JPH0565628U - 自動車用サンバイザー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遮光膜をフロントウィンドに沿うように張っ
て日光を遮るタイプのサンバイザー装置の遮光性を改善
する。 【構成】 運転席側のサンバイザー本体２の車体外側位
置に、フロントウィンドに対して略直角に延在する支点
軸３を設け、この支点軸３に筒状のハウジング４を回転
可能に装着する。ハウジング４内に遮光膜５を引き出し
可能に巻き取るための機構１１を収納し、且つ、ハウジ
ング４をサンバイザー本体２に沿う収納位置とサンバイ
ザー本体に対して略直角下方に下げた使用位置とで位置
決めできるようにする。そして、遮光膜５の先端部に第
１フック６を設け、フロントピラー７の内面に第１フッ
クと係合する第２フックを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用サンバイザー装置に係り、特に、遮光膜をフロントウィン ドに沿うように張って日光を遮るタイプのサンバイザー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、このタイプのサンバイザー装置として、例えば実開昭５６−９３３２１ 号公報に記載された装置が提供されている。このサンバイザー装置は、サンバイ ザー本体の内部に遮光膜をフロントウィンドの上方から下方へ引き出せるように 収納したものである。そして、サンバイザー本体から遮光膜を引き出し、その下 端部をダッシュボードのフロントウィンドとの境界部分に留めることによりフロ ントウィンドに沿うように張って、車内へ日光が差し込むのを遮るようにしてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、サンバイザー本体は運転席側、助手席側のそれぞれでインナーミラー と干渉しないように設けられているため幅が狭く、したがって、両方のサンバイ ザーに遮光膜を収納してこれをフロントウィンドに沿うように張ったとしてもそ の間には隙間が生じるので、遮光面積が小さくならざるを得ない。そのため、上 述したサンバイザー装置では、十分な遮光性能が得られないのが実状であった。

【０００４】 したがって、本考案の解決すべき技術的課題は、遮光膜をフロントウィンドに 沿うように張って日光を遮るタイプのサンバイザー装置の遮光性を改善すること である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の技術的課題を解決するため、本考案に係る自動車用サンバイザー装置は 以下のように構成されている。すなわち、車内の天井面前端に設けられたサンバ イザー本体の左右いずれか一方における車体の外側位置でフロントウィンドに対 して略直角に延在する支点軸と、サンバイザー本体の幅に相当する長さの筒状に 形成され且つ支点軸に回転可能に保持されたハウジングと、遮光膜をハウジング 内に引き出し可能に巻き取る巻き取り機構と、ハウジングをサンバイザー本体に 沿う収納位置とサンバイザー本体に対して略直角下方に下げた使用位置に設定す る位置決め手段と、遮光膜の先端部に設けられた第１係合手段と、上記一方のサ ンバイザー本体の反対側に位置するフロントピラーの内面に設けられ、使用位置 に移動した筒状ハウジングから引き出された遮光膜の第１係合手段と係合する第 ２係合手段とを備えたことを特徴としている。

【０００６】

【作用・効果】

上記構成においては、位置決め手段によりハウジングを使用位置に設定して遮 光膜をハウジングから引き出し、その先端部の第１係合手段をフロントピラーに 設けられた第２係合手段に係合させることにより、フロントウィンドを覆うこと ができる。ハウジングがサンバイザー本体の幅に相当する長さで形成されている ので、遮光膜の幅をハウジングにほぼ揃えておけば、遮光膜はフロントウィンド の下端部を残してほぼその全面を覆う。

【０００７】 一方、遮光膜をフロントウィンドから外すときは、第１係合手段を第２係合手 段から外して遮光膜を巻き取り機構によりハウジング内に巻き取り、さらに位置 決め手段によりハウジングをサンバイザー本体に沿うように収納位置に位置決め する。そうすることにより、遮光膜によるフロントウィンドの覆いを外すことが できる。

【０００８】 遮光膜をフロントウィンドに張った場合、該フロントウィンドの下端部には僅 かに隙間が生じるが、フロントウィンドの下端部からはダッシュボードの上面が 室内側へ向かって延びているので、日光は殆ど室内には差し込まない。したがっ て、夏期の日中に自動車を長時間放置する場合などに、室内に差し込む光の量を 大幅に少なくして室内が高温になるのを抑えることができる。

【０００９】

【実施例】

以下に、図１から図５に示した本考案の一実施例に係る自動車用サンバイザー 装置について説明する。

【００１０】 図１は、このサンバイザー装置を取り付けた自動車の室内のフロントウィンド 側の部分をサンバイザー装置の収納状態で表す外観図、図２はサンバイザー装置 の使用状態で示す外観図である。図示するように、このサンバイザー装置１は運 転席側のサンバイザー本体２の車体外側位置に設けられた支点軸３が回転可能に 支持するハウジング４に遮光膜５を引き出し可能に収納したものであり、ハウジ ング４を図２のように下げた状態で遮光膜５を引き出して、その先端に設けた第 １フック(第１係合手段)６を助手席側のフロントピラー７に設けた第２フック( 第２係合手段)８に引っ掛けることにより、室内に日光が差し込むのを遮るもの である。

【００１１】 次に、このサンバイザー装置の詳細について説明する。サンバイザー本体２は 、従来の一般的なサンバイザーと同様に、フロントウィンド９の内面に沿った位 置と、天井面１０に沿った位置とに位置決めできるようになっている。上記支点 軸３は、このサンバイザー本体２がフロントウィンド９の内面に沿った状態で、 サンバイザー本体２の右側の下端部に位置し、且つフロントウィンド９に対して 略直角となるように設けられている。

【００１２】 ハウジング４は、サンバイザー本体２と組み合わせたときに通常のサンバイザ ーの形態となるように、サンバイザー本体２の幅に相当する長さの細長い角筒状 に形成され、その一端には、詳細は示していないが支点軸３と回転可能に嵌合す る凹部の形成された取付部４aを有している。また、このハウジング４は、内部 に収納した遮光膜５を引き出すためのスリット４bを長手方向に沿って有してい る。

【００１３】 ハウジング４の内部には、遮光膜５を巻き取って収納するために、図３に分解 斜視図を示した巻き取り機構１１が設けられている。この機構は、遮光膜５の一 辺が固定された筒部材１２と、この筒部材１２を回転可能に保持する軸１３,１ ４と、軸１３,１４を回転不可に保持するホルダー１５と、筒部材１２を軸１３, １４に対して常に一定の位置となるように設けたスプリング１６とからなり、ホ ルダー１５がハウジング４内に固定されるようになっている。軸１３,１４は、 それぞれ一端が押しつぶされて固定部１３a,１４aとして形成され、ホルダー１ ５の保持部１５a,１５bに形成された角穴１５c,１５dに挿入される。軸１４は、 筒部材１２の右側端に回転可能に挿入され、軸１３は、この軸１３に対して回転 可能なスリーブ１７を介して筒部材１２に取り付けられている。スリーブ１７の 外周面には数本の突起１７aが形成され、筒部材１２の左側端には、この突起１ ７aがはまり込む切り込み１２aが形成されている。スプリング１６は、右側の端 部が軸１３の端部に形成された二股の固定部１３bに固定され、左側の端部がス リーブ１７に固定されている。したがって、この機構を組んだ状態で軸１３,１ ４に対して筒部材１２が回転するとスプリング１６がねじれ、筒部材１２を元の 位置に戻そうとする力が発生する。

【００１４】 一方、ハウジング４は、図１に示すようにサンバイザー本体２に沿う収納位置 と、図２に示すようにサンバイザー本体２に対してほぼ直角下方に下げた使用位 置とに設定するための位置決め手段を有している。使用位置での位置決め手段と しては、フロントウィンド９側の面に吸盤１８が設けられ、収納位置での位置決 め手段としては、図４及び図５に示したロック機構１９が設けられている。

【００１５】 ハウジング４は、取付部４aの反対側の端部に爪４cを有し、サンバイザー本体 ２は、ハウジング４を収納位置にしたときに爪４cを受け入れる穴２aを端壁２b に有している。サンバイザー本体２の内壁２cには、凸形のロック片２０をスラ イド可能に保持する突片２d,２e,２fが穴２aの斜め上方位置に形成されている。 ロック片２０の裏面には凹部２０bが形成されていて、ロック片２０の左端面２ ０cと突片２fとの間にスプリング２１がその自由長よりも撓んだ状態で収納され ている。したがって、ロック片２０は図の左方向へ付勢され、左端面２０cの下 端に突設された突片２０aが穴２aを右側から半分ほど覆うようになっている。一 方、ロック片２０は上方へ突出した部分に穴２０dを有している。サンバイザー 本体２の前面壁２g(図は本体と分離して表している)はロック片２０の穴２０dと 対応した位置に長穴２hを有し、その前面側から長穴２hを通してロック片２０の 穴２０dに、スライドノブ２２の裏面に立設されたピン２２aが差し込まれる。な お、スライドノブ２２の表面が前面壁２gの表面とほぼ揃うように、前面壁２gに はスライドノブ２２用の収納凹部２iが形成されている。

【００１６】 このように構成したロック機構１９によれば、爪４cをサンバイザー本体２の 穴２aに押し込むと、爪４cの斜面４dがロック片２０を一旦右方向へ移動させ、 さらに斜面４dが突片２０aを乗り越えたときにロック片２０が元の位置に戻るこ とにより、ハウジング４を収納位置に保持することができる。一方、ハウジング ４を使用位置に下ろすときは、スライドノブ２２を右へ移動させてロック片２０ の突片２０aを爪４cから離せばよい。そして、ハウジング４を下げた状態で吸盤 １８をフロントウィンドに押し付ければハウジング４を使用位置に保持すること ができる。

【００１７】 このようにしてハウジング４を使用位置で位置決めすれば、遮光膜５をハウジ ング４から引き出してその先端部の第１フック６をフロントピラー７の第２フッ ク８に引っ掛けることにより、フロントウィンド９に沿って張ることができる。 ハウジング４がサンバイザー本体２の幅に相当する長さで形成され、遮光膜５の 幅がハウジング４にほぼ揃っているので、遮光膜５はフロントウィンド９の下端 部を残してほぼその全面を覆う。なお、フロントウィンド９の上端部は、サンバ イザー本体２とインナーミラー２４、及び助手席側のサンバイザー２３でほぼ塞 がれる。また、フロントウィンド９の下端部には僅かに隙間が生じるが、フロン トウィンド９の下端部からはダッシュボード２５の上面が室内側へ向かって延び ているので、日光が直接に室内に差し込むのは防止できる。したがって、室内に 差し込む光の量を大幅に少なくして室内が高温になるのを抑えることができる。

【００１８】 一方、第１フック６を第２フック８から外せば遮光膜５が巻き取り機構１１に よりハウジング４内に巻き取られるので、ハウジング４を上述したようにロック 機構１９で収納位置に位置決めしてサンバイザー本体２を助手席側のサンバイザ ー２３とともに天井面に添わせれば、フロントウィンド５の覆いを外せるので、 運転に支障を来すことはない。

【００１９】 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなくその他種々の態様で実施 することができる。例えば、ハウジング４の位置決め手段としては、図示したよ うなロック機構や吸盤ではなく、例えば、格納式ドアミラーを運転時の位置と格 納時の位置に位置決めするためにスプリングやボールを用いて構成されている節 度機構などの機構を支点軸の回りに設けてもよい。また、第１,第２係止手段と して設けているフックの代わりに、例えば面状ファスナなどを用いてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係るサンバイザー装置を
取り付けた自動車の室内のフロントウィンド側の部分
を、サンバイザー装置の収納状態で表す外観図である。

【図２】 この自動車の室内のフロントウィンド側の部
分を、サンバイザー装置の使用状態で示す外観図であ
る。

【図３】 遮光膜の巻き取り機構の分解斜視図である。

【図４】 ロック機構の分解斜視図である。

【図５】 サンバイザー本体の前面壁を外した状態での
ロック機構の正面図である。

【符号の説明】

１ サンバイザー装置 ２ サンバ
イザー本体 ３ 支点軸 ４ ハウジ
ング ５ 遮光膜 ６ 第１フ
ック(第１係合手段) ８ 第２フック(第２係合手段) １１ 巻き
取り機構 １８ 吸盤(位置決め手段) １９ ロッ
ク機構(位置決め手段）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のフロントウィンド(9)に沿って
   張られることにより日光を遮る遮光膜(5)を用いた自動
   車用サンバイザー装置において、 車内の天井面(10)前端に設けられたサンバイザー本体
   (2,23)の左右いずれか一方(2)における車体の外側位置
   で上記フロントウィンド(9)に対して略直角に延在する
   支点軸(3)と、 上記サンバイザー本体(2)の幅に相当する長さの筒状に
   形成され且つ上記支点軸(3)に回転可能に保持されたハ
   ウジング(4)と、 上記遮光膜(5)を上記ハウジング(4)内に引き出し可能に
   巻き取る巻き取り機構(11)と、 上記ハウジング(4)を上記サンバイザー本体(2)に沿う収
   納位置と該サンバイザー本体(2)に対して略直角下方に
   下げた使用位置とに設定可能な位置決め手段(18,19)
   と、 上記遮光膜(5)の先端部に設けられた第１係合手段(6)
   と、 上記一方のサンバイザー本体(2)の反対側に位置するフ
   ロントピラー(7)の内面に設けられて上記使用位置にあ
   るハウジング(4)から引き出された遮光膜(5)の第１係合
   手段(6)と係合する第２係合手段(8)と、を備えたことを
   特徴とする自動車用サンバイザー装置。