JPH0570079B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願は小火器（以下銃と称す）用の脚に係り、
詳しくは小火器用二脚の脚杆のロツク装置に関す
るものである。

従来の技術とその問題点 軍用銃に着脱自在の脚を装着し、射撃精度の向
上を図ることは広く知られており、それぞれの銃
専用の脚が数多く提案され使用されているが、こ
れ等銃用の脚は、移動の激しい戦闘行動時に銃か
ら脱落することなく、又着脱が容易に行わなけれ
ばならない。この観点から従来使用されている脚
も検討するに、二本の脚杆をばねにより常に開脚
状態に付勢され、脚杆のロツク機構を有しないも
の（M16）がある。この脚は、脚杆をロツクしな
いので上記脱落のおそれがあり、更に銃より取外
して携行する際に、ばね力に抗してケース内に収
納しなければならない欠点を有する。又stoner63
のようにロツク装置は設けられているが、操作部
が小さく手袋使用時等に操作性に問題があるも
の、更に銃には着脱する際に特殊な操作を必要と
し、緊急時の着脱に問題がある（HK）もの等そ
れぞれ損失がありすべてを満足し得るものはな
い。

問題点を解決するための手段 本願は上記従来使用されている脚の改良に係
り、一方の脚杆の枢支基部に銃軸方向に貫通する
嵌挿孔と、該嵌挿孔の一方側の入口にカム溝を設
け、又上記嵌挿孔内には背面に斜状の引上面と保
持面及び係止片からなる弧状のカムを突設した操
作片を取付けたロツクピンを、カムをカム溝に嵌
入するとともに、ばねにより嵌挿孔により突出す
る方向に付勢して嵌挿し、更に上記と反対側の脚
杆には枢支片を延長したロツク板を設け、開脚時
閉脚時の双方において、嵌挿孔よりわずかに突出
しているロツクピンをロツク板を係止するように
して従来の欠点を除いたものである。

実施例 次に本願を、実施例に示す図面によつて詳細に
説明する。第１図は一部（後記する脚本体の下端
部）を省略した本願脚１をマズル側から見た正面
図で、脚杆２，２Ａは脚本体３，３Ａと脚頭４，
４Ａとからなり、この両者は従来知られている折
畳機構５を介し、脚本体３，３Ａがフリーチ側に
折曲げ可能に枢着されている。又双方の脚杆２，
２Ａは、脚頭４，４Ａの枢支基部６，６Ａに突設
したマズル及びブリーチ側それぞれ二枚の枢支片
７，７Ａ，８，８Ａを枢軸９によつて回動自在に
枢着し、枢軸９に装着したばね１０により双方の
脚杆２，２Ａがそれぞれ開脚方向に付勢され、第
１図に示す開脚状態において、脚頭４，４Ａ上端
の把持片１１によつて銃身（図示しない）を把持
するもので、以上は従来の脚と同様であり、本願
は上記脚杆２，２Ａを開脚及び閉脚時のそれぞれ
においてロツクし、竪固に開脚及び閉脚状態を維
持せんとするもので以下のように構成されてい
る。

図面において１２は脚頭４の枢支基部６を銃軸
方向に貫通する嵌挿孔で、ブリーチ側はばね収納
室１２Ａなつており、又該嵌挿孔１２のマズル側
にはカム溝１３が設けられ、本実施例においてカ
ム溝１３は、内側部分が嵌挿孔１２に連通し、二
個一対があたかも蝶の羽根のように対象位置に穿
設されているが、この形状は後記の作用を満足す
るものであれば図示に限るものではなく、又個数
も最低一個にて本願の目的を達する。次に１４は
ロツクピンで、ロツクピン１４のマズル側の頭部
には以下のごとき操作片１５が取付けられる。操
作片１５の背面（ブリーチ側）には上記カム溝１
３に対応させ弧状をなす二個のカム１６が突設さ
れ、しこうしてこのカム１６には、操作片１５の
回動方向に対して順番に、斜状の引上面１７これ
に連なる平面状の引係面１８及び引係面１８から
わずかに突出した係止片１９が設けられ、上記操
作片１５を取付けたロツクピン１４は、カム１６
を前記カム溝１３に嵌入し、ばね２０によつて嵌
挿孔１２のブリーチ側に突出するように付勢して
嵌挿孔１２内に嵌挿され、この時ロツクピンの先
端は、枢支基部６のブリーチ側にわずかに突出す
るようにロツクピン１４の長さが設定され、又第
７図Ａに示すようにカム１６の係止片１９がカム
溝１３の一方側の側壁１３Ａに当接し、操作片１
５が第３図で見た場合の反時計方向に回動するの
を制している。

最後にロツク板２１について説明する。ロツク
板２１は第２図に示すように、上記脚杆２と反対
側の脚杆２Ａのブリーチ側に突設した枢支片８Ａ
を延長して設けられ、上側前端が弧状の開脚ロツ
ク面２１Ａ下側の側縁が閉脚ロツク面２１Ｂとな
つている。

以上のように構成された本願脚１を使用しない
場合、すなわち銃に装着することなく閉脚して携
行する場合は、第３図に示すようロツク板２１の
閉脚ロツク面２１Ｂがロツクピン１４の突出部分
に引係けられ、ばね１０による付勢力が制されて
脚杆２，２Ａは開脚することなく閉脚状態にロツ
クされる。

銃に装着する場合は上記ロツクを開放するが、
ロツクの開放を第７図によつて説明する。第７図
Ａは第３図の状態即ちロツクされている状態を示
し、係止片１９がカム溝１３の側壁１３Ａに当
り、操作片１５が反時計方向には回動しない。上
記から第７図Ｂに示すように操作片１５を時計方
向に回すと、斜状の引上面１７がカム溝１３の側
壁１３Ａに係合して滑り上がり、これによつてロ
ツクピン１４はばね２０を圧しながら引き上げら
れ、今迄突出していたロツクピン１４の先端は、
ブリーチ側の側面と同一平面かわずかに嵌挿孔１
２内に挿入してロツクは開放され、脚杆２，２Ａ
はばね１０力により第１図に示すように開脚す
る。更に操作片１５を回すと引係面１８が脚頭４
（枢支基部６）の側面に乗り上げてロツクピン１
４を引係け、次いで第７図Ｃに示すように係止片
１９がカム溝１３の側壁１３Ａに当り、約45°回
転した所で操作片１５の回動は停止し、ロツクピ
ン１４はロツクを開放した状態に保持される。

ロツクが開放された本願脚１を銃に装着する場
合には、一杯に開脚している脚杆２，２Ａを所定
角度押し戻して把持片１１を開き、再び脚杆２，
２Ａを一杯に開脚させることにより装着される。
装着した脚１の脚杆２，２Ａのロツクを開放する
には上記のように回動した操作片１５を逆回する
と、第３図から明らかなごとくばね２０力により
操作片１５は瞬間的に旧に復し、ロツクピン１４
が第２図に示すようにロツク板２１の開脚ロツク
面２１Ａを係止してロツクする。又銃により脚１
を取り外す時のロツク開放、更に閉脚した脚杆
２，２Ａのロツクは、上記した開放及びロツク動
作を繰返すことによつて行うことはいうまでもな
い。

発明の効果 本願脚は上記したように、脚杆の開脚及び閉脚
位置の双方においてこれをロツクし、そのロツク
は確実であるのでどのような悪条件の下でも装着
した脚が脱落したりすることなく、更に着脱が容
易であり、又ロツク機構の操作性が良好で手袋着
用等使用条件のいかんを問はない。更に閉脚時に
も脚杆がロツクされているので、携行着脱時に収
納ケースから出し入れが円滑に行える等の利点を
有し、又は操作片のブリーチ側（背面側）に、赤
色蛍光塗料を塗布すると昼夜を問わずロツク動作
の確認が容易である。

【図面の簡単な説明】

図面は本願実施例を示し、第１図は一部を省略
してマズル側から見た開脚状態の正面図、第２図
は第１図の背面図、第３図は第２図の閉脚状態を
示し、第４図は脚頭の分解図、第５図は操作片の
側面図、第６図は第５図の背面図、第７図は作動
説明図である。 １……脚、２，２Ａ……脚杆、３，３Ａ……脚
杆本体、４，４Ａ……脚頭、１２……嵌挿孔、１
２Ａ……ばね収納室、１３……カム溝、１３Ａ…
…カム溝側壁、１４……ロツクピン、１５……操
作片、１６……カム、１７……押上面、１８……
引係面、１９……係止片、２０……ばね、２１…
…ロツク板、２１Ａ……開脚ロツク面、２１Ｂ…
…閉脚ロツク面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 左右の脚杆を回動自在に枢着し、枢支部に取
   付けたばねにより脚杆を開脚させ、着脱自在に銃
   身に装着する小火器用の脚において、一方の脚杆
   の枢支基部に銃軸方向に貫通する嵌挿孔と、該嵌
   挿孔の一方側の入口にカム溝を設け、又上記嵌挿
   孔内には、背面に斜状の引上面と引係面及び係止
   片からなる弧状のカムを突設した操作片を取付け
   たロツクピンを、カムをカム溝に嵌入するととも
   に、ばねにより嵌挿孔により突出する方向に付勢
   して嵌挿し、更に上記と反対側に脚杆には枢支片
   を延長したロツク板を設け、開脚時閉脚時の双方
   において嵌挿孔より僅かに突出しているロツクピ
   ンにロツク板が係止され、脚杆をロツクするよう
   にした小火器用の脚。