JPH0561183A - 露光マスク - Google Patents

露光マスク

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JPH0561183A
JPH0561183A JP29454091A JP29454091A JPH0561183A JP H0561183 A JPH0561183 A JP H0561183A JP 29454091 A JP29454091 A JP 29454091A JP 29454091 A JP29454091 A JP 29454091A JP H0561183 A JPH0561183 A JP H0561183A
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 転写装置の解像限界を向上せしめると共に、
一定の光量で忠実なパターン転写を行うことのできる露
光マスクおよびその製造方法を提供する。 【構成】 本発明の第1の露光マスクでは、ある範囲の
寸法をもつマスクパターンでは、遮光膜パターンの代わ
りに、半透明膜パターンを用いる。また本発明の第2の
露光マスクでは、露光光に対する光路長が異なるように
構成されたシフト膜と、この膜の上層または下層に形成
されたマスク基板と露光光に対して所定の透過率を有す
るように構成された透過率調整層としての半透明膜との
積層構造で構成する。本発明の第3では位相シフタを構
成する材料の振幅透過率を調整することにより、コント
ラスト向上に効果的なシフタ幅を大きくし、シフタ幅に
必要とされる精度を緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、露光マスクに係り、特
にリソグラフィのマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路は、高集積化、微細化の
一途を辿っている。その半導体集積回路の製造に際し、
リソグラフィ技術は加工の要として特に重要である。
【0003】現在のリソグラフィ技術では、マスクパタ
ーンを縮小光学系を介してLSI基板上に投影露光する
方法が主に用いられているが、高圧水銀ランプを光源と
するなら最小線幅0.5μm 程度が限界である。0.5
μm 以下のパターン寸法にはKrFエキシマレーザある
いは電子線を用いた直接描画技術や、X線等倍露光技術
の開発が進められているが、量産性、プロセスの多用性
等の理由から、光リソグラフィに対する期待は非常に大
きくなっている。
【0004】このような状況の中で光源に対しては、G
線、i線、エキシマレーザ、X線等種々の光源の採用が
検討されており、また、レジストに対しても新レジスト
の開発やRELのような新レジスト処理が検討され、さ
らには、SREP.CELイメージリバース法等も研究
が進められている。
【0005】これに対し、マスク製作技術に対しては、
充分な検討がなされていなかったが、1982年IBM
社のレベンソンらにより、位相シフト法が提案され、注
目されている。
【0006】この位相シフト法は、マスクを透過する光
の位相を操作することにより投影像の分解能およびコン
トラストを向上させる技術である。
【0007】この原理について図20を参照しつつ説明
する。この方法では、図20(a) に示すように、石英基
板11上にスパッタ法等により形成したクロム(Cr)
あるいは酸化クロム(Cr2 3 )からなるマスクパタ
ーン12の隣り合う一対の透明部の一方に透明膜13を
形成したマスクを用い、図20(b) に示すようにこの部
分の位相を反転させ光の振幅が2つの透過部の境界部で
打ち消し合うようにしたものである(図20(c) )。こ
の結果、2つの透過部の境界部の光強度は0となり、図
20(d) に示すように、2つの透過部よりウエハ上に形
成されるパターンを分離することができる。このように
して、NA=0.28のg線ステッパで、0.7μm の
パターンを解像し、解像度が約40%向上した。このと
き、位相を反転させるには位相シフタの膜厚dはシフタ
材料の屈折率をn、露光波長をλとするとd=λ/2
(n−1)の関係が必要となる。
【0008】さらに日立の寺沢らは、レベンソンらの技
術をさらに発展させて、図21にその原理を示すように
孤立パターンへの適用を行った。この方法では、孤立パ
ターンaの他に単独では解像しないダミーとしての補助
パターンbを設け、この部分に位相を反転させるシフタ
13を配設している。この方法では、NA=0.42の
i線ステッパで、0.3μm の孤立スペースおよび0.
4μm 径のコンタクトホールが解像し、従来法に比べ解
像度が約30%向上した。しかしながらコンタクトホー
ルについてはパターン寸法が小さくなればなるほど補助
パターンとの光強度差が小さくなるので透過部を透過す
る光強度が全体的に弱められ解像しないという限界があ
る。
【0009】さらにまた、以上に説明した方法では、ラ
イン・アンド・スペースに対しては透過部1つおきにシ
フタを設置し、孤立パターンに対しては補助パターン用
にマスク層を加工しシフタを配置するため、マスクパタ
ーンに対するシフタの位置合わせや選択加工技術が必要
となり工程数が大幅に増大するのをはじめ、マスクの製
造工程が複雑となるという問題がある。
【0010】このような問題に鑑み、さらに、東芝の仁
田山らは透過部あるいは遮光部の周囲に位相シフタを設
けた位相シフトマスク構造を提唱している。
【0011】図22にこの原理を示す。このマスクは、
図22(a) に示すように、石英基板11上に形成したク
ロム(Cr)と酸化クロム(Cr23 )との積層膜か
らなるマスクパターン12の周囲に張り出すように形成
した位相シフタ13としての透明膜を形成したマスクを
用い、図22(b) に示すようにこの部分の位相を反転さ
せ光の振幅が透過部両端で位相0°と位相180°の光
が打ち消し合い、光強度が小さくなりコントラストが向
上するようにしたものである(図22(c) )。この結
果、透過部両端の光強度はほぼ0となり、図22(d) に
示すように、2つの透過部よりウエハ上に形成されるパ
ターンを分離することができる。
【0012】このマスクは次のようにして形成される。
【0013】まず、図23(a) に示すように石英基板1
1上にスパッタ法等によりクロム(Cr)と酸化クロム
(Cr2 3 )との積層膜12を100nm程度堆積し、
この上にレジストを塗布し電子線描画を行い現像しレジ
ストパターンRをパターニングする。
【0014】次いで、図23(b) に示すように、このレ
ジストパターンをマスクとしてウエットエッチング法ま
たは反応性イオンエッチング法により、このマスク層1
2をパターニングし、レジストパターンRを剥離除去す
る。
【0015】この後、図23(c) に示すように、PMM
A膜13を塗布し、バック露光を行い潜像13Sを形成
する。
【0016】そして、現像を行い、図23(d) に示すよ
うに、PMMA膜パターンからなる位相シフタ13を形
成する。
【0017】最後に、図23(e) に示すように、このP
MMA膜パターンからなる位相シフタ13をマスクとし
てマスク層12のサイドエッチングを行い、マスク層1
2から位相シフタ13が張り出すように形成されたマス
クが完成する。
【0018】このマスクではPMMAが位相シフタとな
るわけであるが、PMMAは透過率が高く、レジストプ
ロファイルがシャープであるため、良好な位相シフタと
なる。
【0019】また、この方法では自己整合的に位相シフ
タのパターンを形成することができるため、マスク合わ
せや、選択加工工程が不要となり、簡単に形成すること
ができる。
【0020】このようなマスクを用いて露光を行うと、
各開口部を通った光は、破線で示すように互いの位相が
反転しているため、マスク層の下の部分での光強度が大
幅に低下し、全体としての光は実線で示すように、強度
分布からみて、従来のマスクを用いた場合に比べ半分近
い寸法までの解像が可能となる。
【0021】このような構造のマスクにおいて位相シフ
タの透過率を100%と仮定し、シフタ幅の最適化を行
ったところ、パターン寸法に応じて、コントラスト向上
効果の最も大きい最適シフタ幅が異なることがわかっ
た。例えば、図19に示すようにNA=0.42のエキ
シマ・ステッパを用いる場合、0.3μmのライン・ア
ンド・スペースの最適シフタ幅は0.04μm (ウェハ
上)、0.25μm のライン・アンド・スペースの最適
シフタ幅は0.06μm (ウェハ上)である。
【0022】このようにパターン寸法に応じて、コント
ラスト向上効果の最も大きい最適シフタ幅を設定するこ
とにより、最大のコントラスト向上効果を得ることがで
き従来では解像し得なかった微細パターンの解像も可能
となる。
【0023】しかしながら、この方法では、微細パター
ンの上にさらに微細なシフタパターンを設けるため、シ
フタ幅の制御が難しく、加工が極めて困難であるという
問題があった。
【0024】またこのようなシフタパターンは透過性の
膜かあるいは反透過性の膜かのいずれかを使用しなけれ
ばならない。ところが、超LSIの製造工程で用いるマ
スクはゴミの付着が全くない状態でなければならないた
め頻繁に洗浄が必要になる。このため位相シフトマスク
も繰り返し洗浄に耐え得るだけの強度を有するものであ
る必要があるが、シフタをレジストで形成しようとする
と強度の点では全く実用に供し得るものではなかった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の位
相シフト法を用いたフォトリソグラフィのマスクにおい
ては、微細パターンの上にさらに微細なシフタパターン
を設けるため、シフタ幅の制御やアライメントが難し
く、加工が困難であるという問題があった。
【0026】また、超LSIの製造工程で用いるマスク
として、強度的に十分使用できるものはなかった。
【0027】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、転写装置の解像限界を向上せしめると共に、一定の
光量で忠実なパターン転写を行うことのできる露光マス
クおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の第1の露
光マスクでは、ある範囲の寸法をもつマスクパターンで
は、遮光膜パターンの代わりに、半透明膜パターンを用
いるようにしている。望ましくは、マスクパターンのサ
イズに応じて半透明膜パターンの振幅透過率を調整する
ようにしている。
【0029】また望ましくは、半透明膜パターンを、露
光光で解像されないような複数の微細領域に分割された
振幅透過率の異なる複数の領域から構成している。
【0030】望ましくは、半透明膜パターンを、微細領
域の占有面積比率によって振幅透過率を調整するように
構成している。
【0031】望ましくは、半透明膜パターンは、イオン
注入によって振幅透過率の変化された領域を含むように
している。
【0032】また本発明の第2の露光マスクでは、露光
光に対する光路長が異なるように構成されたシフト膜
と、この膜の上層または下層に形成されたマスク基板と
露光光に対して所定の透過率を有するように構成された
透過率調整層としての半透明膜との積層構造で構成され
るようにしている。
【0033】本発明の第3では位相シフタを構成する材
料の振幅透過率を調整することにより、コントラスト向
上に効果的なシフタ幅を大きくし、シフタ幅に必要とさ
れる精度を緩和するようにしている。すなわちマスクパ
ターンのパターン寸法を露光条件のλ/NAで除した値
が0.34から0.68となるとき、位相シフタの振幅
透過率を100%以下にし、位相シフタ幅を隣接パター
ンに影響を及ぼさない程度に大きく選択できるようにし
ている。望ましくはシフタ幅を十分に大きくしておき、
パターン寸法に応じてコントラストが最大となるように
位相シフタの振幅透過率を選択するようにしている。
【0034】
【作用】シミュレーションにより、シフタ透過率を変化
させてウェハ上に投影される光像強度分布を調べた結
果、遮光膜パターンの代わりに、所定の透過率を有する
半透明膜パターンを用いることにより、コントラストが
向上することが分かった。本発明はこの点に鑑みてなさ
れたもので、上記構成をとることにより、微細パターン
の解像が容易となる。また、位相シフタのパターニング
を遮光膜パターンとは別に行うことなく1回で形成でき
るため、パターン制御が容易である。
【0035】望ましくは、マスクパターンのサイズに応
じて半透明膜パターンの振幅透過率を調整することによ
り、解像度を向上させることができる。
【0036】また、一定の透過率を有し、露光光学系の
解像度以下の微細な半透明膜パターンを用いて占有面積
透過率が異なるように構成することにより実際にパター
ンサイズに応じた振幅透過率のパターンを容易に形成す
ることができる。
【0037】また、本発明の第2の露光マスクは、露光
光に対する光路長が異なるように構成されたシフト膜
と、この膜の上層または下層に形成されたマスク基板と
露光光に対して所定の透過率を有するように構成された
透過率調整層としての半透明膜との積層構造で構成され
るようにしているため、位相をシフトさせる膜と透過率
を調整する膜とを独立に選択することができ容易に形成
可能である上、位相をシフトさせるシフト層を酸化シリ
コン膜やスピンオングラスとするなど樹脂以外の材料を
も含めて適宜選択する事が可能となり、超LSIの製造
工程で用いる場合のように繰り返し洗浄に耐え得るだけ
の強度を有するパターンを得ることができる。
【0038】ところで、光学像はNA(光学系の開口
数),λ(波長)に依存する。
【0039】しかしながら、パターン寸法wを次式のよ
うに規格化した場合、 γ=w/(λ/NA) 同じ規格化寸法γをもつ光学像は相似比λ/NAで完全
に相似となる。NA/λは空間周波数領域でのカットオ
フ周波数を現しており、その逆数λ/NAはカットオフ
周波数を1としてそれをNA/λ分割した1目盛り分の
周波数となる。このように各パターン寸法をこのλ/N
Aで除すことにより、その寸法が空間周波数領域上で占
める位置を規格化することができる。
【0040】この規格化寸法を用いて種々の実験を重ね
た結果、規格化寸法(露光条件のλ/NAで除した値)
が0.61以下であるマスクパターンに対して特に有効
であることがわかった。そこで、露光条件のλ/NAで
除した値が0.61以下であるマスクパターンに対して
のみ、透過率0〜50%を有し位相が180°シフトす
るような半透明膜を用いてマスクパターンを形成するこ
とにより、容易に、位相シフト効果を得ることができ、
従来のマスクでは解像できないようなパターンの解像が
可能となる。なお、この半透明膜の透過率はパターン寸
法に応じてコントラストが最適となる値を選択するよう
にすればよい。
【0041】また、本発明者らは、等間隔のライン・ア
ンド・スペ−スにおける最適な振幅透過率とシフタ幅の
関係を求めるため、光像強度分布を求めるプログラムを
用いてシミュレーションを行った。この結果からコント
ラストが極大となるシフタの振幅透過率はシフタ幅によ
って異なり、振幅透過率を小さくすればするほどシフタ
幅は大きくすることができることがわかった。そしてこ
の結果、この現象は、マスクパターンのパターン寸法を
露光条件のλ/NAで除した値が0.34から0.68
の時に共通である事が分かった。そこでこの範囲内の各
パターン寸法においてシフタの透過率を任意に調整する
ことによりシフタ加工に十分な精度を得られる範囲のシ
フタ幅で、大きなコントラスト向上効果を得ることがで
きる。
【0042】またシフタ幅を十分に大きくしておき、パ
ターン寸法に応じてコントラストが最大となるように位
相シフタの振幅透過率を選択するようにすれば、製造が
極めて容易となる。
【0043】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
つつ詳細に説明する。
【0044】実施例1 図1は本発明の第1の実施例の露光用マスクの断面を示
す図である。
【0045】この露光用マスクは、5倍体マスクであ
り、透光性の石英基板1の表面に、膜厚0.25μm 透
過率6%の半透明膜からなる1.5μm 幅のライン・ア
ンド・スペースパターンからなるマスクパターン2を配
設してなるものである。このラインアンドスペースはウ
ェハ上に転写されて0.3μm の幅のライン・アンド・
スペースパターンとなる。
【0046】この半透明膜は、p−TERPHENYL
とPMMAとを、1:4で混合し、これをエチルセロソ
ルブアセテートに溶かしたものを回転塗布し、膜厚0.
25μm となるようにしたのち、露光現像を行い、0.
3μm 幅のライン・アンド・スペースパターンとしたも
のである。
【0047】このようにして形成された露光用マスク
を、NA=0.42の投影レンズを有するKrFエキシ
マレーザステッパに装着し、シリコン基板上にSAL6
01と指称されているネガ型レジストを塗布したウェハ
に、パターン転写(λ=248nm、コヒーレンシσ=
0.5)を行い、専用現像液で現像した。
【0048】これにより、従来の露光マスクでは解像し
得なかった高精度の0.3μm 幅のライン・アンド・ス
ペースパターンからなるレジストパターンを得ることが
できる。
【0049】次に、等間隔のライン・アンド・スペース
パターンにおける最適なシフタ透過率を求めるため、独
自に作成した光像強度分布を求めるプログラムを用いて
シミュレーションを行った。その結果を図2に示す。
【0050】露光条件としてはKrFエキシマレーザ
光、NA=0.42、λ=248nm(λ/NA=0.5
9)、コヒーレンシσ=0.5に設定した。ここでは図
1に示したのと同様に透光性の石英基板11上に透過率
T=0%(クロム)、T=6%、T=20%の3種類の
半透明膜からなる0.3μm 幅のライン・アンド・スペ
ースパターンからなるマスクパターン2を配設したもの
を用い、各透過率に対する光像強度分布の変化を調べ
た。
【0051】図2(a) 乃至図2(c) はパターン寸法0.
3μm のラインアンドスペースのパターンの透過率をT
=0%(クロム)、T=6%、T=20%と変化させて
シミュレーションを行った結果得られた光強度分布を示
す。この結果から、T=6%としたとき光強度分布の谷
の部分ががほぼ0となっており、T=0%のときよりコ
ントラストが向上していることがわかる。
【0052】さらに、次式 C=(Imax −Imin )/(Imax +Imin ) ……(式) Imax …光強度分布波形の山の光強度 Imin …光強度分布波形の谷の光強度 C …コントラスト を用いてコントラストを算出し、図3にλ/NAで規格
化した寸法を用いて形成したパターンの透過率の変化に
対するコントラストの変化を示す。それぞれ曲線a,
b,c,d,e,f,g,hは0.68(0.40μm
)、0.63(0.37μm )、0.61(0.36
μm )、0.59(0.35μm )、0.51(0.3
μm )、0.42(0.25μm )、0.39(0.2
3μm )、0.34(0.20μm )のときの、透過率
の変化に対するコントラストの変化を示す。
【0053】ラインアンドスペースの場合、0.37μ
m 以上のパターンでは、シフタの透過率を上げていくと
コントラストは低下するが、パターン寸法0.25μm
では、透過率16%、0.3μm では透過率6%、0.
35μm では透過率3%で、コントラストが最大となっ
ている。
【0054】この結果から、0.36μm (規格化され
た値で0.61)以上のパターンには、クロム等の遮光
膜を用い、それより小さいパターンには透過率を0%か
ら20%に調整した半透明のシフタを用いることによ
り、微細パターンの解像が可能となることがわかる。
【0055】なお、図3の結果を、それぞれの露光条件
のλ/NAに乗じるようにすれば、その露光条件でのパ
ターン寸法に応じてコントラストを最大とするような半
透明膜の透過率を得ることができる。
【0056】また、図3から、規格化されたパターン寸
法が0.61以上のパターンには、クロム等の遮光膜を
用い、それより小さいパターンには半透明膜を用いこの
半透明膜の透過率を0〜50%の範囲に設定したとき、
コントラストの向上をはかることができることがわか
る。ここで規格化寸法0.39で最適透過率は50%と
なり、0.39より小さい0.34では透過率を調整し
ても効果がなく、透過率が50%より大きくしても効果
がないことがわかる。
【0057】なお、この半透明膜に色素を添加して透過
率を調整するようにしてもよい。
【0058】実施例2 次に、本発明の第2の実施例について詳細に説明する。
【0059】図4(a) および(b) は本発明の第2の実施
例の露光用マスクの要部を示す図である。
【0060】この露光用マスクは、露光光学系の解像度
限界以下のパターンを用い、マスクパターンのサイズに
応じてこの密度(面積占有率)を調整することにより振
幅透過率を制御し、パターンサイズ毎に最適な振幅透過
率となるようにし解像限界を向上するようにしたことを
特徴とするものである。
【0061】この露光用マスクは露光光の波長が436
nmの領域で用いるもので、この位相シフタとしての半透
膜パターンを透過してきた露光光は位相が180度反転
し、半透膜パターンを通過しない露光光と合成され、パ
ターン境界部で光強度がシャープになるようになってい
る。
【0062】次に、この露光用マスクの製造工程につい
て説明する。
【0063】まず、図5(a) に示すように、大きさ5イ
ンチ四方、厚さ2.4mmの透光性の溶融石英基板1の表
面にスパッタリング法により、膜厚0.035μm のC
r膜3からなる半透明膜を堆積する。
【0064】そして、図5(b) に示すように、レジスト
Rを塗布しEB露光を用いたフォトリソグラフィ工程に
より、これをパターニングする。
【0065】この後、図5(c) に示すように、このレジ
ストパターンRをマスクとし,CH2 Cl2 とO2 ガス
を主成分とする反応性ガスを用いた反応性イオンエッチ
ングによりCr膜3をパターニングし、続いてCF4
主成分とするガスを用いたドライエッチングにより基板
1を0.42μm 程度エッチングし溝Tを形成する。こ
こでこのエッチングにより彫り込まれなかった領域4が
位相調整領域となる。このときの基板1の彫り込み量は
次式に従う。
【0066】 (n1 −1)×d1 /λ+(n2 −1)×d2 /λ=0.5 n1 :Crの屈折率 d1 :Crの膜厚 n2 :石英基板の屈折率 d2 :石英基板の彫りこみ量 さらに、図5(d) に示すように、硫酸と過酸化水素水と
の混合溶液中に浸漬することによりレジストパターンR
のみを選択的に除去する。
【0067】この後、図5(e) に示すように、Cr膜3
を微細パターンに加工するためのレジストパターンR2
を形成する。
【0068】そして、図5(f) に示すように、このレジ
ストパターンR2 をマスクとしてCH2 Cl2 とO2
を主成分とするドライエッチングによりCr膜3からな
る半透明膜をパターニングし、続いて液相成長法により
酸化シリコン膜5をレジストパターンで囲まれた領域に
選択的に形成する。ここで酸化シリコン膜5の膜厚はC
r膜3を透過した露光光とこの酸化シリコン膜5を透過
した露光光の位相差が0となるようにする。
【0069】最後にレジストR2 を有機溶剤または酸に
よって剥離し露光マスクを完成する(図5(g) )。
【0070】このようにして形成された露光マスクの位
相シフタは、パターンサイズに応じてCr膜3の微細パ
ターンと酸化シリコン膜5との面積占有率を調整し,最
適化したパターンとなるようにしている。
【0071】この露光用マスクの露光に用いる露光光は
波長436nmであるものとして膜厚を決定した。
【0072】このようにして形成された露光用マスク
を、NA=0.42の投影レンズを有するg線ステッパ
に装着し、被処理基板上に塗布された0.5μm厚さの
ノボラック系ポジレジストPR−1024を露光したと
ころ、0.3μmのパターンまで極めて高精度に再現性
よく得られた。
【0073】また、ここでは半透明膜としてのCr膜3
と酸化シリコン膜5との微細パターンの面積占有率を調
整することにより所望の振幅透過率を得るようにしてい
るため、パターンサイズに応じて振幅透過率を制御する
のが容易となる。
【0074】なお、前記実施例ではCr膜3と酸化シリ
コン膜5とに差があり、段差が形成されているが、酸化
クロム膜と酸化シリコン膜など屈折率の近い材料の組み
合わせを用いるようにすれば、段差をなくすことができ
光学的特性がさらに向上する。 また、半透明膜として
はCrに限定されるものではなく他の金属材料や他の材
料でも良い。すなわち、膜厚等を薄く設定することなど
によりどのような材料を用いても良い。また、透明膜と
しても酸化シリコンに限定されるものではなく、フッ化
カルシウム(CaF)、フッ化マグネシウム(Mg
F)、酸化アルミニウム(Al2 3 )等他の材料でも
良い。
【0075】実施例3 次に、本発明の第3の実施例について詳細に説明する。
【0076】この例ではイオン注入により透過率をわず
かづつ変化させることができる点に着目し、振幅透過率
の微調整を行うようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0077】溶融石英からなる透明基板表面に30Ke
Vの加速電圧でシリコンイオンをイオン注入し、波長4
36nmにおける透過率を測定した。その結果を図6(a)
に示す。ここで横軸は注入イオンドーズ量であり、縦軸
は透過率である。この図からわかるように、ドーズ量の
増加とともに透過率は単調に減少することがわかる。こ
の露光用マスクは露光光の波長が436nmの領域で用い
るもので、この位相シフタとしての半透膜パターンを透
過してきた露光光は位相が180度反転し、半透膜パタ
ーンを通過しない露光光と合成され、パターン境界部で
光強度がシャープになるようになっている。
【0078】次に、この露光用マスクの製造工程につい
て説明する。
【0079】まず、図7(a) に示すように、大きさ5イ
ンチ四方、厚さ2.4mmの透光性の溶融石英基板1の表
面全体に均一にドーズ量7.0×1017/cm2 加速電圧
30KeVでシリコンイオンをイオン注入し半透明層6
を形成する。これによりこの半透明層6の波長が436
nmの露光光に対する透過率は6%となる。
【0080】この後、図7(b) に示すように、レジスト
Rを塗布しEB露光を用いたフォトリソグラフィ工程に
より、これをパターニングする。
【0081】この後し、図7(c) に示すように、このレ
ジストパターンRをマスクとし,CF4 ガスを主成分と
する反応性ガスを用いた反応性イオンエッチングにより
深さ0.47μm 程度エッチングし溝Tを形成する。こ
こでこのエッチングにより彫り込まれなかった領域4が
位相調整領域となる。
【0082】このようにして形成された露光用マスク
を、NA=0.42の投影レンズを有するg線ステッパ
に装着し、被処理基板上に塗布された0.5μm厚さの
ノボラック系ポジレジストPR−1024を露光したと
ころ、0.3μmのパターンまで極めて高精度に再現性
よく得られた。
【0083】このようにして形成される露光マスクの位
相シフタは、パターンサイズに応じてドーズ量あるいは
加速電圧を変化させたり、収束イオンビーム法(FI
B)により描画して微細なイオン注入領域を形成し,最
適化したパターンとなるようにしてもよい。
【0084】なお、前記実施例では、シリコンイオンを
注入したが、シリコンイオンに限定されることなく適宜
変更可能である。ただし図6(a) に示したのと同様の注
入条件でAuを注入した場合図6(b) に示すようにドー
ズ量を増加しても透過率は80%で飽和してしまい、そ
れ以上の調整が不可能である。したがって注入イオンの
ドーズ量と共に透過率が単調に変化する特性が得られる
ようなイオンおよび注入エネルギーを選択する必要があ
る。
【0085】実施例4 次に、本発明の第4の実施例について詳細に説明する。
【0086】この例ではレジストパターンを介してイオ
ン注入を行うことにより選択的に半透明層を形成するよ
うにしている。
【0087】次に、この露光用マスクの製造工程につい
て説明する。
【0088】まず、図7(a) に示すように、大きさ5イ
ンチ四方、厚さ2.4mmの透光性の溶融石英基板1にレ
ジストRを塗布しEB露光を用いたフォトリソグラフィ
工程により、これをパターニングし、このレジストパタ
ーンRを介して表面全体に均一にシリコンイオンをイオ
ン注入し図7(b) に示すように、半透明層7を形成す
る。このとき転写パターンサイズ毎にパターン領域中に
おけるレジストパターンRを調整しておくようにすれ
ば、領域毎に透過率を所望の値に制御することができ
る。
【0089】次に、液相成長法により酸化シリコン膜8
をレジストパターンで囲まれた領域に選択的に形成す
る。ここで酸化シリコン膜8の膜厚は半透明層7と合わ
せて、透明基板を透過した露光光との位相差が,180
となるように選択する(図7(c) )。
【0090】最後にレジストRを有機溶剤または酸によ
って剥離し露光マスクを完成する(図7(d) )。
【0091】このようにして形成された露光マスクの位
相シフタは、パターンサイズに応じて酸化シリコン膜8
と半透明層7との積層構造をなす微細パターンの面積占
有率を調整し,最適化したパターンとなるようにしてい
る。
【0092】実施例5 次に、本発明の第5の実施例について詳細に説明する。
【0093】図9は本発明の第5の実施例の露光用マス
クの断面を示す図である。
【0094】この露光用マスクは、透光性の石英基板2
1の表面に、大小寸法の異なるパターンを形成したもの
で、規格化されたパターン寸法が0.61以上のパター
ンには、クロム等の遮光膜22を用い、それより小さい
パターンには半透明膜23を用いこの半透明膜の透過率
を0〜50%の範囲に設定したものである。
【0095】このとき、マスク表面の全てのパターン
が、極めてコントラスト良く形成されており、解像度も
大幅に増大している。
【0096】実施例6 次に、本発明の第6の実施例について詳細に説明する。
【0097】図10は本発明の第6の実施例の露光用マ
スクの断面を示す図である。
【0098】この露光用マスクは、0.37μm (規格
化された値で0.61)以上のパターンには、クロムの
遮光膜(図示せず)を用い、それより小さいパターンに
は透過率を0%から20%に調整した半透明のパターン
を用いることにより、微細パターンの解像を可能となる
ようにするものである。
【0099】すなわち、この露光マスクは、透光性の石
英基板31の表面に形成された振幅透過率25%(光強
度透過率6.25%)となるように形成されたクロム薄
膜からなる半透明膜32と、該半透明膜32の上層に形
成された位相シフタとなる透明な酸化シリコン膜33と
から構成されていることを特徴とするもので、この酸化
シリコン膜33は露光光に対して180°位相がずれる
ようになっている。
【0100】位相シフタとしたこの透明な酸化シリコン
膜33を透過してきた露光光は位相が180度反転し、
位相シフタ33を通過しない露光光と合成され、パター
ン境界部で光強度がシャープになるようになっている。
【0101】次に、この露光用マスクの製造工程につい
て説明する。
【0102】まず、図11(a) に示すように、透光性の
石英基板1の表面にスパッタリング法により、Cr薄膜
からなる半透明膜32を形成し、さらにこの上層に露光
光に対して位相シフタとなる酸化シリコン膜33を蒸着
する。ここで位相シフタとしての酸化シリコン膜33の
膜厚は180°位相がずれるような膜厚となっている。
【0103】そして、図11(b) に示すように、レジス
ト34を塗布しEB露光を用いたフォトリソグラフィ工
程により、これをパターニングし、これをマスクとして
CF4 ガスを主成分とする反応性ガスを用いた反応性イ
オンエッチングにより酸化シリコン膜34をパターニン
グする。
【0104】さらに、図11(c) に示すように、CH2
Cl2 とO2 とを主成分とするドライエッチングにより
Cr薄膜からなる半透明膜32をパターニングし、レジ
スト34を有機溶剤または酸によって剥離し露光マスク
を完成する。
【0105】このようにして形成された露光マスクの位
相シフタは、半透明膜32と無機膜である酸化シリコン
膜33とでパターンが形成されているため、超LSIの
製造工程で繰り返し洗浄が施される場合にも十分にこの
洗浄に耐え得るだけの強度を有しており、長寿命で信頼
性の高いものとなっている。
【0106】この露光用マスクの露光に用いる露光光は
波長436nmであるものとして膜厚を決定した。
【0107】なお、この位相シフタとして作用する部分
の酸化シリコン膜の厚さは、λ/2(n−1)となるよ
うに設定する。ここで、λは露光光の波長、nは酸化シ
リコン膜の屈折率である。
【0108】このようにして形成された露光用マスク
を、NA=0.42の投影レンズを有するg線ステッパ
に装着し、被処理基板上に塗布された0.5μm厚さの
ノボラック系ポジレジストPR−1024を露光したと
ころ、0.3μmのパターンが極めて高精度に再現性よ
く得られた。
【0109】ちなみに、この位相シフタ層を形成しない
で他については前記実施例と全く同様にして形成した従
来の露光用マスクで露光した場合の解像力は、せいぜい
0.4μm程度であった。これらの比較からも、本発明
実施例の露光用マスクおよびこれを用いた露光方法によ
れば、極めて高精度のパターンを得ることができること
がわかる。
【0110】なお、半透明膜としてはCrに限定される
ものではなく他の金属材料や他の材料でも良い。すなわ
ち、膜厚等を薄く設定することなどによりどのような材
料を用いても良い。また、透明膜としても酸化シリコン
に限定されるものではなく、フッ化カルシウム(Ca
F)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化アルミニウ
ム(Al2 3 )等他の材料でも良い。
【0111】さらに、この露光マスクにはパターン上層
または下層にフッ化マグネシウムなどの反射防止膜をス
パッタ法等により形成する事も可能である。
【0112】実施例7 図12は本発明の第7の実施例の露光用マスクの製造工
程を示す断面図である。 この露光用マスクは、透光性
の石英基板11の表面に、膜厚100nmのCr膜パター
ンを形成すると共に膜厚0.25μm 透過率30%の半
透明膜からなるシフタ幅0.6μm の位相シフタ121
を形成したことを特徴とするものである。 まず、図1
2(a) に示すように、膜厚100nmのCr膜パターンの
形成された透光性の石英基板11の表面に、p−TER
PHENYLとPMMAとを、1:4で混合し、これを
エチルセロソルブアセテートに溶かしたものを回転塗布
し、膜厚0.25μm となるようにする。この位相シフ
タの振幅透過率は30%であった。
【0113】次に図12(b) に示すように、波長200
〜300nmの水銀灯による裏面露光を行う。
【0114】そして図12(c) に示すように専用現像液
TSKで現像を行った。
【0115】この後図12(d) に示すように、マスク上
でシフタ幅が0.6μm となるように硝酸第2セリウム
アンモニウム溶液でCrのサイドエッチングを行いマス
クを形成した。
【0116】このようにして形成された露光用マスク
を、NA=0.42の投影レンズを有するKrFエキシ
マレーザステッパに装着し、シリコン基板上にSAL6
01と指称されているネガ型レジストを塗布したウェハ
に、パターン転写(λ=248nm、コヒーレンシσ=
0.5)を行い、専用現像液で現像した。
【0117】これにより、従来の露光マスクでは解像し
得なかった高精度の0.25μm ,0.3μm 幅のライ
ン・アンド・スペースパターンからなるレジストパター
ンを得ることができる。
【0118】シフタの振幅透過率が100%である従来
の場合、パターン寸法0.3μm における最適シフタ幅
はマスク上で0.2μm であるが、プロセス上±0.1
μm程度のばらつきが生じてしまう。このシフタ幅の誤
差により生じるコントラストの低下は図13(a) に示し
たように相対値で0.05とかなり大きい。
【0119】これに対し,位相シフタの振幅透過率30
%の最適シフタ幅0.6μm では同じ±0.1μm の誤
差でもコントラストの低下は図13(b) に示すように
0.005と非常に小さい。
【0120】このようにシフタの透過率を下げてシフタ
幅を大きくすることにより、シフタ幅の誤差によるコン
トラストの低下を抑制する事ができ、結果として良好な
レジストパターンを提供することができる。
【0121】次に、図14に示すように等間隔のライン
・アンド・スペ−スにおける最適な振幅透過率とシフタ
幅δの関係を求めるため、光像強度分布を求めるプログ
ラムを用いてシミュレーションを行った。なお露光条件
はKrFエキシマレーザ光、NA=0.42,λ=24
8nm、コヒーレンシσ=0.5に設定した。振幅透過率
とシフタ幅とを変化させた時の最もコントラストの高く
なった組み合わせを図15(a) 乃至(e) に示す。この結
果から振幅透過率を小さくすればするほどシフタ幅は大
きくすることができることがわかった。
【0122】さらに0.3μm のライン・アンド・スペ
−スにおいてシフタ幅を固定して振幅透過率を変化させ
た場合の光像強度分布のコントラストの変化を図16に
示す。
【0123】この図からコントラストが極大となるシフ
タの振幅透過率はシフタ幅によって異なる事が分かる。
またコントラストが極大となる場合のシフタの振幅透過
率とシフタ幅との関係を測定した結果を図17に示す。
この図からシフタ振幅透過率を下げていくとシフタ幅を
大きくすることができることがわかる。
【0124】また0.25μm のライン・アンド・スペ
−スにおいてシフタ幅を固定して振幅透過率を変化させ
た場合の光像強度分布のコントラストの変化を図18に
示す。
【0125】またコントラストが極大となる場合のシフ
タの振幅透過率とシフタ幅との関係を測定した結果を図
19に示す。この場合も0.3μm のライン・アンド・
スペ−スと同様であった。
【0126】このような実験を繰り返した結果、この現
象は、マスクパターンのパターン寸法を露光条件のλ/
NAで除した値が0.34から0.68の時に共通であ
る事が分かった。そこでこの範囲内の各パターン寸法に
おいてシフタの透過率を任意に調整することによりシフ
タ加工に十分な精度を得られる範囲のシフタ幅で、大き
なコントラスト向上効果を得ることができる。
【0127】以上本発明について実施例を用いて説明し
たが、実施例の場合、位相シフタとしての透明膜は、レ
ジストとしても用いられるポリメチルメタクリレートお
よび無機膜である酸化シリコン層について説明したが、
これらに限定されるものではなく、露光光として用いら
れる波長436nm以下の光に対して透過率の高い材料
であれば良い。例えば無機膜としては、フッ化カルシウ
ム(CaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化ア
ルミニウム(Al2 3 )等他の材料を用いるようにし
ても良い。また、位相シフタとなるレジストとしては、
ポリメチルメタクリレート、ポリトリフルオロエチル−
α−クロロアクリレート、クロロメチル化ポリスチレ
ン、ポリジメチルグルタルイミド、ポリメチルイソプロ
ペニルケトン等の材料が考えられる。また、パターンの
厚さ等は、材料およびリソグラフィ光に応じて、適宜変
更可能である。
【0128】また、透光性基板および遮光膜の材料につ
いても、実施例に限定されることなく適宜変更可能であ
る。
【0129】加えて、位相シフタ層は必ずしも180度
の位相シフトを行うものである必要はなく、180度の
近傍でパターンエッジの光強度分布をシャープに低下さ
せる程度であれば180度をいくばくかはずれたもので
もよい。
【0130】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の露光
マスクによれば、遮光膜パターンの代わりに、半透明膜
パターンを用いることにより、コントラストが向上し、
解像度の向上をはかることができる。
【0131】また本発明の第2の露光マスクによれば、
露光光に対する光路長が異なるように構成されたシフト
膜と、この膜の上層または下層に形成されたマスク基板
と露光光に対して所定の透過率を有するように構成され
た透過率調整層としての半透明膜との積層構造で構成さ
れるようにしているため、位相をシフトさせる膜と透過
率を調整する膜とを独立に選択することができ、洗浄な
どに対する強度の高い露光マスクを得ることができる。
【0132】本発明の第3では位相シフタを構成する材
料の振幅透過率を調整することにより、コントラスト向
上に効果的なシフタ幅を大きくし、シフタ幅に必要とさ
れる精度を緩和するようにしているため、容易に高精度
でかつコントラストの高いマスクを形成することが可能
となる。
【0133】このようにして、本発明の露光マスクによ
れば、パターン密度に依存することなくパターンに忠実
で高精度のパターン形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の露光用マスクを示す図
【図2】同露光用マスクの透過率を変化させてシミュレ
ーションを行った結果得られた光強度分布を示す図
【図3】λ/NAで規格化した寸法を用いて形成した透
過率の変化に対するコントラストの変化を示す図
【図4】本発明の第2の実施例の露光マスクを示す図
【図5】同露光マスクの製造工程図
【図6】注入条件と透過率との関係を示す図
【図7】本発明の第3の実施例の露光用マスクの製造工
程を示す図
【図8】本発明の第4の実施例の露光用マスクの製造工
程を示す図
【図9】本発明の第5の実施例を示す図
【図10】本発明の第6の実施例の露光マスクを示す図
【図11】同露光マスクの製造工程図
【図12】本発明の第7の実施例の露光用マスクの製造
工程を示す図
【図13】同実施例におけるシフタ幅とコントラストと
の関係を示す図、
【図14】本発明の第8の実施例の露光用マスクを示す
【図15】シフタの振幅透過率とシフタ幅に対する光強
度分布のコントラストの関係を示す図。
【図16】シフタの振幅透過率とシフタ幅に対する光強
度分布のコントラストの関係を示す図。
【図17】シフタの振幅透過率とシフタ幅との関係を示
す図。
【図18】シフタの振幅透過率とシフタ幅に対する光強
度分布のコントラストの関係を示す図。
【図19】シフタの振幅透過率とシフタ幅との関係を示
す図。
【図20】従来例の位相シフト法の説明図。
【図21】従来例の位相シフト法の説明図
【図22】従来例の位相シフト法の説明図。
【図23】従来例の位相シフト法の説明図
【図24】従来例の位相シフト法の説明図
【符号の説明】
1 石英基板 2 マスクパターン 3 Crパターン 4 位相調整領域 5 酸化シリコン膜 6 イオン注入層 7 半透明層 8 酸化シリコン膜 11 石英基板 12 マスクパターン、 13 透明膜 21 石英基板 22 遮光膜 23 半透明膜 31 石英基板 32 半透明膜、 33 酸化シリコン膜。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】このような構造のマスクにおいて位相シフ
タの透過率を100%と仮定し、シフタ幅の最適化を行
ったところ、パターン寸法に応じて、コントラスト向上
効果の最も大きい最適シフタ幅が異なることがわかっ
た。例えば、図24に示すようにNA=0.42のエキ
シマ・ステッパを用いる場合、0.3μmのライン・ア
ンド・スペースの最適シフタ幅は0.04μm (ウェハ
上)、0.25μm のライン・アンド・スペースの最適
シフタ幅は0.06μm (ウェハ上)である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】この半透明膜は、p−TERPHENYL
とPMMAとを、1:4で混合し、これをエチルセロソ
ルブアセテートに溶かしたものを回転塗布し、膜厚0.
25μm となるようにしたのち、露光現像を行い、1.
5μm 幅のライン・アンド・スペースパターンとしたも
のである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】まず、図8(a) に示すように、大きさ5イ
ンチ四方、厚さ2.4mmの透光性の溶融石英基板1にレ
ジストRを塗布しEB露光を用いたフォトリソグラフィ
工程により、これをパターニングし、このレジストパタ
ーンRを介して表面全体に均一にシリコンイオンをイオ
ン注入し図8(b) に示すように、半透明層7を形成す
る。このとき転写パターンサイズ毎にパターン領域中に
おけるレジストパターンRを調整しておくようにすれ
ば、領域毎に透過率を所望の値に制御することができ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正内容】
【0089】次に、液相成長法により酸化シリコン膜8
をレジストパターンで囲まれた領域に選択的に形成す
る。ここで酸化シリコン膜8の膜厚は半透明層7と合わ
せて、透明基板を透過した露光光との位相差が,180
となるように選択する(図8(c) )。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】最後にレジストRを有機溶剤または酸によ
って剥離し露光マスクを完成する(図8(d) )。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間 博顕 神奈川県川崎市幸区小向東芝町 1 株式 会社東芝総合研究所内 (72)発明者 駒野 治樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町 1 株式 会社東芝総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板と、 前記透光性基板上に配設された遮光性材料からなるマス
    クパターンとを具備した露光用マスクにおいて、 マスクパターンとして、露光光に対する光路長が異なる
    ように構成された半透明膜パターンを含むようにしたこ
    とを特徴とする露光用マスク。
  2. 【請求項2】 前記マスクパターンのパターン寸法を露
    光条件のλ/NAで除した値が0.61以下であるマス
    クパターンに対しては、所定の透過率を有する半透明膜
    パターンを用い、 前記マスクパターンのパターン寸法を露光条件のλ/N
    Aで除した値が0.61以上であるマスクパターンに対
    しては、透過率がほとんど0となる不透明膜パターンを
    用いるようにしたことを特徴とする請求項(1) に記載の
    露光用マスク。
  3. 【請求項3】 前記半透明膜パターンは、そのパターン
    サイズに応じて振幅透過率が決定されていることを特徴
    とする請求項(1) に記載の露光用マスク。
  4. 【請求項4】 前記半透明膜パターンは、露光光で解像
    されないような微細領域に分割された振幅透過率の異な
    る複数の領域を有することを特徴とする請求項(1) に記
    載の露光用マスク。
  5. 【請求項5】 前記半透明膜パターンは、前記微細領域
    の占有面積比率によって振幅透過率を制御するように構
    成されていることを特徴とする請求項(4) に記載の露光
    用マスク。
  6. 【請求項6】 前記半透明膜パターンは、イオン注入に
    よって振幅透過率の変化された領域を含むことを特徴と
    する請求項(4) に記載の露光用マスク。
  7. 【請求項7】 透光性基板と、 前記透光性基板上に配設された遮光性材料からなるマス
    クパターンとを具備した露光用マスクにおいて、 露光光に対する光路長が異なるように構成されたシフト
    膜と、 この膜の上層または下層に形成されたマスク基板と露光
    光に対して所定の透過率を有するように構成された透過
    率調整層としての半透明膜との積層構造で構成されてい
    ることを特徴とする露光用マスク。
  8. 【請求項8】 透光性基板と、 前記透光性基板上に配設された遮光性材料からなるマス
    クパターンと前記マスクパターンの周囲に配設され露光
    光に対する光路長が異なるように構成された位相シフタ
    とを具備した露光用マスクにおいて、 前記マスクパターンのパターン寸法を露光条件のλ/N
    Aで除した値が0.34から0.68となるとき、位相
    シフタの振幅透過率を100%以下にし、この振幅透過
    率に応じて位相シフタ幅が大きく決定されていることを
    特徴とする露光用マスク。
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