JPH0567300A - 自分の航空機の周囲の空間内の交通を観察するための交通情報表示フオーマツト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 認識が迅速かつ容易に行えるＴＣＡＳフォー
マットを得ることである。 【構成】 中心記号により表される航空機と、形で航空
機の水平機首方向を示す位置記号により表される交通
と、交通脅威のレベルすなわち高度差の接近度を表すた
めに大きさが変わる、表される航空機の形と、高度と高
度トレンドを示す記号と、交通脅威のレベルを形と色で
冗長的に示す記号とを有する、交通状況の知覚表示を航
空機内で表示するための水平トレンドによるＴＣＡＳビ
ュー画像フォマットである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は航空交通表示に関するも
のであり、とくに航空交通警報および衝突回避装置（Ｔ
ＣＡＳ）用の表示フォーマットに関するものである。更
に詳しくいえば、本発明は３次元透視カラーグラフィッ
クスを有するＴＣＡＳ表示フォーマットに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】ＴＣＡＳ表示の機能は航空交通表示を提
供し、脅威を明らかにし、最も接近する前に衝突のおそ
れを警告することである。関連する技術のＴＣＡＳ表示
は、自分の航空機のエアスペースの保護されるボリュー
ム内の交通情報を伝えるために、２次元グラフィックス
を用いる。しかし、２次元グラフィックスは、ＴＣＡＳ
のための空間交通関係（Ｘ軸、Ｙ軸、Ｚ軸）の表現を完
成するために要求される３次元のうちの２つの（Ｘ軸と
Ｙ軸）で情報を示すことができるだけである。Ｚ軸での
相対的な高度を表示するために数値が用いられる。ＴＣ
ＡＳ交通情報のこの２次元平面図表示（３次元、高度を
明瞭にするための数値データは補われている。）は、自
然の３次元空間内の航空交通の間に存在する動的な空間
関係を直接視覚的に表示することはない。そのような表
示の解釈にはかなりの時間と精神を消耗する作業が必要
なことから、図式的に表示されている方位情報および距
離情報を、数値的に呈示される高度情報に組み合わせる
ことにより、操縦士は交通情報の３次元画像を頭の中で
描く必要がある。

【０００３】したがって、関連技術のＴＣＡＳ表示は、
現在の交通状況の正確な、容易に解釈できる、実際的な
完全「画像」として機能するのではなくて、ターゲット
航空機を直接視覚的に得るための支援として機能するこ
とに限定される。操縦士は、操縦室の外部の航空機の直
接視覚化により、潜在的な脅威をつきとめるために視覚
的な捜索のための合図として、呈示された情報を単に用
いるだけである。更に、交通情報は動的であって、絶え
ず更新されるから、直接視覚化のためには、操縦士は、
ヘッドダウンＴＣＡＳ表示器上の数字を読取ることか
ら、操縦室の外部の航空機を探すために頭をあげること
へ、注意の対象を常に変えることが求められる。

【０００４】したがって、関連する技術のＴＣＡＳ表示
を用いると、操縦室における中程度の、または厳しい作
業負担状況の下で、航空交通状況の動的な変化を視覚的
に獲得して、処理することに時間がかかり、操縦者はし
ばしば混乱させられる。

【０００５】従来の表示の間接的な視覚化の問題を解決
するための関連技術の試みは、２次元ＴＣＡＳ表示フォ
ーマットに対する基本的な記号使用の工夫に的がしぼら
れていた。記号を修正することにより混乱と誤解釈を減
少するための努力が注がれてきた。たとえば、航空機を
表す記号の上に全ての数字コードが最初に表示され、相
対高度を示すために「＋」または「−」の符号をつけて
いる。最新のベースラインＴＣＡＳ表示は概念的な適合
性を計るために、記号の上または下に数字を表示してい
る。

【０００６】このように、別な新しい技術を開発し、ま
たは現在の設計概念の効果を経験的に実証するための努
力がなされていない。しかし、他の応用のための表示フ
ォーマットについての研究により、革新的な２次元透視
フォーマットの潜在的な利点が明かになっている。地上
をベースとする透視交通表示フォーマットは、複雑な空
間状況を表現するためにそれぞれのグラフィックスの利
点を示すために、関連する技術において研究されてき
た。条件付きで、３次元グラフィックス表現の可能性と
利点を調べるために、海戦現場管理装置のためのそれぞ
れの表示が以前に研究された。それらの研究により２次
元フォーマットより３次元フォーマットが非常に有利で
あることが明かにされている。

【０００７】

【発明の概要】本発明は、操縦士のエアペース内の諸条
件を操縦士が一層認識することを支援することにより、
状況に対する操縦士の認識を強めるために、機上の環境
においてデータを表示するためのフォーマットに関する
ものである。このフォーマットはＴＣＡＳのためにとく
に設計される。このフォーマットにおいては、航空機の
周囲のエアスペースの保護されている３次元ボリューム
内の航空機情報がその航空機に関して呈示される。本発
明は、容易かつ直接解釈できる動的な空間関係をＴＣＡ
Ｓ装置にカラーで表示するために、３次元透視グラフィ
ックスを実現するものである。このフォーマットは、周
囲のエアスペース内にどのような交通およびどのような
ターゲットが存在するかを操縦士が迅速かつ正確に認識
する必要がある場合に、そのフォーマットは軍用状況認
識フォーマッへ等しく応用できる。

【０００８】本発明は、数字データタグを補助された２
次元フォーマットではなくて３次元透視グラフィックス
を用いる。本発明の利点は、交通情報を３次元透視的に
現実的かつ直観的に描写することにより、３次元エアス
ペースを正しく知覚できること、操縦士の予測に適合す
る色、形および大きさの符号化を適切に使用すること、
操縦士が迅速な解釈を容易に行えるようにするために表
示される状況情報を統合すること、である。この新規な
表示フォーマットの主な目的は、自己中心的な交通状況
についての操縦士の理解の速さと、正確さを高くするこ
と、複雑な認識処理と操縦士の精神作業の負担を最少限
にすること、潜在的な航空交通の衝突を回避するため
に、操縦士が回避行動の計画を立て、その計画を検討す
ることを早く、かつ一層効果的に行えるようにすること
である。したがって、ＴＣＡＳ表示の機能は非常に拡大
され、航空機の外部の交通を視覚的に獲得するための合
図を与えることにもはや限定されるものではない。

【０００９】

【実施例】本発明は、色符号化と、水平の傾向と脅威レ
ベルを操縦士へ知らせるために回転する記号とを統合す
るＴＣＡＳ装置のためのビュー呈示である。直接頭上正
常平面ビュー（ルックダウンビュー）から直接前方ビュ
ーへ、または両者の間のほぼ中間の視点へ変えることが
できる種々の透視視点からそのビューを観察できる。本
発明の表示フォーマットは、操縦士の自機と、近くのエ
アスペース内の他の航空機との間の動的な空間関係に対
する操縦士の理解と監視を強め、潜在的な交通および衝
突を検出および回避に対する操縦士の能力を高める。Ｔ
ＣＡＳ表示の機能は交通情報を提供し、脅威を明かに
し、最近接点の前に解決のための助言を与えることであ
る。図１は傾向データとともにＴＣＡＳ平面図表現の直
接ルックダウンビューを示す。図１のＴＣＡＳ直接ルッ
クダウンビューは、たとえばジェット旅客機に似た形
で、飛行方向の傾向を示す航空機の記号１２を用いる。
数字１４は相対的な高度を示し、矢印１６は記号１２に
より表されている航空機の垂直方向傾向を示す。記号１
２の上には交通警報記号１８が設けられる。この記号１
８は記号１２の上に重ねられる黄色中間の円である。高
度記号１４に組み合わされている記号２０は、記号１２
により表されている航空機が、フォーマット１０の中心
部に記号２２で表されている自機の上方の高度にある、
記号１２で表されている航空機を示す。記号２０が
「−」であることは、組合わされている記号１２が自機
２２により低い高度にある航空機１２を表す。航空機１
２の記号１２は高度タグの位置を回転させることがある
から、タグの中心軌跡が記号１２の右翼先端部のすぐ後
ろであるように記号１４、１６、２０は位置させられ
る。したがって、高度タグ１４、１６、２０の中心軌跡
は航空機記号１２とともに回転するが、読取りを容易に
するために数字と関連する記号とは直立のままである。
このやり方により、操縦士は観察した航空機と、それに
対応する記号１２を、それの関連する高度タグ１４、１
６、２０へ容易に相関させることができる。図１に示す
特定のフォーマットは、表されている航空機の脅威レベ
ルが高くなるにつれ大きくなる航空機記号を有する。正
常な交通は０．７５の大きさで表され、交通助言をされ
た交通は１．０の大きさで表示され、解決助言を与えら
れた航空機は１．０の大きさの基準に対して１．２５倍
の大きさを有する。したがって、最もさし迫った脅威は
正常な交通より明らかに大きい。脅威の状態は、交通す
なわち航空機記号１２の上にＴＣＡＳ脅威記号を重畳す
ることによっても示される。それらの項目は操縦士に脅
威の三重の冗長性符号化、すなわち、色、大きさ、重畳
された脅威記号を提供する。脅威記号が重畳されていな
い交通記号２４はある高度の上方にあり、したがって自
機には脅威とならない航空機を表す。記号２４のような
交通記号に、脅威がないことを表す余分な記号が重畳さ
れていないとクラッタ防止を助ける。高度タグが付けら
れていない記号２６は、自機２２の操縦士が高度を知ら
ない航空機を表す。典型的には、記号２６で表される航
空機は自機へ高度その他の垂直方向データを提供する高
度トランスポンダを持たない。記号２８は、それが表す
航空機の解決助言を示す１．２５倍の大きさの記号であ
る。記号２８には、解決助言を意味する正方形の記号３
０が重畳されている。この記号３０には、記号２８で表
されている航空機の解決助言も示す赤い色が付けられて
いる。正常な近接交通記号２４は高度差が約３６６ｍ
（１２００フィート）より大きい航空機すなわち交通を
表す。航空機記号３２は大きさが０．７５であるが、自
機２２の現在の高度の約３６６ｍ（１２００フィート）
以内に航空機が飛行していることを表す正常な近接記号
が重畳されている。記号３４は菱形の記号３４は高度差
が約３６６ｍ（１２００フィート）以下である正常な近
接航空機を表し、自機２２から約３６６ｍ（１２００フ
ィート）以下の正常な交通を示すシアン色を付けられて
いる。１２個の記号３６は自機記号２２の周囲の方位を
表し、自機２２から２海里レンジの指示器を構成する。

【００１０】図２の航空機記号４２、４４または５０
が、図１における脅威レベルではなく、記号２２で表さ
れている自機からの高度差に関連する大きさを有する。
航空機記号４２、４４、４８、５０の変化する大きさ
は、他の航空機が自機２２から離れたり、自機へ接近す
るのにつれて相対的な動きの合図を操縦士へ提供する。
そのような強調は、たとえば、悪天候のために直視が限
られているような場合、または計器飛行を必要とする場
合に、自機の操縦士にとっては有用である。記号４６
は、高度が未知の近接航空機を表す比較的大きい記号で
ある。記号４４の大きさは自機２２からの航空機の相対
的な高度を表す。しかし、この航空機の助言は、記号４
４に重畳されている記号３０により示されている。その
記号３０は解決助言を意味する正方形であって、解決助
言を同様に意味する赤色も付けられる。記号５０はフォ
ーマット４０での比較的大きい記号であって、自機２２
から低い高度差（たとえば０ｍ）にある航空機を表す。
記号５０に重畳されている記号３４は約３６６ｍ（１２
００）以下にある正常な近接交通を表す。菱形である記
号３４は正常な近接交通を表し、自機２２から約３６６
ｍ（１２００）以下の相対的な高度にある正常な近接交
通を示すシアン色を付けられる。記号４２は自機２２か
ら約３０５（１０００フィート）の相対高度にある航空
機を表す。その高度は記号１４により表されるばかりで
なく、記号４２の大きさによって表される。記号４２に
は記号１８が重畳される。その記号１８は、交通警報を
示す中間の大きさの円であって、交通警報を同様に表す
黄色を付けられる。

【００１１】図３はＴＣＡＳ平面フォーマット６０の
２．５次元透視図である。フォーマット６０は、フォー
マット６０の観察者が、光景のすぐ上からではなくて、
水平の上方の特定の高度における光景の点から光景を見
ていることを除き、平面ビュー１０に類似する。これは
好ましい実現である。しかし、交通の水平位置と垂直位
置をより良く知覚するために、操縦士は見通しを切換え
ることができる。フォーマット６０においては、記号２
２で表されている自機に対する表されている航空機の相
対高度に比例する高度ポスト６４の上に航空機記号６２
が置かれる。高度ポスト６４は、約１５２ｍ（５００フ
ィート）を基準にして１点鎖線の間で交番する、すなわ
ち、一連の点が約１５２ｍ（５００フィート）を表し、
実線が約１５２ｍ（５００フィート）を表す、等であ
る。

【００１２】ＴＣＡＳ警報記号、すなわち、ぬりつぶさ
れている正方形３０と、ぬりつぶされている円１８と、
ぬりつぶされている菱形３４と、菱形６８とが基準平面
６６内に配置されて、表されている航空機の位置と、航
空機の脅威レベルと、航空機の脅威方位とを指示する。
スポークが設けられている基準平面は、透視ビューを強
調し、操縦士の自身の高度基準平面に対する認識を増す
ために、図１と図２における１２個の記号３６の代わり
である。ぬりつぶされている正方形３０と、ぬりつぶさ
れている円と、ぬりつぶされている菱形とのそれぞれの
カラーコードである赤、黄およびシアンは、標準的なＴ
ＣＡＳフォーマットのそれに類似し、ＴＣＡＳフォーマ
ット１０と４０を示すものである。ぬりつぶされていな
い菱形６０は脅威を表さない。

【００１３】数字１４は、自機２２に対する他機６２の
相対高度を示す。数字１４は他機６２の右翼先端部の真
うしろに置かれる。航空機の高度垂直トレンドデータ
は、他機６２の各翼の端部で、ぬりこめられた三角形７
０が指す向きで表される。表示されている航空機の相対
高度決定のために、操縦士がアナログ高度ポスト６４に
全体的に依存する、数字記号１４と２０を除去すること
により、フォーマット６０はクラッタを除去できる。図
１と図２に示す２次フォーマットにおける航空機の記号
と同様のやり方で、航空機記号６２と７２は回転して水
平トレンドを指示する。

【００１４】大きい航空機記号７４（１．２５倍）は赤
であって、記号３０から延びる。記号３０も赤であっ
て、解決助言交通を表す。中間の航空機記号７６は黄色
であって、黄色の円から延びることにより、表されてい
る航空機に対する交通脅威を表す。小さい航空機記号２
３はシアンであって、シアンでぬりつぶされた菱形から
延びることにより、自機に対して約３６６ｍ（１２００
フィート）の高度差内の正常な近接交通を表す。

【００１５】航空機記号２３、６２、７２、７６の大き
さは、他の指定されていない航空機記号も含めて、フォ
ーマット６０におけるそれぞれの表されている航空機の
脅威レベルを示すものであって、図１に示す航空機記号
の大きさのように変えることができる。別のやり方は、
航空機記号の大きさが、相対高度に関する表示されてい
る航空機の接近度を表す、すなわち、航空機の高度が近
づくほど記号が大きくなる。フォーマット６０における
航空機記号の他の面が、図３に示すようにして実現され
る。この場合には、全ての航空機記号は同じ大きさであ
って、自機に対する脅威識別レベルと、自機への接近は
相対高度に関しては表さない。

【００１６】ここで開示するＴＣＡＳフォーマットを発
生するために種々の処理装置を利用できる。この特定の
実施例においては、ケルムスフォード（ｃｈｅｌｍｓｆ
ｏｒｄ）ＭＡ０１８２４所在のアポロ・コンピュータ社
製のシリーズ１００００パーソナルスーパーコンピュー
タが、下記のプログラムとともに用いられる。このアポ
ロパーソナルスーパーコンピュータは、実際の用途のた
めに、またはテストのためのシミュレータとして、また
は運転訓練のために使用できる。コンピュータからのＴ
ＣＡＳフォーマット画像は通常ＣＲＴ、カラー能動マト
リックス液晶表示器、その他種類の表示器で表示でき
る。ＴＣＡＳ装置への交通情報の入力は地上局、自機の
検出電子装置、または他機の少なくとも１つから供給さ
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】交通警報記号の大きさで脅威レベルを指示す
る、本発明のＴＣＡＳフォーマットを示す。

【図２】交通警報記号の大きさで高度差を示す、本発明
のＴＣＡＳフォーマットを示す。

【図３】交通記号が一様な大きさである、本発明の２．
５次元透視フォーマットを示す。

【符号の説明】

１２ 航空機 ２２ 自機（自分の航空機） ２３、６２、７２、７６ 航空機 ６０ フォーマット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自分の航空機の周囲の空間の拡がりを表
   す区域を囲む境界を有する表示と、 この表示の区域のほぼ中心部に位置させられて、前記自
   分の航空機を表す自機の記号と、 前記表示の区域内に設けられ、交通エンティティの向き
   を示す形を有し、かつ交通エンティティを表す少なくと
   も１つの交通記号と、を備え、自分の航空機の周囲のエ
   アスペース内の交通を観察するための交通情報表示フォ
   ーマット装置。