JPH0566424U - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャビネット内を室内側熱交換器室と室外側
熱交換器室とに区画しシールする仕切板とシール部によ
り，上記室内側熱交換器室と室外側熱交換器室とを確実
なシール状態に保持して組み立てる際の作業性の良い室
内外一体型の空気調和機の提供。 【構成】 空気調和機Ａでは，キャビネット１内を室内
側熱交換器室と室外側熱交換器室とに区画するケーシン
グ３の外面に，弾性変形するポリプロピレンより成るシ
ール板８が一体に設けられている。従って，上記ケーシ
ング３がキャビネット１内に組み入れられた時，上記シ
ール板８はキャビネット１の内面に係合して密着し，上
記室内側熱交換器室と室外側熱交換器室とのシールを組
立作業性良く行うことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，例えば窓などに取り付けられる室内外一体型の空気調和機に係り， 特に室内側熱交換器室と室外側熱交換器室とのシール構造の改良に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

この種の従来の室内外一体型の空気調和機を図６に示す。同図に示す空気調和 機Ｂは，一枚の基板９上に冷凍サイクルの室内熱交換器４，室外熱交換器２，圧 縮機６，上記室内熱交換器４又は室外熱交換器２に向けて室内空気又は室外空気 を送風する送風機（図外）を備えている。そして，図示の如く組立られた基板９ が，筐体状のキャビネット１に向けてスライドされて装着され，さらに上記室内 熱交換器４の前面に前面パネル５が装着されることにより，上記空気調和機Ｂが 完成する。 ところで，この種の空気調和機Ｂでは，室内空気と室外空気とが混合しないよ うに，ケーシング３_a （仕切板）により，上記キャビネット１内が室内側熱交換 器室と室外側熱交換器室とに区画される。そして，上記室内側熱交換器室と室外 側熱交換器室とをシールする為に，上記キャビネット１と上記ケーシング３_a と の間にシール部材７が介在して設けられている。 上記シール部材７は，収縮性を有するポリエチレンフォームやポリウレタンフ ォーム等よりなり，図７に示すように，板金又は合成樹脂よりなるケーシング３ _a 上に接着剤や両面テープ等を用いて貼設されている。そこで，上記キャビネッ ト１に対し基板９がスライドされて取り付けられると，シール部材７は図８に示 すように，収縮して上記キャビネット１とケーシング３_a の間の空間を塞ぎ，こ れによって室内側熱交換器室と室外側熱交換器室とをシールしてこれら各室間の 断熱又は遮風を行うようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】 ところが，上記従来の空気調和機Ｂにおいては，組立工程の際に上記ケーシン グ３_a の表面に油分や塵などが付着している場合がある。このような場合，シー ル部材７に対する接着力が弱くなる。そこで，上記シール部材７をケーシング３ _a に強力に接着させる為には，ケーシング３ａの表面を予め清浄にしておく作業 を必要としていた。又，上記シール部材７をケーシング３_a の所定位置に正確に 位置決めして貼る作業にも手間を要していた。 さらに，季節間の温度変化や経時変化によって，上記接着力がしだいに弱くな るという実情があり，シール部材７自身も上記温度変化に影響されて加水分解や 風化により経時的に劣化し，その為，断熱効果や遮風効果が低下してくるという 実情もあった。 本考案は，上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって，キャビネット内 を室内側熱交換器室と室外側熱交換器室とに区画しシールする仕切板とシール部 とにより，上記室内側熱交換器室と室外側熱交換器室とを確実なシール状態に保 持して構成する上で，作業性良く組み立てることのできる空気調和機の提供を目 的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成する為に，本考案が採用する主たる手段は，その要旨とすると ころが，キャビネット内を室内側熱交換器室と室外側熱交換器室とに区画する仕 切板の外面若しくは該外面の突部，あるいは，上記キャビネットの内面若しくは 該内面の突部に係合して上記室内側熱交換器室と室外側熱交換器室とをシールす るシール部を備えてなる室内外一体型の空気調和機において，上記シール部が， 弾性変形する合成樹脂よりなり，上記仕切板若しくは上記キャビネットに一体に 設けられてなる点に係る空気調和機として構成されている。 尚，上記合成樹脂としては，ポリプロピレンを用いるのが好適である。

【０００５】

【作用】

本考案に係る室内外一体型の空気調和機においては，組立時に，シール部が， 上記仕切板の外面若しくは該外面の突部，あるいは，上記キャビネットの内面若 しくは該内面の突部に係合して弾性変形し，上記室内側熱交換器室と室外側熱交 換器室とをシールする。この場合，上記シール部は，上記仕切板若しくは上記キ ャビネットに一体に設けられているので，これらの組立が極めて容易である。

【０００６】

【実施例】

以下添付図面を参照して，本考案を具体化した実施例につき説明し，本考案の 理解に供する。尚，以下の実施例は，本考案を具体化した一例であって，本考案 の技術的範囲を限定する性格のものではない。 ここに，図１は本考案の一実施例に係る室内外一体型の空気調和機を示す分解 斜視図，図２は上記空気調和機の内部を平面に見た構成図，図３はシール板が形 成された部分のケーシングを示す側断面図，図４は上記ケーシングのシール板が キャビネットの内面と係合する状態を示す動作説明図，図５は上記空気調和機の シール板の別の実施例を示す状態説明図である。 但し，図６に示した上記従来の室内外一体型の空気調和機Ｂと共通する要素に は同一の符号を使用すると共に，その詳細な説明は省略する。 本実施例に係る室内外一体型の空気調和機Ａは，図１及び図２に示すように， 上記従来の空気調和機Ｂと基本的構造をほぼ同様とし，この従来の空気調和機Ｂ との相違点は，上記従来のケーシング３_a 及びシール部材７に替えて，図３に示 すように，上記従来のシール部材７の機能を備えたシール板８（シール部）を， 外面から突出して一体に形成されたケーシング３（仕切板）が配備されたことで ある。上記シール板８と一体のケーシング３は弾性を有するポリプロピレンより なっている。また，上記シール板８には，ケーシング３本体との付け根部分に薄 肉部１８が形成されている。 尚，上記空気調和機Ａは，図２に示すように，キャビネット１内がケーシング ３により室内熱交換器４を収容した室内側熱交換器室と室外熱交換器２を収容し た室外側熱交換器室とに区画されている。又，各熱交換器室を貫通するモータ１ ５の駆動軸のそれぞれの端部には，シロッコファン１４やオリフィス板１２内に 収容されたプロペラファン１３が固設されている。

【０００７】 従って，図１に示す室内熱交換器４，室外熱交換器２，圧縮機６，ケーシング ３その他が配備された基板９を，予め静置されているキャビネット１に対し矢印 ａ方向にスライドさせて装着すると，上記ケーシング３のシール板８は上記キャ ビネット１の内面と係合してこの内面を摺動すると共に，図４に示すように，弾 性変形して上記薄肉部１８で屈曲してａ′で示す位置に変位する。 一方，例えばキャビネット１に対する基板９の位置決め調整を行う為に，上記 基板９を矢印ｂ方向に移動させると，上記シール板８は薄肉部１８で屈曲方向が 変わりｂ′（破線）で示す位置に変位する。 このように，本実施例のシール板８を一体に備えたケーシング３を上記室内側 熱交換器室と室外側熱交換器室とのシールの為に用いれば，空気調和機Ａの組立 時に，従来の如くスポンジ状のシール部材７をケーシング３_a に貼る作業を必要 としない。又，上記シール板８及びケーシング３がポリプロピレン，又はポリプ ロピレンを主体とした合成樹脂を用いて構成されているので，当該空気調和機Ａ の設置された環境や経時的な要因による劣化が極めて小さく，従来のように断熱 効果や遮風効果を損なうことがない。 尚，上記した実施例では，弾性変形する合成樹脂よりなるシール部としてのシ ール板８をケーシング３に一体に設けたが，これに限定されるものではなく，上 記ケーシング３の組立位置に対応するキャビネット１の内面に，上記ケーシング ３に向けて突出したシール板（不図示）を一体に設け，当該空気調和機の組立時 に上記キャビネット１のシール板がケーシング３の外面と係合して上記室内側熱 交換器室と室外側熱交換器室とをシールするように構成してもよい。 さらに，図５に示すように，組立時にそれぞれ対向するケーシング３の外面と キャビネット１の内面とにそれぞれ薄肉部１８を備え弾性変形するシール板１０ ，１１をそれぞれのケーシング３及びキャビネット１に一体に設け，上記組立時 にこれらのシール板１０，１１が係合するようにした構成であっても，先に述べ た各実施例と同等の効果を奏するものとなる。

【０００８】

【考案の効果】

本考案によれば， キャビネット内を室内側熱交換器室と室外側熱交換器室と に区画する仕切板の外面若しくは該外面の突部，あるいは，上記キャビネットの 内面若しくは該内面の突部に係合して上記室内側熱交換器室と室外側熱交換器室 とをシールするシール部を備えてなる室内外一体型の空気調和機において，上記 シール部が，弾性変形する合成樹脂よりなり，上記仕切板若しくは上記キャビネ ットに一体に設けられてなることを特徴とする空気調和機が提供される。 それにより，キャビネット内を室内側熱交換器室と室外側熱交換器室とに区画 シールする仕切板及びシール部により，上記室内側熱交換器室と室外側熱交換器 室とを確実なシール状態に保持して組み立てる際の作業性の向上化を図ることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係る室内外一体型の空気
調和機を示す分解斜視図。

【図２】 上記空気調和機の内部を平面に見た構成図。

【図３】 シール板が形成された部分のケーシングを示
す側断面図。

【図４】 上記ケーシングのシール板がキャビネットの
内面と係合する状態を示す動作説明図。

【図５】 上記空気調和機のシール板の別の実施例を示
す状態説明図。

【図６】 本考案の背景の一例となる従来の室内外一体
型の空気調和機を示す分解斜視図。

【図７】 図６の空気調和機のシール部材が貼設された
ケーシングの部分を示す側断面図。

【図８】 図８は図７に示すケーシング及びシール部材
に対しキャビネットを装着した状態を示す状態説明図。

【符号の説明】

Ａ，Ｂ…空気調和機 １…キャビネット ２…室外熱交換器 ３，３_a …ケーシング（仕切板） ４…室内熱交換器 ８，１０，１１…シール板（シール部）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャビネット内を室内側熱交換器室と室
   外側熱交換器室とに区画する仕切板の外面若しくは該外
   面の突部，あるいは，上記キャビネットの内面若しくは
   該内面の突部に係合して上記室内側熱交換器室と室外側
   熱交換器室とをシールするシール部を備えてなる室内外
   一体型の空気調和機において， 上記シール部が，弾性変形する合成樹脂よりなり，上記
   仕切板若しくは上記キャビネットに一体に設けられてな
   ることを特徴とする空気調和機。
2. 【請求項２】 上記合成樹脂がポリプロピレンである請
   求項１に記載の空気調和機。