JPH0562813A - 永久磁石材料の製造方法 - Google Patents

永久磁石材料の製造方法

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JPH0562813A
JPH0562813A JP3244476A JP24447691A JPH0562813A JP H0562813 A JPH0562813 A JP H0562813A JP 3244476 A JP3244476 A JP 3244476A JP 24447691 A JP24447691 A JP 24447691A JP H0562813 A JPH0562813 A JP H0562813A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 片ロール法を用いて永久磁石材料を製造する
方法において、結晶粒径のばらつきを抑える。 【構成】 不活性ガス雰囲気中で、Nd−Fe−B系合
金溶湯11をノズル12から射出し、ノズルに対して回
転している冷却ロール13の周面に衝突させ、冷却ロー
ル周面と接触させることにより前記合金を一方向から冷
却する工程において、前記冷却ロールの回転に起因する
ガス流が、溶湯状の合金から構成されるパドル113付
近に当たることを防ぐように、前記冷却ロール周面近傍
に風防2を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、R(RはYを含む希土
類元素である。以下同じ。)、FeおよびBを含むか、
あるいはさらにCoを含むFe−(Co)−R−B系の
永久磁石材料を片ロール法により製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高性能を有する希土類磁石としては、粉
末冶金法によるSm−Co系磁石でエネルギー積32MG
Oeのものが量産されている。しかし、このものはSm、
Coの原料価格が高いという欠点を有する。希土類元素
の中では原子量の小さい元素、例えば、セリウムやプラ
セオジム、ネオジムは、サマリウムよりも豊富にあり価
格が安い。また、FeはCoに比べ安価である。そこ
で、近年、Nd−Fe−B等のR−Fe−B系磁石が開
発され、特開昭60−9852号公報では高速急冷法に
よるものが開示されている。
【0003】高速急冷法は、金属の溶湯を冷却基体表面
に衝突させて急冷し、薄帯状、薄片状、粉末状などの金
属を得る方法であり、冷却基体の種類により、片ロール
法、双ロール法、ディスク法等に分類される。これらの
高速急冷法のうち、片ロール法では冷却基体として1個
の冷却ロールを用いる。そして、溶湯状の合金をノズル
から射出し、ノズルに対して回転している冷却ロールの
周面に衝突させ、冷却ロール周面と接触させることによ
り合金を一方向から冷却し、通常、薄帯状の急冷合金を
得る。合金の冷却速度は、通常、冷却ロールの周速度に
より制御される。片ロール法は、機械的に制御する部分
が少なく安定性が高く、経済的であり、また、保守も容
易であるため汎用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】R−Fe−B系合金は
極めて酸化され易いため、その高速急冷は不活性ガス雰
囲気中で行なわれる。回転する冷却ロールの周面付近の
不活性ガスは、ガスの粘性により冷却ロール回転方向に
進行するガス流となる。このため片ロール法では、冷却
ロール周面付近の不活性ガスが冷却ロールの回転に伴っ
て溶湯状合金と冷却ロール周面との間に巻き込まれる。
巻き込まれた不活性ガスは、合金と冷却ロール周面との
接触を阻害するため合金の冷却速度が低下し、巻き込み
部分での結晶粒が粗大化する。従って、ロール面(冷却
時に冷却ロール周面と接触した面)側の結晶粒径が不均
一となり、また、フリー面(ロール面に対向する面)側
もその影響を受け、結晶粒径が大きくなってしまう。
【0005】また、片ロール法により製造された急冷合
金は、ロール面側における冷却速度がフリー面側におけ
る冷却速度よりも大きいため、例えばフリー面側の結晶
粒径はロール面側の結晶粒径の10倍程度以上にも達し
てしまう。このため、最適な結晶粒径を有する領域が極
めて狭くなってしまい、高い磁気特性を得ることが困難
である。また、このため、急冷合金を粉砕したとき、得
られる磁石粉末中には高磁気特性の磁石粒子と低磁気特
性の磁石粒子とが混在することになり、この磁石粉末を
樹脂バインダ中に分散しボンディッド磁石とした場合、
磁石全体として高磁気特性が得られないばかりでなく、
磁気特性が部分的に異なるボンディッド磁石となってし
まう。
【0006】本発明は、このような事情からなされたも
のであり、片ロール法を用いて永久磁石材料を製造する
方法において、結晶粒径のばらつきを抑えることを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(9)の本発明により達成される。 (1)不活性ガス雰囲気中において、R(ただし、Rは
Yを含む希土類元素の1種以上である。)と、Feまた
はFeおよびCoと、Bとを含有する溶湯状の合金をノ
ズルから射出し、ノズルに対して回転している冷却ロー
ルの周面に衝突させ、冷却ロール周面と接触させること
により前記合金を一方向から冷却する工程を有する永久
磁石材料の製造方法であって、前記冷却ロールの回転に
起因するガス流が、溶湯状の合金から構成されるパドル
付近に当たることを防ぐように、前記冷却ロール周面近
傍に風防を設けることを特徴とする永久磁石材料の製造
方法。
【0008】(2)前記冷却ロール回転時に、前記風防
と前記冷却ロール周面との距離を5mm以下に保つ上記
(1)に記載の永久磁石材料の製造方法。
【0009】(3)前記ガス流が前記ノズル付近に当た
ることを防ぐように前記風防を設ける上記(1)または
(2)に記載の永久磁石材料の製造方法。
【0010】(4)前記風防と前記パドルとの間の前記
冷却ロール周面近傍に、前記パドル付近を減圧するため
の吸気手段を設ける上記(1)ないし(3)のいずれか
に記載の永久磁石材料の製造方法。
【0011】(5)前記冷却ロールが、基材とこの基材
周面に形成された表面層を有するものであり、この表面
層の熱伝導度が前記基材の熱伝導度より低く、前記表面
層の厚さが10〜100μm である上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の永久磁石材料の製造方法。
【0012】(6)前記冷却ロールの表面層が、Cr、
Ni、Co、NbおよびVから選択される少なくとも1
種の元素を含有する金属または合金等の熱伝導度が0.
6J/(cm・s・K)以下である材質から構成され、液相めっ
き、気相めっき、溶射、薄板の接着または円筒状部材の
焼きばめにより形成されている上記(5)に記載の永久
磁石材料の製造方法。
【0013】(7)前記冷却ロールの基材が、銅または
銅系合金等の熱伝導度1.4J/(cm・s・K)以上である材質
から構成されている上記(5)または(6)に記載の永
久磁石材料の製造方法。
【0014】(8)冷却ロールの周面に向かう方向に不
活性ガス流を吹き付けることにより、冷却ロール周面付
近に存在する合金と冷却ロール周面との接触時間を延長
させる上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の永久
磁石材料の製造方法。
【0015】(9)溶湯状の合金と接触する前記冷却ロ
ール周面の中心線平均粗さRa が0.07〜5μm であ
る上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の永久磁石
材料の製造方法。
【0016】
【作用】本発明は片ロール法に適用される。本発明で
は、図1に示すように、ノズル12の手前に風防2を設
け、溶湯状合金11から構成されるパドル(ノズル12
先端部と冷却ロール13周面との間に存在する溶湯状合
金の溜り)113付近に前記ガス流が当たることを防
ぐ。このような構成により、合金と冷却ロール周面との
間に不活性ガスが巻き込まれることが著しく抑えられ、
合金と冷却ロール周面との密着性が向上してロール面の
冷却速度の位置的なばらつきが減少し、また、フリー面
側の結晶粒径のばらつきも減少するので、微細で均一な
結晶粒組織が得られ、高い磁気特性を有する永久磁石が
実現する。
【0017】また、ノズル12と風防2との間に吸気部
材200を設けて、パドル113付近を部分的に減圧す
るように構成すれば、前記した不活性ガス巻き込みはさ
らに低減される。
【0018】ところで、従来、高速急冷方法における冷
却ロールの材質には、溶湯状合金との濡れ性、熱伝導
度、熱容量、耐摩耗性等を考慮し、目的に応じて、銅、
銅ベリリウム合金、ステンレス、工具鋼等の種々の金属
や合金が用いられているが、冷却ロールが1種類の材質
だけから構成されている場合、下記のような問題が生じ
る。
【0019】すなわち、銅系材料は熱伝導度が高く、例
えば銅の熱伝導度は3.85J/(cm・s・K)であり早い冷却
速度を得ることができるが、熱の移動が早すぎるため
に、得られる金属薄帯はロール面側とフリー面側とで冷
却速度に差が生じてしまう。また、銅系材料は耐摩耗性
が低いという欠点も有する。
【0020】また、例えば、鉄系材料は銅系材料のよう
な問題は生じないが、逆に熱伝導度が小さい〔ステンレ
スの熱伝導度は0.245J/(cm・s・K)〕ために冷却速度
が不十分となり、所望の組織構造の磁性金属が得られに
くい。しかも、熱伝導度の低い材質を冷却ロールに用い
て合金溶湯の高速急冷を連続的に行なった場合、冷却ロ
ール芯部への熱の伝導が不十分となるために冷却ロール
周面付近の温度上昇が著しくなる。このため、冷却速度
が次第に低くなってしまい、良好な特性の磁性金属が得
られず、また、同一ロット内での特性のバラツキを生じ
る。
【0021】しかし、上記したように、冷却ロールに表
面層を設け、この表面層の熱伝導率を基材の熱伝導率よ
りも低いものとし、さらに、表面層の厚さを最適範囲に
設定すれば、単一材料で構成された従来の冷却ロールの
欠点が改良され、ロール面側の冷却速度とフリー面側の
冷却速度との差が小さくなる。
【0022】また、本発明では、合金溶湯と接触する周
面の中心線平均粗さRa が上記範囲の冷却ロールを用い
ることが好ましい。
【0023】一般に、冷却ロールの周速度が速くなるほ
ど合金の冷却速度は増加する。これは、周速度が速くな
ると、単位時間あたりに供給される冷却ロール周面の面
積が増加するためである。ところが、上記したRa の周
面を有する冷却ロールを用いると、冷却ロール周面と接
触した合金溶湯は、冷却ロール周面の凸部とは密着する
が凹部との密着性が低く、周速度が速くなるほど凹部と
の密着性はさらに低下する。このため、周速度が速いほ
ど冷却ロール周面と合金との接触面積が小さくなり、冷
却速度は低下する。従って、上記Ra の周面を有する冷
却ロールの周速度を増加させると、供給される冷却ロー
ル周面面積増大による冷却速度増加と、上記Ra の冷却
ロール周面に起因する冷却速度低下とが総合され、結果
として合金の冷却速度は殆ど変わらない。このため、得
られる永久磁石材料は、冷却ロールの周速度が変動して
も結晶粒径が殆ど変化せず、磁気特性の周速度依存性が
極めて低い。
【0024】その結果、冷却ロールの周速度管理を厳密
にする必要がなく、また装置の実用的な寿命も伸び、低
コストにて量産することができる。また、広範囲の周速
度にてほぼ一定の冷却速度が得られるため、最適冷却速
度を保ったまま周速度変更により永久磁石材料の厚さ変
更を自在に行なうことができる。そして、永久磁石材料
の厚さが薄いほどロール面側とフリー面側との結晶粒径
の差が小さくなるため、上記した表面層を有する冷却ロ
ールの効果は、さらに向上する。
【0025】なお、合金溶湯射出ノズル径を細くするこ
とによっても薄い永久磁石材料を得ることができるが、
R−Fe−B系合金は射出ノズルと反応し易いので、径
の細いノズルにより連続的に溶湯状合金の射出を行なう
とノズルに閉塞を生じ易い。しかし、冷却ロールの周速
度を増加させることにより薄い合金薄帯を製造する場
合、ノズル閉塞が生じないので量産性が良好である。
【0026】上記Ra の周面を有する冷却ロールを用い
て得られた永久磁石材料のロール面のRa は、通常、冷
却ロール周面のRa 以下となる。これは、上記したよう
に冷却ロールの周速度が増加するほど合金と冷却ロール
との密着性が低下するためである。
【0027】また、本発明では、冷却ロール周面に向か
う方向に不活性ガス流を吹き付けることにより、冷却ロ
ール周面付近に存在する合金を冷却ロール側に押し付
け、合金と冷却ロール周面との接触時間を延長させるこ
とが好ましい。
【0028】片ロール法では、回転する冷却ロール周面
に衝突した溶湯状の合金は、冷却ロール周面に引きずら
れるようにして薄帯状となって冷却され、次いで冷却ロ
ール周面から離れる。このような片ロール法において、
合金が十分に長く冷却ロール周面と接触していれば、ロ
ール面側とフリー面側とは共に冷却ロールへの熱伝導に
より比較的均一に冷却される。すなわち、結晶粒径の均
一な急冷合金を得るためには、合金のロール面側がほぼ
凝固していてフリー面側が溶融状態にあるときに、合金
が冷却ロール周面と十分に接触していることが必要とさ
れる。
【0029】しかし、溶湯状のR−Fe−B系合金は冷
却ロール周面に衝突後、速やかにロール周面から離れる
ため、ロール面側では主として冷却ロールへの熱伝導に
より冷却されるが、フリー面側では主として雰囲気中へ
の放熱により冷却されることになり、ロール面側とフリ
ー面側とで冷却速度が極端に違ってしまう。
【0030】そこで、上記方法により合金と冷却ロール
周面との接触時間を延長させれば、フリー面側の冷却に
おいて冷却ロールへの熱伝導に依存する割合が増加し、
ロール面側とフリー面側との冷却速度の差が著しく小さ
くなる。また、不活性ガスはフリー面側に吹き付けられ
るので、フリー面側の冷却速度はさらに向上する。従っ
て、ロール面側とフリー面側とで冷却速度の差が小さく
なる。また、冷却効率が向上するため、必要とされる冷
却ロールの回転速度が例えば5〜15%程度低くなり、
冷却装置の負担が少なくなる。
【0031】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明では、R(ただし、RはYを含む希
土類元素の1種以上である。)と、FeまたはFeおよ
びCoと、Bとを含有する溶湯状の合金をノズルから射
出し、ノズルに対して回転している冷却ロールの周面と
接触させることにより前記合金を一方向から冷却して永
久磁石材料を製造する。すなわち、本発明では、溶湯状
合金の急冷に片ロール法を用いる。
【0032】図1は、本発明を模式的に説明する図であ
る。図1において、冷却ロール13およびノズル12は
不活性ガス雰囲気中にあり、冷却ロール13は矢印方向
に回転している。そして、冷却ロール13近傍の不活性
ガスはその粘性により冷却ロール回転方向の速度をもつ
ガス流となっている。合金溶湯11は、ノズル12から
射出されて冷却ロール13の周面に接触し、冷却されて
薄帯状永久磁石材料112となり、冷却ロール13の回
転方向に飛び去る。図中においてノズル12の右側(回
転方向の手前側)の冷却ロール周面近傍には、風防2が
設けられている。風防2は、冷却ロール13周面に添っ
て流れる前記した不活性ガス流の少なくとも一部を遮断
し、パドル113に前記ガス流が当たることを抑える。
これにより、冷却ロール周面と射出された合金溶湯との
間に巻き込まれる不活性ガス量を低減できる。
【0033】風防2は、パドル113に達する前記ガス
流の少なくとも一部を遮断できるものであればその構成
に特に制限はないが、製造が容易でガス流遮断効果が高
いことから、板状体を用い、例えば図1に示されるよう
に形状加工して風防2とすることが好ましい。図1に示
される風防2は屈曲部を2箇所有し3つの平板部から構
成されている。板状の風防2が弾性を有する場合、最も
冷却ロールに近い平板部は、冷却ロール回転に伴なうガ
ス流を受けて風防2の少なくとも下部を冷却ロール周面
から浮上させる作用を有する。この平板部と冷却ロール
周面とのなす角度やこの平板部の面積を調整することに
より、浮上量、すなわち風防と冷却ロール周面との距離
を制御することが可能である。ただし、剛性の高い風防
を用いて、冷却ロールの回転によらず風防と冷却ロール
との距離を一定に保つ構成としてもよい。
【0034】また、図1に示される構成の風防の他、以
下に示すような構成の風防が好ましい。例えば、図1に
示される構成の風防の幅方向端部に冷却ロール側面の少
なくとも一部を覆うような側板を設け、好ましくはパド
ル113近傍の冷却ロール側面までこの側板で覆い、パ
ドル側面付近から流入するガス流の少なくとも一部を遮
断する構成としてもよい。また、縦方向や横方向に湾曲
した風防を設けて、例えばパドルを取り囲むように断面
U字形の風防を設けて、ガス流を整流し、パドル付近へ
のガス流の巻き込みを抑える構成としてもよい。
【0035】風防2と冷却ロール周面との距離は特に限
定されず、風防の位置や冷却ロール13の周速度などに
応じて適宜設定すればよいが、冷却ロール回転に伴なっ
て発生するガス流の速度は冷却ロール周面で最も高く、
周面から離れるに従って急激に減少するので、前記ガス
流を効果的に遮断するためには、冷却ロール回転時にお
ける前記距離を5mm以下、特に3mm以下とすることが好
ましい。また、前記距離の下限は特にないが、冷却ロー
ル周面の凹凸や冷却ロールの偏心などによって冷却ロー
ル回転時に風防と冷却ロール周面とが接触することがあ
るので、これを避けるために、前記距離は0.1mm以
上、特に0.2mm以上とすることが好ましい。なお、前
記距離は風防の幅方向に亙って一定とすることが好まし
いが、前記範囲内であれば、場所によって異なっていて
もよい。
【0036】また、風防の幅(冷却ロール周面の幅方向
における風防の端部間距離)は特に限定されないが、冷
却ロール周面の幅以上とすることが好ましく、特に冷却
ロール周面の幅よりも10%程度長くすることが好まし
い。
【0037】風防の高さにも特に制限はない。すなわ
ち、遮断すべきガス流の様相は冷却ロールの周速などに
より異なるので、必要に応じて高さを適宜設定すればよ
い。また、合金溶湯を収容したノズルも前記ガス流にさ
らされるので、冷却され易いノズルを用いる場合には、
ノズルに当たるガス流が遮断できるように風防の高さを
設定することが好ましい。ノズルの冷却を防止すること
により、溶湯温度を安定させてノズルからの溶湯吐出量
を安定させることができるので、長さ方向に均質な永久
磁石材料を得ることができ、また、ロット間での特性差
も少なくすることができる。
【0038】ノズルに対する風防の位置は特に限定され
ず、ガス流巻き込みを効果的に防止できるように冷却ロ
ールの寸法や周速度などに応じて適宜位置を設定すれば
よいが、通常、ノズル中心位置と風防との距離は、冷却
ロール周面に添って測った場合に150mm以下、特に7
0mm以下程度とすることが好ましい。
【0039】風防の材質は特に限定されない。すなわ
ち、各種金属や樹脂など、ガス流を遮断可能なものから
適宜選択すればよい。
【0040】本発明では、風防2とパドル113との間
の冷却ロール13周面近傍に、吸気手段を設けてもよ
い。吸気手段は、パドル付近の雰囲気ガスを吸気して部
分的に減圧する作用を果たし、合金溶湯と冷却ロール周
面との間に巻き込まれる雰囲気ガスの量をさらに低減さ
せる。
【0041】吸気手段の構成は特に限定されないが、長
手方向が冷却ロール周面の幅方向であるようなスリット
状の吸気口を有するものを用いることが好ましい。この
ような吸気手段としては、例えば図1および図2に示さ
れる構成の吸気部材200を用いることが好ましい。図
2に示される吸気部材200は、円筒状の周壁201
と、この周壁201を貫通するスリット状吸気口202
とを有する。スリット状吸気口202の長手方向は吸気
部材の軸、すなわち円筒状の周壁201の軸とほぼ平行
である。円筒状の周壁201の一方の端部(図示例で
は、紙面の表側に存在する。)は閉塞されており、他方
の端部には、連通孔203を介して周壁201内に連通
するガス管204が接続され、このガス管204の他端
には図示しないポンプが接続されている。ポンプの駆動
により雰囲気ガスはスリット状吸気口202から吸入さ
れ、スリット状吸気口202の近傍は減圧される。
【0042】このような吸気部材200は、吸気部材の
軸と前記冷却ロールの軸とがほぼ平行となるように冷却
ロール近傍に配置される。そして、吸気部材200を、
その軸がほぼ回転中心となるように回転させたり、吸気
部材200のパドル113に対する位置を変更したり、
雰囲気ガスの吸気量を変更したりすることにより、パド
ル付近の減圧度を制御することができる。
【0043】吸気手段の効果は、吸気口形状やその寸
法、単位時間当たりの吸気量等によって異なるので、ス
リット状吸気口の位置は特に限定されず、所望の効果が
得られるように実験的に決定すればよいが、通常、吸気
口とノズルとの距離は冷却ロール周面に添って測った場
合に5〜70mm程度とすることが好ましく、吸気口と冷
却ロール周面との距離は0.1〜15mm程度とすること
が好ましい。
【0044】なお、風防および吸気手段に関する具体的
構成は、製造した永久磁石材料のロール面の凹凸や結晶
粒径等を調査して実験的に決定すればよい。
【0045】本発明では、冷却ロールとして、基材とこ
の基材周面に形成された表面層を有し、表面層の熱伝導
度が基材の熱伝導度より低く構成されているものを用い
ることが好ましい。この場合、表面層の熱伝導度は0.
6J/(cm・s・K)以下、特に0.45J/(cm・s・K)以下であ
ることが好ましい。熱伝導度が上記範囲を超えると、冷
却開始後に速やかに表面層温度が一定とならず、効果が
不十分となる。また、表面層の熱伝導度の下限に特に制
限はないが、0.1J/(cm・s・K)未満になると熱移動が悪
くなるため表面層の表面付近のみが高温となり、焼き付
きが発生する場合もある。なお、本明細書における熱伝
導度は、常温、常圧での値である。
【0046】冷却ロールの耐久性を考慮すると、表面層
を構成する材質は融点および耐摩耗性が高い材質から選
択されることが好ましい。表面層を構成する好ましい材
質は、Cr、Ni、Co、Nb、V等の単体、あるいは
ステンレス、焼き入れ鋼等、前記元素の1種以上を含有
する合金である。合金である場合、これらの元素は20
重量%以上含有されることが好ましい。
【0047】このような表面層の厚さは、10〜100
μm 、特に20〜50μm であることが好ましい。表面
層の厚さが前記範囲内であれば、基材への熱移動が速や
かに行なわれ、その結果、主として低R相から構成され
る粒界相の析出が良好となり、高いBr が得られる。表
面層の厚さが前記範囲を外れると、このような効果は得
られない。なお、前記範囲内における具体的厚さの決定
は、表面層形成方法、その構成材料の熱伝導度、冷却ロ
ールの寸法、冷却ロールと合金溶湯との相対速度などの
種々の条件を考慮して行なえばよい。
【0048】表面層の形成方法に特に制限はなく、その
材質などに応じて、液相めっき、気相めっき、溶射、薄
板の接着、円筒状部材の焼きばめ等の種々の方法から選
択することができる。なお、表面層形成後、必要に応じ
てその表面を研磨してもよい。
【0049】このような表面層を有する冷却ロールを用
いて得られた永久磁石材料のロール面近傍は、表面層構
成元素を含むことがある。永久磁石材料に含有される冷
却ロール表面層構成元素は、高速急冷時に冷却ロール周
面から拡散されたものである。この場合、表面層構成元
素の含有量は、ロール面から厚さ方向に20nm以下の範
囲で、10〜500ppm 程度である。
【0050】冷却ロールの基材は、上記のような熱伝導
度の関係を満たす材質から構成されれば、その他特に制
限はなく選択することができ、例えば、銅、銅系合金、
銀、銀系合金等を好適に用いることができ、融点の低い
合金の高速急冷に用いる場合にはアルミニウム、アルミ
ニウム系合金も用いることができるが、熱伝導度が高い
こと、安価であることなどから、銅または銅系合金を用
いることが好ましい。銅系合金としては、銅ベリリウム
合金等が好ましい。
【0051】なお、基材の熱伝導度の範囲は、1.4J/
(cm・s・K)以上であることが好ましく、より好ましくは2
J/(cm・s・K)以上、さらに好ましくは2.5J/(cm・s・K)以
上である。
【0052】基材構成材質と表面層構成材質の好ましい
組み合わせは、銅系合金の基材とNi、CoまたはCr
の表面層であり、これらのうちCoまたはCrの表面層
がより好ましく、Crの表面層がよりいっそう好まし
い。
【0053】上記した冷却ロールを用いて得られる永久
磁石材料では、高速急冷時に冷却ロールに接触した面
(ロール面)から永久磁石材料の厚さ方向に最も遠い領
域をDとし、ロール面の近傍領域をPとしたとき、Dに
おける平均結晶粒径dと、Pにおける平均結晶粒径pと
の関係を、d/p≦10、特にd/p≦4、さらにはd
/p≦2.5とすることができる。なお、d/pの下限
は通常1であるが、前述した冷却ロールを用いた場合、
1.5≦d/p≦2程度の良好な値を容易に得ることが
できる。
【0054】これらの各領域における平均結晶粒径は、
以下のようにして算出する。本発明では片ロール法を用
いるが、この場合、永久磁石材料は、通常、薄帯状とし
て得られ、ロール面およびそれと対向する面(フリー
面)が主面となる。本明細書において永久磁石材料の厚
さ方向とは、この主面の法線方向を意味する。そして、
上記した領域Dはフリー面近傍領域となり、領域Pはロ
ール面近傍領域となる。この場合、領域Dおよび領域P
の磁石厚さ方向の幅は、いずれも磁石厚さの1/5とす
る。なお、永久磁石材料が、薄片状あるいは扁平粒子状
として得られる場合も同様である。
【0055】これらの領域中における平均結晶粒径の測
定は、走査型電子顕微鏡によって行なうことが好まし
い。領域Dにおける平均結晶粒径dは、0.01〜2μ
m 、特に0.02〜1.0μm であることが好ましく、
領域Pにおける平均結晶粒径pは、0.005〜1μm
、特に0.01〜0.75μm であることが好まし
い。平均粒径がこの範囲未満であるとエネルギー積が低
下し、この範囲を超えると高い保磁力が得られない。
【0056】また、結晶粒界の幅は、領域Dにおいて
0.001〜0.1μm、特に0.002〜0.05μm
であることが好ましく、領域Pにおいて0.001〜
0.05μm 、特に0.002〜0.025μm である
ことが好ましい。結晶粒界の幅がこの範囲未満であると
高い保磁力が得られず、この範囲を超えると飽和磁束密
度が低下する。
【0057】なお、永久磁石材料の厚さは、10μm 以
上とすることが好ましい。厚さが10μm 未満となる
と、ボンディッド磁石にする際の粉末化工程およびその
ハンドリングにおいて不必要に表面積が増大し、酸化し
やすくなるからである。
【0058】冷却ロールの溶湯状合金と接触する周面の
中心線平均粗さRa は、0.07〜5μm 、特に0.1
5〜4μm とすることが好ましい。冷却ロール周面のR
a が前記範囲未満であると、周速度を増加させても冷却
ロール周面と合金との密着性が低下せず、冷却速度の周
速度依存性が高くなってしまう。冷却ロールのRa が前
記範囲を超えると、薄帯状永久磁石材料の厚さに対して
冷却ロール周面の表面粗さが無視できない程大きくな
り、薄帯厚さが不均一になる傾向にある。
【0059】なお、中心線平均粗さRa は、JIS B 0601
に規定されている。
【0060】このような冷却ロールを用いて得られる永
久磁石材料は、ロール面のRa が0.05〜4.5μm
、好ましくは0.13〜3.7μm となる。
【0061】永久磁石材料の厚さは60μm 以下とする
ことが好ましい。このような厚さとすることにより、ロ
ール面側とフリー面側との平均結晶粒径の差を小さくす
ることができる。また、上記Ra の冷却ロールを用いれ
ば広い周速度範囲においてほぼ一定の冷却速度が得られ
るため、溶湯状合金の射出ノズルの径を絞ることなく4
5μm 以下の厚さの薄帯状永久磁石材料を得ることがで
きる。
【0062】本発明を実施する際の雰囲気ガスである不
活性ガスに特に制限はなく、Arガス、Heガス、N2
ガス等の各種不活性ガスから適宜選択すればよいが、A
rガスを用いることが好ましい。また、雰囲気ガスの圧
力にも特に制限はないが、装置の構造を簡素にすること
ができることから0.1〜2気圧程度、通常、1気圧の
不活性ガス流中で行なえばよい。このような圧力のガス
流中で合金溶湯の冷却を行なった場合でも、上記した風
防あるいはさらに吸気手段を用いることにより、合金溶
湯と冷却ロールとの間への雰囲気ガス巻き込みを著しく
少なくすることができ、ロール面近傍での結晶粒径の均
一性を高くすることができる。例えば、ロール面近傍領
域における結晶粒径の標準偏差を、13nm以下、特に1
0nm以下とすることが容易にできる。この場合のロール
面近傍領域とは、前述した領域Pと同一であり、ロール
面から磁石厚さの1/5までの領域である。
【0063】この領域における結晶粒径の標準偏差は、
下記のようにして算出することが好ましい。まず、上記
領域中において、透過型電子顕微鏡により視野中に結晶
粒が約100個以上入る写真を撮影する。この写真を上
記領域中において無作為に30枚以上、好ましくは50
枚以上撮影し、画像解析等により各視野中での平均粒径
を測定する。この場合の平均粒径は、通常、結晶粒を円
に換算したときの平均直径となる。次いで、これらの平
均粒径の標準偏差を求める。
【0064】本発明では、冷却ロール周面に向かう方向
に不活性ガス流を吹き付けることにより、冷却ロール周
面付近に存在する合金と冷却ロール周面との接触時間を
延長させることが好ましい。
【0065】図1に、不活性ガス流を吹き付ける場合を
模式的に示す。図1に示す片ロール法では、合金溶湯1
1をノズル12から射出し、ノズル12に対して回転し
ている冷却ロール13の周面に衝突させ、冷却ロール1
3周面付近に存在する合金111を冷却ロール13周面
と接触させることにより、合金111を一方向から冷却
する。なお、冷却ロール13は、前述した基材131と
表面層132とから構成される。
【0066】そして、冷却ロール13周面に向かう方向
に不活性ガス流を吹き付けることにより、冷却ロール1
3周面付近に存在する合金111と冷却ロール13周面
との接触時間を延長させる。不活性ガス流を吹き付けな
い場合、冷却ロール13に衝突後の合金は、図中点線で
示したように冷却ロール13周面から離れ、合金と冷却
ロール周面との接触時間は短くなってしまう。
【0067】なお、合金111は、ノズル12からの距
離にもよるが、凝固体ないしは溶融体、あるいはこれら
が共に存在する状態であり、通常、ロール面側において
凝固体の割合が多く、フリー面側において溶融体の割合
が多い薄帯状である。
【0068】不活性ガス流を吹き付ける方向は、合金1
11を挟んで冷却ロール13周面に向かう方向であれば
特に制限はないが、図1中に矢印で示すように、不活性
ガス流の吹き付け方向と、冷却により得られる薄帯状永
久磁石材料112の進行方向との成す角度が鈍角となる
ように吹き付けることが好ましい。この角度は、100
〜160°程度であることが好ましい。これは、吹き付
けられた不活性ガスがパドル113に直接あたることを
防ぎ、パドルを定常状態に保つためである。パドルに不
活性ガスが直接吹き付けられると、パドルの一部が冷却
され、その部分の粘度が高くなり、パドルの形状が変わ
ってしまうこともある。このため、均一な厚さの合金薄
帯が得られなくなってしまう。なお、薄帯状永久磁石材
料112の進行方向とは、合金111が冷却ロール13
周面から離れる場所での冷却ロール周面の接線方向とほ
ぼ等しい。
【0069】また、冷却ロールに衝突した直後の合金
は、フリー面からかなり深い部分まで溶融状態であり、
この状態の合金にガスを吹き付けると、ガス流によりフ
リー面が波打ち状態になって均一な厚さの合金薄帯が得
られず、また、合金内での熱移動に遅速を生じ、結晶粒
径にばらつきを生じる。このため、冷却ロールに衝突し
た直後の合金に不活性ガスを吹き付けることは避けるこ
とが好ましい。
【0070】具体的には、合金に不活性ガスを吹き付け
る位置は、ノズル12の直下を起点としてノズル12の
径の5倍以上離れた位置であることが好ましい。
【0071】また、パドルから極端に離れた位置では合
金のフリー面側が完全に凝固しているため、不活性ガス
を吹き付けても上記した効果は得られない。従って、冷
却ロールの直径等、他の条件にもよるが、例えば、合金
に不活性ガスを吹き付ける位置は、ノズル12の直下を
起点としてノズル12の径の50倍以下離れた位置とす
ることが好ましい。なお、この場合の不活性ガスを吹き
付ける位置とは、不活性ガス流の中心ではなく、ガス流
のノズル12に近い側の端部とする。また、ノズルがス
リット状である場合のノズル径とは、冷却ロール回転方
向に測った径とする。このように不活性ガスを吹き付け
る位置をノズル径に関連させて定めるのは、ノズル径の
大小によりパドルの状態や冷却効率が変わり、合金の溶
融状態がこれらに従って変わるためである。
【0072】不活性ガスの吹き付け方向、流量、流速、
噴射圧力等の各種条件に特に制限はなく、ノズル径、合
金溶湯の射出量、冷却ロールの寸法、冷却時の雰囲気等
の各種条件を考慮し、さらには実験的に、合金のロール
面側とフリー面側とで好ましい結晶粒径が得られるよう
に設定すればよいが、例えば、1気圧程度の不活性ガス
雰囲気中にて0.3〜5mm径程度のノズルから合金溶湯
を射出する場合、不活性ガスは長手方向が合金薄帯の幅
方向であるようなスリットから噴射されることが好まし
い。この場合、スリット幅は0.2〜2mm程度、スリッ
ト長手方向の寸法は合金薄帯幅の3倍以上、スリットと
冷却ロール周面との距離は0.2〜15mm程度であるこ
とが好ましい。また、噴射圧力は1〜9kg/cm2程度であ
ることが好ましい。スリットと冷却ロール周面との距離
が前記範囲未満となるとスリットと冷却ロール周面上の
合金とが接触することがある。また、前記距離が前記範
囲を超えると噴射された不活性ガスが拡散し、所定の効
果が得られにくくなり、また、パドルが冷却され易くな
る。
【0073】不活性ガスを吹き付けるための手段に特に
制限はないが、本発明では、上記したようなスリット状
等の不活性ガス噴射口を有する噴射部材を用いることが
好ましい。また、噴射部材を回転または移動することに
より、不活性ガス流の吹き付け位置、すなわち、不活性
ガス流のノズルに近い側の端部が合金に接触する位置を
変更することができる構成とすることが好ましい。
【0074】具体的には、図3に示されるような噴射部
材を用いることが好ましい。図3に示される噴射部材1
00は、円筒状の周壁101と、この周壁101を貫通
するスリット状噴射口102とを有する。スリット状噴
射口102の長手方向は噴射部材の軸、すなわち円筒状
の周壁101の軸とほぼ平行である。円筒状の周壁10
1の一方の端部(図示例では、紙面の表側に存在す
る。)は閉塞されており、他方の端部には、連通孔10
3を介して周壁101内に連通するガス管104が接続
され、これにより不活性ガスが噴射部材100内部に送
り込まれるように構成されている。噴射部材100内に
充填された不活性ガスは、スリット状噴射口102から
方向性をもって噴射される。
【0075】このような噴射部材100は、噴射部材の
軸と前記冷却ロールの軸とがほぼ平行となるように冷却
ロール近傍に配置される。そして、噴射部材100を、
その軸がほぼ回転中心となるように回転させることによ
り、不活性ガス流の吹き付け方向を自在に変更すること
ができる。
【0076】この態様にて製造された永久磁石材料は、
冷却時に吹き付けた不活性ガスが、ロール面近傍よりも
フリー面近傍により多く含まれていることを検出するこ
とが可能である。例えば、吹き付ける不活性ガスとして
ArガスやN2 ガスを用いた場合、オージェ分析等によ
り容易に検出することができる。この場合、不活性ガス
の含有量は、フリー面から厚さ方向に50nm以下の範囲
で、例えば50〜500ppm 程度である。
【0077】なお、合金溶湯に吹き付ける不活性ガス
は、雰囲気ガスと同種のものを用いることが好ましい。
【0078】本発明で用いる冷却ロールの寸法に特に制
限はなく、目的に応じて適当な寸法とすればよいが、通
常、直径150〜1500mm、幅20〜100mm程度で
ある。また、ロール中心には、水冷用の孔が設けられて
いてもよい。
【0079】ロールの周速度は、ロール表面層の組成、
合金溶湯の組成、目的とする永久磁石材料の組織構造、
熱処理の有無等の各種条件によっても異なるが、好まし
くは1〜50m/s 、特に5〜35m/s とすることが好ま
しい。周速度が上記範囲未満であると、得られる永久磁
石材料の大部分の結晶粒が大きくなりすぎる。また、周
速度が上記範囲を超えると、大部分が非晶質となり磁気
特性が低下する。
【0080】なお、通常、冷却ロールはその軸がほぼ水
平となるように設置される。この場合、ノズルは図1に
示されるように冷却ロールの軸を通る鉛直線上に設けて
もよいが、必要に応じて前記鉛直線の冷却ロール回転方
向前側(図中右側)または後ろ側(図中左側)に設けて
もよい。
【0081】本発明により得られる永久磁石材料は、実
質的に正方晶系の結晶構造の主相のみを有するか、この
ような主相と、非晶質および/または結晶質の副相とを
有することが好ましい。R−T−B化合物(TはFeお
よび/またはCo)として安定な正方晶化合物はR2
14B(R=11.76at%、T=82.36at% 、B=
5.88at% )であり、主相は実質的にこの化合物から
形成される。また、副相は、主相の結晶粒界として存在
する。
【0082】なお、本発明により製造された永久磁石材
料には、特性改善のための熱処理が施されてもよい。
【0083】本発明で用いる合金溶湯の組成は、R(た
だし、RはYを含む希土類元素の1種以上である。)
と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含有するもの
であれば組成に特に制限はなく、どのような組成であっ
ても本発明の効果は実現するが、永久磁石としたときの
磁気特性が高いことから下記の組成を有することが好ま
しい。
【0084】 R:5〜20at%、 B:2〜15at%および Co:0〜55at% を含み、残部が実質的にFeであるもの。
【0085】より好ましくは R:5〜17at%、 B:2〜12at%および Co:0〜40at% を含み、残部が実質的にFeであるもの。
【0086】Rについてさらに説明すれば、RはYを含
む希土類元素の1種以上であるが、高い磁気特性を得る
ために、Rとして特にNdおよび/またはPrを含むこ
とが好ましい。Ndおよび/またはPrの含有量は、R
全体の60%以上であることが好ましい。
【0087】上記各元素の他、添加元素として、Zr、
Nb、Mo、Hf、Ta、W、Ti、VおよびCrの1
種以上が含有されていてもよい。これらの元素は、結晶
成長を抑制する作用を有する。また、Cu、Mnおよび
Agの1種以上が含有されていてもよい。これらの元素
は、塑性加工時の加工性を改善する作用を有する。これ
ら添加元素の総含有量は、全体の15at% 以下であるこ
とが好ましい。さらに、耐食性を向上させるためには、
Niが含有されることが好ましい。Niの含有量は、上
記添加元素と合わせて30at% 以下であることが好まし
い。
【0088】なお、Bの一部を、C、N、Si、P、G
a、Ge、SおよびOの1種以上で置換してもよい。置
換量は、Bの50%以下であることが好ましい。
【0089】このような組成は、原子吸光法、蛍光X線
法、ガス分析法等によって容易に測定できる。
【0090】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。銅ベリリウム合金製の円筒状
基材の周面に、電解めっきにより厚さ50μmのCr表
面層を形成し、冷却ロールを作製した。基材の熱伝導度
は3.6J/(cm・s・K)、表面層の熱伝導度は0.43J/(c
m・s・K)であった。
【0091】この冷却ロールを用いて、永久磁石材料サ
ンプルを下記のようにして作製した。
【0092】まず、9.4Nd−2.6Zr−8B−8
0Feの組成(数値は原子百分率を表わす)を有する合
金インゴットをアーク溶解により作製した。得られた合
金インゴットを石英ノズルに入れ、高周波誘導加熱によ
り溶湯とした。
【0093】この溶湯を、上記冷却ロールを用いた片ロ
ール法により高速急冷し、永久磁石材料サンプルNo. 1
を得た。高速急冷はArガス雰囲気で行ない、雰囲気圧
力は1気圧とした。
【0094】なお、片ロール法は、図1に示される風防
2を設けて行なった。風防はCu薄板とし、ノズルに対
する位置は固定した。冷却ロール基材の寸法は、直径5
00mm、幅60mmとし、風防の寸法は、幅80mm、厚さ
0.5mm、風防下端の折れ曲がり部の長さは5mmとし
た。また、冷却ロール周面と風防との距離は1mmとし、
風防最下端とノズル中心軸との距離は20mmとした。
【0095】なお、ノズル先端と冷却ロール周面との距
離は0.5mm、溶湯射出圧力は1kg/cm2とし、加圧には
Arガスを用いた。また、冷却ロールの周速度は20m/
s とした。
【0096】得られたサンプルNo. 1は、幅2mm、厚さ
45μm の薄帯状であった。このサンプルを、その断面
が容易に観察できる方向に切断し、フリー面から薄帯厚
さの1/5までの範囲の平均結晶粒径dおよびロール面
から薄帯厚さの1/5までの範囲の平均結晶粒径pを走
査型電子顕微鏡で測定し、d/pを算出したところ、d
/p=3であった。
【0097】また、サンプルNo. 1の(BH)max を測定し
たところ、17.5MGOeであった。なお、サンプルNo.
1のロール面から20nm以下のCr含有量は、100pp
m であった。
【0098】さらに、図1に示されるように、ノズル1
2と風防2との間に、図1および図2に示される構成の
吸気部材200を設け、その他はサンプルNo. 1と同様
にしてサンプルNo. 2を作製した。吸気部材200のス
リット状吸気口202の長さおよび幅は、それぞれ5mm
および0.5mmとした。また、スリット状吸気口202
の中心位置は、ノズル12の中心から10mmとし、冷却
ロール13周面から2mmの高さとした。吸気部材にはロ
ータリーポンプを接続し、50 l/minで吸気を行なっ
た。
【0099】このサンプルNo. 2では、d/p=2.
5、(BH)max =18.0MGOeであった。
【0100】また、比較のために、上記風防を設けなか
った他はサンプルNo. 1と同様にして、比較サンプルN
o. 3を作製した。この比較サンプルNo. 3では、d/
p=10、(BH)max =15.5MGOeであった。
【0101】上記各サンプルを比較したところ、本発明
によるサンプルNo.1および2では、比較サンプルNo.
3のロール面にみられたArガス巻き込みに起因する周
波数の低い凹凸が観察されなかった。また、領域Pにお
ける平均結晶粒径の標準偏差は、比較サンプルNo. 3で
は15nmであったのに対し、本発明によるサンプルNo.
1および2では10nm以下となり、磁気特性の向上が認
められた。
【0102】また、上記した風防を設けた場合と設けな
い場合について、ノズルの位置におけるガス流の風速を
測定した。ただし、風速測定点の冷却ロール周面から高
さは5mmとした。冷却ロールの周速度とガス流の風速と
の関係を図4に示す。図4から、風防を設けることによ
り効果的にガス流が遮断されていることが明らかであ
る。
【0103】なお、Cr表面層に替え、Ni無電解めっ
き膜、Co溶射膜、Vの焼ばめまたはNb薄板の接着に
より表面層を形成した冷却ロールを用いた場合でも、C
r表面層の場合と同様に、表面層厚さに応じてd/pの
減少が認められ、永久磁石材料のロール面から20nm以
下の範囲において10〜500ppm の表面層構成元素の
含有が認められた。
【0104】また、上記各場合において、冷却ロール表
面層の中心線平均粗さRa を0.07〜5μm として永
久磁石材料を作製したところ、高い保磁力が得られる周
速度範囲が著しく拡大し、かつd/pの減少がみられ、
磁気特性の向上が認められた。
【0105】また、合金溶湯の急冷時に、図1に示され
るように、合金111を挟んで冷却ロール13周面に向
かう方向にArガスを吹き付けた。このときガスの吹き
付け方向と、冷却により得られた薄帯状永久磁石材料の
進行方向との成す角度は120°とし、ガスの噴射圧力
は2kg/cm2とした。また、合金にあたるArガス流のノ
ズル側端部と、冷却ロール周面のノズル直下位置との距
離が、ノズル径の6倍になるように吹き付けを行なっ
た。Arガスの吹き付けには、図3に示されるような噴
射部材を用いた。この結果、d/pがさらに減少し、磁
気特性の向上が認められた。そして、得られた永久磁石
材料をオージェ分析したところ、フリー面から50nm以
下の範囲で200ppm 、ロール面から50nm以下の範囲
で30ppmのArの含有が認められた。以上の実施例の
結果から、本発明の効果が明らかである。
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、結晶粒径の揃った永久
磁石材料が得られる。このため、本発明は、ボンディッ
ド磁石用永久磁石材料の製造に極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例を表わす模式図である。
【図2】本発明に用いる不活性ガスの吸気部材の好適例
を示す断面図である。
【図3】本発明に用いる不活性ガスの噴射部材の好適例
を示す断面図である。
【図4】冷却ロールの周速度と、冷却ロール回転により
生じるガス流の風速との関係を表わすグラフである。
【符号の説明】
11 合金溶湯 111 合金 112 薄帯状永久磁石材料 113 パドル 12 ノズル 13 冷却ロール 131 基材 132 表面層 100 噴射部材 101 側壁 102 スリット状噴射口 103 連通孔 104 ガス管 200 吸気部材 201 側壁 202 スリット状吸気口 203 連通孔 204 ガス管

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガス雰囲気中において、R(ただ
    し、RはYを含む希土類元素の1種以上である。)と、
    FeまたはFeおよびCoと、Bとを含有する溶湯状の
    合金をノズルから射出し、ノズルに対して回転している
    冷却ロールの周面に衝突させ、冷却ロール周面と接触さ
    せることにより前記合金を一方向から冷却する工程を有
    する永久磁石材料の製造方法であって、 前記冷却ロールの回転に起因するガス流が、溶湯状の合
    金から構成されるパドル付近に当たることを防ぐよう
    に、前記冷却ロール周面近傍に風防を設けることを特徴
    とする永久磁石材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却ロール回転時に、前記風防と前
    記冷却ロール周面との距離を5mm以下に保つ請求項1に
    記載の永久磁石材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ガス流が前記ノズル付近に当たるこ
    とを防ぐように前記風防を設ける請求項1または2に記
    載の永久磁石材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記風防と前記パドルとの間の前記冷却
    ロール周面近傍に、前記パドル付近を減圧するための吸
    気手段を設ける請求項1ないし3のいずれかに記載の永
    久磁石材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記冷却ロールが、基材とこの基材周面
    に形成された表面層を有するものであり、この表面層の
    熱伝導度が前記基材の熱伝導度より低く、前記表面層の
    厚さが10〜100μm である請求項1ないし4のいず
    れかに記載の永久磁石材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記冷却ロールの表面層が、Cr、N
    i、Co、NbおよびVから選択される少なくとも1種
    の元素を含有する金属または合金等の熱伝導度が0.6
    J/(cm・s・K)以下である材質から構成され、液相めっき、
    気相めっき、溶射、薄板の接着または円筒状部材の焼き
    ばめにより形成されている請求項5に記載の永久磁石材
    料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記冷却ロールの基材が、銅または銅系
    合金等の熱伝導度1.4J/(cm・s・K)以上である材質から
    構成されている請求項5または6に記載の永久磁石材料
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 冷却ロールの周面に向かう方向に不活性
    ガス流を吹き付けることにより、冷却ロール周面付近に
    存在する合金と冷却ロール周面との接触時間を延長させ
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の永久磁石材料の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 溶湯状の合金と接触する前記冷却ロール
    周面の中心線平均粗さRa が0.07〜5μm である請
    求項1ないし8のいずれかに記載の永久磁石材料の製造
    方法。
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