JPH0565271B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、溶接ラインに沿つて設置されたスポ
ツト溶接機の溶接用電極をオートドレツサにより
研摩するスポツト溶接用電極の自動研摩装置に関
するものである。

（従来技術） 従来、例えば実開昭62−10975号公報に示され
るように、スポツト溶接機の電極チツプを挟持す
る挟持機構を備えた自動電極整形機をスポツト溶
接機の側方に設置し、スポツト溶接機の非作動時
に、上記チツプ挟持機構により挟持された電極チ
ツプを研削工具の対向位置に搬送して電極チツプ
の研摩を行なうようにしたものが知られている。
この従来装置では、各スポツト溶接機に対応させ
て自動電極整形機（研摩装置）がそれぞれ設置さ
れており、溶接ラインに多数のスポツト溶接機が
設置されている場合、これに応じた数の自動電極
整形機が必要となり、設備の設置費用および維持
費が高くなるという問題がある。また、スペース
上、上記スポツト溶接機にそれぞれ対応させて自
動電極整形機を設置することができない溶接ライ
ンにおいては、溶接ラインの稼動を停止させた状
態で作業者が各スポツト溶接機の電極を研摩用工
具によつて研摩するようにしており、この場合に
は作業が煩雑であるとともに、溶接ラインが停止
されることによつて溶接ラインの生産性が低下す
るという問題がある。

（発明の目的） 本発明は、上記問題点を解決するためになされ
たものであり、一台の自動研摩装置によつて多数
のスポツト溶接用電極を順次研摩することがで
き、設備の設置費用および維持費を安価に抑える
ことができるとともに、溶接ラインを停止させる
ことなく、上記電極を自動的に研摩することがで
きるスポツト溶接用電極の自動研摩装置を提供す
るものである。

（発明の構成） 本発明は、複数のワークステーシヨンを有する
溶接ラインに沿つて設置されたスポツト溶接機の
溶接用電極をオートドレツサにより研摩するスポ
ツト溶接用電極の自動研摩装置であつて、上記ワ
ークステーシヨンにそれぞれ配設されたワーク受
け治具と、ハンガコンベアからなる溶接ラインの
ワーク搬送手段で搬送される基台と、この基台上
の所定位置に設置されたオートドレツサと、上記
基台を溶接ラインのワーク受け治具に対して位置
決めする位置決め手段とを備え、上記基台に形成
された位置決め孔と、上記ワーク受け治具に設置
された昇降機構と、この昇降機構によつて昇降駆
動されて上記位置決め孔に嵌入される位置決めピ
ンとによつて上記位置決め手段を構成するととも
に、上記基台がワークステーシヨンに到達したこ
とが確認された時点からタイマによつてセツトさ
れた設定時間に亘つて上記オートドレツサの駆動
モータを駆動する電源および制御回路を基台上に
設けたものである。

上記の構成によれば、ハンガコンベアからなる
ワーク搬送手段によつて基台が搬送されてワーク
ステーシヨンに到達すると、位置決め手段によつ
て上記基台がワーク受け治具の所定位置に位置決
めされるとともに、この基台上に設置されたオー
トドレツサがタイマによつてセツトされた設定時
間に亘つて回転駆動される。そして上記オートレ
ツサの切削刃にスポツト溶接機の溶接用電極を当
接させることにより、この溶接用電極が自動研摩
されることとなる。

（実施例） 第１図および第２図は、本発明に係るスポツト
溶接用電極の自動研摩装置の実施例を示してい
る。上記自動研摩装置は、ハンガコンベアからな
る溶接ラインのワーク搬送手段１により搬送され
る基台２と、この基台２上の所定位置に支持ブラ
ケツト３によつて処置されたオートドレツサ４
と、このオートドレツサ４を駆動する電源および
制御回路等が設けられる駆動手段５とを備えてい
る。

上記基台２には、溶接ラインのワークステーシ
ヨンに設置されたワーク受け治具６に対する位置
決めの基準となる一対の位置決め孔７が形成され
ている。そして、上記ワーク受け治具６上に設置
された位置決めピン８が昇降機構１４によつて上
昇駆動され、その先端部が上記位置決め孔７内に
嵌入されることにより、基台２がワークステーシ
ヨンの所定位置に位置決めされた状態でワーク受
け治具６上に載置されるようになつている。すな
わち、上記基台２の位置決め孔７と、ワーク受け
治具６の位置決めピン８と、その昇降機構１４と
によつて受け治具６に対する基台２の位置決め手
段が構成されている。

上記オートドレツサ４は、第３図に示すよう
に、駆動モータ９と、この駆動モータ９のケース
に固定された基板１０と、この基板１０に回転自
在に支持された研削刃１１と、上記駆動モータ９
の回転力を研削刃１１に伝達するチエーン機構１
２とを備え、上記研削刃１１が後述するスポツト
溶接機の設置状態等に応じて上向きもしくは横向
きの状態で基台２上に取付けられている。また、
オートドレツサ４の駆動モータ９は、上記制御手
段６によつて制御され、上記基台２がワークステ
ーシヨンに到達したことが図外のセンサ等により
検出された時点から、タイマによりセツトされた
設定時間に亘り駆動されるように構成されてい
る。

上記構成の自動研摩装置よつてスポツト溶接用
電極を研摩する方法について説明する。すなわ
ち、スポツト溶接機の電極を研摩する時期が到来
すると、第２図に示すように、自動車の車体等か
らなるワークＷを搬送するワーク搬送手段１のハ
ンガー１３に上記基台２を載置させ、このワーク
搬送手段１によつて基台２を搬送する。そして、
上記基台２がワークステーシヨンに到達した時点
でワーク受け治具６を昇降機構１３によつて上昇
させることにより、第４図に示すように、ワーク
受け治具６上に設けられた位置決めピン８の先端
部を基台２の位置決め孔７内に嵌入し、基台２を
位置決めする。

また、上記基台２がワークステーシヨンに到達
したことが図外のセンサ等により検出された時点
でオートドレツサ４の駆動モータ９の駆動を開始
し、上記研削刃１１をタイマによりセツトされた
設定時間に亘り回転状態に維持する。次に、溶接
ラインに沿つて設置されたスポツト溶接機１４を
作動させ、その先端に設けられた溶接用電極１５
をオートドレツサ４の研削刃１１に当接させて研
削する。上記スポツト溶接機１４の研摩制御は、
基台２が上記ワークステーシヨンに搬入されたこ
とを検出するセンサ等からの出力信号に応じて開
始され、かつスポツト溶接機１４の制御部に予め
記憶させたオートドレツクサ４の設置位置のデー
タに基づいて行なわれる。

上記ワークステーシヨンに設置されたスポツト
溶接機１４の電極研摩が終了すると、上記基台２
は搬送手段１により次工程のワークステーシヨン
に搬送され、このワークステーシヨンに設置され
たスポツト溶接機の電極研摩に使用される。

このようにハンガコンベアからなるワークＷの
搬送手段１を利用してオートドレツサ４が設置さ
れた基台２をワークステーシヨンに搬送し、上記
基台２がスポツト溶接機１４の設置位置に到達し
た時点で上記オートドレツサ４によつてスポツト
溶接機１４の溶接用電極１５を自動的に研摩する
ように構成したため、溶接ラインの稼動を停止さ
せることなく、一台の研摩装置によつて各ワーク
ステーシヨンに設置されたスポツト溶接機１４の
電極を順次自動的に研摩することができる。した
がつて、生産性を低下させることなく、必要に応
じて上記溶接用電極１５を簡単に研摩することが
できるとともに、各スポツト溶接機に対応させて
研摩装置を設けた場合に比べて設備の設置費用お
よび維持費を安価に抑えることができる。

また、上記基台２に形成された位置決め孔７に
位置決めピン８を嵌入することにより、上記基台
２を溶接ラインのワーク受け治具６に対して位置
決めする位置決め手段を設けたため、搬送物を適
正に位置決めすることが困難なハンガコンベアか
らなる搬送手段１によつて搬送された上記基台２
の所定位置に正確に対応させた状態で位置決めす
ることができる。したがつて、上記基台２上に設
置されたオートドレツサ４の位置をスポツト溶接
機１４の制御部に予め記憶させておくことによ
り、オートドレツサ４の位置を確認するという煩
雑な作業を必要とすることなく、溶接用電極１５
を正確かつ容易に研摩することができる。

また、上記のように基台２がワークステーシヨ
ンに到達した時点からタイマによつてセツトされ
た設定時間に亘り、オートドレツサ４の駆動モー
タ９を駆動するように構成したため、上記基台２
がワークステーシヨンに到達したことを作業者が
確認して上記駆動モータ９の駆動および停止を行
うという煩雑な作業が不要となり、スポツト溶接
用電極を迅速かつ自動的に研摩することができ
る。しかも上記駆動モータ９を常時駆動状態とす
るように構成した場合に比べ、消費電力を低減し
て設備の維持費を安価に抑えることができる。

また、上記基台２上に電源および制御回路等を
備えた駆動手段５を配設したため、ワークステー
シヨン側から駆動電力を供給する必要はなく、配
線構造を簡略化することができるとともに、各ワ
ークステーシヨンに基台が到着する度に電源を接
続する等の煩雑な作業が不要となり、作業能率を
向上させることができる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明に係るスポツト溶
接用電極の自動研磨装置は、上記ワーク搬送手段
により搬送された基台をワーク受け治具に対して
位置決めする位置決め手段を設け、上記基台上の
所定位置に位置されたオートドレツサをワーク受
け治具上の所定位置に正確に対応させた状態で設
置できるようにしたため、簡単な構成で上記溶接
用電極の研摩を正確かつ迅速に行なうことがで
き、しかも消費電力を低減して設備の維持費を安
価に抑えることができるるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るスポツト溶接用電極の自
動研摩装置の実施例を示す斜視図、第２図はワー
ク搬送手段の構成を示す正面図、第３図はオート
ドレツサの構成を示す斜視図、第４図はスポツト
溶接用電極の研摩状態を示す斜視図である。 １……ワーク搬送手段、２……基台、４……オ
ートドレツサ、５……駆動手段（電源および制御
回路）、６……ワーク受け治具、７……位置決め
孔、８……位置決めピン、９……駆動モータ、１
３……昇降機構、１５……溶接用電極。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数のワークステーシヨンを有する溶接ライ
   ンに沿つて設置されたスポツト溶接機の溶接用電
   極をオートドレツサにより研摩するスポツト溶接
   用電極の自動研摩装置であつて、上記ワークステ
   ーシヨンにそれぞれ配設されたワーク受け治具
   と、ハンガコンベアからなる溶接ラインのワーク
   搬送手段で搬送される基台と、この基台上の所定
   位置に設置されたオートドレツサと、上記基台を
   溶接ラインのワーク受け治具に対して位置決めす
   る位置決め手段とを備え、上記基台に形成された
   位置決め孔と、上記ワーク受け治具に設置された
   昇降機構と、この昇降機構によつて昇降駆動され
   て上記位置決め孔に嵌入される位置決めピンとに
   よつて上記位置決め手段を構成するとともに、上
   記基台がワークステーシヨンに到達したことが確
   認された時点からタイマによつてセツトされた設
   定時間に亘つて上記オートドレツサの駆動モータ
   を駆動する電源および制御回路を基台上に設けた
   ことを特徴とするスポツト溶接用電極の自動研摩
   装置。