JPH0570309U - 靴の中敷 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 経時的変化があっても消臭性及び血行促進性
に優れ、さらには成形性が高い靴の中敷を提供する。 【構成】 ポリプロピレン発泡開繊糸を経緯糸として織
成された表裏地１，２の間に通気性を有するシーラント
層３を介在させると共に磁気ペレット４を散在させる。
上記表裏地１，２をシーラント層３にて重合融着した
後、足形に裁断せしめる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、靴の中敷、特に消臭効果、血行促進性、保温性、成形簡易性および 靴の歩行安定性の高い靴の中敷に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、靴の中敷としては、消臭効果を有する活性炭を含有させたものが知られ ている（実公昭５７−１２８８５号公報、実公昭５８−３２６５２号公報、実公 昭５７−４３８４９号公報など）。また、血行促進効果を有するものとしては、 その表面に凹凸を設けたものが知られている（実公昭５７−４５８５５号公報、 実公昭５８−１６６４７号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記活性炭を用いた靴の中敷には、経時的変化により消臭機能 が低下するため、商品寿命が短いという課題があり、血行促進のための上記凹凸 を用いた靴の中敷には、使用される際に押圧され磨耗するため、経時的変化によ りその機能が無くなるという課題があった。

【０００４】 本考案の目的は、上記従来品の欠点を解消すべく考案されたものであって、経 時的変化があっても消臭性及び血行促進性に優れ、さらには成形性が高い靴の中 敷を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決する手段】

本考案は上記に鑑み考案されたものであって、ポリプロピレン発泡開繊糸を経 緯糸として織成された表裏地の間に通気性を有するシーラント層を介在させると 共に磁気ペレットを散在させ、上記表裏地をシーラント層にて重合融着するとと もに足形に裁断せしめることを特徴とする靴の中敷である。

【０００６】 本考案におけるシーラント層は、表裏地の融点より低い温度で融解して当該表 裏地同士を重合融着するものであり、表裏地の融点より低い融点を有する熱可塑 性樹脂でなければならない。また、当該シーラント層は、靴の中敷自体に通気性 を具備させるため、通気性を高めるように成形された熱可塑性樹脂でなければな らない。かかる条件を具備する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン ・酢酸ビニル共重合体などがあり、これら樹脂は、直交積層フィルム、織物、及 び不織布などに成形することによって通気性を高めることができる。

【０００７】 また、磁気ペレットは、従来公知のフェライトなどの永久磁石として利用可能 な物質の微細粒子と、該微細粒子の担持体としての合成樹脂を組み合わせてペレ ット状に形成したものである。なお、磁気ペレットはシーラント層上に略均一に 散布されることによって靴の中敷内に埋設されてその磁性により消臭効果、血行 促進効果を発揮するものであるが、散布当初から磁気を帯びていると当該磁気に より一か所に固まり易く均一に散布できないため、散布時には帯磁していないペ レットであることが必要である。

【０００８】

【作用】

本考案は、ポリプロピレン発泡開繊糸を経緯糸として織成された表地又は裏地 の上に通気性を有するシーラント層を配設し、さらにその上に帯磁可能なペレッ トを散在し、該ペレット上に裏地又は表地を配設し、さらに表裏地をシーラント 層にて重合融着するとともに前記ペレットを帯磁させて靴の中敷の基材を形成し 、その後、当該基材を足形に裁断せしめて靴の中敷を形成する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。 図１は、本考案に係る靴の中敷の一実施例を一部切り欠いて模式的に示した説 明図であり、図２は、本考案に係る靴の中敷の一実施例の断面を模式的に示した 説明図である。また、図３は、本考案に係る靴の中敷の一実施例の製造工程を模 式的に示した説明図である。

【００１０】 本実施例の靴の中敷は、図１及び図２に示すように、ポリプロピレン発泡開繊 糸を経緯糸として織成された表裏地１，２と、この表裏地１，２の間に介装され るシ−ラント層３と、このシーラント層３と表地１の間に略均一に散布された磁 気ペレット４からなるものである。ここで、前記シーラント層３としては、市販 の低密度ポリエチレンを基材とする直交積層フィルム（日石プラスチック社製、 商品名日石割布）を用いた。

【００１１】 また、本実施例の靴の中敷は、図３に示すように製造される。

【００１２】 基材供給ロール５，５，５に巻き付けられた表地１、裏地２、シーラント層３ が、ホットメルトロール７ａ，７ｂ間に送り込まれ、ホットメルトロール７ｂ， ７ｃ上に搬送され、その後、巻取ロール８に巻き取られる。この各基材がホット メルトロール７ａ，７ｂ，７ｃ上で搬送されることにより、表裏地１，２がシー ラント層３にて重合融着される。この重合融着のために装置内は１５０℃に設定 されている。この設定温度は、表裏地１，２を融解させずにシーラント層３のみ が融解させるように設定されており、ポリプロピレンの融点が１７０℃前後であ り低密度ポリエチレンの融点が１１０℃前後であることを鑑みて設定されている 。

【００１３】 また、重合融着前のシーラント層３上にはペレット供給器６から帯磁されてい ない磁気ペレット４が略均一に散布され、当該ペレット４は重合融着後に図示外 の帯磁器により帯磁される。なお、図示は省略したが、巻き取られた靴の中敷の 基材は、足形に裁断せしめられて靴の中敷として形成されるものである。

【００１４】 本実施例にあっては、表裏地１，２をポリプロピレン発泡開繊糸を経緯糸とし て織成し、この表裏地１，２の間に直交積層フィルムからなるシ−ラント層３を 介装しているため、靴の中敷の通気性が高いという効果を有する。また、表裏地 １，２をポリプロピレン発泡開繊糸で構成して表面積を多くしているため、保温 性が高いという効果を有し、さらにこの表面積の多さは靴との接触面積を大にし 足と靴の間のグリップ性を高めて歩行安定性が高いという効果を有する。また、 製造工程が基本的にシートの重合融着であるため、成形が簡易であるという効果 を有する。さらに、シーラント層３と表地１の間に磁気ペレット４を略均一に散 布してるため、靴の中敷に経時的変化があっても消臭性及び血行促進性を維持で きるという効果を有する。

【００１５】

【考案の効果】

本考案にあっては、ポリプロピレン発泡開繊糸を経緯糸として織成された表裏 地の間に通気性を有するシーラント層を介在させると共に磁気ペレットを散在さ せ、上記表裏地をシーラント層にて重合融着するとともに足形に裁断せしめ、こ れにより通気性、保温性、歩行安定性および成形簡易性が高いという効果を有し 、さらに、経時的変化の下でも消臭性及び血行促進性が高いという効果を有する 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る靴の中敷の一実施例を一部切り欠
いて模式的に示した説明図である。

【図２】本考案に係る靴の中敷の一実施例の断面を模式
的に示した説明図である。

【図３】本考案に係る靴の中敷の一実施例の製造工程を
模式的に示した説明図である。

【符号の説明】

１ 表地 ２ 裏地 ３ シーラント層 ４ 磁気ペレット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポリプロピレン発泡開繊糸を経緯糸とし
   て織成された表裏地１，２の間に通気性を有するシーラ
   ント層３を介在させると共に磁気ペレット４を散在さ
   せ、上記表裏地１，２をシーラント層３にて重合融着す
   るとともに足形に裁断せしめることを特徴とする靴の中
   敷。