JPH0568450A - 水棲生物収容装置 - Google Patents

水棲生物収容装置

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JPH0568450A
JPH0568450A JP26128391A JP26128391A JPH0568450A JP H0568450 A JPH0568450 A JP H0568450A JP 26128391 A JP26128391 A JP 26128391A JP 26128391 A JP26128391 A JP 26128391A JP H0568450 A JPH0568450 A JP H0568450A
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JP
Japan
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atmospheric pressure
water tank
tank
pressure
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JP26128391A
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English (en)
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Ichiro Ueda
一郎 上田
Tetsuya Yamada
哲也 山田
Minoru Yamada
稔 山田
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KAIYO KAGAKU GIJUTSU CENTER
YUUSEN KAIYO KAGAKU KK
Nippon Yusen KK
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KAIYO KAGAKU GIJUTSU CENTER
YUUSEN KAIYO KAGAKU KK
Nippon Yusen KK
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大気圧水槽内の水の溶存酸素量を増やし、か
つ硝化バクテリアによる浄化能力を高める。 【構成】 大気圧水槽1内の水11を、排水管26を通
して、間欠的に加圧濾過槽25に送る。エアコンプレッ
サ29からの加圧空気を、エアレ−ション装置28によ
り、加圧濾過槽25の水中に吐出し、この加圧空気によ
り、加圧濾過槽25内の圧力を高める。ポンプ32を作
動させ、加圧濾過槽25内の水を、濾過装置24,スト
レ−ナ31,ポンプ32,調温装置33および曝気装置
35を順次通して循環させる。加圧濾過槽25内の水の
溶存酸素量は、曝気装置35による曝気およびエアレ−
ション装置28によるエアレ−ションにより、短時間で
大幅に増える。また、濾過装置24内の硝化バクテリア
の浄化能力が高まり、短時間で充分に水が浄化される。
浄化された水は、供給配管39を通し、間欠的に大気圧
水槽1に送られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活魚介類等の水棲生物
を活かしたまま長期間収容するための収容装置に係り、
特に活魚介類を海上輸送する際に用いるのに好適な水棲
生物収容装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、活魚介類等の水棲生物を輸送す
る場合には、輸送タンク内の飼育水中の溶存酸素を、エ
アレ−ションにより維持して水棲生物の酸素欠乏を防止
するとともに、濾過装置内の硝化バクテリアにより、水
棲生物の***物が原因となるアンモニアを分解し、飼育
水の浄化を行なっている。
【0003】ところで、従来の水棲生物収容装置には、
水棲生物の飼育水槽内を大気圧状態に維持する大気圧方
式と、例えば特開昭63−226234号公報に示され
ているように、飼育水槽内を加圧して高圧状態に維持す
る加圧方式とがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の水棲生物収
容装置のうち、大気圧方式のものは、飼育水槽内が大気
圧状態となっているため、水棲生物の出し入れ等、取扱
いが容易であるという利点を有しているが、水中の溶存
酸素量が少ないため、飼育水槽内に収容できる水棲生物
の量が制限され、輸送効率が悪いという問題がある。
【0005】また、水の浄化を行なう硝化バクテリア
は、アンモニアあるいは亜硝酸塩の酸化反応並びにこの
反応と直接関係する菌体の増殖において、分子状酸素を
必要とする偏性好気性細菌(obligate aer
obes)である。したがって、溶存酸素量が少ない
と、濾過装置内に溶存酸素不足の部分が形成されて嫌気
性細菌による発酵過程が進行し、バクテリアによる硝化
能力が低下するのみならず、水棲生物に有毒な有機酸等
の中間生成物が生成されるおそれがある。
【0006】一方、加圧方式を採る従来の水棲生物収容
装置においては、水中の溶存酸素量が多くなるので、水
棲生物の収容量を多くして輸送効率を向上させることが
できるとともに、硝化バクテリアの浄化能力が増加し、
効率的な水浄化が可能となるという利点を有している。
【0007】ところが、飼育水槽内を一旦加圧すると、
水棲生物の出し入れが極めて困難であるとともに、大気
圧に戻す際に、水棲生物に減圧症が発生し死に到るおそ
れがある。このため、水棲生物の出し入れを頻繁に行な
う近距離輸送には、適用することができないという問題
がある。
【0008】また、長距離輸送の場合でも、死亡した水
棲生物は、直ちに飼育水槽から取出して水質の悪化を防
止する必要があるが、これが不可能であるため、水質が
悪化するという問題もある。
【0009】本発明は、かかる現況に鑑みなされたもの
で、高い溶存酸素量を維持して輸送効率を向上させるこ
とができるとともに、硝化バクテリアの浄化能力を増加
させることができ、しかも水棲生物の出し入れや給餌が
容易である水棲生物収容装置を提供することを目的とす
る。
【0010】本発明の他の目的は、水槽内に一定方向の
水流を生じさせて水棲生物に安心感を与え、かつ水槽内
に残っている***物を、より迅速に異物排出手段に集め
て排出することができる水棲生物収容装置を提供するに
ある。
【0011】本発明の他の目的は、過飽和の溶存酸素に
よる弊害を防止することができる水棲生物収容装置を提
供するにある。
【0012】本発明の他の目的は、水槽が動揺しても水
面を安定させることができる水棲生物収容装置を提供す
るにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、加圧濾過槽で
の処理が間欠的であっても、水槽内の水質悪化を抑制で
きるとともに、水温を一定に維持することができる水棲
生物収容装置を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する手段として、底面が所定方向に向かって傾斜する
大気圧水槽と;前記底面の傾斜方向下端部に設けられた
異物排出手段と;前記大気圧水槽から排出された水が供
給され、硝化バクテリアによる濾過手段を有する加圧濾
過槽と;加圧濾過槽の水中に加圧空気を供給してエアレ
−ションを行なうとともに、加圧濾過槽内を加圧する加
圧空気供給手段と;加圧濾過槽内を調圧する調圧手段
と;加圧濾過槽で浄化された浄化水を前記大気圧水槽に
供給する浄化水供給手段と;前記浄化水を調温する浄化
水調温手段と;をそれぞれ設けるようにしたことを特徴
とする。
【0015】そして、本発明においては、浄化水を、大
気圧水槽の底面近傍の傾斜方向上端部から、傾斜方向下
端部に向かって供給したり、あるいは大気圧水槽内の空
気中に曝気するようにすることが好ましい。
【0016】また、大気圧水槽の水面近傍位置に、水面
を小区画に区切る制水板を配置することが好ましい。
【0017】さらに、大気圧水槽に、濾過手段,ポンプ
および水調温手段を有し大気圧水槽の水を循環させる循
環処理手段を設けることがさらに好ましい。
【0018】
【作用】本発明に係る水棲生物収容装置においては、加
圧濾過槽内が、加圧空気供給手段からの加圧空気により
加圧されるとともに、エアレ−ションがなされる。そし
て、加圧に伴なう気体中の酸素分圧の上昇により、水中
の溶存酸素の増大が図られる。また、溶存酸素の増大に
より、濾過手段内の硝化バクテリアの浄化能力が増加
し、効率的な水浄化がなされる。この浄化水は、浄化水
供給手段により大気圧水槽に供給され、大気圧水槽の水
質が一定に維持される。
【0019】ところで、高圧の加圧濾過槽から大気圧の
大気圧水槽に送られた浄化水は、その溶存酸素が過飽和
となり、一部は気泡となって気中に放出されるため、溶
存酸素量が低下することになる。ところが、一旦高圧で
溶存酸素を富化した水は、大気圧に戻しても、通常の溶
存酸素量よりもかなり高い溶存酸素量が、17時間以上
に亘って維持されることが、本発明者等の実験により確
認されている。したがって、加圧濾過槽で連続処理する
場合はもとより、間欠処理する場合であっても、17時
間以内程度の時間間隔で間欠処理するようにすれば、大
気圧水槽内の溶存酸素量を、常に高いレベルに維持する
ことが可能となる。
【0020】そして、本発明において、浄化水を、大気
圧水槽の底面近傍の傾斜方向上端部から、傾斜方向下端
部に向かって供給することにより、大気圧水槽内に一定
方向の水流が形成される。一般に魚類は、水流の上流に
向かって泳ぐ習性があるので、特に魚類は前記水流によ
り、大気圧水槽内に安定収容される。また、大気圧水槽
の底面上の***物が、前記水流により迅速に異物排出手
段に集められ、短時間で完全に外部に排出することが可
能となる。
【0021】また、浄化水を、大気圧水槽内の空気中に
曝気することにより、過飽和の溶存酸素を気中で除去す
ることが可能となるとともに、曝気による溶存酸素の富
化も可能となる。
【0022】また、大気圧水槽の水面近傍位置に、水面
を小区画に区切る制水板を配置することにより、大気圧
水槽が動揺しても水面を安定させることが可能となる。
【0023】さらに、大気圧水槽に、濾過手段,ポンプ
および水調温手段を有する循環処理手段を設けることに
より、加圧濾過槽での処理が間欠的であっても、大気圧
水槽内の水質悪化を抑制でき、また水温を一定に維持す
ることが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は、本発明の第1実施例に係る水棲生物収容装置とし
て、海上輸送コンテナ内に組込まれて活魚介類の海上輸
送用として使用される水棲生物収容装置を示すもので、
図中、符号1は活魚介類を収容する大気圧水槽であり、
この大気圧水槽1の底面2は、大気圧水槽の長手方向一
端に(図1において左端)に向かって下り勾配をなす傾
斜面に形成され、その下流端には、図1および図2に示
すように、大気圧水槽1の幅方向に例えば3個のピット
3が形成されている。そして、これら各ピット3には、
開閉弁で構成される異物排出装置4が設けられている。
【0025】前記底面2の上端部には、図1および図3
に示すように、底面2の傾斜にそって濾過装置5が設置
されており、この濾過装置5は、先端が例えば大気圧水
槽1の幅方向に三又に分岐する吸引配管6を介して水調
温装置7に接続されている。
【0026】前記吸引配管6には、図1および図3に示
すように、ストレ−ナ8およびポンプ9が設けられてお
り、このストレ−ナ8およびポンプ9には、流量調整弁
10が並列に接続される。そして、大気圧水槽1内の水
11は、前記ポンプ9の起動により、濾過装置5および
ストレ−ナ8を介して吸引され、水調温装置7に送られ
るようになっており、その流量は、前記流量調整弁10
の開度調節により制御されるようになっている。
【0027】また、前記水調温装置7で調温された水1
1は、図1に示すように、大気圧水槽1内に設置した曝
気装置12に送られるようになっており、曝気装置12
に送られた水11は、大気圧水槽1の空気中に曝気され
るようになっている。すなわち、大気圧水槽1内の水1
1は、濾過装置5,吸引配管6,ストレ−ナ8,ポンプ
9,水調温装置7および曝気装置12で構成される循環
処理手段を介して循環するようになっている。
【0028】前記底面2の濾過装置5とピット3との間
には、図1および図4に示すように、底面2の傾斜にそ
ってエアレ−ション装置13が設置されており、このエ
アレ−ション装置13の底部には、大気圧槽1の幅方向
に間隔を置いて例えば3個の圧力調節弁14がそれぞれ
設けられ、これら各圧力調節弁14は、空気調温装置1
5を介してエアコンプレッサ16に接続されている。そ
して、エアコンプレッサ16からの加圧空気は、空気調
温装置15で調温された後、各圧力調節弁14による調
整により、エアレ−ション装置13の全域から均一に大
気圧水槽1の水11中に吐出され、エアレ−ションが行
なわれるようになっている。
【0029】前記大気圧水槽1の天井部には、図1に示
すように、照明装置17が設置されており、また大気圧
水槽1の側面部には、内部の状態を確認するための覗き
窓18が設けられている。
【0030】大気圧水槽1の天井部にはまた、図1に示
すように、開閉弁19,20を介して給餌タンク21お
よび予備タンク22がそれぞれ設けられており、図示し
ないタイマ等により開閉弁19を開放することにより、
給餌タンク21から給餌がなされるとともに、長期輸送
により大気圧水槽1内の水位が低下した場合には、図示
しないレベルスイッチ等により開閉弁20を開放するこ
とにより、予備タンク22内の補給水が大気圧水槽1に
補給されるようになっている。
【0031】この大気圧水槽1内の水面位置には、図1
に示すように、例えば帯板を升目状に組合わせて構成さ
れる制水板23が設置され、水面を小区画に区分けする
ようになっている。そしてこれにより、海上輸送コンテ
ナが波等で動揺した場合でも、水面を安定させることが
できるようになっている。
【0032】一方、前記大気圧水槽1の隣接位置には、
図1に示すように、硝化バクテリアにより濾過を行なう
濾過装置24を内蔵する加圧濾過槽25が配置されてお
り、この加圧濾過槽25には、先端が前記濾過装置5に
接続される排水管26に設けた開閉弁27を開くことに
より、大気圧水槽1内の水11が水頭圧で供給されるよ
うになっている。すなわち、図1においては、加圧濾過
槽25が大気圧水槽1とほぼ同一高さ位置に示されてい
るが、実際には、加圧濾過槽25は、大気圧水槽1より
も下方位置に設置されている。なお、加圧濾過槽25
を、大気圧水槽1と同一高さ位置に設置する場合には、
排水管26の先端を、加圧濾過槽25の底部に接続する
ことにより、大気圧水槽1内の水11を、水頭圧により
加圧濾過槽25に給水することが可能となる。また、ポ
ンプ等を用いれば、高さ位置に関係なく給水することが
可能となる。
【0033】この加圧濾過槽25の底部には、図1に示
すように、エアレ−ション装置28が設置されており、
このエアレ−ション装置28には、エアコンプレッサ2
9からの加圧空気が供給され、エアレ−ションがなされ
るとともに、加圧濾過槽25内は、この加圧空気により
加圧されるようになっている。そして、加圧濾過槽25
内の調圧は、図1に示すように、圧力計30aと調圧弁
30bとからなる調圧装置30によりなされるようにな
っている。
【0034】前記濾過装置24には、図1に示すよう
に、ストレ−ナ31,ポンプ32および調温装置33を
有する循環配管34の基端が接続されており、循環配管
34の先端は、加圧濾過槽25の空気中に設置した曝気
装置35に接続されている。また、前記ストレ−ナ31
およびポンプ32には、流量調整弁36が並列に接続さ
れており、加圧濾過槽25内の水は、前記ポンプ32の
起動により、濾過装置24およびストレ−ナ31を介し
て吸引され、流量調整弁36により制御された流量で調
温装置33に送られるようになっている。
【0035】また、前記調温装置33で調温された水
は、図1に示すように、加圧濾過槽25内の空気中に、
前記曝気装置35を介して曝気されるようになってお
り、これにより、後に詳述するように溶存酸素の富化が
なされるようになっている。すなわち、加圧濾過槽25
内の水は、濾過装置24,ストレ−ナ31,ポンプ3
2,調温装置33および曝気装置35を順次介して循環
し、浄化および溶存酸素の富化がなされるようになって
いる。
【0036】加圧濾過槽25と前記大気圧槽1とは、図
1に示すように、流量調整弁38を有する供給配管39
を介して接続されており、加圧濾過槽25内の水は、大
気圧水槽1との圧力差により、大気圧水槽1に供給され
るようになっている。そしてその流量は、前記流量調整
弁38により制御されるようになっている。
【0037】前記供給配管39の先端は、図1に示すよ
うに、大気圧水槽1の底面2近傍の傾斜方向上端部に開
口しており、傾斜方向下端部に向かって浄化水を吐出す
るようになっている。そして、これにより、大気圧水槽
1内に、覗き窓18側からピット3側に向かって流れる
水流が発生するようになっている。
【0038】この供給配管39先端の前方位置には、図
1に示すように、例えば多数の小孔を有する板材で形成
される邪魔板40が設置されており、浄化水中の溶存酸
素の過飽和分を、気泡として迅速に除去できるようにな
っている。そしてにれにより、魚介類の鰓に気泡が付着
するといった不具合が生じないようにしている。
【0039】なお、図1において、符号41は排水弁、
符号42は酸素吹込み用弁、符号43は非常用電源装置
であり、この非常用電源装置43は、通常の電源が喪失
した際に、自動的に起動されるようになっている。
【0040】次に、本実施例の作用について説明する。
ポンプ9を起動すると、大気圧水槽1内の水11は、濾
過装置5およびストレ−ナ8を介し浄化された後に水調
温装置7に送られ、設定温度に調温される。そして、調
温後の水11は、曝気装置12により大気圧水槽1内の
空気中に曝気される。
【0041】また、エアコンプレッサ16を起動する
と、エアコンプレッサ16からの加圧空気は、空気調温
装置15で設定温度に調温されるとともに、圧力調節弁
14により調圧された後、エアレ−ション装置13によ
り、大気圧水槽1の水11中に吐出され、エアレ−ショ
ンがなされる。このエアレ−ションに伴なう動揺によ
り、底面2上に落下してきた***物等は、傾斜する底面
2にそって自動的にピット3に集められる。そして、一
定量の異物がピット3に集まったならば、異物排出装置
14を暫時開放することにより、外部に排出される。
【0042】一方、開閉弁27を開放すると、大気圧水
槽1内の水11は、水頭圧により加圧濾過槽25内に流
入し、図示しないレベルスイッチに連動して開閉弁27
を閉止することにより、所定量の水が加圧濾過槽25内
に貯留される。
【0043】この状態で、エアコンプレッサ29を起動
すると、エアコンプレッサ29からの加圧空気は、エア
レ−ション装置28により、加圧濾過槽25の水中に吐
出されてエアレ−ションがなされるとともに、この加圧
空気により加圧濾過槽25内の加圧が行なわれ、その圧
力は、調圧装置30により設定値に維持される。
【0044】これと同時に、ポンプ32を起動すると、
加圧濾過槽25内の水は、濾過装置24およびストレ−
ナ31を介して浄化された後、調温装置33に送られて
設定温度に調温される。この調温後の水は、曝気装置3
5により加圧濾過槽25内の空気中に曝気される。そし
て、この循環により、加圧濾過槽25内の水が浄化され
る。
【0045】ところで、エアコンプレッサ29により加
圧濾過槽25内を加圧すると、圧力上昇に伴ない、加圧
空気中の酸素分圧が上昇する。例えば、1Kgf/cm
3 Gに加圧すると、酸素分圧は0.42atmとなって
大気圧の2倍となり、また2Kgf/cm3 Gに加圧す
ると、酸素分圧は0.63atmとなって大気圧の3倍
となり、さらに4Kgf/cm3 Gに加圧すると、酸素
分圧は1.05atmとなって大気圧の5倍にもなる。
【0046】ところが、このままでは、空気中から水中
に酸素が溶解する面が、加圧濾過槽25内の水の水面の
みに限られてしまうため、水中の溶存酸素を増加させる
のに長時間を要するが、本実施例では、曝気装置35と
エアレ−ション装置28とにより、水と加圧空気とを積
極的に接触させるようにしているので、水中の溶存酸素
を短時間で増加させることができる。
【0047】本発明者等は、加圧濾過槽25内を4Kg
f/cm3 Gに加圧した際の水中への溶存酸素の増加を
計測した。その結果、加圧に伴ない徐々に酸素が水中に
溶解して溶存酸素が富化され、加圧後約100分間で、
大気圧状態の約5倍の30ppmを超えた状態にまで達
することが確認された。
【0048】本発明者等はまた、加圧濾過槽25内に、
アンモニア濃度10ppm以上の非常に水質の悪い水を
投入し、約2Kg/cm2 Gで加圧しながら水を循環さ
せた。その結果、2日後には約10ppm、3日後には
5ppm、4日後には0.5ppm以下となり、硝化バ
クテリアのアンモニア分解能力が充分に発揮されている
ことが確認された。
【0049】このように、加圧濾過槽25内で浄化,溶
存酸素の富化がなされた浄化水は、流量調整弁38を所
定の開度で開放することにより、加圧濾過槽25と大気
圧水槽1との圧力差により、大気圧水槽1内に供給され
る。この浄化水により、大気圧水槽1内には、底面2の
上端部側から下端部側に向かって流れる水流が生じ、こ
の水流により、***物等は迅速にピット3に集められる
とともに、魚類に安心感を与えることができる。
【0050】すなわち、魚類は、水流の上流側に向いて
身体を保持する習性を有しており、この状態が、精神的
に最も安定した状態であるといわれている。したがっ
て、大気圧水槽1内に水流を生じさせることにより、魚
類に安心感を与えることができる。
【0051】ところで、高圧の加圧濾過槽25から大気
圧の大気圧水槽1内に供給された浄化水は、その溶存酸
素が過飽和となり、過飽和分の溶存酸素は、邪魔板40
で積極的に分離され、気泡となって気中に放出される。
このため、その分溶存酸素量が低下することになる。
【0052】ところが、一旦高圧で溶存酸素を富化した
水は、大気圧に戻しても、通常の溶存酸素量より遥かに
高い溶存酸素量が、17時間以上に亘って維持され、大
気圧水槽1内の水11の溶存酸素の富化が可能となる。
【0053】本発明者等は、加圧により溶存酸素量を高
めた加圧水を、大気圧状態に戻した場合の溶存酸素の消
長について調査し、以下のような結果を得た。
【0054】まず、溶存酸素量が24.3mg/lの加
圧水を、大気圧状態に戻したところ、溶存酸素量が2
2.8mg/lまで瞬時に低下した。
【0055】次いで、この水を45lの容器に注入して
放量したところ、約2〜3分間で、溶存酸素量は約13
〜14mg/lまで低下した。しかしながらこの水は、
17時間経過しても、溶存酸素量は約11mg/l程度
までしか低下せず、通常状態の溶存酸素量(6〜7mg
/l、ただし水温は23.5℃)よりも、遥かに高いレ
ベルに維持されることが判った。
【0056】なお、溶存酸素量が24.3mg/lの加
圧水を、大気圧下の45lの容量に注入し、エアレ−シ
ョンを行なったところ、溶存酸素量は、35分間で9m
g/l程度まで急激に低下してしまった。
【0057】以上の実験結果により、大気圧水槽1内を
加圧しなくても、溶存酸素の富化は充分可能であること
が判った。そして、大気圧水槽1の容量に比較して浄化
水の供給量が多い場合や、間欠処理される加圧濾過槽2
5の休止時間を比較的長く(例えば24時間以上)設定
した場合には、エアレ−ション装置13によるエアレ−
ションを停止した方が、むしろ溶存酸素量を高いレベル
に維持できることも判った。
【0058】なお、間欠処理を行なう加圧濾過槽25の
内部は、次回の処理を行なう直前に大気開放される。
【0059】しかして、加圧濾過槽25を用いることに
より、大気圧水槽1内を加圧することなく、溶存酸素量
を高いレベルに維持して輸送効率を向上させることがで
きるとともに、硝化バクテリアの浄化能力を増加させる
ことができる。しかも、大気圧水槽1内が大気圧に維持
されるので、魚介類の出し入れや給餌が容易で、減圧症
等のおそれもない。
【0060】図5は、本発明の第2実施例を示すもの
で、前記第1実施例と異なり、加圧濾過槽25での処理
を連続的に行なうようにしたものである。
【0061】すなわち、ストレ−ナ8,ポンプ9,流量
調整弁10および排水弁41を有する吸引配管6の先端
は、図5に示すように、加圧濾過槽25の空気中に設置
した曝気装置35に接続されており、大気圧水槽1内の
水11は、ポンプ9の起動により常時加圧濾過槽25に
供給されるようになっている。
【0062】また、加圧濾過槽25内の水は、加圧濾過
槽25内の圧力により、濾過装置24およびストレ−ナ
31で浄化されて調温装置33に送られ、ここで調温さ
れた浄化水は、大気圧水槽1内の空気中に設置した曝気
装置12により、曝気されるようになっている。そして
この曝気により、過飽和の溶存酸素が気中で除去される
とともに、多少の溶存酸素の富化も期待できるようにな
っている。なお、その他の点については、前記第1実施
例と同一構成となっており、作用も同一である。
【0063】しかして、加圧濾過槽25で連続処理する
ようにしているので、大気圧水槽1の水11の溶存酸素
量を、より高いレベルに維持することができるととも
に、水質をより清浄に維持することができる。
【0064】なお、前記両実施例においては、いずれも
1個の大気圧水槽1に対して、1個の加圧濾過槽25を
設ける場合について説明したが、加圧濾過槽25を、複
数の大気圧水槽1で共用するようにしてもよく、また逆
に、1個の大気圧水槽1に対し、複数の加圧濾過槽25
を設けるようにしてもよい。
【0065】また、前記両実施例では特に説明しなかっ
たが、硝化バクテリアによる濾過装置の他に、オゾン処
理装置を追設し、オゾン処理による水浄化および溶存酸
素の富化も行なうようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、加圧濾過
槽内で溶存酸素を富化するとともに、水浄化を行ない、
この浄化水を大気圧水槽に供給するようにしているの
で、大気圧水槽内を加圧することなく、溶存酸素量を高
いレベルに維持することができる。また、硝化バクテリ
アの浄化能力を増加させ、水浄化を効率よく行なうこと
ができる。
【0067】そして、本発明において、浄化水を、大気
圧水槽の底面近傍の傾斜方向上端部から、傾斜方向下端
部に向かって供給し、大気圧水槽内に、異物排出手段に
向かう水流を生じさせることにより、***物等をより迅
速かつ完全に外部に排出することができるとともに、水
棲生物に安心感を与えることができる。
【0068】また、浄化水を、大気圧水槽内の空気中に
曝気することにより、過飽和の溶存酸素を気中で除去す
ることができるとともに、曝気による溶存酸素の富化も
期待できる。
【0069】また、大気圧水槽の水面近傍位置に、水面
を小区画に区切る制水板を配置することにより、大気圧
水槽が動揺しても、水面を安定させることができる。
【0070】さらに、大気圧水槽に、濾過手段,ポンプ
および水調温手段を有する循環処理手段を設けることに
より、加圧濾過槽での処理が間欠的であっても、大気圧
水槽内の水質悪化を抑制でき、また水温を一定に維持す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る水棲生物収容装置を
示す構成図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1の III−III 線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る水棲生物収容装置を
示す構成図である。
【符号の説明】
1 大気圧水槽 2 底面 3 ピット 4 異物排出装置 5,24 濾過装置 6 吸引配管 7 水調温装置 8,31 ストレ−ナ 9,32 ポンプ 11 水 12,35 曝気装置 13,28 エアレ−ション装置 15 空気調温装置 16,29 エアコンプレッサ 23 制水板 25 加圧濾過槽 26 排水管 30 調圧装置 33 調温装置 39 供給配管 40 邪魔板 43 非常用電源装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 7/00 7726−4D 9/00 A 6647−4D (72)発明者 山田 哲也 神奈川県横浜市緑区荏田西4丁目7番2号 郵船市が尾フラツトA−206 (72)発明者 山田 稔 神奈川県横須賀市夏島町2番15 海洋科学 技術センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面が所定方向に向かって傾斜する大気
    圧水槽と;前記底面の傾斜方向下端部に設けられた異物
    排出手段と;前記大気圧水槽から排出された水が供給さ
    れ、硝化バクテリアによる濾過手段を有する加圧濾過槽
    と;加圧濾過槽の水中に加圧空気を供給してエアレ−シ
    ョンを行なうとともに、加圧濾過槽内を加圧する加圧空
    気供給手段と;加圧濾過槽内を調圧する調圧手段と;加
    圧濾過槽で浄化された浄化水を前記大気圧水槽に供給す
    る浄化水供給手段と;前記浄化水を調温する浄化調温手
    段と;を具備することを特徴とする水棲生物収容装置。
  2. 【請求項2】 浄化水は、大気圧水槽の底面近傍の傾斜
    方向上端部から、傾斜方向下端部に向かって供給される
    ことを特徴とする請求項1記載の水棲生物収容装置。
  3. 【請求項3】 浄化水は、大気圧水槽内の空気中に曝気
    されることを特徴とする請求項1記載の水棲生物収容装
    置。
  4. 【請求項4】 大気圧水槽の水面近傍位置には、水面を
    小区画に区切る制水板が配されていることを特徴とする
    請求項1,2または3記載の水棲生物収容装置。
  5. 【請求項5】 大気圧水槽には、濾過手段,ポンプおよ
    び水調温手段を有し大気圧水槽の水を循環させる循環処
    理手段が設けられていることを特徴とする請求項1,
    2,3または4記載の水棲生物収容装置。
JP26128391A 1991-09-13 1991-09-13 水棲生物収容装置 Pending JPH0568450A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010233488A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nagasaki Prefecture 活きイカの輸送方法及びその輸送装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010233488A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nagasaki Prefecture 活きイカの輸送方法及びその輸送装置

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