JPH056284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、各種プリンタ、複写機等における給
紙装置に関する。

［従来の技術］ 従来、各種プリンタ、複写機等における給紙装
置は、汎用されているプリント用紙、コピー用紙
等の薄手用紙（薄手の単票用紙を指す。）の給紙
を果たすものである。そして、一般的な給紙装置
にあつては、薄手用紙を積層状に保持するペーパ
ーホルダに対し、同用紙における紙送り方向の前
端左右隅角部の上面に係合し、送りローラの回転
による薄手用紙の送り出し時（給紙時）に同用紙
の前記隅角部分に積極的に撓みを生じさせること
により、紙捌きを果たす分離爪が設けられてお
り、薄手用紙が１枚ずつ確実に給紙されるように
なつている。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の給紙装置において、郵便はがきのような
厚手用紙に印刷あるいは複写を行うべく、同厚手
用紙を給紙したいと思つても、厚手用紙がもつ剛
性によつて、その給紙を行うことは構造上困難で
ある。すなわち、仮に、従来の給紙装置のペーパ
ーホルダに厚手用紙をセツトして、同用紙の給紙
を行おうとしても、ペーパーホルダの分離爪に係
合した厚手用紙の前端隅角部に撓みがほとんど生
じないことから、結局、その厚手用紙を給紙する
ことが困難である。

また、近年、厚手用紙を給紙するための専用の
給紙装置も提案されているが、これは薄手用紙用
給紙装置と全面的に交換して使用するものであ
り、生産コストが高く付くと共に、給紙装置の交
換に繁雑な作業が必要とされる問題がある。

そこで本考案は、前記した問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的はプリント用
紙、コピー用紙等の薄手用紙の他、郵便はがき
（官製はがき及び私製はがき）及びそれに類する
用紙等の厚手用紙の給紙を可能とする給紙装置を
提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 前記課題を解決するための本考案の給紙装置
は、各種プリンタ、複写機等の本体のフレームに
横方向に揺動可能に取り付けられ、かつ用紙を積
層収容すると共に用紙分離用の分離爪を備えたペ
ーパーホルダと、上記ペーパーホルダに着脱可能
にセツトされ、かつ用紙を積層収容すると共にフ
リクシヨン式の給紙機構を実現する厚手用紙ホル
ダと、上記ペーパーホルダもしくは厚手用紙ホル
ダ内の積層された用紙を送り出すローラと、前記
積層された用紙をはさんで前記送りローラと対向
する位置に設けられ、前記積層された用紙の前記
送りローラと対向する面とは反対側の面より、前
記ペーパーホルダもしくは厚手用紙ホルダ内の積
層された用紙に共通して当該用紙を前記送りロー
ラ側に付勢する押圧手段とを備えてなる。

［作用］ 前記手段によれば、薄手用紙の場合には、ペー
パーホルダに薄手用紙が積層状に保持されるとと
もに、押圧手段によつて該用紙が送りローラに押
圧され、その用紙の前端左右隅角部に分離爪が係
合される。この状態で送りローラを回転させるこ
とにより、最上端の薄手用紙が分離爪による紙捌
きを受けて給紙される。

また厚手用紙の場合には、着脱可能な厚手用紙
ホルダが前記ペーパーホルダにセツトされる。こ
のホルダ内にて厚手用紙が前記薄手用紙用分離爪
との係合が回避された状態で積層状に保持される
とともに、前記押圧手段によつて該用紙が送りロ
ーラに押圧される。この状態で送りローラを回転
させることにより、最上端の厚手用紙が給紙され
る。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明する。まず、給紙装置を備えたプリンタの概要
について、プリンタの全体を斜視図で示した第９
図、及びプリンタの要部を断面図で示した第１０
図を参照して述べる。

プリンタ本体１の上面の後部には、左右一対の
ペーパーホルダ２，３、及び両ホルダ２，３の間
に位置するペーパーホルダ４がそれぞれ傾斜状に
配置されている。このペーパーホルダ２〜４には
印刷前の薄手用紙（単票用紙）Ｐが積層状に寄り
掛けるようにして置かれる。またプリンタ本体１
の前部には、左右一対のスタツカ５，６がそれぞ
れ傾斜状に配置されている。

上記したプリンタにおいて、前記ペーパーホル
ダ２〜４上の最上端の薄手用紙Ｐは、送りローラ
８の回転によつて、給紙口９を通じてプラテン１
０と挟持ローラ１１との間に給紙され、さらにプ
ラテン１０の回転に伴う挟持ローラ１１及びガイ
ドローラ１２，１３の回転により印字位置に送ら
れ、印字ヘツド１４により印字された後、プラテ
ン１０とペーパーベイル１５との回転、及び排出
ローラ１６の回転により排出口７から排出され、
スタツカ５，６上に積層状に保持される。なお、
この用紙の流れが第１０図に一点鎖線矢印で示さ
れている。

しかして前記ペーパーホルダ２〜４は、第１０
図の他、第１１図に斜視図で示されるように、縦
長平板状にそれぞれ形成され、その下端部背面の
係合部１７が前記プリンタ本体１の支持フレーム
１８に対し片持ち状にかつ左右方向に摺動可能に
支持されている。なお支持フレーム１８は、プリ
ンタ本体１の左右のサイドフレーム１９の間にビ
ス１９ａにより締着されている。また送りローラ
８は、サイドフレーム１９の間に積極的に回転可
能に架設した軸８ａ上に摺動可能に２個配置され
ている。

左右のペーパーホルダ２，３の下端部には薄手
用紙Ｐの送り出し方向の前端（下端）に当接する
前板部２０が形成されていると共に、その外側縁
部には同用紙Ｐの左右側縁を案内する側板部２１
が形成されている。この側板部２１の下端部上縁
には半円状の凹部２４が形成されている。この凹
部２４は、前記送りローラ８の外側ボス部８ｂに
相対的に回転可能に係合されており、ペーパーホ
ルダ２，３の左右方向への摺動に伴い、送りロー
ラ８を軸８ａに沿つて摺動させる。また側板部２
１の下端部には開口孔２２が開けられている。開
口孔２２には、長尺状の押圧部材２３が嵌挿され
ている。

押圧部材２３は、プリンタ本体１側に配置され
た適宜の弾性手段によつて紙面上方へ向けて付勢
されており、薄手用紙Ｐの前端部を送り出しロー
ラ８へ向けて押圧している。なおこの押圧部材２
３と弾性手段によつて、本考案でいう押圧手段が
構成されている。

前記ペーパーホルダ２，３の側板部２１の対向
面には、薄手用紙Ｐの左右側縁部の上面に接面す
る押え片２５がそれぞれ突出されている。

またペーパーホルダ２，３の前板部２０と側板
部２１とのなす隅角部には、三角片状をした分離
爪２６が開口孔２２上に隣接して形成されてい
る。分離爪２６は、薄手用紙Ｐにおける紙送り方
向の前端左右隅角部の上面に係合し、薄手用紙Ｐ
の給紙時に同用紙Ｐの前記隅角部分に積極的に撓
みを生じさせることにより、紙捌きを果たす。

なお、上記したプリンタは、コンピユータ、ワ
ードプロセツサ等に接続して使用される。

しかして、上記プリンタのペーパーホルダ２〜
４に、薄手用紙Ｐに代えて郵便はがきのような厚
手用紙をセツトして、同用紙の給紙を行おうとし
ても、ペーパーホルダ２，３の分離爪２６が係合
した厚手用紙の前端隅角部に薄手用紙Ｐのような
撓みがほとんど生じないことから、該厚手用紙を
給紙することが困難である。

そこで、上記したプリンタにおいて、フリクシ
ヨン式の給紙機構を実現して郵便はがきのような
厚手用紙の給紙を可能とする厚手用紙ホルダ２７
について、そのホルダ２７を設置したプリンタの
要部を断面図で示した第１図、同プリンタを斜視
図で示した第２図、同プリンタのペーパーホルダ
を平面図で示した第３図、及び厚手用紙ホルダを
斜視図で示した第４図を参照して詳述する。

厚手用紙ホルダ２７は、厚手用紙PCの送り出
し方向の前端に当接する前板２８と、同用紙PC
の左右側縁を案内する左右の側板２９とを有し、
かつ前板２８と平行をなす連結板３０により矩形
枠状に形成されている。

前板２８及び側板２９の前端部は、側板２９の
後部よりも低い高さで形成されており、前記ペー
パーホルダ２〜４と送りローラ８の軸８ａとの間
に裝入可能となつている。なお、ホルダ裝入時に
は前板２８がペーパーホルダ２，３の前板部２０
に当接される。

さらに両側板２９の前端部上縁には半円状の凹
部３１がそれぞれ形成されている。この凹部３１
は、前記左右の送りローラ８の各外側ボス部８ｂ
にそれぞれ相対的に回転可能に係合される。

両側板２９の前端部下側には切欠き溝３２が形
成されている。この切欠き溝３２によつて、前記
押圧部材２３の押圧移動が許容される。

前板２８の中央部上端には、紙捌き部３３が突
出されている。この紙捌き部３３の上端縁は、第
５図に示すように、円形断面をなす曲面３４とな
つている。

上記した厚手用紙ホルダ２７は、以下のように
してペーパーホルダ２〜４上に設置される。まず
ペーパーホルダ２〜４を左右の押え片２５の間の
距離が厚手用紙ホルダ２７の幅とほぼ一致するよ
うに摺動させる。実施例では、第３図に示すよう
に、ペーパーホルダ２〜４を互いに当接させたと
き押え片２５の間の距離が厚手用紙ホルダ２７の
幅とほぼ一致する。そして、前板２８がペーパー
ホルダ２，３の前板部２０に当接されるように、
そのホルダ前端部を送りローラ８の幅８ａとペー
パーホルダ２〜４との間に装入する。

従つて、送りローラ８は同ホルダ２７の枠内の
前端部に位置されると共に、厚手用紙ホルダ２７
は左右の押え片２５による左右位置決め作用によ
つて分離爪２６よりも内側においてペーパーホル
ダ２〜４上に取り外し自在に設置される。

そして、厚手用紙ホルダ２７の枠内には厚手用
紙PCが積層状にセツトされ、同用紙PCは前記押
圧部材２３によつて送りローラ８の方へ押圧され
る。

この状態で、送りローラ８を回転させることに
より、最上端の厚手用紙PCが前方へ送り出され
る。このとき厚手用紙PCは、第５図に示すよう
に、前板２８の紙捌き部３３の曲面３４を乗り越
えながら送り出されることによつて、次の厚手用
紙PCと捌かれて、確実に１枚の厚手用紙PCが給
紙される。なおこの厚手用紙PCは、その後、薄
手用紙Ｐの場合と同様、第１図に一点鎖線矢印で
示す流れに沿つて送り出された後、排出口７から
スタツカ５，６上に排出される。

また、厚手用紙ホルダ２７を設置時とは逆に、
ペーパーホルダ２〜４上から取り外せば、再び薄
手用紙Ｐの給紙を行うことができる。

なお上記実施例の前板２８の紙捌き部３３の曲
面３４に代えて、第６図に示すように、上方に向
かうにしたがつて送り出し方向に傾斜する傾斜面
３５に形成してもよい。また前板２８を傾斜させ
て傾斜面３５の代用とすることもできる。

また第７図及び第８図に示すように、厚手用紙
ホルダ２７の両側板２９の底部に横架材３６を架
設し、同横架材３６にガイド板３７の下端部を左
右方向へ摺動可能に係合することにより、各種サ
イズの厚手用紙PCに対応してガイド板３７を調
節して、同用紙PCの側縁をガイド板３７と一方
の側板２９とで案内することができる。

［考案の効果］ すなわち本考案によれば、薄手用紙の場合は、
ペーパーホルダ上に保持させることによつて、分
離爪による紙捌きを受けることで、薄手用紙に適
した給紙が行える。また厚手用紙の場合は、着脱
自在な厚手用紙ホルダをペーパーホルダにセツト
することによつて、分離爪による紙捌きを受けな
いので、厚手用紙に適した給紙が行える。

また厚手用紙用ホルダをペーパーホルダ上に設
置して、厚手用紙の給紙を可能としたことによつ
て、従来の厚手用紙専用の給紙装置を要するもの
と異なり、生産コストが低減されると共にそのホ
ルダの着脱が容易に行える。

また押圧手段が薄手用紙および厚手用紙に共通
して当該用紙を送りローラ側に押圧するものであ
るから、厚手用紙用に専用の押圧手段を設ける必
要がなく、よつてコスト低減が図れる。例えば特
開昭61−263530号公報に開示された自動給紙装置
では、薄手用紙のための押圧手段の他に、厚手用
紙に専用の押圧手段が別個に設けられていること
から、構造が複雑で部品点数も多くなり、このた
めコストが高くつくことになるが、本考案ではそ
のような不具合が改善される。

上記した効果は、近年増えつつある一般家庭用
プリンタ、複写機等のコンパクトタイプのものに
おける厚手用紙ホルダとして有益である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は厚手用紙ホルダを設置したプリンタの要部の説
明断面図、第２図は同プリンタの略体斜視図、第
３図はペーパーホルダの平面図、第４図は厚手用
紙ホルダの斜視図、第５図は同ホルダの紙捌き部
の断面図、第６図は紙捌き部の別例を示す断面
図、第７図はガイド板付厚手用紙ホルダの斜視
図、第８図は同ホルダのガイド板の取付部の断面
図である。また第９図は実施例が対象とするプリ
ンタの略体斜視図、第１０図は同プリンタの要部
の説明断面図、第１１図は同プリンタのペーパー
ホルダを支持フレーム及び押圧部材と共に示す分
解斜視図である。 ２〜４……ペーパーホルダ、８……送りロー
ラ、２３……押圧部材、２６……分離爪、２７…
…厚手用紙ホルダ、２８……前板、２９……側
板、Ｐ……薄手用紙、PC……厚手用紙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 各種プリンタ、複写機等の本体のフレームに
   横方向に揺動可能に取り付けられ、かつ用紙を
   積層収容すると共に用紙分離用の分離爪を備え
   たペーパーホルダと、上記ペーパーホルダに着
   脱可能にセツトされ、かつ用紙を積層収容する
   と共にフリクシヨン式の給紙機構を実現する厚
   手用紙ホルダと、上記ペーパーホルダもしくは
   厚手用紙ホルダ内の積層された用紙を送り出す
   送りローラと、前記積層された用紙をはさんで
   前記送りローラと対向する位置に設けられ、前
   記積層された用紙の前記送りローラと対向する
   面とは反対側の面より、前記ペーパーホルダも
   しくは厚手用紙ホルダ内の積層された用紙に共
   通して当該用紙を前記送りローラ側に付勢する
   押圧手段とを備えてなる給紙装置。 (2) 前記厚手用紙ホルダにおける前記押圧手段の
   作用位置が無底となつている実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の給紙装置。