JPH0565279A - ε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸の分離方法 - Google Patents
ε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸の分離方法Info
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- JPH0565279A JPH0565279A JP18198391A JP18198391A JPH0565279A JP H0565279 A JPH0565279 A JP H0565279A JP 18198391 A JP18198391 A JP 18198391A JP 18198391 A JP18198391 A JP 18198391A JP H0565279 A JPH0565279 A JP H0565279A
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- aromatic carboxylic
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸を含む
反応混合物をからε−カプロラクトンと芳香族カルボン
酸を分離する。 【構成】芳香族カルボン酸の一部を晶析して結晶を分離
した後、後段に蒸留塔を備えた薄膜蒸発器で残芳香族カ
ルボン酸を含む母液を処理し、蒸留塔からの留出物の一
部を還流液として戻す。
反応混合物をからε−カプロラクトンと芳香族カルボン
酸を分離する。 【構成】芳香族カルボン酸の一部を晶析して結晶を分離
した後、後段に蒸留塔を備えた薄膜蒸発器で残芳香族カ
ルボン酸を含む母液を処理し、蒸留塔からの留出物の一
部を還流液として戻す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はε−カプロラクトンと芳
香族カルボン酸を含む反応混合物よりε−カプロラクト
ンと芳香族カルボン酸を分離するする方法に関する。ε
−カプロラクトンは有機合成中間体や樹脂原料として工
業的に重要な物質であり、また芳香族カルボン酸は塩化
ビニルの安定化剤として有用な物質である。
香族カルボン酸を含む反応混合物よりε−カプロラクト
ンと芳香族カルボン酸を分離するする方法に関する。ε
−カプロラクトンは有機合成中間体や樹脂原料として工
業的に重要な物質であり、また芳香族カルボン酸は塩化
ビニルの安定化剤として有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】ε−カプロラクトンの精製法としては、
特開昭53-34789号にシクロヘキサンを酸化して得たε−
カプロラクトンを含む反応混合物を蒸留する前に高沸ハ
ルツを除去する方法が示されている。またε−カプロラ
クトンの製造法としては、特公昭34-5633 号にシクロヘ
キサノンと過酢酸を反応させる方法が記載されている。
特公昭55-36667号には環状ケトン類をアルデヒドの共存
化で液相にて分子条酸素で酸化してラクトンを製造する
方法において過酸を用いることが記載されており、シク
ロヘキサノンとp-トルアルデヒドからε−カプロラクト
ンとp-トルイル酸を製造する例などが示されている。
特開昭53-34789号にシクロヘキサンを酸化して得たε−
カプロラクトンを含む反応混合物を蒸留する前に高沸ハ
ルツを除去する方法が示されている。またε−カプロラ
クトンの製造法としては、特公昭34-5633 号にシクロヘ
キサノンと過酢酸を反応させる方法が記載されている。
特公昭55-36667号には環状ケトン類をアルデヒドの共存
化で液相にて分子条酸素で酸化してラクトンを製造する
方法において過酸を用いることが記載されており、シク
ロヘキサノンとp-トルアルデヒドからε−カプロラクト
ンとp-トルイル酸を製造する例などが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発明者等は環状ケトン
類と芳香族アルデヒドの共酸化法について検討を行い、
ラクトン類と芳香族カルボン酸を高収率、高選択率で得
られる方法を見出し特許出願を行った。ε−カプロラク
トンは高温で重合し易く、特に酸性物質が存在すると重
合が促進されε−カプロラクトンの損失が避けられず、
また変質を起し易い。特開昭53-34789号の方法によりε
−カプロラクトンと芳香族カルボン酸を含む反応混合物
を蒸留した場合には、一部の芳香族カルボン酸がε−カ
プロラクトンと共に留出するので両者の分離が困難であ
り、高純度のε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸を
得ることができなかった。
類と芳香族アルデヒドの共酸化法について検討を行い、
ラクトン類と芳香族カルボン酸を高収率、高選択率で得
られる方法を見出し特許出願を行った。ε−カプロラク
トンは高温で重合し易く、特に酸性物質が存在すると重
合が促進されε−カプロラクトンの損失が避けられず、
また変質を起し易い。特開昭53-34789号の方法によりε
−カプロラクトンと芳香族カルボン酸を含む反応混合物
を蒸留した場合には、一部の芳香族カルボン酸がε−カ
プロラクトンと共に留出するので両者の分離が困難であ
り、高純度のε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸を
得ることができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者等はこのような課
題を有するε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸の分
離法について鋭意検討した結果、ε−カプロラクトンと
芳香族カルボン酸を含む反応混合物をまず冷却して結晶
性の芳香族カルボン酸を分離した後、後段に蒸留塔を備
えた薄膜蒸発器で残芳香族カルボン酸を含む母液を処理
し、蒸留塔からの留出物の一部を還流液として戻すこと
により、ε−カプロラクトンを変質なしに芳香族カルボ
ン酸とほぼ完全に分離できるようになることを見出し、
本発明に到達した。
題を有するε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸の分
離法について鋭意検討した結果、ε−カプロラクトンと
芳香族カルボン酸を含む反応混合物をまず冷却して結晶
性の芳香族カルボン酸を分離した後、後段に蒸留塔を備
えた薄膜蒸発器で残芳香族カルボン酸を含む母液を処理
し、蒸留塔からの留出物の一部を還流液として戻すこと
により、ε−カプロラクトンを変質なしに芳香族カルボ
ン酸とほぼ完全に分離できるようになることを見出し、
本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、ε−カプロラクトンと
芳香族カルボン酸を含む反応混合物を分離するに際し、
芳香族カルボン酸の一部を晶析して結晶を分離した後、
後段に蒸留塔を備えた薄膜蒸発器で残芳香族カルボン酸
を含む母液を処理し、蒸留塔からの留出物の一部を還流
液として戻すことを特徴とするε−カプロラクトンと芳
香族カルボン酸の分離方法である。
芳香族カルボン酸を含む反応混合物を分離するに際し、
芳香族カルボン酸の一部を晶析して結晶を分離した後、
後段に蒸留塔を備えた薄膜蒸発器で残芳香族カルボン酸
を含む母液を処理し、蒸留塔からの留出物の一部を還流
液として戻すことを特徴とするε−カプロラクトンと芳
香族カルボン酸の分離方法である。
【0006】本発明におけるε−カプロラクトンと芳香
族カルボン酸を含む反応混合物は、シクロヘキサノンと
芳香族アルデヒドを分子状酸素により共酸化する方法や
シクロヘキサノンを芳香族過酸で酸化する方法等により
得られる。芳香族カルボン酸の具体例としては、安息香
酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、
アニス酸などが挙げられる。
族カルボン酸を含む反応混合物は、シクロヘキサノンと
芳香族アルデヒドを分子状酸素により共酸化する方法や
シクロヘキサノンを芳香族過酸で酸化する方法等により
得られる。芳香族カルボン酸の具体例としては、安息香
酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、
アニス酸などが挙げられる。
【0007】本発明においては、まずε−カプロラクト
ンと芳香族カルボン酸を含む反応混合物の芳香族カルボ
ン酸の一部を晶析して結晶を分離する。晶析するための
冷却温度は 0〜50℃である。芳香族カルボン酸をできる
だけ多く晶析して結晶として分離しておくことが望まし
く、必要に応じて予め該反応混合物の濃縮処理すること
も行われる。晶析装置には通常の冷却式晶析器や真空蒸
発式晶析器が用いられる。
ンと芳香族カルボン酸を含む反応混合物の芳香族カルボ
ン酸の一部を晶析して結晶を分離する。晶析するための
冷却温度は 0〜50℃である。芳香族カルボン酸をできる
だけ多く晶析して結晶として分離しておくことが望まし
く、必要に応じて予め該反応混合物の濃縮処理すること
も行われる。晶析装置には通常の冷却式晶析器や真空蒸
発式晶析器が用いられる。
【0008】本発明に用いられるε−カプロラクトンと
芳香族カルボン酸を含む反応混合物は前述の如くシクロ
ヘキサノンと芳香族アルデヒドの共酸化或いは芳香族過
酸で酸化することにより得られるので、シクロヘキサノ
ンや芳香族アルデヒド、および触媒等からの微量の不純
物が含まれる。芳香族カルボン酸の結晶を分離して得ら
れる母液には、通常ε−カプロラクトンに対して 0.1〜
5 重量倍のシクロヘキサノン、0.01〜0.8 重量倍の芳香
族カルボン酸、0.01〜0.3 重量倍の芳香族アルデヒドと
その他微量の不純物が含まれている。
芳香族カルボン酸を含む反応混合物は前述の如くシクロ
ヘキサノンと芳香族アルデヒドの共酸化或いは芳香族過
酸で酸化することにより得られるので、シクロヘキサノ
ンや芳香族アルデヒド、および触媒等からの微量の不純
物が含まれる。芳香族カルボン酸の結晶を分離して得ら
れる母液には、通常ε−カプロラクトンに対して 0.1〜
5 重量倍のシクロヘキサノン、0.01〜0.8 重量倍の芳香
族カルボン酸、0.01〜0.3 重量倍の芳香族アルデヒドと
その他微量の不純物が含まれている。
【0009】芳香族カルボン酸の結晶を分離して得られ
る母液は、次に後段に蒸留塔を備えた薄膜蒸発器で処理
する。薄膜蒸発器は滞留時間が短いのでε−カプロラク
トンの変質を避けるため用いられ、上昇薄膜型、流下膜
型などが使用できるが、攪拌式の薄膜蒸発器が特に好ま
しい。薄膜蒸発器で蒸発した芳香族カルボン酸を含む蒸
気は蒸留塔で精留する。蒸留塔の塔頂からの留出物の一
部を還流液として戻すことにより精留が促進され、ε−
カプロラクトンの損失なしに芳香族カルボン酸と完全に
分離される。
る母液は、次に後段に蒸留塔を備えた薄膜蒸発器で処理
する。薄膜蒸発器は滞留時間が短いのでε−カプロラク
トンの変質を避けるため用いられ、上昇薄膜型、流下膜
型などが使用できるが、攪拌式の薄膜蒸発器が特に好ま
しい。薄膜蒸発器で蒸発した芳香族カルボン酸を含む蒸
気は蒸留塔で精留する。蒸留塔の塔頂からの留出物の一
部を還流液として戻すことにより精留が促進され、ε−
カプロラクトンの損失なしに芳香族カルボン酸と完全に
分離される。
【0010】蒸留塔には通常の棚段塔や充填塔が用いら
れる。還流比は理論段数や操作条件により異なるが、理
論段数が 5段程度の場合には還流比が 0.1〜10の範囲が
好適である。薄膜蒸発器および蒸留塔はε−カプロラク
トンの変質を避けるためにできるだけ低い温度および圧
力で操作することが好ましい。なお常圧における沸点
は、シクロヘキサノンが 155.6℃、前述の芳香族カルボ
ン酸に対応する芳香族アルデヒドが 178〜250 ℃、ε−
カプロラクトンが 235.3℃であり、前述の芳香族カルボ
ン酸は 250℃以上である。また薄膜蒸発器では芳香族カ
ルボン酸の融点以上の温度で行う必要があり、実際的に
は圧力 0.1mmHg〜大気圧、分離された芳香族カルボン酸
の出口温度 120〜250 ℃で蒸発される。
れる。還流比は理論段数や操作条件により異なるが、理
論段数が 5段程度の場合には還流比が 0.1〜10の範囲が
好適である。薄膜蒸発器および蒸留塔はε−カプロラク
トンの変質を避けるためにできるだけ低い温度および圧
力で操作することが好ましい。なお常圧における沸点
は、シクロヘキサノンが 155.6℃、前述の芳香族カルボ
ン酸に対応する芳香族アルデヒドが 178〜250 ℃、ε−
カプロラクトンが 235.3℃であり、前述の芳香族カルボ
ン酸は 250℃以上である。また薄膜蒸発器では芳香族カ
ルボン酸の融点以上の温度で行う必要があり、実際的に
は圧力 0.1mmHg〜大気圧、分離された芳香族カルボン酸
の出口温度 120〜250 ℃で蒸発される。
【0011】次に図面を用いて本発明を説明する。図1
は本発明の方法を示すフロー図の一例である。ε−カプ
ロラクトンと芳香族カルボン酸を含む反応混合物はまず
流路1 から晶析器2 に入り結晶性芳香族カルボン酸を晶
析させる。次に流路3 から結晶分離器4 に送られ、結晶
性芳香族カルボン酸は5 より分離される。結晶性芳香族
カルボン酸が分離された後の濾過母液は、流路6 から薄
膜蒸発器7 に入り主に濾過母液中の芳香族カルボン酸の
残部が流路8 から分離される。薄膜蒸発器7 から得られ
る蒸気は流路9 から蒸留塔10に送られる。蒸留塔10の上
部には凝縮器11が設けられており、留出液の一部を流路
12から還流を行いつつ蒸留を行うことにより、流路13か
ら芳香族カルボン酸を殆ど含ないε−カプロラクトン
と、未反応のシクロヘキサノンおよび芳香族アルデヒド
の混合液が分離される。
は本発明の方法を示すフロー図の一例である。ε−カプ
ロラクトンと芳香族カルボン酸を含む反応混合物はまず
流路1 から晶析器2 に入り結晶性芳香族カルボン酸を晶
析させる。次に流路3 から結晶分離器4 に送られ、結晶
性芳香族カルボン酸は5 より分離される。結晶性芳香族
カルボン酸が分離された後の濾過母液は、流路6 から薄
膜蒸発器7 に入り主に濾過母液中の芳香族カルボン酸の
残部が流路8 から分離される。薄膜蒸発器7 から得られ
る蒸気は流路9 から蒸留塔10に送られる。蒸留塔10の上
部には凝縮器11が設けられており、留出液の一部を流路
12から還流を行いつつ蒸留を行うことにより、流路13か
ら芳香族カルボン酸を殆ど含ないε−カプロラクトン
と、未反応のシクロヘキサノンおよび芳香族アルデヒド
の混合液が分離される。
【0012】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明を更に
具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例および比
較例により制限されるものではない。
具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例および比
較例により制限されるものではない。
【0013】実施例1 (ε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸を含む反応混
合物の製造)内容積15リットル攪拌機および還流冷却器
付のSUS316製高圧反応器に、CoBr2 (6水塩) 66mg、シク
ロヘキサノン 6kgを仕込み、2,4-ジメチルベンズアルデ
ヒド480g/H で供給しながら反応温度35℃、圧力 25kg/c
m2 G で空気酸化を行った後、2,4-ジメチルベンズアル
デヒドの供給停止し、更に空気導入を 2.5時間継続し
た。このような半連続式で得られた反応液を減圧下エバ
ポレーターで過剰のシクロヘキサノンを除去した。得ら
れた反応混合物の組成は、ε−カプロラクトン 33.0wt
%、2,4-ジメチル安息香酸 46.3wt%、シクロヘキサノン
16.5wt%、2,4-ジメチルベンズアルデヒド 1.3wt% 、そ
の他の成分 2.9wt% であった。
合物の製造)内容積15リットル攪拌機および還流冷却器
付のSUS316製高圧反応器に、CoBr2 (6水塩) 66mg、シク
ロヘキサノン 6kgを仕込み、2,4-ジメチルベンズアルデ
ヒド480g/H で供給しながら反応温度35℃、圧力 25kg/c
m2 G で空気酸化を行った後、2,4-ジメチルベンズアル
デヒドの供給停止し、更に空気導入を 2.5時間継続し
た。このような半連続式で得られた反応液を減圧下エバ
ポレーターで過剰のシクロヘキサノンを除去した。得ら
れた反応混合物の組成は、ε−カプロラクトン 33.0wt
%、2,4-ジメチル安息香酸 46.3wt%、シクロヘキサノン
16.5wt%、2,4-ジメチルベンズアルデヒド 1.3wt% 、そ
の他の成分 2.9wt% であった。
【0014】(芳香族カルボン酸の分離)上記の反応混合
物を図1のフローに従ってジャケット付晶析器に供給
し、内部温度を 5℃となるように冷媒流量を調節して結
晶化を行った。平均滞留時間は 2時間であった。得られ
たスラリーをバスケットタイプの遠心分離機で濾過し
た。流路6 からの分離母液の組成は、ε−カプロラクト
ン 55.6wt%、2,4-ジメチル安息香酸 9.5wt% 、シクロヘ
キサノン 27.8wt%、2,4-ジメチルベンズアルデヒド 2.2
wt% 、その他の成分 4.9wt% であった。この分離母液を
理論段 5段の充填塔付薄膜蒸発器に 540g/h で連続的に
供給し、絶対圧 5mmHg、薄膜蒸発器の排出温度 169℃、
蒸留塔頂部温度94℃、還流比 0.4で蒸留を行った。この
結果、流路13からの留出液が465g/h 得られ、その組成
はε−カプロラクトン 63.9wt%、シクロヘキサノン 32.
2wt%、2,4-ジメチルベンズアルデヒド2.55wt% 、2,4-ジ
メチル安息香酸 50ppmであった。また流路8 からは 75g
/hの割合でε−カプロラクトン 3.9wt%、2,4-ジメチル
安息香酸 68.4wt%、その他高沸成分27.7wt% の組成物が
分離された。この場合は、ε−カプロラクトンの変質は
殆ど無く、仕込み量に対して約99% が留出されており、
また2,4-ジメチル安息香酸は流路8 からほぼ全量回収さ
れている。
物を図1のフローに従ってジャケット付晶析器に供給
し、内部温度を 5℃となるように冷媒流量を調節して結
晶化を行った。平均滞留時間は 2時間であった。得られ
たスラリーをバスケットタイプの遠心分離機で濾過し
た。流路6 からの分離母液の組成は、ε−カプロラクト
ン 55.6wt%、2,4-ジメチル安息香酸 9.5wt% 、シクロヘ
キサノン 27.8wt%、2,4-ジメチルベンズアルデヒド 2.2
wt% 、その他の成分 4.9wt% であった。この分離母液を
理論段 5段の充填塔付薄膜蒸発器に 540g/h で連続的に
供給し、絶対圧 5mmHg、薄膜蒸発器の排出温度 169℃、
蒸留塔頂部温度94℃、還流比 0.4で蒸留を行った。この
結果、流路13からの留出液が465g/h 得られ、その組成
はε−カプロラクトン 63.9wt%、シクロヘキサノン 32.
2wt%、2,4-ジメチルベンズアルデヒド2.55wt% 、2,4-ジ
メチル安息香酸 50ppmであった。また流路8 からは 75g
/hの割合でε−カプロラクトン 3.9wt%、2,4-ジメチル
安息香酸 68.4wt%、その他高沸成分27.7wt% の組成物が
分離された。この場合は、ε−カプロラクトンの変質は
殆ど無く、仕込み量に対して約99% が留出されており、
また2,4-ジメチル安息香酸は流路8 からほぼ全量回収さ
れている。
【0015】比較例1 実施例1で得られた反応混合物を薄膜蒸発器に導入し、
還流を無しで蒸留を行った。蒸留塔頂部温度は96℃であ
り、薄膜蒸発器の排出温度が 169℃となるように加熱源
を調節した。この結果、流路13からの留出液が 485g/h
得られ、その組成はε−カプロラクトン 61.5wt%、2,4-
ジメチル安息香酸 4.0wt% 、シクロヘキサノン 30.9wt
% 、2,4-ジメチルベンズアルデヒド 2.44wt%であった。
また流路8 からは55g/h の割合でε−カプロラクトン
3.0wt%、2,4-ジメチル安息香酸 57.6wt%、その他高沸成
分39.4wt% の組成物が分離された。この場合は、ε−カ
プロラクトンの変質が殆ど無く、仕込み量に対して約9
9.4% が留出しているが、2,4-ジメチル安息香酸の分離
が不充分である。
還流を無しで蒸留を行った。蒸留塔頂部温度は96℃であ
り、薄膜蒸発器の排出温度が 169℃となるように加熱源
を調節した。この結果、流路13からの留出液が 485g/h
得られ、その組成はε−カプロラクトン 61.5wt%、2,4-
ジメチル安息香酸 4.0wt% 、シクロヘキサノン 30.9wt
% 、2,4-ジメチルベンズアルデヒド 2.44wt%であった。
また流路8 からは55g/h の割合でε−カプロラクトン
3.0wt%、2,4-ジメチル安息香酸 57.6wt%、その他高沸成
分39.4wt% の組成物が分離された。この場合は、ε−カ
プロラクトンの変質が殆ど無く、仕込み量に対して約9
9.4% が留出しているが、2,4-ジメチル安息香酸の分離
が不充分である。
【0016】
【発明の効果】本発明の方法によればε−カプロラクト
ンと芳香族カルボン酸を含む反応混合物から、芳香族カ
ルボン酸がほぼ完全に分離され、ε−カプロラクトンの
変質が殆ど無く、全量回収される。本発明はシクロヘキ
サノンからε−カプロラクトンを製造する際に非常に有
用な方法である。
ンと芳香族カルボン酸を含む反応混合物から、芳香族カ
ルボン酸がほぼ完全に分離され、ε−カプロラクトンの
変質が殆ど無く、全量回収される。本発明はシクロヘキ
サノンからε−カプロラクトンを製造する際に非常に有
用な方法である。
【0017】
図1は本発明の方法を示すフロー図の一例である。 2 : 晶析器 4 : 結晶分離器 7 : 薄膜蒸発器 10 : 蒸留塔
Claims (1)
- 【請求項1】ε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸を
含む反応混合物を分離するに際し、芳香族カルボン酸の
一部を晶析して結晶を分離した後、後段に蒸留塔を備え
た薄膜蒸発器で残芳香族カルボン酸を含む母液を処理
し、蒸留塔からの留出物の一部を還流液として戻すこと
を特徴とするε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸の
分離方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3181983A JP3045195B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | ε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸の分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3181983A JP3045195B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | ε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸の分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0565279A true JPH0565279A (ja) | 1993-03-19 |
JP3045195B2 JP3045195B2 (ja) | 2000-05-29 |
Family
ID=16110274
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3181983A Expired - Fee Related JP3045195B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | ε−カプロラクトンと芳香族カルボン酸の分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3045195B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005139110A (ja) * | 2003-11-06 | 2005-06-02 | Ecology Maximum Co Ltd | ε−カプロラクトンの製造方法、並びに、ε−カプロラクトンを用いたポリカプロラクトンの製造方法 |
JP2012214511A (ja) * | 2012-08-09 | 2012-11-08 | Mitsubishi Chemicals Corp | 高純度ビニレンカーボネートの製造方法 |
CN107118199A (zh) * | 2017-06-09 | 2017-09-01 | 中山大学惠州研究院 | 一种萃取提纯ε‑己内酯的方法 |
CN107129483A (zh) * | 2017-06-09 | 2017-09-05 | 中山大学惠州研究院 | 一种结晶提纯ε‑己内酯的方法 |
-
1991
- 1991-06-26 JP JP3181983A patent/JP3045195B2/ja not_active Expired - Fee Related
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