JPH0560513U - エレクトレット濾材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレクトレット化不織布に接合する支持用不
織布に、防黴剤を混入した樹脂による樹脂加工を施し
て、防臭滅菌作用をさせる。 【構成】 エレクトレット化不織布２と樹脂加工した支
持用不織布３とを融着用シート４を介在させて重ね合わ
せ、加熱ロールを通して熱融着する。樹脂加工する樹脂
５には予め防黴剤６が混入してある。従ってエレクトレ
ット濾材１は捕捉した粉塵の有機物が腐敗して菌を繁殖
させ異臭を発するのを阻止する。従って防臭滅菌用のフ
ィルタを重複して装置する必要がない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、空気中の粉塵その他の微粒子を捕捉するためエレクトレット化し た濾材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来空気中に浮遊する粉塵や排気ガス微粒子、花粉その他微細な粒子を静電的 に捕捉するため、不織布をエレクレット化したものが知られている。例えば特開 昭６０ー１６８５１０号あるいは実開昭６１ー９５４１６号に開示されたものが それである。これらのエレクトレット化不織布は、これを構成する各繊維が静電 的に粉塵等を吸着しやすく、かつ空気の流通に対し圧力損失を少くするため、均 一な空気流となるように目の粗い低密度の不織布で構成している。従ってきわめ て柔軟なシートとなり、例えばエアフィルタ用としてひだ折りした濾過体とする と、エレクトレット化不織布のみでは自己の形態を維持することができず強度も 低い。そこで濾過体を形成するためのエレクトレット濾材としては通常の不織布 を形態支持用として重ね合わせたものを用いている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように従来のエレクトレット濾材は捕捉した粉塵等を保持し堆積させる ので、粉塵等の中の有機物の腐敗などにより菌が繁殖し異臭を発生する。このよ うな濾材をエアフィルタとして継続使用すると、下流側の室内等へ菌等が持ち去 られ、かえって空気を汚染する。あるいは異臭を室内へ持ち込むことになる。こ れを防ぐためには上記のエレクトレット濾材を用いたエアフィルタの下流側に脱 臭、滅菌用のフィルタを設けて、２段の濾過をしなければならない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案のエレクトレット濾材は、支持用不織布に防黴剤を混入した樹脂で樹 脂加工を施し、エレクトレット化不織布に重ねて接合したものである。

【０００５】

【作用】

この種のエレクトレット濾材は、エレクトレット化不織布が上流側になるよう にして用いられるが、下流側の支持用不織布が防黴剤を保有しているので、堆積 した粉塵等の腐敗が抑制され、菌や異臭が下流側へ放出されるのを阻止する。

【０００６】

【実施例】

図１にこの考案のエレクトレット濾材１の構成を示す。エレクトレット濾材１ はエレクトレット化不織布２と支持用不織布３とを、融着用シート４を介在させ て重ね合わせ、加熱ロール（図示しない）により熱融着して接合したものである 。

【０００７】 エレクトレット化不織布２は３〜４デニールのポリプロピレン繊維を坪量約１ ００ｇｒ／ｍ² の不織布とし、公知のエレクトレット化処理を施したものである 。

【０００８】 支持用不織布３は約１５デニールのレーヨン繊維を坪量約７０ｇｒ／ｍ² の不 織布に成形し、重量約３５％のアクリル樹脂５で樹脂加工（含浸）したものであ る。この樹脂５には予め防黴剤６としてパラクロロメタキシレノール（ＰＣＭＸ ）が混入してある。防黴剤としてはこのほか適宜のものが選択される。

【０００９】 融着用シート４は約５デニールのポリアミド繊維を坪量約１０ｇｒ／ｍ²の網 目状シートとしたものであり、融点約９０℃である。

【００１０】 エレクトレット濾材１はエレクトレット化不織布２、融着用シート４、支持用 不織布３を重ね合わせ、加熱ロールを通すことにより、上記３層が熱融着されて 形成される。尚、上記３層を熱融着した後に樹脂加工を施すとエレクトレット化 の効果が減殺されるから好ましくない。

【００１１】 また支持用不織布３は、樹脂加工により目が粗いものでも形態保持可能な程度 の腰の強さを持たせることができるので、目が粗く薄いシートとし、シャープな ひだ折りをしてピッチの細かいひだ折り濾過体を形成することもできる。従って 用途に応じてひだ折りの細かい濾過体としたり、支持用不織布を、比較的目の細 かい、あるいは厚味のあるものとして防黴剤の保有量を多くしたりする選択が可 能である。

【００１２】 このエレクトレット濾材１は図２に示すようにフィルタエレメント１０として 使用される。エレクトレット濾材１はひだ折りされて濾過体１１を形成し、長方 形状の枠形端板１２の内側に貼付け固定される。枠形端板１２の外周には例えば 発泡成形により多孔質としたものなど、弾力性のある合成樹脂パッキン１３が取 付けられてフィルタエレメント１０を形成する。

【００１３】 フィルタエレメント１０は角形の取付け枠（図示しない）に装着されてエアフ ィルタを形成し、エレクトレット化不織布２の側から空気を流入させて粉塵等を 除去する。このエアフィルタは角形のほか適宜の形状として、例えば車両用空調 の外気取入口に装着され、その他室内空気清浄器用等に用いられれる。

【００１４】

【考案の効果】

この考案のエレクトレット濾材は、支持用不織布に防黴剤を保有させたので、 捕捉した粉塵等が腐敗して菌が繁殖したり、異臭を発生したりするのを阻止し、 捕捉された粉塵等の作用により下流側の空気が汚染されることを防止する。また そのための防臭滅菌用フィルタを別に設ける必要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の構成を示す断面図

【図２】実施例の濾材を用いたフィルタエレメントの斜
視図

【符号の説明】

２ エレクトレット化不織布 ３ 支持用不織布 ５ 樹脂 ６ 防黴剤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレクトレット化不織布と、防黴剤を混
   入した樹脂で樹脂加工した支持用不織布とを重ね合わせ
   て接合したエレクトレット濾材。