JPH0562179U

JPH0562179U - 回転ソレノイド

Info

Publication number: JPH0562179U
Application number: JP706492U
Authority: JP
Inventors: 直生小林
Original assignee: ジェコー株式会社
Priority date: 1992-01-24
Filing date: 1992-01-24
Publication date: 1993-08-13

Abstract

(57)【要約】【目的】形状を大きくせずに磁力を有効に作用させ、
もって、小型で、かつ回転トルクの効率を高める。【構成】円環状の積層ステータのコア部６の中央部の
一対のコア部２０の先端をそれぞれ上下に折り曲げて折
曲部２１を設け、ロータに対する磁極部とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のショックアブソーバーの減衰力を可変する油圧切換用アクチュエータ等に用いられて好適な回転ソレノイドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の回転ソレノイドは、一般に図３および図４に示すように、図示しないケースの軸受部に回転自在に支持された回転軸３に一体的に取付けられ、周面に複数の磁極を有する永久磁石からなるロータ２と、円環状に形成され中心方向に突設された複数のコア部６を有し、複数枚積層された積層ステータ５と、この積層ステータ５の各コア部６にコイルが巻回された複数のコイル巻回部７と、前記積層ステータ５の最上部のステータの表面に固着され、前記コイル巻回部７から導出される図示しないコイル導出部が結線される各コイル端子板８とから概ね構成されている。そして、各コイルに電流を流すことによって各コア部６の先端部６ａが磁極部として機能し、ロータ２に対して吸引、反発の力を加え、この結果、ロータ２に回転のトルクを付与している。

【０００３】ところで、ロータ２に充分な回転トルクを付与させるためには、ロータ２のロータ長Ｌに対応してコア６の磁極部６ａの高さＨを充分にとり、ロータ２の磁力に対してステータ側の磁極部６ａの磁力を有効に作用させる必要がある。このため、従来においては、図５に示すように、コア部６の厚みを増やし、ロータ長Ｌと磁極部６ａの高さＨ₁ がほぼ同等となるように積層ステータ５の積層枚数を増やすか、あるいは図６に示すように、コア部１０の先端にそれぞれ上下に折曲げられた高さＨ₁ の折曲部１０ａを有する磁極用ステータを積層ステータ５の上下に積層し、この折曲部１０ａをコア部１０の磁極部として機能させ、この磁極面をロータ２に近接させたものがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した第１の例のように、コア部６の厚みを増やす構造とすると、これにともない積層ステータ５の厚みも厚くなり、かつコア部６に巻回したコイル巻回部７も厚くなるため、回転ソレノイド全体が大型化してしまう欠点がある。また、第２の例のように、磁極用ステータを積層ステータ５の上下に積層した構造とすると、上述したような回転ソレノイド全体が大型化する欠点が解消するものの、積層ステータ５のコア部６のコア端面６ａがロータ２の周面と近接する構造となり、このため、ロータ２の周面とコア端面６ａとの間のエアーギャップにばらつきが生じ、これにより、回転トルクにもばらつきが生じるといった問題がある。

【０００５】したがって、本考案は上記したような従来の欠点あるいは問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、形状を大きくせずに磁力を有効に作用させ、もって、小型で、かつ回転トルクの効率を高めた回転ソレノイドを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案に係る回転ソレノイドは、複数の磁極を有する永久磁石からなるロータと、このロータの周囲に積層状態に配設されロータの中心方向に突設された複数のコア部を有する円環状の積層ステータと、この積層ステータの各コア部にコイルが巻回された複数のコイル巻回部とからなる回転ソレノイドであって、前記積層ステータの中央層にコア部の先端がそれぞれ上下方向に折り曲げられた折曲部が設けられているものである。

【０００７】

【作用】

本考案においては、磁極用ステータの折曲部のみが磁極部として機能し、この磁極部の表面積を広くすることにより、磁極部の磁力とロータの磁力とが有効に作用し、また、折曲部はロータの周面と均一なエアーギャップが保たれる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。図１は、本考案に係る回転ソレノイドの要部斜視図である。同図において、本考案の特徴とするところは、図示しない円環状の積層ステータの積層するコア部６の中央層の一対のコア部２０の先端をそれぞれ上下に折り曲げて折曲部２０ａが設けられている点にある。したがって、他のコア部６の端面は、この折曲部２１によって遮蔽され、図示しないロータの周面に近接しているのは、折曲部２１の表面２１ａのみとなっている。

【０００９】換言すれば、この表面２１ａが、ロータに対する磁極面となり、この一対の磁極面２１ａの高さＨ₁ を前述したロータ２のロータ長Ｌと同等とすることにより、ロータ２の磁力に対してステータ側の磁極面２１ａの磁力とを有効に作用させることができる。また、磁極面２１ａのみがロータの周面に近接しているので、これらの間のエアーギャップが一定に保たれ、これにより、磁力によって生じる回転トルクにばらつきが生ずることがなく、効率のより回転トルクが得られる。そして、これらは、折曲部２１の高さＨ₁ をロータ２のロータ長Ｌと同等もしくはやや大に形成すれば達成できるものであるから、コア６間の厚みを最小限とすることができ、このため小型の回転ソレノイドが得られる。

【００１０】図２は、本考案の別の実施例を示す要部斜視図である。この実施例においては、折曲部２１の幅Ｗをロータ２の周方向に沿って、円弧状に幅広としたものである。このような構成とすることにより、回転ソレノイドの厚み方向を何ら増やすことなく、磁極面２１ａの磁力をより有効に作用させ、より効率のよい回転トルクを得ることができるものである。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、ロータの周囲に積層状態に配設されロータの中心方向に突設された複数のコア部を有する円環状の積層ステータの中央層にコア部の先端がそれぞれ上下方向に折り曲げられた折曲部が設けられているので、折曲部を磁極部として機能させることができ、この折曲部の表面積のみを広くすることによって、ロータの磁力に対して、折曲部の磁力を有効に作用させることができ、しかもロータの周面と磁極用ステータの折曲部間のエアーギャップを均一にすることができ、このため回転ソレノイドの厚み方向を増やすことなくロータとステータの磁極部間の鎖交磁束が増し、ロータのトルク向上を図ることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る回転ソレノイドの要部斜視図であ
る。

【図２】本考案に係る回転ソレノイドの第２の実施例を
示す要部斜視図である。

【図３】一般的な回転ソレノイドの分解斜視図である。

【図４】図３の要部斜視図である。

【図５】従来の回転ソレノイドの要部斜視図である。

【図６】従来の回転ソレノイドの第２の例の要部斜視図
である。

【符号の説明】

２ロータ５積層ステータ６コア部７コイル巻回部２１折曲部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】複数の磁極を有する永久磁石からなるロ
ータと、このロータの周囲に積層状態に配設されロータ
の中心方向に突設された複数のコア部を有する円環状の
積層ステータと、この積層ステータの各コア部にコイル
が巻回された複数のコイル巻回部とからなる回転ソレノ
イドにおいて、前記積層ステータの中央層にコア部の先
端がそれぞれ上下方向に折り曲げられた折曲部が設けら
れていることを特徴とする回転ソレノイド。