JPH0562395A - 磁気デイスク及び磁気ヘツドのリフト機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ディスク媒体と磁気ヘッドとの間におけ
る装置の起動・停止時のＣＳＳ（コンタクト・スタート
・ストップ）を排除する。 【構成】 磁気ディスク媒体１の最外周部２に少くとも
２つの傾斜面４ａと１つの凹状溝３を有するリング５を
具備し、リング５に、磁気ヘッドＡｓｓｙ６に具備した
磁気ヘッドスライダ７の支持バネ８の傾斜部４を当接す
ることにより、磁気ヘッドスライダ７をディスク媒体１
の記録面より離脱させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子計算機もしくはパ
ーソナルコンピュータの記憶装置の１種である磁気ディ
スク装置に関し、特にデータの保存を行うための磁気デ
ィスク及び磁気ヘッドのリフト機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、磁気ディスク装置へ搭載されてい
る情報の記録，再生を行うための磁気ディスクヘッドア
ッセンブリ（Ａｓｓｙ）は、塗布型もしくは連続薄膜型
よりなる磁気ディスク媒体上の一部に接触していた状態
にて起動，停止を行う、いわゆるＣＳＳ（コンタクト・
スタート・ストップ）型の方式が多く採用されている。

【０００３】しかし、近年磁気ディスク装置は、小型
化，薄型化，大容量化が著しく、前述した塗布型磁気デ
ィスク媒体から連続薄膜媒体型へ移行が進み、より一層
の信頼性、特に耐久性及び耐衝撃性等の向上が強く求め
られている。

【０００４】従来、この種の耐久性・耐衝撃性向上の技
術としては、磁気ディスク媒体の最外径部近傍に傾斜部
を有する固定カムを配し、その固定カムの傾斜部に、磁
気ヘッドＡｓｓｙを乗り上げることにより磁気ディスク
媒体から離脱させ、また乗り下げることにより磁気ディ
スク媒体への着接を行っていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来の固定カ
ムは、磁気ディスク装置の小型化及び薄型化が進むに伴
い、装置内部への実装面積の減少により実装できないと
いう欠点があった。

【０００６】本発明の目的は、装置起動・停止時に行な
われていたＣＳＳ動作をなくするようにした磁気ディス
ク及び磁気ヘッドのリフト機構を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る磁気ディスクにおいては、ディスク媒
体と、リングとを組合せてなる磁気ディスク媒体であっ
て、ディスク媒体は、データの書込及び再生が行なわれ
る記録面を備えたものであり、リングは、ディスク媒体
の最外周縁に凹凸結合され、ディスク媒体の全周に沿っ
て設けられた傾斜部を有しており、該傾斜部は、内周側
から外周側にかけて高さが漸増する傾斜面を有し、磁気
ヘッドを搭載した磁気ヘッドスライダがディスク媒体の
最外周側に移動したときに該磁気ヘッドスライダの支持
用バネを傾斜面で撓めて前記磁気ヘッドをディスク媒体
の記録面よりリフトする機能をもつものである。

【０００８】また、本発明に係る磁気ヘッドのリフト機
構においては、リングと、磁気ヘッドアッセンブリとを
組合せてなる磁気ヘッドのリフト機構であって、リング
は、データの書込及び再生が行なわれる記録面をもつデ
ィスク媒体の最外周縁に凹凸結合され、ディスク媒体の
全周に沿って設けられた傾斜部を有しており、磁気ヘッ
ドアッセンブリは、磁気ヘッドを浮上させてディスク媒
体の記録面に沿って移動させる磁気ヘッドスライダと、
該磁気ヘッドスライダを弾性支持する磁気ヘッドスライ
ダ支持バネとを含むものであり、該磁気ヘッドアッセン
ブリは、磁気ヘッドスライダがディスク媒体の最外周側
に移動したときに該磁気ヘッドスライダの支持用バネが
リングの傾斜部により撓められて磁気ヘッドがディスク
媒体の記録面からリフトされるものである。

【０００９】

【作用】本発明では、磁気ヘッドをリフトさせるための
傾斜部をリングに備付け、該リングをディスク媒体の最
外周縁に凹凸結合させて取付けるようにしたものであ
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明について説明する。

【００１１】図１（ａ）は、本発明の一実施例を示す平
面図、図１（ｂ）は、一部拡大断面図である。

【００１２】図において、本実施例では、磁気ディスク
と磁気ヘッドアッセンブリ（Ａｓｓｙ）６とを組み合せ
てなる。

【００１３】磁気ディスクは、図１（ａ），（ｂ）に示
すように、ディスク媒体１とリング５とからなる。

【００１４】ディスク媒体１は、データの書込及び再生
が行なわれる記録面をもつものである。

【００１５】リング５は、例えばテフロン樹脂又は硬質
シリコンゴム等を用いた樹脂成型体として形成されてい
る。リング５は、内周側に凹状溝３を有しており、凹状
溝３によりディスク媒体１の最外周部２に凹凸結合され
る。

【００１６】さらに、リング５は、ディスク媒体１の全
周に沿って設けられた傾斜部４をディスク媒体１の表裏
面側にそれぞれ有している。図１（ｂ）に示す傾斜部４
は、内周側から外周側にかけて高さが直線状に漸増する
直線状傾斜面４ａを有している。

【００１７】傾斜部４の直線状傾斜面４ａは、ディスク
媒体１の記録面に対して５°〜１２°程度の傾斜角をも
って上傾している。

【００１８】磁気ヘッドＡｓｓｙ６は、回転軸６ａのま
わりに角回転するもので、図示しない磁気ヘッドを浮上
させてディスク媒体１の記録面に沿って移動させる磁気
ヘッドスライダ７と、磁気ヘッドスライダ７を弾性支持
する磁気ヘッドスライダ支持バネ８とを有している。

【００１９】磁気ヘッドスライダ支持バネ８は、前後端
に傾斜部８ａを有している。

【００２０】図１（ａ），（ｂ）に示す磁気ディスク媒
体を利用した磁気ヘッドのリフト機構の動作について説
明する。

【００２１】ディスク媒体１上に、情報の書込み若しく
は読出しを行うための磁気ヘッドＡｓｓｙ６を配する。

【００２２】磁気ディスク装置が停止命令を発すると、
磁気ヘッドＡｓｓｙ６は装置の回路部の制御に従って、
通常の記録エリア位置よりディスク媒体の最外周側へ速
度制御されながら移動する。

【００２３】このとき、前記磁気ディスク媒体１の最外
周部２に具備されているリング５に備えた傾斜部４の傾
斜面４ａに、磁気ヘッドＡｓｓｙ６が具備する磁気ヘッ
ドスライダ７の支持バネ８の傾斜部８ａが、図２に示す
ように当接し、さらにこれに乗り上げることにより支持
バネ８が撓み、磁気ヘッドスライダ７をディスク媒体１
の記録面より離脱させることが可能となる。

【００２４】又、装置の動作命令が制御回路より発せら
れた場合、リング５に当接していた磁気ヘッドＡｓｓｙ
６の支持バネ８は磁気ディスク媒体１の外周側より内周
側へリング５に備えた傾斜部４の傾斜面４ａを滑かに摺
動しながら移動する。このことにより、磁気ヘッドＡｓ
ｓｙ６に具備している磁気ヘッドスライダ７をディスク
媒体１の記録面へ着接することができる。

【００２５】さらに前述のように、磁気ヘッドＡｓｓｙ
６に具備している支持バネ８がディスク媒体１の最外周
部２でリング５に当接することにより、磁気ヘッドスラ
イダ７をディスク媒体１より離脱させることができるた
め、従来装置の起動及び停止時に行っていたＣＳＳを無
くすことができる。

【００２６】このようにして装置の移動もしくは運搬及
び保管時等に発生する外力による損傷、およびディスク
媒体１と磁気ヘッドスライダ７との間に生ずる吸着を防
ぐことができる。したがって、最終的に装置の耐久性の
低下を防止することができる。

【００２７】図３は、本発明の他の実施例を示す拡大断
面図である。

【００２８】本実施例では、傾斜部４の傾斜面４ａを曲
面形状９に形成したものである。

【００２９】曲面形９の傾斜面４ａに、磁気ヘッドＡｓ
ｓｙ６に具備する支持バネ８が当接することにより、磁
気ヘッドスライダ７はディスク媒体１に対して図１の実
施例で説明した動作命令により離脱させることができ、
図１の実施例と同様の効果を得ることが可能となる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、ディスク
媒体の最外周部に傾斜部をもつリングを凹凸結合させ、
該リングに磁気ヘッドＡｓｓｙの具備している支持バネ
を当接させることにより、磁気ヘッドスライダをディス
ク媒体の表面から離脱させることが可能となり、従来装
置の起動，停止時に行なわれていたＣＳＳを無くすこと
ができ、装置の信頼性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、本発明の一実施例を示す平面図、
（ｂ）は、一部拡大図である。

【図２】動作を示す拡大図である。

【図３】本発明の他の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ ディスク媒体 ２ 最外周部 ３ 凹状溝 ４ 傾斜部 ４ａ 傾斜面 ５ リング ６ 磁気ヘッドＡｓｓｙ ７ 磁気ヘッドスライダ ８ 支持バネ ９ 曲面形状

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク媒体と、リングとを組合せてな
   る磁気ディスク媒体であって、 ディスク媒体は、データの書込及び再生が行なわれる記
   録面を備えたものであり、 リングは、ディスク媒体の最外周縁に凹凸結合され、デ
   ィスク媒体の全周に沿って設けられた傾斜部を有してお
   り、 該傾斜部は、内周側から外周側にかけて高さが漸増する
   傾斜面を有し、磁気ヘッドを搭載した磁気ヘッドスライ
   ダがディスク媒体の最外周側に移動したときに該磁気ヘ
   ッドスライダの支持用バネを傾斜面で撓めて前記磁気ヘ
   ッドをディスク媒体の記録面よりリフトする機能をもつ
   ものであることを特徴とする磁気ディスク。
2. 【請求項２】 リングと、磁気ヘッドアッセンブリとを
   組合せてなる磁気ヘッドのリフト機構であって、 リングは、データの書込及び再生が行なわれる記録面を
   もつディスク媒体の最外周縁に凹凸結合され、ディスク
   媒体の全周に沿って設けられた傾斜部を有しており、 磁気ヘッドアッセンブリは、磁気ヘッドを浮上させてデ
   ィスク媒体の記録面に沿って移動させる磁気ヘッドスラ
   イダと、該磁気ヘッドスライダを弾性支持する磁気ヘッ
   ドスライダ支持バネとを含むものであり、 該磁気ヘッドアッセンブリは、磁気ヘッドスライダがデ
   ィスク媒体の最外周側に移動したときに該磁気ヘッドス
   ライダの支持用バネがリングの傾斜部により撓められて
   磁気ヘッドがディスク媒体の記録面からリフトされるも
   のであることを特徴とする磁気ヘッドのリフト機構。