JPH0570709U - 熱間鋼板の冷却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で、メンテナンス性に優れ、しか
も迅速に強冷却と緩冷却の切替えを可能とする。 【構成】 冷媒ヘッダー１を内筒２と中間筒３と外筒４
との三重筒構成する。内筒２と中間筒３の一方端部に給
水口２ａと３ａを設ける。外筒４の頂部にパイプ状ノズ
ル８を、冷媒ヘッダー１の長手方向に所定の間隔を存し
て多数設置する。内筒２と外筒４とを冷媒ヘッダー１の
長手方向に所定の間隔を存して多数配設した整流管７で
連結する。中間筒３の底部に、吐出口に多数の細孔９ａ
を開設したスリット状ノズル９を、外筒４の底部より突
出状に設置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、熱間鋼板を冷却する装置に係り、特に鋼種等による冷却パターンに 対応させて通常の強冷却と緩冷却とに切替え可能な冷却装置に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

現在、熱間鋼板の冷却に適用されている冷却装置としては、ヘッダーの長手方 向に多数本のラミナーノズルを設けて冷媒をラミナーフローと成すパイプラミナ ー式冷却装置が大半を占めている。このパイプラミナー式冷却装置は、強冷却に は適するが、流量などを減少させてもそれ程大きく冷却能が低下しない。

【０００３】 ところで、鋼板の鋼種は近年の高級化に伴って普通鋼から特殊鋼迄多種多様で あり、鋼種によっては緩冷却を必要とするものもある等、個々の鋼種（規格）に 即した冷却条件が求められるようになってきているが、これに対処するためには 任意の冷却パターンが要求される。

【０００４】 そこで、このように任意の冷却パターンを得るためのパイプラミナー式冷却装 置として、特開昭６３−５００８６号公報に、パイプラミナー式冷却装置のラミ ナーノズル直下に透過型の水分散板を重畳状態で出入自在に配置したものが提案 されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、特開昭６３−５００８６号公報に記載された冷却装置は、設備 が大掛りであるためにコスト高となると共に、メンテナンス性にも問題がある。

【０００６】 本考案は、上記した問題点に鑑みて成されたものであり、大掛りな設備を必要 とせず、しかもメンテナンス性にも優れた、強冷却と緩冷却との迅速な切替えが 可能な冷却装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る熱間鋼板の冷却装置は、冷媒ヘッダ ーを内筒・中間筒・外筒からなる三重筒構成して、内筒と中間筒の一方端部に給 水口を設けると共に、外筒の頂部には、パイプ状ノズルを冷媒ヘッダーの長手方 向に所定の間隔を存して多数設置し、また内筒と外筒とを冷媒ヘッダーの長手方 向に配設した整流筒で連結し、更に、中間筒の底部には、吐出口に多数の細孔を 開設したスリット状ノズルを外筒の底部より突出状に設置したこととしているの である。

【０００８】

【作用】

上記したような構成の本考案装置にあっては、通常の強冷却時には、内筒に設 けた給水口から内筒に冷媒を供給すると、供給された冷媒は整流管で整流された 後、外筒と中間筒で形成される環状の空間に導入され、その後パイプ状ノズルか らラミナー流となって流出する（図２（ａ））。また、緩冷却時には、中間筒に 設けた給水口から中間筒と内筒で形成される環状の空間に冷媒を供給すると、供 給された冷媒はスリット状ノズルからシャワー状に流出する（図２（ｂ））。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を添付図面に示す一実施例に基づいて説明する。 図１は本考案に係る熱間鋼板の冷却装置の一実施例を示す断面図、図２は図１ と同様の図で、（ａ）は強冷却時の流水状態を示す図、（ｂ）は緩冷却時の流水 状態を示す図、図３は図１と同様の概略全体構成図である。

【００１０】 図面において、１は本考案に係る冷却装置を構成する冷媒ヘッダーであり、内 筒２と中間筒３と外筒４からなる三重筒構成され、内筒２の外周面と中間筒３の 内周面間、及び中間筒３の外周面と外筒４の内周面間には夫々環状の空間５及び ６を形成している。

【００１１】 ７は前記内筒２と外筒４とを連結すべく、冷媒ヘッダー１の長手方向に所定の 間隔を存して多数配設された整流管であり、内筒２の一方端部に設けた給水口２ ａから供給される冷却水等の冷媒を整流して前記空間６に導入するものである。

【００１２】 ８は外筒４の頂部に所定の間隔を存して、冷媒ヘッダー１の長手方向両側に交 互に振り分け状となるように多数配設されたパイプ状ノズルであり、前記したよ うに整流管７を介して整流されて空間６内に導入された冷媒を、図２の（ａ）に 示すように、ラミナー流と成して流出させるものである。

【００１３】 ９は外筒４の底部より突出するように、中間筒３の底部に設置されたスリット 状ノズルであり、その吐出口には多数の細孔９ａが開設され、中間筒３の一方端 部に設けた給水口３ａから前記空間５内に供給される冷媒を、図２の（ｂ）に示 すようにシャワー状と成して流出させるようになっている。

【００１４】 １０は給水配管の途中に介設される三方電磁弁であり、冷却する鋼材の鋼種に よって冷媒を給水口２ａに送ったり、また給水口３ａに送ったりするように切替 えるものである。

【００１５】 本考案に係る熱間鋼板の冷却装置は、上記したような構成であり、鋼板を強冷 却する場合には、三方電磁弁１０を切替えて冷媒を内筒２の一方端部に設けた給 水口２ａに供給する。給水口２ａから内筒２に供給された冷媒は、整流管７を通 って整流された状態で空間６に導かれ、ここからパイプ状ノズル８を経てラミナ ー流となって流出し、鋼板を強冷却する。

【００１６】 一方、鋼板を緩冷却する場合には、三方電磁弁１０を切替えて冷媒を中間筒３ の一方端部に設けた給水口３ａに供給する。給水口３ａから空間５内に供給され た冷媒は、スリット状ノズル９の多数の細孔９ａからシャワー状に流出し、鋼板 を緩冷却する。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る熱間鋼板の冷却装置は三重筒で一体に構成 したので、簡単な構造で強冷却と緩冷却を迅速に切替えることができ、しかもメ ンテナンス性も良い。 なお、本実施例では冷媒ヘッダーとして丸形のものを示したが角型であっても 良いことは勿論であり、また、整流管に代えて、その天井面に多数の孔を介設し たスリット状のものでも良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る熱間鋼板の冷却装置の一実施例を
示す断面図である。

【図２】図１と同様の図で、（ａ）は強冷却時の流水状
態を示す図、（ｂ）は緩冷却時の流水状態を示す図であ
る。

【図３】図１と同様の概略全体構成図である。

【符号の説明】

１ 冷媒ヘッダー ２ 内筒 ２ａ 給水口 ３ 中間筒 ３ａ 給水口 ４ 外筒 ７ 整流管 ８ パイプ状ノズル ９ スリット状ノズル ９ａ 細孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷媒ヘッダーを内筒・中間筒・外筒から
   なる三重筒構成して、内筒と中間筒の一方端部に給水口
   を設けると共に、外筒の頂部には、パイプ状ノズルを冷
   媒ヘッダーの長手方向に所定の間隔を存して多数設置
   し、また内筒と外筒とを冷媒ヘッダーの長手方向に配設
   した整流筒で連結し、更に、中間筒の底部には、吐出口
   に多数の細孔を開設したスリット状ノズルを外筒の底部
   より突出状に設置したことを特徴とする熱間鋼板の冷却
   装置。