JPH0570089A - 誘導電動機用制御装置 - Google Patents

誘導電動機用制御装置

Info

Publication number
JPH0570089A
JPH0570089A JP3252900A JP25290091A JPH0570089A JP H0570089 A JPH0570089 A JP H0570089A JP 3252900 A JP3252900 A JP 3252900A JP 25290091 A JP25290091 A JP 25290091A JP H0570089 A JPH0570089 A JP H0570089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
induction motor
load
rotation speed
inverter
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3252900A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Nishiyama
範之 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP3252900A priority Critical patent/JPH0570089A/ja
Publication of JPH0570089A publication Critical patent/JPH0570089A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 滑り移動の安定した条件下で正確に荷重の負
荷検出を行うことで、誘導電動機の回転駆動を適確に制
御し得る誘導電動機用制御装置を提供するものである。 【構成】 荷重負荷が加えられた状態の誘導電動機2の
回転数をカウントすることにより得られる実測回転数に
対応した実測回転量を算出し、誘導電動機2の滑り移動
が安定する所要時間経過後に、この実測回転量と予め設
定された基底回転数と同期回転数とにそれぞれ対応する
基底回転量と同期回転量とを算出し、各回転量に基づい
て負荷値を算出する負荷演算部5を誘導電動機用制御装
置10に備えている。これにより、誘導電動機用制御装
置10に備えられた速度指令発生部6は、負荷値に対応
する制御信号を発生してインバータ1を制御する。結果
として、誘導電動機2の回転駆動は、負荷値に応じた出
力電圧及び周波数を受けて制御されるので、巻上げ部に
よる巻上げ動作を常時安定させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷重を有する荷物を巻
上げするためのインバータクレーン等に備えられた誘導
電動機の回転駆動を制御する誘導電動機用制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、誘導電動機用制御装置において誘
導電動機に加えられる負荷を検出する場合、荷重計器や
負荷電流計測器等を用いて、これらの各計器により、負
荷検出を行っていた。例えば、誘導電動機用制御装置と
しては、特開平2−13586号公報に開示された交流
エレベータの異常検出装置が挙げられる。この異常検出
装置は、誘導電動機の滑り回転量に基づいて荷重負荷の
異常を検出できるようにしたものである。ここでは、予
め所定負荷時の籠運転中の滑り周波数指令信号を保持回
路に記憶し、その滑り周波数指令信号を荷重が加えられ
た使用状態の籠運転時の異常判定用の所定値を決定する
値として制御部に設定することにより、制御部で荷重負
荷の異常を検出するものである。
【0003】又、インバータを備えた誘導電動機の回転
駆動を制御する誘導電動機用制御装置の例としては、特
開平2−262893号公報に開示されたモータ駆動用
インバータの失速防止装置が挙げられる。この失速防止
装置は、誘導電動機(誘導モータ)に速度検知手段を設
け、誘導モータの回転速度を検知する検知信号に基づい
て、誘導制御部により誘導モータの滑り回転量を計算す
る。この誘導制御部は、滑り回転量の計算結果に基づい
て検知信号が所定の滑り回転量に対応する所定の失速レ
ベルを上回ったとき、インバータに制御信号を与えるこ
とで、インバータの失速を防止するものである。このと
き、誘導電動機の回転駆動は、インバータによる出力電
圧及び周波数に伴って減速又は停止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しなしながら、従来の
誘導電動機用制御装置において、荷重計器を用いて荷重
負荷を検出する場合、誘導電動機用制御装置自体のスペ
ースが制約され、更に取付場所を要し、全体的にかなり
のスペースを占めてしまうという問題がある。又、装置
全体がコスト高になってしまう。
【0005】一方、負荷電流計測器を用いた場合は、例
えば誘導電動機に荷重を加えた場合の負荷、加えない場
合の負荷、及び荷重の滑り移動の安定状態や不安定状態
等に対応する負荷信号に対する演算判定処理が複雑にな
り、一義的に負荷検出を行い得ないという問題がある。
更に、ここでの負荷検出は、解析可能な一定の条件を整
えていなければ検出精度が不安定になり易い。
【0006】加えて、上述した特開平2−13586号
公報に開示された交流エレベータの異常検出装置におけ
る制御部を応用すると、重量許容範囲内での任意な荷重
の負荷検出を直接的に行い得るものではないので、誘導
電動機に対する負荷異常が検出されるだけとなる。従っ
て、この制御部を応用しても負荷異常時の誘導電動機の
回転駆動に際して適切な制御を行い得ないという難点が
ある。
【0007】更に、特開平2−262893号公報に開
示された失速防止装置における誘導制御部を応用する
と、誘導モータの回転速度からその滑り回転量を計算
し、かかる滑り回転量に基づいてインバータを制御して
いるので、インバータの失速防止に対しては確実な動作
が得られる。しかし、この誘導制御部の場合も、誘導電
動機に係る荷重負荷を直接的に検出していないので、負
荷異常時の誘導電動機の回転駆動に際して適切な制御を
行い得ないという弱点がある。
【0008】そこで、本発明の技術的課題は、上述した
欠点を鑑み、滑り移動の安定した条件下で正確に荷重の
負荷検出を行い、誘導電動機の回転駆動を適確に制御し
得る誘導電動機用制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、誘導電
動機の回転駆動を制御する制御信号を生成する誘導制御
部を有する誘導電動機用制御装置において、誘導電動機
の現行の実測回転数を検出する回転数検出部と、予め定
められた負荷が加えられた誘導電動機基準回転数を設定
する基準回転数設定手段と、誘導電動機の同期回転数を
設定する同期回転数設定手段と、実測回転数,基準回転
数及び基底周波数時の同期回転数に基づいて誘導電動機
に加えられた現行の負荷値を演算して負荷演算値として
出力する負荷演算部とを備え、誘導制御部は、負荷演算
値に基づいて制御信号を生成する誘導電動機用制御装置
が得られる。又、このような誘導電動機用制御装置にお
いて、基底周波数を出力するインバータと、このインバ
ータにより基底周波数が出力されるのを確認する判定手
段とを備え、負荷演算部は、誘導電動機に関する滑り移
動が安定するまでの所定時間経過後に、実測回転数,基
準回転数及び同期回転数に基づいて負荷演算値を負荷比
率として算出するようにすれば良い。更に、制御信号を
受けて誘導電動機を駆動するための出力電圧を出力する
インバータに対し、誘導制御部は、出力電圧及び周波数
が予め定められた定格電圧及び周波数に一致したときに
加速完了信号を負荷演算部に出力する速度指令発生部を
有し、負荷演算部は、加速完了信号を受けた後、負荷演
算値を演算して負荷信号として出力する誘導電動機用制
御装置も得られる。この誘導電動機用制御装置はインバ
ータクレーンに備えれば良いものである。
【0010】
【作用】本発明の誘導電動機用制御装置は、誘導電動機
に荷重が加えられたときの荷重負荷を算出し、その負荷
値の検出結果に応じて誘導電動機の回転駆動を適確に制
御するようにしたものである。この為、誘導電動機用制
御装置は、荷重負荷による誘導電動機の実測回転数を検
出するための回転数検出部と、予め定められた負荷が加
えられた状態の誘導電動機の基準回転数と誘導電動機の
基底周波数時の同期回転数とをそれぞれ設定する基準回
転数設定手段及び同期回転数設定手段と、これら実測回
転数,基準回転数及び同期回転数に基づいて誘導電動機
の現行の負荷値を演算して負荷演算値として出力する負
荷演算部とを備えている。具体的に云えば、負荷演算部
は、回転数検出部からの実測回転数に対応する実測回転
量を算出する一方、基準回転数と同期回転数とにそれぞ
れ対応する基準回転量と同期回転量とを算出し、これら
実測回転量,基準回転量及び同期回転量に基づいて、誘
導電動機の滑り移動が安定するまでの所定時間経過後に
荷重の負荷演算値としての負荷比率を算出し、該負荷比
率を表わす負荷信号を出力する。一方、誘導電動機用制
御装置が備える誘導制御部は、誘導電動機に与える出力
電圧及び周波数が予め定められた定格電圧及び周波数に
一致したときに、負荷演算部に加速完了信号を出力する
速度指令発生部を備えている。これにより、本発明の誘
導電動機用制御装置は、誘導電動機の滑り移動が安定す
る状態で負荷演算部により負荷比率の算出を行って負荷
信号を出力し、速度指令発生部によって負荷信号に応じ
た制御信号を発生することで、誘導電動機の回転駆動を
適宜制御するので、正確に荷重の負荷検出を行い得る。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の誘導電動機用
制御装置の詳細について、図面を参照して説明する。図
1は、本発明の誘導電動機用制御装置を含むインバータ
クレーンの基本構成をブロック図により示したものであ
る。
【0012】インバータクレーンは、図示の如く、荷重
を有する荷物等を吊し上げる巻上げ部12より、荷重が
加えられる誘導電動機2を備えた巻上げ装置11と、電
源部13より電源供給を受け、誘導電動機2に出力電圧
及び該出力電圧を出力させるための周波数を可変的に与
えて、この誘導電動機2を回転駆動するインバータ1
と、誘導電動機2の現行の実測回転数を検出するため
に、パルス信号を周期的に発生するパルス発生器3と、
予め定められた負荷が加えられた状態の誘導電動機2の
基準回転数を設定する基準回転数設定手段及び、誘導電
動機2の基底周波数時の同期回転数を設定する同期回転
数設定手段(何れも図示せず)を備えると共に、操作機
7より操作指令信号を入力し、インバータ1に対して出
力電圧及び周波数を制御するための制御信号を発生する
誘導電動機用制御装置10とを備えている。
【0013】又、誘導電動機用制御装置10は、図示の
如く、パルス発生器3からのパルス信号に含まれるパル
スをカウントするための回転数検出部としてのパルスカ
ウンタ4と、誘導電動機2の基準回転数と同期回転数に
それぞれ対応する基準回転量と同期回転量とを算出する
と共に、パルスカウンタ4より検出信号として検出され
る荷重負荷が加えられた状態の誘導電動機2の現行の実
測回転数に対応する実測回転量を算出した後、かかる基
準回転量,同期回転量,及び実測回転量に基づいて、誘
導電動機2の滑り移動が安定するまでの所定時間経過後
に負荷演算値としての負荷比率を算出し、該負荷比率を
表わす負荷信号を出力する負荷演算部5と、負荷信号を
入力し、負荷演算値に応じた制御信号を発生してインバ
ータ1を高速制御する速度指令発生部6とを備えてい
る。
【0014】ここで、同期回転量及び実測回転量は、後
述する周波数F−トルクN特性に従う可変的なトルクを
時間変位分で積算することにより得られるものである。
この為、実測回転量及び基準回転量は同期回転量に含ま
れ、実測回転量が動的に可変するのに対し、基準回転量
は一定値となる。但し、同期回転量は、誘導電動機2の
滑りが定格の規定電圧及び周波数の可変範囲内に対応す
る荷重負荷によるトルク特性において、ほぼ荷重負荷に
比例した相関性を示す可変範囲内で得られている。尚、
速度指令発生部6は、インバータ1より基底周波数が出
力されるのを確認する判定手段(図示せず)を備えると
共に、インバータ1を介して誘導電動機2の回転駆動を
制御するものである為、誘導制御部と呼ばれても良い。
【0015】更に、速度指令発生部6は、出力電圧及び
周波数が定格規格に一致したときに加速完了信号を負荷
演算部5に出力する。負荷演算部5ではこの加速完了信
号を受けて負荷による誘導電動機2の滑り移動が安定す
るまでの所定時間ΔT1経過後の所要時間ΔT2内に負
荷比率の算出を行う。この負荷演算部5による負荷比率
の算出は、同期回転量より実測回転量を減算した値を、
同期回転量より基準回転量を減算した値で割算すること
により得られる。即ち、基準回転量をNO ,実測回転量
をNL ,同期回転量をNS とし、負荷比率をLとすれ
ば、L=(NS −NL )/(NS −NO )なる関係が成
立する。但し、負荷比率Lは、所要時間ΔT2内で算出
されるものである。負荷比率Lが所要時間ΔT2内で算
出されることにより、速度指令発生部6は、所要時間Δ
T2経過後、負荷演算部5より負荷比率を表わす負荷比
率信号を負荷演算値として受け、これに対応した制御信
号を生成し、この制御信号に基づいてインバータ1を制
御する。結果として、誘導電動機2はインバータ1より
荷重負荷に応じた出力電圧及び周波数を受け、その回転
駆動が適確に制御される。
【0016】誘導電動機用制御装置10の動作を説明す
ると、操作機7より操作指令信号が出力されて速度指令
発生部6に入力されると、速度指令発生部6では、時間
関数として零から基底周波数に至るまでの速度指令制御
信号を順次発生し、これらの速度指令制御信号をインバ
ータ1に与える。これを受けたインバータ1は、誘導電
動機2に与える周波数及び出力電圧を順次上昇させ、こ
の結果、誘導電動機2は所定時間ΔT1で加速される。
このとき、速度指令制御信号によりインバータ1の出力
電圧及び周波数が定格規格に達すると、速度指令発生部
6は加速完了信号を負荷演算部5に伝送する。
【0017】一方、所定時間ΔT1経過後の誘導電動機
2の回転数は、パルス発生器3でパルス信号として検出
され、更にパルスカウンタ4でパルスがカウントされて
負荷演算部5に伝送される。これにより、負荷演算部5
は、誘導電動機2の実測回転数に対応した実測回転量N
L を算出した後、基準回転量NO 及び同期回転量NS
の間で所要時間ΔT2内に負荷演算値として負荷比率L
=(NS −NL )/(NS −NO )を算出し、その負荷
比率を表わす負荷信号を速度指令発生部6に伝送する。
これにより、速度指令発生部6では、負荷信号に対応し
た制御信号を発生してインバータ1を制御する。結果と
して、誘導電動機2は荷重負荷に応じた出力電圧及び周
波数を受けて回転駆動が制御される。
【0018】このような誘導電動機用制御装置を備えた
インバータクレーンは、荷重に対する直接的な負荷検出
を、滑り移動が安定した後に行い、しかも荷重負荷に応
じて誘導電動機2の回転駆動を制御するようにしている
ので、巻上げ装置11の巻上げ部12に吊り上げられる
荷物がその荷重量の許容範囲内にあれば、任意な荷物を
対象とした場合であっても、巻上げ部12による巻上げ
動作を常時安定させることができる。
【0019】図2は、速度指令発生部6によるインバー
タ1に対する制御を説明するために示す周波数F−トル
クN特性図である。ここでは、目標とする100%速度
制御の特性C1が周波数0において初期トルク値n1 で
あるに対し、150%速度制御の特性C2が周波数0に
おいて初期トルク値n2 であるとし、又f0 を基底周波
数としている。
【0020】一般に、インバータ1の高速制御において
周波数Fを基底周波数f0 以上にして使用する場合に
は、負荷の条件を正確に計測した上でインバータ1を制
御するか、加速による負荷トルクの低減分を考慮し、加
速時にはインバータ1に対して低速制御を行う必要があ
る。図2に示す特性C1に関して説明すると、周波数F
が基底周波数f0 以上で且つ2f0 以下の範囲内にある
場合、減速トルク50%を確保するためには特性C1a
に沿わせて速度制御を設定すれば良く、一方減速トルク
30%を確保するためには特性C1bに沿わせて速度制
御を設定すれば良い。即ち、速度指令発生部6のインバ
ータ1に対する高速制御は、図2に示す如く、周波数F
を無荷重時における基底周波数f0 の1.7〜2倍の範
囲内で設定するのが望ましい。
【0021】図3は、インバータ1により回転駆動が制
御される誘導電動機2の等価回路の一例を示したもので
ある。この等価回路は、1次巻線側のコイルx1 及び抵
抗r1 と、2次巻線側のコイルx2 及び抵抗r2 と、こ
れら1次及び2次巻線の間に介挿された励磁アドミッタ
ンスAと、2次巻線及び励磁アドミッタンスAの間に介
挿された負荷抵抗Rと、入力端子X及び出力端子Yとを
備えている。尚、1次巻線側には電流i1,2次巻線側
には電流i2 が流れるものとする。
【0022】このような誘導電動機2の等価回路は、入
力端子Xより、電源供給されると磁束Φが発生する。こ
の磁束Φは、励磁アドミッタンスAに印加される電圧E
と周波数fとの関数で表わされる。具体的に云えば、Φ
=K・E/fなる関係が成立する。尚、Kは定数であ
る。
【0023】ところで、等価回路における1次巻線側の
電源電圧Vと、電圧Eとの関係は、コイルx1 に流れる
電流をjとすると、V=E+i1(r1 +j・x1 )な
る関係で表わされる。この関係は、電源電圧Vの供給が
高い場合、近似的に電源電圧Vと電圧Eとを等しくみな
すことができる。
【0024】通常インバータ1においては、磁束Φを一
定にする為、電圧Eと周波数fとの比率を一定に保つV
/f特性と呼ばれる電気特性に沿って制御を行ってい
る。ここで、電圧Eと周波数fとが低い状態にあって磁
束Φを確保する場合には、上式のうちのi1 (r1 +j
・x1 )項を定数とみなし、バイアス電圧を加えるトル
クブーストと呼ばれる制御を行っている。ところで、基
底周波数f0 以下では、V/f特性を一定するための制
御を行うことは可能であるが、基底周波数f0 ではイン
バータ1の出力電圧が最大となってしまう為、基底周波
数f0 以上の周波数を使用するインバータ1の高速制御
では、電圧Eが一定のまま周波数を可変させることにな
る。こうした場合、Φ=K・E/fなる関係から明らか
であるように、磁束Φは減少してしまい、これを一定に
することができなくなり、V/f特性に基づく制御設定
が不可能になる。
【0025】加えて、誘導電動機2のトルクは、磁束Φ
と2次巻線側の電流i2 とにより発生する。このときの
電流i2 は、磁束Φと滑り周波数との積である2次巻線
側の電圧と2次インピーダンスとにより決定される。従
って、同一の滑り周波数における電流i2 は、K1 を定
数,e1 を負荷抵抗Rに流れる電流とすると、i2 =K
1 ・e1 なる関係で得られる。ここで、更にK2 を定数
とし、磁束ΦをΦ=K1 /K2 と置けるものとすると、
電流i2 は、i2 =K1 ・e1 =K1 ・K2 ・Φとして
表わすことができる。このことは、電流i2 が磁束Φの
一次関数となることを意味している。ところで、誘導電
動機2のトルクは、磁束Φと電流i2 との積に比例する
ので、これをN,K3 を定数とすると、N=K3 ・Φ・
2 =K1 ・K2 ・K3 ・Φ2 なる関係が得られる。こ
こにおいて、基底周波数をf0 とし、電圧Eを一定に保
ったまま周波数fを上げて変化させると、トルクNは、
(f0 /f)2 の割合に比例して減少する。
【0026】上述した図2の周波数F−トルクN特性
は、このような減速トルクを説明したものである。即
ち、本発明の誘導電動機用制御装置10は、この周波数
F−トルクN特性に基づいて基準回転量NO に対応する
基準回転数と、同期回転量NS に対応する同期回転数と
が設定され、速度指令発生部6によりインバータ1に対
して負荷信号に対応した制御信号が送出されるので、誘
導電動機2の回転駆動に係る減速トルク制御は自動的に
行われることになる。
【0027】尚、図1に示す誘導電動機用制御装置10
において、パルスカウンタ4,負荷演算部5,速度指令
発生部6の各部は、別個にハードウェアで構成されるも
の(シーケンサ等による)としたが、負荷演算部5及び
速度指令発生部6は誘導制御演算部として一体的に構成
することもできる。しかも、この誘導制御演算部の制御
動作は、ソフトプログラムとして作動させることができ
る。又、実施例では負荷演算部5を、負荷演算値として
負荷比率を算出し、この負荷比率を表わす負荷信号を出
力するものとしたが、上述した基底周波数とは異なる基
準回転数に対応する基準回転量を用いて負荷演算値を算
出し、その負荷演算値を表わす負荷信号を出力するよう
にしても良い。加えて、実施例では、インバータクレー
ンを対象にして誘導電動機用制御装置10を備えた例を
開示したが、インバータクレーンの巻上げ装置11の如
く、誘導電動機2に荷重負荷を与えると共に、誘導電動
機2の回転駆動に対する制御を要するものであれば、他
の荷重負荷用の駆動システムでも適用できるので、本発
明は実施例に限定されない。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、滑り移
動の安定した条件下で正確に荷重の負荷検出を行い得る
と共に、その負荷検出結果に基づいて誘導電動機の回転
駆動を適確に制御し得る誘導電動機用制御装置が得られ
る。特に、本発明の誘導電動機用制御装置は、負荷演算
部によって荷重負荷時の実測回転量を算出し、基準回転
量及び同期回転量との間で荷重負荷の直接的な検出を行
い得るようにしているので、荷重計を用いた場合のよう
に取付場所の制約がなく、しかも電流を用いた場合より
も検出精度を高めることができる。更に、負荷演算部と
速度指令発生部とは、誘導制御演算部として一体的に構
成することができる。この誘導制御演算部の制御動作は
ソフトプログラムによって作動させることができる。殊
に、誘導制御演算部を備える場合、誘導電動機用制御装
置を自動用クレーン等に応用すると、その基本構成は既
成のもので良く、誘導制御部にソフトプログラムを追加
すれば良いので、コスト面でも割安に提供できるという
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である誘導電動機用制御装置
を含むインバータクレーンの基本構成をブロック図によ
り示したものである。
【図2】速度指令発生部によるインバータに対する制御
を説明するために示す周波数F−トルクN特性図であ
る。
【図3】誘導電動機の等価回路の一例を示したものであ
る。
【符号の説明】
1 インバータ 2 誘導電動機 3 パルス発生器 4 パルスカウンタ 5 負荷演算部 6 速度指令発生部 10 誘導電動機用制御装置 11 巻上げ装置 12 巻上げ部 13 電源部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機の回転駆動を制御する制御信
    号を生成する誘導制御部を有する誘導電動機用制御装置
    において、前記誘導電動機の現行の実測回転数を検出す
    る回転数検出部と、予め定められた負荷が加えられた前
    記誘導電動機の基準回転数を設定する基準回転数設定手
    段と、前記誘導電動機の同期回転数を設定する同期回転
    数設定手段と、前記実測回転数,前記基準回転数及び基
    底周波数時の前記同期回転数に基づいて前記誘導電動機
    に加えられた現行の負荷値を演算して負荷演算値として
    出力する負荷演算部とを備え、前記誘導制御部は、前記
    負荷演算値に基づいて前記制御信号を生成することを特
    徴とする誘導電動機用制御装置。
  2. 【請求項2】 前記基底周波数を出力するインバータ
    と、前記インバータより前記基底周波数が出力されるの
    を確認する判定手段とを備え、前記負荷演算部は、前記
    誘導電動機に関する滑り移動が安定するまでの所定時間
    経過後に、前記実測回転数,前記基準回転数及び同期回
    転数に基づいて前記負荷演算値を負荷比率として算出す
    ることを特徴とする請求項1記載の誘導電動機用制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御信号を受けて前記誘導電動機を
    駆動するための出力電圧を出力するインバータに対し、
    前記誘導制御部は、前記出力電圧及び周波数が予め定め
    られた定格電圧及び周波数に一致したときに加速完了信
    号を前記負荷演算部に出力する速度指令発生部を有し、
    前記負荷演算部は、前記加速完了信号を受けた後、前記
    負荷演算値を演算して前記負荷信号として出力すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の誘導電動機用制御
    装置。
JP3252900A 1991-09-05 1991-09-05 誘導電動機用制御装置 Withdrawn JPH0570089A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3252900A JPH0570089A (ja) 1991-09-05 1991-09-05 誘導電動機用制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3252900A JPH0570089A (ja) 1991-09-05 1991-09-05 誘導電動機用制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0570089A true JPH0570089A (ja) 1993-03-23

Family

ID=17243740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3252900A Withdrawn JPH0570089A (ja) 1991-09-05 1991-09-05 誘導電動機用制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0570089A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070017A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Mitsubishi Electric Corp 可変速巻上装置
CN102070091A (zh) * 2009-11-19 2011-05-25 株式会社日立产机*** 卷扬机
JP2011239660A (ja) * 2010-04-16 2011-11-24 Matsui Mfg Co 負荷状態に合わせた電気機器の回転数制御を用いた電動機駆動トルク制御装置及び電動機駆動トルク制御方法
CN102341338A (zh) * 2009-03-05 2012-02-01 东京制纲株式会社 钢丝绳寿命管理装置和方法
CN104903226A (zh) * 2013-01-16 2015-09-09 三井造船株式会社 缩短装卸时间的港口装卸设备的控制方法和港口装卸设备

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070017A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Mitsubishi Electric Corp 可変速巻上装置
CN102341338A (zh) * 2009-03-05 2012-02-01 东京制纲株式会社 钢丝绳寿命管理装置和方法
CN102070091A (zh) * 2009-11-19 2011-05-25 株式会社日立产机*** 卷扬机
JP2011239660A (ja) * 2010-04-16 2011-11-24 Matsui Mfg Co 負荷状態に合わせた電気機器の回転数制御を用いた電動機駆動トルク制御装置及び電動機駆動トルク制御方法
CN104903226A (zh) * 2013-01-16 2015-09-09 三井造船株式会社 缩短装卸时间的港口装卸设备的控制方法和港口装卸设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5175483A (en) Method and an apparatus for computing moment of inertia in a motor speed controller, and a speed control method and apparatus for a motor
JP3174258B2 (ja) 電動機を制御する方法及び装置
JPS63502474A (ja) モータ付勢回路
JPH1084688A (ja) モータの異常状態感知装置及び異常状態感知方法
CN108249238A (zh) 一种电梯无称重启动转矩补偿方法、装置及***
EP1684411A2 (en) Motor Control
US9543862B2 (en) Electric motor control device and electric motor control method
JP3017788B2 (ja) 速度センサを持たないエレベータ装置用の制御装置
JPH0570089A (ja) 誘導電動機用制御装置
JP2003504003A (ja) 多相電動ステッパーモータの設定方法
JPH06197583A (ja) 単相誘導電動機の制御方法及び装置
WO2005096491A1 (en) Rotor position detection of a brushless dc motor
JPH0410319B2 (ja)
JP4127000B2 (ja) モータ制御装置
JP3405115B2 (ja) 電動機の電気角偏差の測定方法
JP2002145552A (ja) エレベーターの安全装置
US6815921B1 (en) High performance motor control with feedforward bus supply voltage
JPH112669A (ja) モータ負荷の異常検出方法及び装置
JPH0369820B2 (ja)
KR20000059837A (ko) 센서리스 bldc모터 및 그 펄스폭 제어방법
JP3329672B2 (ja) 誘導電動機定数測定装置
JP2665125B2 (ja) インバータ装置
KR960002327B1 (ko) 모터 회전속도 보상 방법
JP2952971B2 (ja) ベクトル制御特性の判定方法
KR950001884B1 (ko) 브러시리스모터의 과전류제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981203