JPH0569521U - 空気調和機の送風装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロスフローファンの特性と風の影響力を利
用して、必要に応じてワイドな吹出し空気流を得ること
ができる送風装置の構造を提供することを目的とするも
のである。 【構成】 本体１の空気流路内にクロスフローファン２
を設け、その吹出し側に風向板４を設けてなる空気調和
機において、上記クロスフローファン２を複数に分割形
成し、これらファンを連結する動力の伝達軸には、中央
部ファン２１の回転数よりも、両側の左側ファン２２お
よび右側ファン２３の回転数が大きくなる様に構成され
た変速装置５、６を設けてなること。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は空気調和機の室内機の送風装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の空気調和機の室内機の送風装置は、図２の様に、本体１１の空気流路内 には横長に一体形成されたクロスフローファン１２を設け、その前面下部の吹出 し口側には軸受枠１３を設け、複数の左右風向板１４を揺動自在に軸支してなる ものであった。

【０００３】 上記従来型の空気調和機の送風装置によると、クロスフローファン１２が横長 に一体形成されているので、運転時にクロスフローファン１２を回転させるとそ の特性として、平面で見た矢印で示す様に、同ファン１２の中央部付近から吹き 出される風が強く、左右の端から吹き出される風が弱くなる傾向にある。したが って、図２に示す様に、左右の風向板１４を互いに反対方向に向けて、この吹き 出し空気流を部屋の全体にワイドに広げようとしても、クロスフローファン１２ の中央付近の吹き出し風が強いので、この中央の風の影響力を受けて、左右の吹 き出し風が内側に引き寄せられ、風向板１４を正面に向けた場合と同じ様にワイ ドに広がらず、正面側しか吹き出されない等の欠点を有していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記従来型の問題点に鑑み考案されたものであって、クロスフローフ ァンの特性と風の影響力を利用して、必要に応じてワイドな吹出し空気流を得る ことができる送風装置の構造を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するための本考案の空気調和機の送風装置は下記の構造を具 えてなるものである。即ち、本体の空気流路内にクロスフローファンを設け、そ の吹出し側に風向板を設けてなる空気調和機において、上記クロスフローファン を複数に分割形成し、中央のファンの回転数よりも、両側のファンの回転数が大 きくなる様に変速装置を介して連結してなるものである。 また、クロスフローファンを複数に分割形成し、これらファンを連結する動力 の伝達軸に、中央のファンの回転数よりも、両側のファンの回転数が大きくなる 様に構成された歯車装置を設けてなるものである。

【０００６】

【作用】

上記の構成において、クロスフローファンを複数に分割することによって、運 転時に夫々のファンを通して吹き出される空気流の強さは、そのファンの回転数 によって左右される。この分割形成されるクロスフローファンに対して駆動装置 は一側に構成されるが、この動力装置の動力を各ファンに伝達するため、夫々の ファンを結ぶ動力の伝達軸には、例えば歯車装置を含む変速装置を設けことによ り、駆動装置による回転時に中央のファンの回転数よりも、両側のファンの回転 数が大きくなる様に構成される。ここで、左右のファンは運転時に同じ回転数に なる様に構成されている。

【０００７】 しかして、運転時にクロスフローファンを通して吹出される空気流は、回転数 の小さい中央のファンからの吹出し風が弱くなり、これよりも回転数の大きい両 側のファンからの吹出し風が強くなる。これによって、従来型の横長に一体形成 されたクロスフローファンの様に、運転時にファンの中央部付近の吹出し風が強 くなる様なことはなく、クロスフローファンの両側付近の吹出し風が強められる 傾向により、全体の吹出し風が平均化され、必要に応じて左右の風向板を互いに 反対方向に向けることによって、正面側に引寄せられることなく、両側のファン からの吹出し風は夫々の風向板の向きに沿って左右に分かれ、ワイドな吹出し空 気流を得ることができる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案を図に示す一実施例に基づいて説明すると、図１において、１は空 気調和機の室内機の本体あって、同本体１の空気流路内にはクロスフローファン が２設けられ、その前面下部の吹出し口側には軸受枠３を設け、複数の左右風向 板４が揺動自在に軸支されている。ここで、上記クロスフローファン２は中央部 ファン２１と、左側ファン２２および右側ファン２３の三つに分割形成されてお り、これらファンを連結する動力の伝達軸には、上記中央部ファン２１の回転数 よりも、両側の左側ファン２２および右側ファン２３の回転数が大きくなる様に 構成された、例えば、遊星歯車装置等の歯車装置を含む変速装置５、６が設けら れており、しかも、運転時には左側ファン２２および右側ファン２３の回転数は 同じになる様に構成されている。

【０００９】 上記の構成により、クロスフローファン２を中央部ファン２１と、左側ファン ２２および右側ファン２３の三つに分割形成し、夫々のファンを結ぶ動力の伝達 軸に夫々変速装置５、６設けることにより、駆動装置による運転時に回転数の小 さい中央部ファン２１を通して吹き出される空気流が弱くなり、これよりも回転 数の大きい左側ファン２２および右側ファン２３を通して吹出される空気流が強 くなる。これによって、図示の矢印に示す様に、クロスフローファン２の中央部 付近の吹出し風が強くなる様なことはなく、クロスフローファン２の両側付近の 吹出し風が強められる傾向になり、必要に応じて左右の風向板４を互いに反対方 向に向けることによって、中央部ファン２１を通して吹き出される正面側の空気 流が弱くなり、この影響を受けることなく、左側ファン２２および右側ファン２ ３を通して吹出される空気流は夫々の風向板４の向きに沿って左右に分かれ、ワ イドな吹出し空気流を得ることができる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案の空気調和機の送風装置によると、分割形成されるクロスフローファン に対して、夫々のファンを結ぶ動力の伝達軸に変速装置を設けことにより、駆動 装置による回転時に中央のファンの回転数よりも、両側のファンの回転数が大き くなる。この回転数の差によるクロスフローファンの特性を利用して、中央のフ ァンからの吹出し風を弱く、両側のファンからの吹出し風を強くすることができ る。これによって、従来型の様にファンの中央部付近の吹出し風が強くなる様な ことはなく、クロスフローファンの両側付近の吹出し風が強められる傾向によっ て、正面側に吹き出し風が集中することなく、全体の吹出し風が平均化され心地 良い空気流を得ることができる一方、必要に応じて左右の風向板を互いに反対方 向に向けることによって、両側のファンからの吹出し風は夫々の風向板の向きに 沿って左右に分かれてワイドな吹出し空気流を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す空気調和機の送風装置
の要部切欠平面図である。

【図２】従来型の空気調和機の送風装置の要部切欠平面
図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ クロスフローファン ３ 軸受枠 ４ 左右風向板 ５ 変速装置 ６ 変速装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体の空気流路内にクロスフローファン
   を設け、その吹出し側に風向板を設けてなる空気調和機
   において、上記クロスフローファンを複数に分割形成
   し、中央のファンの回転数よりも、両側のファンの回転
   数が大きくなる様に変速装置を介して連結したことを特
   徴とする空気調和機の送風装置。
2. 【請求項２】 クロスフローファンを複数に分割形成
   し、これらファンを連結する動力の伝達軸に、中央のフ
   ァンの回転数よりも、両側のファンの回転数が大きくな
   る様に構成された歯車装置を設けてなることを特徴とす
   る請求項１の空気調和機の送風装置。