JPH05691A - ボートリフター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 船体の上，下架作業時間の短縮化と設置占有
スペースの減少化、および旋回塔への偏荷重の発生回避
を図る。 【構成】 岸壁２上の台座１上に、旋回塔３を回転自在
に軸支し、この旋回塔３を旋回塔３に配設したモータ
７，モータ回転軸のピニオン８、および台座１の上縁の
リングギヤ９からなる駆動機構６で回転するようにし、
かつ、旋回塔３にはその平面視１８０度位相を変えた位
置に、レールガイド１２，レール１３，ウインチ１６を
備えた昇降ガイド機構１０，１０を対設し、レール３の
下端に船体２１を載置するデッキ２０を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は陸上と海上（水上）との
間で船体を揚げ，降ろしするボートリフターに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、船体の陸上と海上との間の揚げ，
降ろし、所謂上，下架作業には、周知の門型クレーンや
ジブクレーン等が多用されているが、近年、ジブクレー
ンの変形種として、旋回塔の一側部に船体を載置するデ
ッキを昇降自在に配設して、旋回塔の回転により前記デ
ッキを陸上位置と海上位置とに旋回させて、各旋回位置
でデッキを昇降して船体の上，下架作業を行えるように
したものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】門型クレーンやジブク
レーン等を用いる場合にあっては、設備的に大掛かりと
なって、特にヨットハーバーやマリーナ等の港湾施設の
有効スペースを狭めてしまうことはもとより、上，下架
作業に多くの時間を要して、朝，夕等上，下架作業のラ
ッシュ時に長い待ち時間を課してしまう。また、旋回塔
による単一デッキの旋回タイプのものでは、設置占有ス
ペースを可成り小さくすることができるが、上，下架作
業に際しては一艇毎に旋回塔を一回転してゲートを昇降
するため、作業時間の改善には至らない。また、デッキ
を旋回塔の一側部に配設してあるため、旋回塔に偏荷重
が作用し強度的に不利となってしまうことは否めない。

【０００４】そこで、本発明は前述の旋回塔によるデッ
キ旋回タイプのボートリフターを更に改善して、船体の
上，下架作業を迅速に行うことができると共に、強度的
にも有利なボートリフターを提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】岸壁上に固設した台座上
に回転自在に軸支された旋回塔と、該旋回塔を回転させ
る駆動機構と、旋回塔にその平面視１８０度位相を変え
た位置に配設された一対の昇降ガイド機構と、各昇降ガ
イド機構に設けられて船体を載置するデッキと、昇降ガ
イド機構を作動してデッキを昇降させる昇降駆動機構と
で構成してある。

【０００６】

【作用】旋回塔は駆動機構によって回転されて、一対の
デッキは岸壁上位置と海上位置とに旋回される。各デッ
キは昇降ガイド機構の作動により昇降され、岸壁上位置
と海上位置とでそれぞれ船体の上，下架作業が行われ
る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に詳述す
る。

【０００８】図１〜４において、１は岸壁２上に固設し
た台座、３は円筒状の旋回塔で、その下面中心部に支軸
４を突設してあり、この支軸４を台座１内に配設した軸
受５に軸支して、台座１上に回転自在に取付けてあっ
て、駆動機構６によって旋回するようにしてある。駆動
機構６は旋回塔３の下側部に配設したモータ７と、該モ
ータ７の回転軸に固設したピニオン８と、台座１の上縁
部に固設されて前記ピニオン８と噛合したリングギヤ９
とで構成され、モータ７の駆動により、ピニオン８がリ
ングギヤ９の周上を噛合，転動することによって旋回塔
３を回転させるように構成してある。

【０００９】旋回塔３には、その平面視１８０度位相を
変えて一対の昇降ガイド機構１０，１０を配設してあ
る。昇降ガイド機構１０，１０は旋回塔３の周側に接合
したベースフレーム１１にそれぞれ組付けられ、各ベー
スフレーム１１に接合した上下２対のレールガイド１２
と、レールガイド１２に昇降自在に係合した一対のレー
ル１３とを備えている。

【００１０】レールガイド１２はベースフレーム１１に
接合したブラケット１４と、該ブラケット１４に軸支し
た複数個の、例えば３個のローラ１５とからなってい
る。上側のレールガイド１２は、内側に１つのローラ１
５を、および外側に２つのローラ１５を上下に列設して
あり、また、下側のレールガイド１２は、内側に２つの
ローラ１５を上下に列設し、外側に１つのローラ１５を
装着し、上，下レールガイド１２，１２の各内，外側の
ローラ１５，１５間にレール１３を通して係合，配置す
ることにより、これらローラ１５，１５によってレール
１３がブラケット１４の内，外側方向に振れ動くことの
ないようにしてある。

【００１１】昇降ガイド機構１０は昇降駆動機構、例え
ばウインチ１６をそれぞれ備えている。このウインチ１
６は旋回塔３の上端部に設置されていて、ベースフレー
ム１１の上端部中央に軸支したプーリー１７と、後述す
るデッキ２０の後部中央に軸支した一対のプーリー１
８，１８に無端状に掛架したワイヤ１９を巻取り，巻戻
しすることによってレール１３を昇降するようになって
いる。

【００１２】２０は昇降ガイド機構１０に設けられて船
体２１を載置するデッキで、このデッキ２０は具体的に
は各昇降ガイド機構１０の一対のレール１３，１３の下
端に跨って水平に接合，配置され、船体２１を船台２２
ごと載置できる大きさを有している。

【００１３】前記モータ７およびウインチ１６は、図外
の操作スイッチによってそれぞれ作動制御される。

【００１４】以上の実施例構造によれば、旋回塔３を駆
動機構６の操作によって、一方のデッキ２０が海上位置
に、および他方のデッキ２０が岸壁２の地上位置となる
ように旋回作動して停止し、旋回塔３の停止状態で一対
の昇降ガイド機構１０，１０をそれぞれ昇降作動するこ
とにより、一方のデッキ２０により船体２１を海上位置
で上，下架作業できると共に、他方のデッキ２０により
船体２１を地上位置で上，下架作業することができて、
１基のボートリフターで２基分の作業を行え、作業を著
しく迅速に行うことができる。また、このような上，下
架作業上の効果とは別に、岸壁２上の設置占有面積の増
加を伴うことがなく、限られた港湾施設の有効スペース
を狭めることはなく、更に、昇降ガイド機構１０，デッ
キ２０は旋回塔３に、その平面視１８０度位相を変えた
位置に対設してあるので、旋回塔３に偏荷重が作用する
ことはなく、従って、偏荷重対策として格別に補強構造
を採る必要もないという利点がある。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、旋回塔に
はその平面視１８０度位相を変えた位置に、昇降ガイド
機構とデッキとを対設してあるため、一方のデッキを海
上位置に、他方のデッキを岸壁の地上位置に旋回させた
状態で、これらデッキを昇降させることにより、海上位
置と地上位置とで船体の上，下架作業を行えて、作業時
間を著しく短縮することができる。また、このように１
基のボートリフターで２基分の上，下架作業を行えるの
で、岸壁上の設置占有面積の増加が伴うことがなく、し
かも、昇降ガイド機構，デッキを旋回塔に１８０度位相
を変えて対設してあるので、旋回塔に強度的に不利な偏
荷重が作用することもないという実用上多大な効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す側面図。

【図２】同実施例の正面図。

【図３】同実施例の平面図。

【図４】同実施例の旋回塔の軸支部の断面図。

【符号の説明】

１…台座、２…岸壁、３…旋回塔、６…駆動機構、１０
…昇降ガイド機構、２０…デッキ、２１…船体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 岸壁上に固設した台座上に回転自在に軸
   支された旋回塔と、該旋回塔を回転させる駆動機構と、
   旋回塔にその平面視１８０度位相を変えた位置に配設さ
   れた一対の昇降ガイド機構と、各昇降ガイド機構に設け
   られて船体を載置するデッキと、昇降ガイド機構を作動
   してデッキを昇降させる昇降駆動機構とを備えてなるボ
   ートリフター。