置まで引出し、この状態
で、送出ローラ７ａ，７ｂのうち、上側の送出ロ
ーラ７ｂを取付ベース５ａから取外すか、あるい
は少し上に持上げ、前記シートペーパー４ａをガ
イドローラ６に支持させて下側の送出ローラ７ａ
上まで引出す。このあと、上側の送出ローラ７ｂ
を元の位置にセツトして、シートペーパー４ａを
前記送出ローラ７ａ，７ｂ間に挟持させることに
より交換作業を行つていた。又、取付ベース５ａ
の中でシートペーパー４ａの紙づまりが生じたと
きも、前記のように、送出ローラ７ｂを取外す等
してシートペーパーロール４から新しいシートペ
ーパー４ａを引出し、再度前記同様の手順により
シートペーパー４ａの再セツト作業を行つてい
た。

しかし、前記シートペーパー４ａは、便座２上
を被うために大判となつており、しかも、軟質薄
葉で水洗廃棄ができるように製せられているので
非常に腰が弱く、この結果、シートペーパーロー
ル４の交換作業に際し、シートペーパー４ａをシ
ートペーパーロール４から引出して送出ロール７
ａ，７ｂ間に挟持させることは、送出ローラ７ｂ
の取扱いも含めて非常に手間がかかり、面倒であ
つた。特に、シートペーパー４ａは弛み、絡み等
が生じないよう送出ローラ７ａ，７ｂ間に確実に
挟持させないと、繰出し時、紙づまり等が生じ、
円滑な繰出しが行えず、婦女子等による交換作業
が簡単に行えない問題があつた。

本考案は前記の問題点に鑑み、シートペーパー
ロールの交換を容易に行うことができるシートペ
ーパー自動供給便座を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はシートペーパーロールを収納する箱体
内に、シートペーパーロールをその軸方向に移動
させて交換できる範囲で前記シートペーパーロー
ルを回転自在に横架するための一対の支持板を枢
着させ、これら支持板間の上部にシートペーパー
ロールを回転可能に横架させ、下部には、箱体側
に取付けた繰出ローラと摺接してシートペーパー
を前記繰出ローラとの間で挟持する押圧ローラを
回転可能に架設させたことを特徴とするシートペ
ーパー自動供給便座に関するものである。

〔作用〕

本考案は、箱体のカバーを取外し、シートペー
パーロールを横架する支持板を手前側に揺動させ
て引出し、この状態で支持板間に横架しているシ
ートペーパーロールのロール芯を外し、新しいペ
ーパーロールを再セツトするとともに、シートペ
ーパーの一部を繰出してこれを押圧ローラに巻掛
けてから、前記一対の支持板を、その枢支点を中
心として箱体内に戻すことにより、前記シートペ
ーパーを、押圧ローラに巻掛けた状態で繰出ロー
ラ上に摺接可能に乗載される前記押圧ローラと繰
出ローラとの間において、人力に頼ることなく、
かつ、弛みや絡み等を生じさせることなく、自動
的に、しかも、迅速、確実に挟持させて、シート
ペーパーロールの交換及び紙づまり等の修正作業
を迅速、容易に行うようにしたことを特徴とす
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図ないし第１０図
において説明する。

第１図ないし第２図において、１１は洋式便
器、１２は便器１１の上面に乗載した便座で、こ
の便座１２は、第１図に示すように、便器１１の
上面後背部に載置した平面形状がほぼコ字状をな
すシートペーパー自動供給装置（以下、供給装置
という）１３の箱体１４両側に、便器１１の手前
側に向けて箱体１４と一体に形成した端部箱１４
ａ，１４ｂに擺動自在に取付けられる。次に前記
供給装置１３の構造について説明する。

第３図、第４図において、１５，１５ａは箱体
１４と端部箱１４ａ，１４ｂとを区画する隔壁１
６，１６の上部に、上側を側方に突設した筒状の
ボス部ａ，ｂを介して便座１２の前後方向にそれ
ぞれ揺動自在に枢着された一対の支持板で、これ
ら支持板１５，１５ａのボス部ａ，ｂには、スプ
リングｃ（本実施例ではボス部ａのみに挿入した
例で示す）を介して支持棒１８，１８ａが挿入さ
れ、この支持棒１８，１８ａによりシートペーパ
ーロール１７が、ロール芯Ｒを介して支持板１
５，１５ａ間に回転自在に横架されている。又、
前記支持板１５，１５ａの下部には、ほぼコ型に
形成された回動プレート１９を、前記支持板１
５，１５ａ間において枢軸ｄを介して回動自在に
取付け、断面形状が二股となつた前記回動プレー
ト１９の一方の下方端（第３図の左方に示す箱体
１４のペーパー繰出口２０側）には、ゴム等の緩
衝材ｅを取付け、他方の下方端は第４図に示すよ
うに鋸刃のような山形状をなした複数個の破断突
起２１が、シートペーパーロール１７から繰出さ
れるシートペーパー１７ａの長さ方向と直交して
突設されている。そして、前記回動プレート１９
は、ばねｆにて支持板１５，１５ａに設けたスト
ツパーｇ側に常時付勢される。２２はシートペー
パー１７ａの繰出ローラで、第４図に示す制動機
構付電動機２２ａにて駆動する。２３は前記繰出
ローラ２２と摺接して支持板１５，１５ａ間に回
転自在に取付けた押圧ローラで、シートペーパー
ロール１７から巻戻しされたシートペーパー１７
ａを押圧ローラ２３に巻掛けた状態で繰出ローラ
２２との間で挟持し、この繰出ローラ２２の駆動
により、シートペーパー１７を箱体１４のペーパ
ー繰出口２０側に送出する。２４はシートペーパ
ー１７の破断時と供給装置１３の不使用時におい
て、ペーパー繰出口２０を閉鎖させる駆動機構
で、第３図に示すように、カム部材２５と可動プ
レート２６とによつて構成される。そして、駆動
機構２４の一方を構成するカム部材２５は、第４
図のように、箱体内１４の底板に立設した軸受板
２８，２８間に挿通した回動軸２９に、所定の間
隔を保ち、かつ、取付位置を偏心させた状態で止
着し、制動機構を備えた電動機２９ａにより駆動
する。又、駆動機構２４のもう一方を構成する可
動プレート２６は第３図に示すように、回動プレ
ート１９の下側において繰出ローラ２２とペーパ
ー繰出口２０との間に配置され、第４図のよう
に、その長さ方向の端部に突設した枢支軸３０を
箱体１４の側壁１６，１６に回動自在に枢支する
ことにより、前記可動プレート２６は箱体１４内
を上下に区画した状態で回動プレート１９との間
でペーパー送出路３１を形成させる。そして、こ
の可動プレート２６は、上面側に回動プレート１
９の緩衝材ｅと当接可能な位置に同種の緩衝材ｈ
を取付け、又、緩衝材ｈ直下の位置には、カム材
２５の外周縁と常時摺接するガイドローラ３２を
取付けて、前記枢支軸３０に巻掛けたばねｉの力
により常にカム部材２５側に押圧付勢されてい
る。

又、第３図中、３３は箱体１４の上方端を被う
カバーで、図のように、その前部下端はペーパー
送出口２０側において、支持板１５，１５ａ間に
横設した受止板３４に、後部下端は、箱体１４の
背面上端にそれぞれ係合し、又、前記カバー３３
の両側端は、第８図、第９図に示すように、隔壁
１６，１６のそれぞれの外側端縁に沿つて凹設し
た嵌合溝３５と嵌合して箱体１４の上部を被冠す
るもので、シートペーパー１７ａの繰出し時、あ
るいは可動プレート２６が回動プレート１９と接
触した際に生ずる振動等にて支持板１５，１５ａ
が揺動するのを阻止する。３６はシートペーパー
１７ａに設けた透孔２７（第１０図参照）を、例
えば、光電的に検出して電動機２２ａ，２９ａの
運転を制御させる信号を制御装置Ｓに送出するペ
ーパー繰出量検出用センサである。又、第１図に
おいて、Ｐはペーパー繰出スイツチ、３７は電源
スイツチで、３８は電源ランプである。なお、電
源スイツチ３７は使用中は、特に必要としないた
め、端部箱１４ａの裏面側に設けてもよい。ま
た、第１０図に示すシートペーパー１７ａには一
定の長さ毎にミシン目３９が刻設されているとと
もに、便座１２の開口部１２ａと対応する大きさ
の打抜片４０が一部を切残した状態で設けられて
いる。なお、センサ３６にてシートペーパー１７
ａの透孔２７が検出されると、シートペーパー１
７ａは便座１２上に定量繰出されるとともに、ミ
シン目３９が破断突起２１と繰出ローラ２２との
間に設定される。

又、電動機２２ａ，２９ａの運転はすべて制御
装置Ｓによりシーケンス制御されている。

次に、動作について説明する。

供給装置１３を使用しないときは第５図に示す
ように、可動プレート２６の端部にてペーパー繰
出口２０を閉じて汚水等の侵入を防ぐ。

シートペーパー１７ａを繰出すときは、まず、
電源スイツチ３７を投入して電源ランプ３８が点
灯しているか確認する。確認後、シートペーパー
繰出スイツチＰを投入して電動機２９ａを起動す
ると、駆動機構２４のカム部材２５は回動軸２９
にて第５図の時計方向に回動し、可動プレート２
６を、枢支軸３０を中心として反時計方向にペー
パー送出路３１と平行する位置まで回動させ、ペ
ーパー繰出口２０を開放して一旦電動機２９ａを
制御装置Ｓからの指令により停止させる。つづい
て、制御装置Ｓの指令にて電動機２２ａを起動
し、繰出及び押圧ローラ２２，２３によりシート
ペーパーロール１７からシートペーパー１７ａを
巻戻しながらこれを可動プレート２６上→ペーパ
ー操出口２０を経て便座１２上に繰出す。そし
て、シートペーパー１７ａが便座１２上に一定の
長さ繰出されると、シートペーパー１７ａに設け
た透孔２７をセンサ３６により検出し、電動機２
２ａを制御装置Ｓからの指令により停止させる。
このため、シートペーパー１７ａは便座１２上に
定量繰出され、ミシン目３９は破断突起２１と繰
出ローラ２２との間に設定される。このあと。制
御装置Ｓからの指令で電動機２９ａが起動し、カ
ム部材２５を第３図において時計方向に回動し、
これと連動する可動プレート２６は第６図のよう
に、ガイドローラ３２を介して緩衝材ｈ側の端部
が、前記カム部材２５の回動によりペーパー送出
路３１内を閉鎖した状態で持ち上げられ、前記ペ
ーパー送出路３１内のシートペーパー１７ａの一
部を同時に持ち上げて回動プレート１９の緩衝材
ｅとの間で挟持する。シートペーパー１７ａを挟
持したあともカム部材２５は更に回動をつづけて
可動プレート２６を回動させ、この可動プレート
２６により回動プレート１９は枢軸ｄを中心とし
て第６図の時計方向に押動されて、破断突起２１
によりシートペーパー１７ａを部分的に押圧す
る。この結果、シートペーパー１７ａは可動プレ
ート２６と繰出ローラ２２との間で大きなテンシ
ヨンが加えられると同時に、破断突起２１によつ
て部分的に強く押圧される。従つて、シートペー
パー１７ａは大きなテンシヨンが加えられている
ことと相まつて、破断突起２１近くのミシン目３
９が破断突起２１の押圧力に耐えきれず、その部
分から順次引裂かれ、第７図に示すように、１枚
分のシートペーパー１７ａを円滑に破断すること
ができる。シートペーパー１７ａの破断後は制御
装置Ｓの指令により電動機２９ａは一旦停止し、
シートペーパー１７ａを可動、回動両プレート２
６，１９間で挟持している。この状態で使用者は
打抜片４０を第２図のように便器１１内に垂し、
シートペーパー１７ａを介して便座１２に座り、
用足しを行う。この際、シートペーパー１７ａは
箱体１４内に破断側の端部が挟持されているの
で、体を少々動しても移動することはない。

用足しのあと、利用者が便座１２から離れる
と、図示しない着座検出手段にて制御装置Ｓは電
動機２９ａを駆動する指令を出し、カム部材２５
を再び時計方向に回動する。この時、カム部材２
５は最も高い位置から順次低くなる方向に回動す
るため、これに伴い可動プレート２６も原位置の
方向に後退するとともに、回動プレート１９も同
様に可動プレート２６による押圧が徐々に解かれ
るため、ばねｆの力によりストツパーｄの方向、
即ち、原位置側に戻る。この結果、シートペーパ
ー１７ａは挟持状態が解消される。なお、利用者
が便座１２から離れるとき、シートペーパー１７
ａはまだ可動プレート２６と回動プレート１９と
の間に保持された状態になつているので、臀部に
まつわりついたりすることはない。このあと、洗
浄装置を操作して便器１１内を洗浄するととも
に、洗浄水の水勢によつてシートペーパー１７ａ
の打抜片４０を便器１１内に引きずり込み汚水と
ともにシートペーパー１７ａを排出する。一方、
カム部材２５は回動をつづけ、第５図のように、
スタート地点に戻ると、制御装置Ｓからの指令に
より電動機２９ａが停止して回動を止める。この
ため、可動プレート２６も原位置に戻り、ペーパ
ー繰出口２０を閉鎖する。

このあと、引続いて次の利用者が洋式便器１１
を使用する場合は、前記同様の操作を行えばよ
い。

次に、シートペーパーロール１７を交換する場
合について説明する。

最初にカバー３３を箱体１４から取外し、ロー
ラ芯Ｒを支持棒１８ａ側にスプリングｃの力に抗
して押動し、前記支持棒１８，１８ａ間から取外
す。なお、カバー３３を取外すと、図示しない安
全スイツチにより制御装置Ｓ等への電源供給が断
たれ、シートペーパーロール１７の交換作業を安
全に行うことができるようになつている。つづい
て、新しいシートペーパーロール１７を、前記ロ
ール芯Ｒを取外したときと同様に、シートペーパ
ーロール１７のロール芯Ｒの片側を支持棒１８ａ
に嵌合しながら、この支持棒１８ａをスプリング
ｃに抗してボス部ａ内に押動し、シートペーパー
ロール１７を第４図において支持板１５ａ側に押
圧し、この状態でロール芯Ｒの反対側を支持棒１
８に嵌合させると、シートペーパーロール１７
は、第４図に示すように、スプリングｃにより押
圧されて箱体１４内に正規の取付位置において、
支持板１８，１８ａ間に回転自在に取付けること
ができる。この状態で、ボス部ａ，ｂを介して側
壁１６，１６に枢着されている支持板１５，１５
ａを第９図に示すように、箱体１４の手前、即
ち、便座１２側に揺動させ、支持板１５，１５ａ
に横架した押圧ローラ２３を繰出ローラ２２から
引き離して可動プレート２６の上まで移動させ
る。このあと、シートペーパーロール１７からシ
ートペーパー１７ａの一部をその巻付方向と反対
側に巻戻し、その巻戻し端を、第９図のように、
押圧ローラ２３にシートペーパー１７ａの巻付方
向のカーリングを戻すように巻掛けて可動プレー
ト２６上に垂らしてから、前記支持板１５，１５
ａを箱体１４内の元の位置に戻すと、押圧ローラ
２３はローラ２２と摺接する原位置に戻り、シー
トペーパー１７ａを、第５図に示すように、押圧
ローラ２３と繰出ローラ２２との間に自動的に挟
持することができる。

シートペーパー１７ａの繰出しに際しては、カ
バー３３を箱体１４に被せると、カバー３３自体
は側壁１６，１６の嵌合溝３５に係合しているの
で、シートペーパー１７ａの繰出に際し、支持板
１５，１５ａは揺動することなく前記カバー３３
に受止めらており、シートペーパー１７ａの繰出
しを円滑に行うことができる。

又、シートペーパー１７ａの繰出中に紙づまり
が起きても、シートペーパーロール１７の交換時
と同様に、支持板１５，１５ａを箱体１４の手前
に引出すことにより、容易に紙づまりをなおすこ
とができる。

なお、本考案は第４図に示すように、シートペ
ーパーロール１７を回転自在に支持する支持棒１
８，１８ａのうち、一方の支持棒１８の外周に係
止突起５０を設け、この支持棒１８が嵌入するロ
ール芯Ｒ側には、係止突起５０が係合する係合溝
５１を凹設し、シートペーパーロール１７を箱体
１４にセツトする際、前記係止突起５０を有する
支持棒１８側に、ロール芯Ｒに設けた係合溝５１
側を位置させて、この係合溝５１に係止突起５０
を係合させることにより、シートペーパーロール
１７を常に同一方向においてセツトできるように
してもよく、前記のようしてシートペーパーロー
ル１７のセツトを行うことにより、シートペーパ
ー１７ａは必ず巻付け方向のカーリングを戻す方
向において、第９図に示すように、押圧ローラ２
３に巻掛けて、この押圧ローラ２３と繰出ローラ
２２との間で挟持することができる利点があり、
シートペーパーロール１７の取付方向をまちがえ
ることにより、シートペーパー１７ａのカーリン
グを戻すことができなかつたり、押圧ローラ２３
に巻掛けることができなくなるという、シートペ
ーパーロール１７のセツトミスを回避することが
できる。

又、シートペーパーロール１７から巻戻したシ
ートペーパー１７ａを押圧ローラ２３に巻掛けた
場合、これが正しく巻掛けられたかどうかを確認
するために、例えば、ペーパー繰出口２０あるい
は便座１２を支持するヒンジ片等の部位におい
て、シートペーパー１７ａが正常に繰出された際
の幅寸法に相する位置に図示しない指標を設け、
前記押圧ローラ２３に巻掛けたシートペーパー１
７ａの繰出し部分の両側を前記指標に合致させて
押圧ローラ２３を繰出ローラ２２側に戻すことに
より、シートペーパー１７ａを正確に挟持させ
て、ペーパー繰出時にシートペーパー１７ａの繰
出位置がずれたり、弛みが生じたりするのを防止
するようにしても本考案は成立するものである。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように構成されているの
で、シートペーパーロールの交換に際しては、シ
ートペーパーロールを支持板間に、トイレツトペ
ーパーの取付時と同じようにセツトしたあと、前
記支持板を、その枢支点を中心として手前に引出
し、シートペーパーロルから繰出したシートペー
パーを、前記支持板に設けた押圧ローラに巻掛け
て支持板を箱体内に戻すことにより、シートペー
パーの繰出端を繰出ローラと押圧ローラ間におい
て、容易に挟持させることができるため、シート
ペーパーロールの交換作業は、ほぼ一動作により
迅速、容易に行うことができる。

又、押圧ローラは支持板に取付けられているの
で、前記支持板を便座側スイングさせるだけで、
繰出ローラと容易に接離させることが可能とな
り、シートペーパーロールから繰出したシートペ
ーパーを弛みや絡み等を生じさせることなく、円
滑、容易に繰出して押圧ローラとの間で挟持させ
ることができるとともに、前記両ローラ間でシー
トペーパーの紙づまり等のトラブルが生じた場合
でも、箱体に枢着した一対の支持板を箱体の手前
側にスイングさせて押圧ローラを繰出ローラと分
離させることにより、シートペーパーの紙づまり
個所を容易に除去することが可能となり、前記紙
づまり等のトラブルを迅速確実に修正することが
できる。

その上、シートペーパーロールの交換等に際し
て、支持板により押圧ローラを手前に引出すよう
に構成されているので、シートペーパーの切断時
に生ずる紙粉や切屑が押圧及び繰出ローラ、ある
いは可動プレート上に付着していても、容易に清
掃することができる等、シートペーパー自動供給
便座の清掃、保守点検作業等も容易に行える利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシートペーパー自動供給便座
の斜視図、第２図は側面図、第３図は要部の縦断
側面図、第４図は同じく縦断背面図、第５図ない
し第７図はシートペーパーの破断状態を示す動作
説明図、第８図は要部の横断平面図、第９図はシ
ートペーパーロールのセツト時の動作説明図、第
１０図はシートペーパーの斜視図、第１１図は従
来のシートペーパー自動供給便座の概略構成図で
ある。 １２……便座、１４……箱体、１５，１５ａ…
…支持板、１７……シートペーパーロール、１７
ａ……シートペーパー、２２……繰出ローラ、２
３……押圧ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便座１２の後方に設置した箱体１４内に収納し
   たシートペーパーロール１７からシートペーパー
   １７ａを繰出ローラ２２にて便座１２上に所定の
   長さ繰出して切断若しくは破断するようにしたシ
   ートペーパー自動供給便座において、前記箱体１
   ４内のシートペーパーロール１７が収納される長
   さ方向の両端部に、一対の支持板１５，１５ａを
   相対向させて揺動自在に枢着し、これら支持板１
   ５，１５ａ間に、シートペーパーロール１７及び
   前記繰出ローラ２２と摺接する押圧ローラ２３を
   回転自在に横架したことを特徴とするシートペー
   パー自動供給便座。