JPH0560371U - 加工済み調理材料の収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は例えば業務用厨房において、あらかじ
め途中まで処理された調味材料Ａを一定の温度に冷却し
ながら取り出しやすいように準備しておくことのできる
収納ケースに関する。 【構成】冷却液Ｗを適宜レベルまで注入した収納本体２
と、この冷却液Ｗに適宜レベルまで浸漬する状態に置か
れ、内部に調理材料Ａを収納する個別容器３とを具えて
いることを特徴とする。この個別容器３はそれ自体冷却
液Ｗによって冷却され、内部の調理材料Ａも冷却状態に
保存する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の目的】 【産業上の利用分野】

本考案は飲食店の調理場や、そのほか主として大量に調理する業務用厨房にお いて、あらかじめ刻まれた調理材料等を一定の温度に冷却しながら取り出しやす いように準備しておくことのできる収納ケースに関するものである。

【０００２】

【考案の背景】

例えば中華料理店等では食事時に客が集中するため、料理用の具などはあらか じめ使用する大きさまで刻んで冷蔵庫に保存しておき、これを繁忙時間帯に常時 調理台上に容器に入れた状態で並べ、注文の都度これらを摘まみ取って加熱調理 したりして用いている。しかしながら例えば昼食時等の客の集中時間帯にしても 実際には二時間程度にわたるため、調理材料は周辺温度の影響を受けて、冷蔵し ておいたものでも時間を経るにつれ加温されてぬるくなってしまい鮮度を低下さ せてるばかりでなく、直接これら具が加熱調理なしで用いられるときには客に提 供する際に必ずしも良好な口舌感を与えなくなってしまうという問題も生じてい た。

【０００３】 もとよりこのようないわゆる具、ネタといわれる調理材料を冷蔵保存するケー スは存在するが、これらは保存ケースそれ自体を冷蔵温度に保ち、この中で冷蔵 保存するわけであるから具を取り出す都度、扉を開かねばならずその作業能率が 悪い上、冷蔵扉の開け閉めの際に冷気が漏れて冷蔵効率も悪化するという問題も あり、先に述べたような例えば一定時間に客が集中するような業態の場合には必 ずしも適していない。

【０００４】

【開発を試みた技術的事項】

本考案はこのような実際の作業実態を背景としてなされたものであって、本考 案者はあらかじめ刻んだ調理材料を取り出しやすい状態で一定温度に冷却保存で きるようにした加工済み調理材料の収納ケースの開発を試みたものである。

【０００５】

【考案の構成】 【目的達成の手段】

即ち本出願に係る加工済み調理材料の収納ケースは、冷却液を適宜レベルまで 注入した収納本体と、この冷却液に適宜レベルまで浸漬する状態に置かれる個別 容器とを具えていることを特徴として成るものであり、もって前記目的を達成し ようとするものである。

【０００６】

【考案の作用】

本考案にあっては、あらかじめ刻み加工等の処理がされた調理材料は個別容器 に収納され、且つこのものはこの収納容器ごと収納本体の冷却液に半ば浸漬する ように置かれ、このため個別容器周辺は冷却液によって一定の温度で冷却が継続 され、常時調理材料が新鮮な状態に保たれる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。符号１は本考案たる 加工済み調理材料の収納ケースであって、このものは収納本体２と調理材料Ａを 直接収納する個別容器３とが組み合わされて成り、且つこれらは使用時において は、図１に示すように例えば厨房の調理台４等に置かれて用いられる。

【０００８】 まず収納本体２について述べると、このものは一例として全体形状を角樋状を 成し、その周囲を図３、４に示すように発泡スチロール等の断熱材Ｉで覆われた ものであって、その底部近くに冷媒を通す冷却パイプ２０をそのほぼ長手方向全 長にわたって配設する。勿論この冷却パイプ２０は冷媒を通過させる単純な管路 であってもよいし、更に冷却効率を良くするためフィン等を具えたものであって もよい。

【０００９】 そしてこの冷却パイプ２０の上方にはすのこ状の透水性を有する載置板２１を 設ける。尚この載置板２１は収納本体２に対し固着状態に取り付けられていても よいが、内部の洗浄等を考慮すると収納本体２に対して取り外し自在に置かれた タイプのものが好ましい。

【００１０】 そしてこのような収納本体２には前記載置板２１より更に上方に達する程度の レベルまで冷却液Ｗを満たすようにする。この冷却液Ｗは多くの場合、水を用い るが冷却能力を増すため塩水等としてもよい。

【００１１】 更に前記冷却パイプ２０は収納本体２の一方の側端部に設けられた冷却ユニッ ト２２に接続されるものであって、この冷却ユニット２２は冷凍機を主体として 構成される。また冷却ユニット２２は収納本体２に隣接して設ける必要は必ずし もなく、屋外等に冷凍機等を設置してそこから配管を施し冷却パイプ２０に接続 させるようにすることももとより差し支えない。

【００１２】 更に収納本体２の上方には図４に示すように前後一対の保持用突起２３を設け るものであり、奥部側に鉤状の固定保持突起２３ａを設け、手前側に回動自在の 鉤状をした可動保持突起２３ｂを設ける。このものは図４に示すように個別容器 ３が冷却液Ｗに充分に浸漬たときに、これが浮き上がることを防止するために設 けるものである。従ってこのような保持用突起２３に代え、図７に示すように前 記載置板２１上に保持用磁石２４を設けて同様の作用を行わせることももとより 差し支えない。勿論この場合には載置板２１が浮き上がらないような処理をして おく。

【００１３】 一方これに用いられる個別容器３について述べると、このものは例えば平面形 状を正方形あるいは長方形、更にはサイズの異なった方形、円形、三角形等適宜 の形状とした容器である。しかしながら平面円形容器の場合にはその周辺隅部に 空間が生じ、ここから取り扱いに際して調理材料Ａがこぼれ落ちるようなことも 予想されるので、平面から見て収納本体２に収納される個別容器３は密に並べら れたような構成をとることが好ましい。また必要に応じ個別容器３の上面を塞ぐ 蓋２５、３０を用意しても差し支えない。勿論このような蓋は図８に示すように 個別容器３ごとにその全部あるいは一部に設けられる蓋３０とするほか、他の図 に示すように収納本体２を全体に覆うような蓋２５としてもよい。尚この蓋２５ は不要なときは収納本体２の後背部に設けた蓋収納部２６に格納する。

【００１４】 更にこのような収納ケース１は収納本体２を一段に構成するほか図９に示すよ うに二段に構成したり、更にはそれ以上多段に構成することももとより差し支え ない。このように例えば二段に構成した場合には上方の収納本体２からの調理材 料Ａの取り出しが比較的行いやすいように個別容器３はその手前側が低く形成さ れているものが好ましい。

【００１５】 本考案は以上述べたような構成を有するものであり、これを用いるには次のよ うに取り扱う。まず各個別容器３に対し調理材料Ａをその種類ごとに入れ、これ を収納本体２に対して順次嵌め込むようにして準備を行う。尚この調理材料Ａの 大きさ、量等に応じてこれにあった個別容器３を選択する。また例えば中華料理 用の調理材料Ａの場合、多くは水に浸された状態で個別容器３に収納される。一 方、収納本体２においては冷却ユニット２２の運転を開始し、冷却パイプ２０に 対し冷媒を通過させ、冷却液Ｗを一定温度に冷却した状態とする。

【００１６】 このようにしておくときには冷却液Ｗの温度が個別容器３に伝わり、その内部 を冷却してこれに入れられた調理材料Ａについても、これを充分冷却した状態に 維持し続けるのである。尚、冷却液Ｗは収納本体２内において冷却パイプ２０と 熱交換し冷却されるのであるが、冷却パイプ２０を収納本体２に対して必ずしも 設置状態に設けておく必要はなく、例えば冷却液Ｗの側を適宜の冷却装置に通し た上で収納本体２内に流入させ、常時循環させるように取り扱ってももとより差 し支えない。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上述べたような構成を有するものであり、個別容器３に入れられた 調理材料Ａは常に取り出しやすい状態に準備されるとともに冷却液Ｗによって常 時冷却され、調理材料Ａの鮮度等を維持した状態で保存される。更にその構成は 極めて単純なものであるから安価に市場に提供でき、この点でも有用性が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の収納ケースを適用した中華料理店の厨
房の様子を示す斜視図である。

【図２】本考案の収納ケースを示す分解斜視図である。

【図３】同上一部を拡大して示す斜視図である。

【図４】同上縦断側面図である。

【図５】同上縦断正面図である。

【図６】同上一部拡大平面図である。

【図７】同上個別容器の保持手段として磁石を利用した
実施例を示す縦断側面図である。

【図８】同上個別容器を各個ごとに覆うような蓋を設け
た実施例を示す斜視図である。

【図９】同上収納ケースを二段に構成した実施例を示す
横断面図である。

【符号の説明】

１ 収納ケース ２ 収納本体 ３ 個別容器 ４ 調理台 ２０ 冷却パイプ ２１ 載置板 ２２ 冷却ユニット ２３ 保持用突起 ２３ａ 固定保持突起 ２３ｂ 可動保持突起 ２４ 保持用磁石 ２５ 蓋 ２６ 蓋収納部 ３０ 蓋 Ａ 調理材料 Ｉ 断熱材 Ｗ 冷却液

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷却液を適宜レベルまで注入した収納本
   体と、この冷却液に適宜レベルまで浸漬する状態に置か
   れる個別容器とを具えていることを特徴とする加工済み
   調理材料の収納ケース。